【お知らせ】
AT-D168UVのコードプラグを当分の間公開しています。いつまでかは考えていません。以下のURLからダウンロードできます。
自分のために作っているものなので、内容に責任を一切負いませんが、カスタマイズのベースに使うなど、ご参考にどうぞ。

2026年4月21日にファイルの更新を行いました。(4/21、長らく見落として載せていなかった3エリアの1局を追加しました。Zone「VoIP」を「VoIP1」と「VoIP2」に分けました。)

ファイルの説明、更新の概要などやダウンロードは以下のエントリーからです。ファイル更新の概要などはご一読くださいますよう。

「AT-D168UV(その6、コードプラグ)」
https://tr-1300.blogspot.com/2025/09/anytone-at-d168uv4.html


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当blogからのトーグループリストの公開は終了しました。FaceBookの公開グループ、DMR OpenSource Japanの「ファイル」からダウンロードできるようになっています。

2026年8月11日火曜日

2020年代最新の無線機の低電力変調を受信すると、受信機の時代によりどう見えるのか(少し見やすく改稿)

✍️ 筆者まえがき

こんにちは。また、カッコよいスタイルのついている部分があるエントリーです。少し前に「八重洲流数値演算型マイナス変調」の話を書きましたが、これは

FTDX10などの数値演算型低電力変調はいわゆるマイナス変調ではなく、PEPメータで計測すると搬送波のみのときに比べて変調時に電力が伸びていることから、受信側のSメータでは、本来は無変調時に比べて変調時に多めに針が振れるべきなのでは?

という疑問からスタートしました。

FTDX10でAMを送信する場合

  • RJX-601で受信すると、マイナス変調に見える
  • TS-590SやFTDX101MPで受信すると、ちゃんと無変調時よりも変調時にSが増える

という違いがあったので、無線機の世代によりどう見えるんでしょうね、ということをGeminiに解説してもらいました。

途中から振幅変調をオシロで見ための基本的なことの説明をしてもらった残骸になります。

解説は解説として面白いんですけど、一番下に昭和の無線機で検証してみたところもキモですので、途中が面倒でも最下部はごらんください。

(※ 以下よりGeminiによる技術解説パートになります)


AM受信時におけるSメーター応答メカニズムの変遷

検波回路・AGC抽出機構とSメーター指示特性の相関関係史

1970年代〜1980年代前半

アナログスーパーヘテロダイン初期(単体ダイオード検波・受動平滑AGC方式)

検波回路とSメーターの連動メカニズム

最終IF段から整流ダイオード(1N60等)へ分岐し、包絡線整流によって得られたDC電圧(平均振幅電圧)をRC積分回路で平滑化。これを「AGC制御電圧」および「Sメーターの駆動電流源」として共用していました。二乗演算を行わない受動平滑回路のため、側波帯の電力を正しく加算評価できない構造です。

[IF段信号] ──> [ダイオード整流(Vf不感帯有)] ──> [RC受動平滑(振幅平均DC)] ┬─> [IFゲイン抑制(AGC)] └─> [可動コイル型Sメーター]
代表的な機種例: National RJX-601, TRIO TS-600, TR-9300 など

AM受信時の特徴とSメーターの振れ方

  • トランス/コレクタ変調波での動作: 変調に伴ってキャリア自体の振幅も上に押し上がる(キャリアバンプする)送信機であれば、ダイオード整流の重い平滑回路を通しても「発声時に針が右へ伸びる(プラス変調)」動作を示しました。
  • 【キャリア固定型送信機やFTDX10受信時の「濡れ衣マイナス変調」メカニズム】: キャリア振幅が完全固定された高精度なAM波(完璧に調整された低電力変調や現代のFTDX10数値演算AM)が入ると、整流回路は側波帯の過渡的ピークに過敏反応して余分に深い負のAGC電圧を生成してしまいます。この過剰なAGCがIF段を強く絞り込み、基底キャリア成分(DCレベル)まで一緒に抑圧(キャリアダッキング)。その結果、変調がかかった瞬間に針が左へ落ちるという「濡れ衣のマイナス変調」が受信機内部の回路構造上発生します。
✍️ 筆者注記

この部分ですが、一番最後の実機での検証をご参照ください。AM専用機などダイオード検波の場合と、SSBとのマルチモード化されたプロダクト検波以降の時代で挙動が分かれたようです。

1980年代半ば〜1990年代前半

高機能検波IC熟成期(アクティブIC検波・独立ドライブ方式)

検波回路とSメーターの連動メカニズム

ギルバートセル型マルチプライヤやプロダクト/同期検波ICが定着。ダイオードの順方向電圧(Vf)による不感帯が完全排除され、極小信号から過大入力まで完璧なリニア検波が可能になりました。AGC回路とメーターバッファ(OPアンプ構成)が分離・独立したことで、過剰AGCによるキャリアダッキングが大幅に抑制されました。

[IF段] ──> [高精度検波IC (Vf影響排除/完全リニア)] ┬─> [リニアAGC回路] └─> [OPアンプ型ドライブ] ──> [高応答可動コイル]
代表的な機種例: TRIO / KENWOOD TS-930, TS-940, TS-950S / YAESU FT-1000(初期型)などの最高峰アナログ高級機

