「H1をあきらめない」というタイトルで書き始めた内容を分割して、H1の話題だけを独立したエントリーに改め、H1に関する話の最終回とすることにしました。
元々のエントリーの書き出しは2026年2月15日です。元エントリーに残した内容はこちらになります。
H1の場合、Pi-Starを使ってのVoIP接続は、キャリブレーションを最良にとっても、ビット欠けが起きたときの音質劣化が「最良点から350kHzズレたAT-D168UV」よりも悪かったり、BrandMeistar91のように入れ代わり立ち代わりいろいろな局が出てくるようなトークグループの場合、速度の速い頻繁な受信(信号の確認からデコードまで) に耐えられず、途中でピーとかギャーと異音が出たり、その直前の送信の局のデジタルコンタクトリスト引用情報が表示されたりと、なかなかの難物です。
直接波など電波での受信については、次々と入れ代わり立ち代わりというシチュがないので、これほどに感じることが無いのですが、VoIPでも感じるように、受信開始から音声がスピーカに出るのが遅く、いわゆる頭切れが起きがちです。バッテリーセーブ系の機能をオフにしてみたり、受信時に参照するコンタクト情報を無線機が迷う余地のないようRx Group Listをトークグループごとに1:1となるようにガチガチに設定してみても、改善が見られません。
教えてもらったり、調べた限りの設定を試してみても改善しないので、こりゃH1はファームウェアの更新が無い限りは、いつまで経ってもおすすめ機種にはできないなと思ってたところでした。VoIP経由でのデコードしなくなるしきい値がAT-D168UVに比べて高く、また、AT-D168UVとの比較をするまでもなく、H1でVoIP経由でおしゃべりしていると会話が成立しなくなる率が高くなるのをなんとか改善しようと、ホットスポット自体の見直しをしてみました。
Raspberry Pi Zero無印+MMDVMの組み合わせから、Raspberry Pi Zero2+MMDVMへの変更です。この変更で、Raspberry Pi自体リソースが大きくなり、処理速度が上がったことから、VoIP接続時のビット落ちが改善されて、音質の劣化自体は幾分改善されました。
H1自体は、もっと速く動くロジックでプログラミングしてファームウェア改修を行うか、もっと速いチップに入れ替えるかしないと改善しない(もうRetevis/Ailunceがんばれとしか)と思いますが、本体に手を入れるのはメーカーしかできないのですが、周りでできることの一つであるホットスポットの処理速度向上は多少は意味があったようです。
現時点での未解決やこうなってほしいなという内容を箇条書きにしてみます。
- 音量調整が極小音量域でできない。絞っていくと無音になる。無音から開けていくと9時くらいで突然音が出る。
- VoIP経由受信時に頭切れが起きがち。頭切れの件は直接波ではまだあまり使い込んでいないので未検証。
- VoIP経由受信時に、データの品質が下がると他機種よりデコードできなくなるのが早い。※本エントリーで書いたように、ホットスポットの処理速度を向上すると幾分良くなる「感じ」がする。ただこれ、信号の受信を繰り返していくうちにデコードできない率が上がってきますね。元の木阿弥というほど悪くはなっていない「感じ」ですが、QSOをワッチしていると、時間の経過に伴って悪い方向に戻る「感じ」はあります。
- 2026/5/14、直接波でも検証しました。 同じ信号を同じアンテナで、AT-D168UVとH1で聴き比べたところ、H1は信号を検知するもデコードできずに無音、AT-D168UVは完全復調します。VoIPではH1はダメな局面がありましたけど、直接波でもダメということで。聴き比べのとき、デコードできていないH1のSメーターアイコンはそれなりの信号強度を示していたので、電波が弱くてデコードできていないのではないようです。ほんとは動画があるのですが、おしゃべりしている人の情報が表示されているのでH1の画像だけです。2台並べて、上面のSMAの特殊コネクタからそれぞれMコネ変換コネクタをつけておいて、同軸をそれぞれの無線機にかわるがわる繋げてみました。AT-D168UVは同軸からのMコネの芯を変換コネクタの芯に接触するだけで受信信号のデコードが始まります。一方、H1はMコネを変換コネクタ奥まで押し込んでも、RXアイコンが点灯するだけで無音です。画像はA/BバンドをそれぞれSFR用シンプレックスのZoneを表示している状態で、下側のBバンドで入感中です。デコードできれば相手局情報を表示しますが、できていないのでRXアイコンだけです。我が家からは横浜青葉のSFRはビームアンテナで良い反射を狙わないと聴こえないと思ってましたけど、これは誤りで、シンプレックスで聴く無線機をAT-D168UVにすれば、ベランダホイップでも十分に聴こえることがわかりました。悪いのは地形からの相性ではなく、無線機だったのでありました。
- 選局ツマミを動かすと画面だけ選局したチャンネルに、音声は選局前のチャンネルになることがある。
- A/Bいずれかのバンドで信号受信中にFMラジオをONにすると、受信信号に重なってFMラジオが聴こえる。本来仕様は受信信号優先にすべきなのかな?
