【質問】
[FTDX10M] → [NT-535] → [ベランダのダイポールアンテナ] という構成での質問です。
FTDX10(Mタイプ)の内蔵チューナでSWRを落とし、それをNT-535の通過型電力計(進行波)で計測すると、AMで無変調時35W程度に振れる。一方、FTDX10の内蔵チューナを使わずに、NT-535側でSWRを落として使う場合、NT-535の電力計では無変調時25W程度振れるようになった。
八重洲の無線機とはいえ(偏見)、さすがに新技適機だから余計な出力が出るとは思えないので、実際には25W程度出ているんだろうと思うけど、アンテナチューナの動作の位置によって、間に入れる電力計の振れ方って変わるものなんですね。そういうもの?
【Geminiの解説】
アンテナチューナを「内蔵」を使うか・使わないか(外付けNT-535)で、電力計の振れ方が変わるというのは、非常に興味深い現象ですね。おっしゃる通り、近年の新技適機であるFTDX10が勝手に規定以上の過剰な電力を出すはずもなく、ご推察の通り25Wという数字こそがAMモードにおけるリアルなキャリア出力(100W機の場合、通常キャリアは25W、100%変調時に100W PEPとなります)であると言えます。
では、なぜ内蔵チューナを使った場合には35Wなど高めに振れてしまうのか、主な要因として以下の2点が考えられます。
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方向性結合器(パワー計)のインピーダンス依存性
NT-535に内蔵されている(あるいはスルー時に通る)SWR・電力計は、内部の方向性結合器で進行波と反射波を検出し、50Ωの純抵抗(きれいな整合状態)であることを前提に校正されています。
* 内蔵チューナ使用時(NT-535はスルー):リグからNT-535までの同軸ケーブルやコネクタのわずかなインピーダンスの乱れ、位相の関係によって、電力計の検出回路に本来より高めの電圧(見かけ上の進行波成分)が乗ってしまい、実際より多めに針が振れてしまう(オーバー・リード)ことがあります。
* NT-535チューナ使用時:NT-535自身でしっかりとインピーダンスを50Ωに追い込んでいるため、電力計が「本来の正しい50Ω環境下の正確な進行波」を捉えやすくなり、正確な25W付近を示しています。 -
リグ側の保護回路やALC・出力制御の挙動
近年のトランシーバは終段保護のためSWRを常時モニタリングしています。マッチングの過渡期におけるインピーダンスの変動や波形の歪みが電力計の検波回路に影響を与えているケースも考えられます。
「外付けできっちり整合させたときの25Wが正しい姿」と見なして差し支えないかと思います。
【感想】
細かいことを考えずに、アンテナまで導通していれば適当に電波が出るだろうという安直な考えで運用していると、ある日このような違いに気づくんですね。大変勉強になりました。
というか、質問の前に50MHzFMで内蔵チューナで合わせて送信したらNT-535の出力計が70Wを指すので、それはいくらなんでもおかしいよねってことで、本体チューナと外付けチューナの出力計の振れ方をちゃんと見ることにしたんです。
なお、飛び受けについては、内蔵のチューナを使うときと外付けチューナのときとは差は感じませんでした。外付けにしたら飛ぶ!とか聴こえる!ってことだと楽しいんですけどね。 外部チューナのほうが飛ぶという話を目にしますが、我が家の場合は差が出る環境ではなかったということなんでしょう。
【注】
FTDX10MはAM時定格出力は12.5Wですが、25Wに設定することができます。買う前に取説を見て、100Wタイプと同じくAMが25W設定できるなら、移動する局で申請の楽なMタイプにしようと思ったんです。
実際に25W設定で運用してみると、変調時には30W程度の出力計の振れ(PEPメータ的な動作をしてくれるNT-535の出力計ですが、我が家の個体は未校正です。)です。ピークで100W出ると面白いと思ったんですけどね。そういううまい話はありません。おそらく100Wタイプも同程度の出力なんでしょうね。