AM受信時の特徴とSメーターの振れ方

  • 検波ICのリニアリティによる動特性向上: ダイオード特有の不感帯が消え、入力されるAM波の包絡線エネルギーに対して忠実に追従します。
  • 【YAESU数値演算型AM波受信時のSメーター表現】: 検波回路の直線性が高くAGCとメーター回路が分離されているため、FTDX10等の変調波を受けてもダッキングを起こしません。無変調時には「キャリア指示位置(例:S7)で針がロック」され、発声すると側波帯の増幅エネルギーを捉えて「S7 ➔ S8.5へと針がキレ味鋭く右に跳ね上がる(正しくプラスに変調する)」という、ダイナミックな振れを示します。
1990年代後半〜2000年代

IF DSP導入期(過渡期・デジタル包絡線演算方式)

検波回路とSメーターの連動メカニズム

物理検波回路が消失。中間周波数(IF)信号をA/D変換し、DSP上の数学的アルゴリズム(包絡線検出:$\sqrt{I^2+Q^2}$)によってAM検波を実行します。Sメーターも「物理AGC電圧の平滑値」から脱却し、DSP内部で計算された「受信電力データ」をバーグラフへデジタル描画する方式へ移行しました。

[低IF段] ──> [A/D変換] ──> [DSP(包絡線演算 & ソフトウェアAGC)] └─> [受信電力数値算出] ──> [液晶/バーグラフ描画]
代表的な機種例: KENWOOD TS-590S / TS-870S, Icom IC-756PROシリーズ, YAESU FT-2000 など

AM受信時の特徴とSメーターの振れ方

  • 回路癖の完全排除: 物理平滑回路の時定数やダイオードの不感帯による誤作動(落ち込み)が物理的に起こり得なくなりました。
  • 【YAESU数値演算型AM波受信時のSメーター表現】: TS-590SなどのDSP機では、FTDX10の「固定キャリア+高品位側波帯」を受信した際、「無変調キャリアのバー位置が固定され、発声時には側波帯電力の加算に応じて正確に右(上面)へバーグラフが伸張する」という、極めてソリッドで素直な指示になります。
2010年代〜現在

ダイレクトサンプリングSDR時代(真の二乗電力リアルタイム演算期)

検波回路とSメーターの連動メカニズム

アンテナ入力を高速A/D変換。FPGA/DSP回路上で瞬時全電力 $P(t) = I(t)^2 + Q(t)^2$ を二乗演算することで、歴史上初めて「平均電力・PEP(ピーク電力)」を忠実に測定できるようになりました。Sメーターは単なる受信表示器から、測定器と同等の高精度な統合電力可視化装置へ進化しています。

[アンテナRF] ──> [高速ADC] ──> [FPGA/DSP (IQリアルタイム二乗全電力演算)] └─> [高精細液晶 (真の平均電力 / PEP表示)]
代表的な機種例: YAESU FTDX101MP / FTDX10 / FT-710, Icom IC-7300 / IC-7610 など

AM受信時の特徴とSメーターの振れ方

  • 【YAESU数値演算型AM波受信時のSメーター表現】: FTDX101MP等の最高峰SDR機で受信した場合、過剰AGCによる歪みやダッキングは皆無です。ウォーターフォール上には純粋な両側波帯(USB/LSB)のみが現れ、デジタルSメーターは正調変調時の理論電力増幅値(平均電力+1.76 dB / PEP 4倍)を一切の誤差なくリアルタイムに正しく表示します。

💡 技術解説:「平滑DC電圧」の限界と、昭和の「濡れ衣マイナス変調」

「検波出力を平滑したDC電圧=信号の平均電力を測っている」と思われがちですが、理論的にも歴史的にも、送信機の方式と受信回路の相性によって大きな見かけ上のギャップが生じていました。

  • 理論上のAM平均電力: 正調100%変調時、両側波帯(USB/LSB)のエネルギーが加算されるため、送信電力(平均電力)は無変調時の1.5倍(+1.76 dB)に増加します。
  • RC平滑回路の限界: アナログ受動平滑回路が得るのは「算術平均電圧($\bar{V}$)」に過ぎず、電力($V^2 / R$)に必要な二乗演算ができません。理論上でも変調時のDC電圧は「1.0倍(変化なし)」止まりです。
【当時の送信機による見え方の違いと、スクリーングリッド変調の微妙な立場】
  • ちゃんとプラスに振れた送信機(コレクタ/プレート変調):
    巨大な変調トランス等を用いるコレクタ変調やプレート変調は、変調時にキャリア振幅自体も押し上がる「キャリアバンプ(プラス変調)」を伴っていたため、古い受信機の重い平滑回路を通してもSメーターが誇らしげに右へ振れていました。
  • 「濡れ衣」と「実状」が交錯した送信機(スクリーングリッド変調や低電力変調):
    真空管のスクリーングリッド変調は、終段真空管で変調をかけるものの数ワット程度の僅かなAF電力で済む画期的な方式でした。しかし、直線性の範囲(ダイナミックレンジ)が狭くRFドライブや動作点の調整が非常にシビアだったため、調整ミスによって「送信機側で本当にキャリアが押し潰されてマイナス変調になっていた」ケースが多発しました。
    一方で、完璧に調整されてキャリアが安定した「理想的なAM波」を出していた場合でも、受信機側(RJX-601やTR-9300等)の過剰AGCに引っかかってSメーターが下に落ちてしまい、「正しく変調をかけているのにマイナス変調だと言われる濡れ衣の悲劇」も重なっていました。この「送信機側の調整難易度」と「受信機側の過剰AGC」のダブルパンチこそが、昭和のAM通信におけるマイナス変調論争の技術的背景です。
補足 Q&A