- チャンネル名称など、無線機に表示するフィールドの数が少ないので、名前の付け方に制約がある。少ないフィールド定義の名称を画面に表示しても、表示領域にはまだまだ余裕があるように見えるので、フィールドを広げてもらえるとうれしい。
- Call LogがDMR IDの数字でつまらないので、Digital Contact List(H1のCPSでは別の名前ですね)とマッチしたDMR IDはコールサインで表示してほしい。欲をいえば、時間とABどっちのバンドから取得したIDかを表示できたらAT-D168UVと同じですね。D168UVは同じIDが何度もアクセスしてきたら最新のものだけをログに残すという仕様になっています。 個人的にはコールサイン表示になってくれるだけでもありがたいです。
- Ailunceリソースセンターから専用デジタルコンタクトリストをダウンロードできるのはとてもうれしい、もう最高。だけど、
「VK3C**」1局のデータが重複していて、手作業で削除する必要がある。(削除した後に「UTF8(BOM付き)」で保存する必要があります。そもそもこの文字コードで保存できるテキストエディタ(Windows11のメモ帳はOK)を使わないとダメ。2026/2/16現在状況変わらず。後日検証しましたが、これは改善したようです。) - ほか、ここまでいろいろ検証して得た内容は、ラベル:H1を時系列でごらんいただければと思います。
H1は、今のところ良いところがありませんw
とてもお勧めなどできないし、コードプラグ(AT-D168UVのコードプラグ更新に合わせて内容をけっこう練り上げてるんですが)を公開して、買おうかなと思っている人のきっかけを作るなんて考えられません。
なんとかならないものかと色々検証(した上で、中の人に報告したんですけどね…)したんですが、今のところダメですね。あと、国際VHFなんかも感度が悪く楽しめないので、一度登録したものの、チャンネルから削除してます。今後ファームウェアの更新でデコードが良くなればいいのですが、それがいつ頃になるのか。
H1の良いところも書いておきます。バンド切り替え(*キーを短押し)、シングル/デュアル切り替え(#キーを短押し)、ZoneとVFOの切り替え(赤ボタン長押し)、デジタル/アナログの切り替え(VFOモード時に#キー長押し)がキーに割り当てられているので、3つあるPFキーに割り当てられる機能に余裕があります。例えば上面のオレンジ色のキーにFMラジオのオンオフを割り当てられるので、FMを聴くのが楽です。
このように良いところもあるんですが、肝心のDMRのデコードがいまひとつということになると、現時点ではこの機種を選ぶ理由はないと思います。
次にH1の話を書くタイミングは、ファームウェアの更新が行われて、それを触ってみて、ちょっと書いてみようかと意欲が出てきたときになります。
以下は元のエントリーの最後に書いた内容です。デジタルコンタクトリストの転送が遅いので、ちゃんと確認してから作業しないと時間をかけたあげく悲しい結果になるので注意しましょうということが書いてあります。
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データ転送時のTipsをついでに。
- CPSから無線機への転送にあたり、最初にFile→ConnectでCOMポートと機種を選ぶところを済ませておくべし。この際、無線機の内容がCPSに読み込まれる。CPSでコードプラグの編集をした後にこれをやると、せっかくの編集が無線機の内容で上書きされて悲しいことになる。
- 1.を予めやらないで、Operation→Communication PortでCOMポートを設定した後にWriteで無線機にデータを送ると失敗することがある。デジタルコンタクトリストみたいに大きなデータのときに失敗を経験した。いつも失敗するわけではなくて、そのあたりが不安定です。




