TS-600を愛でる。の続きになるのかな、けっこう時間が経ちましたが、その後Xに書き連ねたTS-600の与太話をまとめました。
○AMのときには送受信の周波数が一致せず、受信周波数に対して送信周波数が600Hz下になるのが仕様であること
SSBやCWでは許されないことですが、AMではこうなっています。取説にもちゃんと書いてあります。
600同士がAMでQSOする場合は、このように相手にVFOダイヤルで合わせるとゼロイン合戦で永遠に600Hzずつ送受信の度に動き続けてしまうというおはなしです。だったら、RITツマミに「AM時はここに合わせるとゼロインだよ」という印(印を付ける案は友人談)を11時くらいに付けてくれれば解決します。当時のトリオ開発陣に提案したいですね。
TS-590と鳴き合わせるとこんな感じになりました。うちの個体だと11時です。
○TS-600の電源スイッチから右への横並びのスイッチの一番右隅は「R-DX」だが、輸出版はここがCALスイッチであること
並んでいる一番右のR-DXスイッチをONにするとプリアンプが動作し、ノイズが増えますw。長年これが当たり前だと思っていたのですが、輸出版の「KENWOOD TS-600」はこの位置が「CAL」になっています。600を国内に出す際に、日本の6mマンは目を三角にしてプリアンプを使うだろうという予想をしたのでしょうか。反対に海外では、聴こえないならボリュームを大きくすれば良いだろうということだったんでしょうか。
キャリブレーションですが、国内仕様はスケルチツマミをゼロ位置にするとクリックがあって、このクリックでリレーがカチンと動いてマーカーがONになってダイヤルを校正できます。うちの個体はリレーの動きが悪くてCALを切った後に電波が出なくなったりしてするので、その場合はカチカチやって復旧するのですが、それはさておき、輸出版はR-DXの位置のスイッチでこれをやるんですね。
ところが、そのRigPixのTS-600のページからリンクされているpdfの英語版サービスマニュアル(このリンクうれしい)をみると、並んでいるスイッチのユニット「スイッチユニット」の一番隅のS6が「CAL」ではなく「R-DX SW」になっていて、???となります。
英語を読める国でも仕向け地によってはR-DXになっている場合があるのかな。私はこれ、英語版サービスマニュアル作成の際に国内仕様のサービスマニュアルを単純にコピーしたので、画像が国内版のスイッチユニット基板になっちゃってるという想像をしているところです。
以降は余談です。
ところでこのスイッチユニットの一番右ですが、国内版の600はR-DXでした。TS-700(初期)はというと「SPOT」という謎機能です。
謎機能の解説を拡大すると「7. SPOTスイッチ このスイッチのみは、ノンロックタイプで、SSB送信のみに使用します。 SSBの送信時、このスイッチを上側に保持するとキャリア(搬送波)が発射されますので、交信相手にゼロビートを取ってもらうことにより、SSBの周波数同期ができます。」とありました。スイッチを下から摘まみ上げるときだけ動作するんですね。
国内仕様の後継のTS-700GIIは、この機能の代わりにFMのナロー化対応のための「WIDE/NARROW」の切り替えになっています。
ちなみに輸出モデルを調べたら、「KENWOOD TS-700」、「TS-700A」や「TS-700G」では、このスイッチは「TONE」でした。レピータ対応ですね。
さらに余談ですが、TS-600ではR-DXであるこの位置のスイッチ、TS-700GIIの次のTS-700SでようやくR-DXになりました。大混雑の2mでも飽和しないプリアンプが実現したんでしょうね。