低電力変調のメカニズムと波形観察における真相

Q1. 真空管の低電力変調(制御格子変調など)も、70年代からの受信機ではマイナス変調に見えていた?「低電力変調=マイナス変調に見える」は真空管に限らずですか?

A. 完全に同じくマイナス変調に見えていましたし、方式が「低電力変調(キャリア固定型)」である限り、真空管・半導体・現代のDSP(数値演算型)を問わず旧式受信機ではすべてマイナス変調に見えます。

  • 真空管低電力変調(制御格子変調・抑止格子変調など)の場合:
    完璧に調整した理想波形であっても旧式受信機(RJX-601やTR-9300等)では過剰AGCに引っかかり「見かけ上のマイナス変調(濡れ衣)」になりました。さらに、真空管の動作直線性の範囲が狭くドライブ調整がシビアだったため、調整ミスで実際にキャリアが押し潰されて「本当のマイナス変調(実態)」を引き起こしやすいという二重の側面がありました。
  • デバイスや時代を超えた共通メカニズム:
    「低電力変調(Low-Level Modulation)」とは、小さな信号レベルでAM波を作り出しリニアアンプ等で増幅する方式の総称です。真空管の制御格子変調はもちろん、トランジスタ時代の平衡変調器応用、現代のFTDX10のようなFPGA/DSP数値演算型AM波に至るまで、すべて「無変調キャリア振幅が一定で変調時に側波帯だけが乗る」という共通波形を持ちます。
    そのため、受動平滑AGCを備えたアナログ旧式受信機で受ける限り、送信機側の素子や時代に関係なく100%「過剰AGCによるキャリア抑圧(見かけ上のマイナス変調)」が発生します。

Q2. 低電力変調をオシロスコープで見ると、変調した時に山が上に伸びる一方で、谷間が真ん中の線(ゼロ)までペタッと潰れるのはなぜ?「低電力変調はキャリアは固定されている」はずなのに、谷がゼロまで下がりきるのが直感的に分かりにくいのですが…

A. 谷がゼロまで縮むのは、キャリア(搬送波)が消えているからではなく、きれいな変調(100%変調)がかかった瞬間に「キャリア」と「サイドバンド(側波帯)」の波がお互いをピッタリ打ち消し合っている(プラスマイナスゼロになっている)からです。これは低電力変調でもコレクタ変調でも同じです。

「キャリア固定」の本当の意味:

「キャリア固定」とは、声を出している間も「無変調のときの太い帯が真ん中にそのまま残り続ける」という意味ではありません。「声を乗せても、土台となる搬送波(キャリア)のパワーそのものは増えも減りもしない」という意味です。
オシロスコープの画面では、無変調時の「太い帯」の幅を基準にして、声を乗せた瞬間に山が上に2倍膨らみ(+100%)、同時に谷が真ん中のゼロまでキュッと縮む(-100%)ことで、きれいな上下対称のひょうたん型になります。

昔ながらのコレクタ変調(トランス変調)との違い:

コレクタ変調でも、綺麗に100%変調がかかっていれば谷はゼロまで引き込みます。ただし、コレクタ変調は電源電圧そのものを音声で上下させるので、大声を出したときに「土台のキャリア自体がガツンと増えて、真ん中の帯ごと太くなる(キャリアバンプ)」という現象が起きがちでした。
一方、低電力変調は土台のキャリアパワーがビシッと一定に保たれるため、無変調のときの白帯の幅を基準にして、山と谷だけが綺麗に上下均等へ広がる美しい波形になります。

🎙️ 筆者による実機検証(本題)

【検証】八重洲「数値演算型低電力変調」を昭和の無線機で聴き比べてみた

Gemini解説の理屈はそれとして、実際に手持ちの無線機ではどうなっているんだろうということで、(酔っぱらって帰ってきましたが、勢いは大事です。)押し入れから70〜80年代初頭の機種を引っぱり出してきました。

検証に持ち出した昭和の3機種:
  • National RJX-601(50MHz AM/FM トランシーバー)
  • TRIO TS-600(50MHz SSB/CW/AM/FM マルチモード機)
  • KENWOOD TR-9300(50MHz SSB/CW/AM/FM マルチモード機)

理論上の想定

八重洲のいわゆる「数値演算(等価回路)型低電力変調」は、DBMで生成したDSBにDCキャリアを加算合成する方式です。純AM機の検波回路やAGCの応答特性、あるいはキャリア合成波形のアンバランスなどを考慮すると、ダイオード検波主体の古いAM受信機で受けた場合、変調のピークで平均キャリアレベルが押し下げられ、Sメーターの針が左に落ちる(マイナス変調)ように見えるのではないか……と予想していました。

実際に試してみた結果

FTDX10にアッテネータを接続して送信し、3機種を近くにおいて無変調でS9程度で受信できる状態を作り、無変調から「あーあー」と変調をかけた際のSメーターの振る舞いを観察してみたところ、以下の結果となりました。

  • RJX-601: マイナス変調
  • TS-600: プラス変調
  • TR-9300: プラス変調

受信機によって見事に結果が割れました。

(※特にTS-600が重たいので、画像はTR-9300だけでご勘弁くださいw)

なぜ結果が分かれたのか?(Geminiによる考察)

1. RJX-601(純AM機・ダイオード検波)の挙動

RJX-601は終段コレクタ変調を前提とした純AM機です。検波段は伝統的なダイオード検波で、IF帯域もAM用に約6kHzと広めに設定されています。
八重洲の低電力変調波を入力すると、キャリアとサイドバンドの位相関係や検波段のダイナミックレンジの影響を受け、変調の瞬間に「平均キャリアが下がった」と検波回路が判断してSメーターがマイナスに振れたと考えられます。

2. TS-600 / TR-9300(SSB/CW/AM/FMマルチモード機)の挙動

一方、TS-600やTR-9300はSSB/CWの受信能力を備えたマルチモード機です。
SSB/CWモード(プロダクト検波+FAST AGC)でキャリア近傍を受信した場合、変調によって発生した側帯波(サイドバンド)のエネルギーが素直に加算されます。低電力変調の本質である「変調に伴う全体電力の増加」をそのまま捉えたため、Sメーターが元気にプラス方向へ振れたと言えます。

🎙️ 筆者のまとめ

結局のところ、低電力変調の電波(ただし、ちゃんとした低電力変調であることが前提です。)を受信した場合、ダイオード検波以前だとマイナス変調に見えて、プロダクト検波以降は、低電力変調もちゃんとサイドバンド成分が出ているときにはSがそれに応じて増えて見える、というところですかね。

2026年8月10日月曜日

FTDX10が来ました(その7)

パラメトリックイコライザの話です。舌がまわりませんが、パラメトリックイコライザです。FTDX10には…FTDX101も同じだと思いますが、送信用に3バンドのイコライザを使えるようになっています。

この取説、とってもわかりにくいです。内容を理解するのに時間がかかりました。

まず、前提として

  • AM時はスピーチプロセッサは使えない
  • SSB時にはスピーチプロセッサはON/OFFできる(ただし、FTDX10の場合は、ON/OFFはメニューの中のスイッチをON/OFFするのではなく、スピーチプロセッサの設定をゼロにするとOFFです。) 

ということがあります。その上で、取説の47ページにあるように、FUNC→OPREATION SETTING→TX AUDIOで、取説47ページの上下2種類の3バンドのイコライジング設定を触るわけですが、これがわかりにくいこと。

  • 上側の「PRMTRC EQ1~EQ3」の3つは、スピーチプロセッサを使わない場合の設定です。AMではスピーチプロセッサは使えないので、MIC EQをON(FUNC→MIC EQをタップしてON/OFF)にすると、必然的に上段の3つの設定が有効になります。
  • 一方、スピーチプロセッサが有効なときにMIC EQをONにすると、下段の「P PRMTRC EQ1~EQ3」を有効になります。

取説の記述で下段のところに「AMCおよび」とありますが無視してください。AMCはスピーチプロセッサのON/OFFに関係なく、常時有効な機能です。これに捕らわれて文字を真面目に読むと混乱します。

最初、AM時のイコライジング設定をP付きの方にやっていて、無効なのにやった気になってました。「AMCおよび」を素直に読んだので誤っていたんですね。音が変わった気になっていたのはただのプラシーボでした。

 

スピーチプロセッサのON/OFFとパラメトリックイコライザの関係をもう一度整理します。 

スピーチプロセッサOFF時(AMのときには機能しないので必然的にOFFです)

  • MIC EQをOFFの場合はフラットな音質で送信
  • MIC EQをONの場合は「PRMTRC EQ1~EQ3」の設定で送信

スピーチプロセッサON時

  • MIC EQをOFFの場合はフラットな音質で送信
  • MIC EQをONの場合は「P PRMTRC EQ1~EQ3」の設定で送信

というわけです。 

 

今はまだイコライジング設定の迷路から抜け出ていませんが、

ここまでの経過では、私の声の場合は少し高めなので、右のAST878DMを使う場合はイコライザを通さないでそのまま使ってやったほうが良さそうです。セラミックエレメントは高い音が良く出るので、自分の信号がノイズに埋もれそうなときには有効になりそうです。

で、これに近づけたいということで左のM-100で使う場合のイコライジング設定をしています。このマイク、エレクトレットコンデンサマイクのエレメントを有効にしても、高いところは思ったほどは出ないので、イコライザの中高音域設定のEQ2とEQ3で強調しているところですが、ちょうど良さそうなところを探す必要があります。


少し遠めの局とAMでQSOした際に、おそらく変調がカリカリで届いてたようで、ローカル局と調整してみて下さいと指摘がありました。アスタティック風の高音強調で、さらにマイクゲイン多めで行ったんですが、歪み多めだったんでしょうね。
ということで、作戦を考え直し。

「MESSAGE」機能には変調深めのカリカリ目CQを録音していありますが、それはそのままにしています。この手のって概ね音が小さく送信されるので。問題は肉声で喋ったときの音質です。 こちらの電波が弱いと想定すると、自ずから声は大きめになるので、普段の想定よりも大人しめの音が出ないといけないはずなんです。録音したカリカリのと同じ設定だと、大声になったときに歪みが大きくなるようですから。

なので、デフォルト値に近い下から上までバランス良く出るように設定をして、多少大声になっても破綻しすぎないようにしてみた上で、近所のOMを捕まえて長時間拘束して、あーでもないこーでもないと調整を繰り返しました。

出来上がったパラメータはこんな感じです。「P」のつかない、取説でいえば、スピーチプロセッサを使わない場合の上段の設定です。私の声が高めであることを前提としています。Geminiの解説を入れていますが、美辞麗句は差し引いてください。 

EQ1 (200Hz / +2 / Q2):
高い声質にありがちな「線が細くなる感じ」を、200Hz帯をほんのり足すことで解消し、声に心地よい太さと温かみを与えています。

EQ2 (1500Hz / +5 / Q2):
1.5kHz付近は声の明瞭度や存在感(芯の強さ)に直結する帯域です。ここを広めのQ2でしっかり持ち上げることで、AMでも埋もれない前に出る音になります。

EQ3 (2700Hz / +9 / Q3):
2.7kHzを+9と大胆にブーストすることで、M-100のコンデンサーエレメントの良さを最大限に引き出し、AM特有のきらびやかで抜けの良い高音域(いわゆる「通りの良い美しい音」)を作れています。

結局出来上がったイコライジング設定は中音域は少し強調、高音域はかなり強調と、最初に作ったカリカリに近いことになりましたが、低音域はへこますのではく、少しだけ出してあげることでバランスをとりました。 

AMではスピーチプロセッサを使えないので、カリカリ音質で呼びたいときにはMIC EQをOFFにしてAST878DMに差し替えてやるか、設定はそのままにM-100のローカットボタンを押してやることも考えられます。

ローカットボタンを押したところ(青LED点灯)

SSBの場合はまだ考えていないのですが、MIC EQはOFFにして、スピーチプロセッサを軽く使うところから始めてみますかね。そういえばまだこの無線機ですが、AMとFMでは送信したことがありますが、SSBではハムフェア記念局を一度呼んだきり(しかも取れていないのでQSOに至らず)でした。

あとは努めて落ち着いて喋ることを意識してみることですかね。
加齢になっても、なかなかこのへんは難しいです。

2026年7月14日火曜日

FTDX10が来ました(その6)

IC-71世代の無線機でレポートをもらったら、変調時にS1つくらい下がるとのことでした。相手にはS6で届く関係で、距離は5-60km離れているところ。
10km先のOMの FTDX101MPで貰うレポートとは違いますね。無線機の世代によるSメータの振らせ方に違いがあるのか、あるいはただの「マイナス変調」なのか。

でも、IC-71で聴いて「マイナス変調」なら「マイナス変調」なんだろうなあ。最新の無線機で聴いたら「プラス変調」って言ってもね。
キャリアレベルを下げて好転するのか、でもパワーを多少下げても、変調時に消費電力が下がるのは同じなんだよね。

※隣のTS-590無印でモニタしてみると、5Wまで落とすと送信時にSが余計に振るようになります。でも、ID(ドレイン電流)や安定化電源の電流が下がるのは同じ。

 

なんてことをXでつらつら言っていたら、

にゃん氏が 

Sメーター信号をIF AGCから取ってるのかAFから取ってるのかで変わる?とか

という鋭い指摘です。さすが技術系OM。

 

そこでGeminiに質問してみました。 

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ご友人からの指摘、まさにアナログからデジタル(SDR)への受信機設計の進化の歴史を突く、非常に鋭い視点ですね!

この「IF AGCから取るか、AF(検波後)から取るか」というアプローチの違いが、なぜSメーターの挙動や見え方に決定的な差を生むのか。回路の動作原理を踏まえて、より深く掘り下げてみましょう。


1. 昭和のアナログ機:なぜ「IF AGC」連動だと下に落ちるのか?

多くのアナログレシーバーや往年の名機(RJX-601やIC-71など)では、Sメーターは「IF(中間周波数)ステージのAGC(自動利得制御)電圧」を利用して針を振らせています。

動作の仕組み

強い電波が入ると、受信機は音が歪まないようにIFアンプの増幅率(ゲイン)を自動で下げます。この「ゲインをどれだけ下げたか(抑圧したか)」の直流制御電圧を逆読みして針を振らせるのが、伝統的なSメーターの仕組みです。

時定数(レスポンス)の壁

AGC回路には、音声のパタパタした変化にいちいち同調してゲインが暴れないよう、コンデンサと抵抗による平滑回路(タイム・コンスタント)が入っています。つまり、音声変調のような高速な動きは完全に均され、「電波全体の平均エネルギー(キャリア+側帯波の総面積)」しか見ていません。

【ヤエスの数値演算型AM(AMC等)を受信した時の挙動】

変調がかかった瞬間に全体の平均電力がグッと引き下げられるため、平滑化されたAGC電圧は「電波が弱くなった」と判断します。その結果、メーターの針は**音に合わせて下に落ちる(マイナス変調のような挙動)**ことになります。

 

変調時に全体の平均電力がグッと引き下げられる点について、さらに聞きました。 

ヤエスの数値演算型AM(AMC:オートマチック・モジュレーション・コントロール等)において、「変調がかかると平均電力が下がる」という部分は、アナログの伝統的なAMを知っているほど「えっ、変調を深くかけたらパワーは増えるはずでは?」と脳内がバグるポイントですよね。ここには、デジタル処理だからこそできる「キャリア(搬送波)の動的コントロール」という高度な仕掛けがあります。仕組みを分かりやすく紐解いてみましょう。


(さら1) 伝統的なAMと「無駄なエネルギー」

まず基本として、昔ながらのアナログAM(100%変調時)の電力配分をおさらいします。

全電力 = キャリア成分(66.7%) + 側帯波成分(33.3%)

無変調時と変調時の比較をしてみると、

無変調時(無音): キャリアだけが100%の力で出ています。

変調時(大声): キャリアの周りに「側帯波(音声成分)」が上乗せされ、全体の総電力は無変調時の1.5倍に膨れ上がります。

ここで重要なのは、「情報を運んでいるのは側帯波だけで、キャリア(搬送波)はただの目印」という点です。つまり、大声を出している時も、静かにしている時も、常に巨大なキャリアを全力で出し続ける伝統的なAMは、非常にエネルギー効率が悪い(エコではない)通信方式なのです。


(さら2)数値演算型AMがやっていること

現代のデジタル処理(DSP)を搭載した送信機は、変調がかかった瞬間に「音声の大きさに合わせて、キャリアの強さをリアルタイムに細かく絞る」という計算を瞬時に行っています。具体的には以下のような動きをしています。

音が小さい(または無音)ときスケール感(目印)を保つために、キャリアを規定のパワー(例:100W機なら25W)でカチッと安定して出します。大きな音が入力されたとき音声成分(側帯波)がドカンと増えるので、そのまま側帯波を増やすと全体のパワーが過大になって送信機が歪んでしまいます。(ファイナルの容量不足、電源容量不足)

そこでDSPは、「音声が増えた分だけ、ベースにあるキャリアの出力をグッと引き下げる(間引く)」という演算を行います。要するに、「側帯波が増えるなら、その分キャリアの椅子を譲るわ」というコントロールをミリ秒単位で行っているのです。


全電力 = キャリア成分(66.7%→変調に応じて側帯波成分が増えたら減らす) + 側帯波成分(33.3%→変調に応じて増やす) 

※上にも同じような話が書いてあり、また、別の機会にGeminiに同じような質問をしましたが、変調がかかった際に増える側帯波成分の電力以上に、キャリア分の電力を減らす制御を行っているとのことで、変調をかけるとIDや安定化電源の電流が減るのは、無変調時に比べて変調時のほうが消費電力が減るから、という理屈だそうです。無変調を出すための25Wの出力のための電力を消費しているときが一番効率が悪く、変調をかけると効率がよくなるそうな

それについては、以下に続きがあります。 


2.数値演算型低電力変調では、なぜ「平均電力」が引き下げられるのか?

ここが一番のド核心です。キャリアを減らして側帯波を増やした結果、電波の「波形のてっぺん(ピーク電力:PEP)」は、歪まない限界ギリギリの高さ(アナログAMの限界値と同じ高さ)まで綺麗に使い切ります。

しかし、波形全体の「面積(平均電力)」で比較すると話が変わります。

アナログAM: 常に重いキャリアがベースにあるため、変調時は全体の面積(平均電力)が1.5倍に増える。

数値演算AM: ピークの高さは同じですが、ベースにあるキャリアをグッと削って音声成分に入れ替えているため、波形の「谷」の部分が深く削り取られます。結果として、全体の面積を合計すると、無変調時よりも平均電力が小さくなる(引き下げられる)のです。

視覚的なイメージ電波の波形を「山」に例えると、次のような違いになります。

アナログAMの変調: 元々ある高い地面(キャリア)の上に、音声の山が乗る。全体の体積(平均電力)はドカンと増える。

数値演算AMの変調: 地面(キャリア)を低く掘り下げて、その分尖った鋭い山(音声ピーク)をそびえ立たせる。山の頂上(ピーク)は高いけれど、地面を削った分、全体の土の量(平均電力)はスカスカに減っている。

この「スカスカに減った土の総量」を正直に真面目に測ってしまうのが、タイム・コンスタント(平滑回路)の入った昭和のアナログ機のIF AGC型Sメーターです。

だからこそ、音が乗った瞬間に「あ、土の総量が減った(電波が弱くなった)」と勘違いして、針が下に落ちてしまうわけです。送信側のエコなデジタル技術と、受信側のアナログ回路の特性が組み合わさることで起きる、非常に面白い現象ですね。

※なるほど、八重洲流の数値演算型低電力変調は「変調時に平均電力は減る」。平均電力をみている旧来のSメータは、変調をかけると振りが減るということで、それはそれとして正しいと。旧来の無線機からみたら、立派な「マイナス変調」ということになります。

 

3.現在のAF(検波後)やDSP処理:なぜSメーターが「上」に跳ねるのか?

一方で、ご友人が指摘された「AF(検波後)」から信号を取るアプローチや、現代の「DSPによる数値演算」では、アプローチが根本から異なります。
アナログ回路で「検波後(AF)」から取る場合

もしAGCの効いたIFではなく、検波した後の音声信号(AF)の成分を整流してSメーター(または変調メーター)に加算・連動させる設計の場合、話は変わります。
検波後の信号には、音声の「波形の振幅」そのものが残っています。時定数を極めて短く(チャージを速く)設定すれば、無変調時(キャリアのみ)の電圧に対して、変調によって広がった「側帯波のピークエネルギー」を上乗せして検知できるようになります。そのため、変調に合わせてメーターが上にポンポンと跳ねる動きを作ることが可能です。

現代のSDR機(FTDX101など)のDSP演算

現代のSDRリグは、この「検波後処理」の究極系です。IFステージの段階でAD変換され、すべては「デジタル数値」として処理されます。

超高速サンプリング

もはや時定数による「均し(平滑化)」に縛られる必要がありません。ミリ秒単位、あるいはそれ以上の超高速でエンベロープ(電波の包絡線)の「瞬間のてっぺん(ピーク電力:PEP:包絡線尖頭電力)」を正確に計算できます。

【ヤエスの数値演算型AM(AMC等)を受信した時の挙動】

平均電力は下がっていても、変調時の「山の頂点」自体は無変調キャリアの2倍(電圧比)へと突き抜けています。DSPはこれを一瞬も見逃さずにサンプリングするため、液晶のバーグラフやメーターは**上にツンツンと小気味よく跳ね上がる(プラス変調の挙動)**わけです。

まとめ:メーターが見ている「景色」の違い

ご友人の指摘通り、メーターの信号源と処理回路が違うだけで、見ている景色はこれだけ変わります。

    IF AGC(アナログ平滑) = 電波全体の「平均体積」を見ている

    AF(検波後短時定数)/ DSP peak = 電波の「瞬間の背丈」を見ている

同じ電波を受信していながら、リグの回路構成(ド核心)によってメーターが真逆のダンスを踊る——。この仕組みの違いを理解して受信機と対峙すると、リグの個性が透けて見えて、アマチュア無線的な面白さがさらに倍増しますね!

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思い出してみると、 FTDX101MPのAM信号をRJX-601やTR-9300で聴いたときはマイナスな変調でした。先日から八重洲の新しい機種同士でやってるとそんなことは無かったので、この違いはSメータの計測ポイントの違いとすると腑に落ちます。
ほんとはIFのAGCが効いてないポイントが良さそうな気がします。

 

八重洲流の数値演算型低電力変調を聴く場合、
⚪︎旧来の無線機ではIFから取っているので、私の信号は「マイナス変調」
⚪︎八重洲の近年の無線機ではAFから取って「プラス変調」

これは変えられないので、あとは私の信号の実際の質がどうなってるのかです。
⚪︎相手局の環境はノイズがS5振れている、旧来のIFから取るSメータ
⚪︎私の信号はS6で到達
⚪︎変調をかけるとS6からS5に落ちる
その場合、私の変調はノイズに勝って相手に了解してもらえるのか、というところ。

相手のSメータが、IFから取っても、AFから取っても、Sの振れには関係なく、私の信号の尖塔値がノイズの尖塔値より実際には越えていれば、この八重洲流の数値演算型低電力変調の了解度がノイズにより下がらないならしめたものです。

FTDX10の八重洲流数値演算型マイナス変調(江戸文字で書きたいところです)は、旧来の無線機では「マイナス変調」に見えるとしても、音がつぶれずに、ノイズの中でもちゃんと聴こえてくる変調なのかどうかってところが焦点でしょうね。

ダメってことになると590無印の一軍復帰かなあ。でも受信は FTDX10のほうがぜんぜん良いんだよなあ。

2026年7月10日金曜日

FTDX10が来ました(その5・オバケ()の部分更新)

その4の続き、なんですかね。余談です。

長年、スペクトラムスコープというものは、どこか遠い存在だったんです。TS-2000SXでも、TS-950SDXでも、直近のメイン機(我が家では不遇な扱いを受け続けていますが)TS-590無印には、PCに接続して無償提供のコントロールソフトを動かすととゆっくりとバンドをスキャンする機能がありますが、実用にはなりません。

IC-9700で初めてのスペクトラムスコープの経験をしました。ですが、この無線機では1200MHzのFMでラグチューするくらいの用途でしか使っていないので、付近の周波数にコールサインを言わない集団が出てきた、引っ込んだというのを横目で見るくらいのものでした。

今回、FTDX10で初めて本格的に経験することになったんですが、面白いですね。オシロスコープや音域を表示するグラフは9700同様オマケなところがありますし、八重洲自慢の3DSS表示はちょっと目を引くのでデモ画面向きだと思いますが、シンプルにスペクトラムスコープ表示にして使い始めてみると、50やHFでバンドが開け始めるとグラフに表示される信号が増えて面白いです。

ダイヤルを動かしながらグラフをみると、受信の中心点に追従して回りの信号もくっきり見えながら動いてくれると良いんですが、ダイヤルをゆっくり回さないと追いかけようとしている信号が見えなくなってしまいます。我が家のアンテナがプアなので、信号の山自体が低くて消えやすいところもあるんですが、このあたり改善できないものかなと。それでも、スペクトラムスコープに表示するノイズフロアのレベル調整ができるところは良いと思います。9700でもレベル調整ってできるのかな。自動で合わせてくれるなら楽ですけどね。

50.550MHzのAMモードを聴いていると、スペクトラムスコープで見る幅の設定によって、50.490MHzの大田区のビーコンを見ることができます。この画像ですと、点線のほうがビーコンの周波数になります。その左側10kHz低いところに時間軸に残る青い線が、その10kHz下の50.480MHzにオバケです。

このオバケですが、普段はいないんです。Esが発達してくると見える面白いやつなんです。


動画を載せてみます。受信音声は絞っているので、部屋の音しか聴こえていませんが、2つの信号が見え隠れしているでしょう、しかも、本物と時間的に同期していなくて、オバケのほうは数秒遅れて届くんです。どこかに反射して戻ってきてるんですかね、100km上空のEs層に行って戻ってくるだけなら数秒なんてオーダーで遅れることは考えられないんですが、不思議です。

無線機のナニカによる相互変調や混変調なら、本物と時差の無い信号になるはずなんですよね。不思議です。 

オバケが見えていた時間の国内4カ所の電離層の状態です。稚内では発達、国分寺もじわりと、山川も発達していますね。このオバケ、Es現状を見せてくれるなら便利です。こういうのって、スペクトラムスコープが無い無線機の場合は50.490付近を注意深く聴かないと気づかないですから、俯瞰してみることができるのは、やっぱり画期的なんだと思います。 

TS-590無印に同軸をつけかえて聴き比べてみればよかったんですが、興奮のあまり忘れていました。スペクトラムスコープのバグかもしれないと、オバケのほうの周波数をSSBで聴いてみましたが、やはり信号が来ています。

これって、他の無線機でも同じですよね?諸兄姉の状況をお聞きしてみたいです。 

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2026年7月18日、オバケと勝手に思っていたものの正体が判明しました。

スペクトラムスコープにオバケ()が見えたので、アンテナをTS-590無印に繋ぎなおしてみると、

 

JR8YPC、北海道当別町の50.480MHzのビーコンです。調べればわかるんですが、すみません、調べもせずにオバケ扱いをしてて。

言い訳をしますと、我が家では50.490の大田区のビーコンは結構強くて、AMで聴いてると付近の周波数も符号と一緒にパスパス言っちゃうんです。なので長年10kHz下に別のビーコンが居るのに気づかなかったんです。 今回、スペクトラムスコープ付きの無線機が来て、初めて10kHz下に何がいる!となったですね。

というわけで、北海道が開けている指標にもなるので、50.480にビーコンが見えたらワクワクしようと思います。お粗末でした。 

FTDX10が来ました(その4)

その3の続きです。

まだぜんぜん使いこなすところまで来ていませんが、その後の気づきを並べます。


1.ながらCQのためのメッセージ録音機能

50MHzのAMみたいに、SSBでもそういうところがありますが、延々CQを出しても誰も呼んでこない、そもそも誰も聴いていないかもしれないこの時間、一人CQを出し続けるのは、趣味であってもなかなか忍耐がいる作業です。 せっかくこの機能があるので使ってみることにします。

このメッセージ録音機能ですが、無線機本体にこのためのメモリ領域が用意されておらず、かならずSDカードが必要になります。メニューなどの設定のバックアップができることだし、差し込んでおいたほうが良いですね。Pi-Starで使っていた余りのMicroSDカードをSDカードアダプタに入れて差し込んでおくことにしました。


オプションのFH-2はもっていないので、画面で操作します。取説ではボイスメモリーというんですね。画面ではMessage Memoryと表示されています。

下はメモリバンク1に録音した音声を再生しているところです。恥ずかしいので動画は出しませんが、録音音声再生中はこのようにMessage Memoryのダイヤログで画面中央が占有されてしまい、録音音声のスペクトラムスコープを見ることはできません。

この録音音声の再生中なんですが、スピーカから自分の声が大音量で出てきて驚きます。再生中はTS-590無印もそうなんですけど、音量の操作も何も受け付けなくなるんですね。電源を落として中断するしかないんです。

取説には書いていないんですが、設定を見つけました。 再生時の音量はRX LEVELで調整します。このメモリを使った送信中のマイクゲインはTX LEVELで調整します。RX LEVELは耳に小さく聴こえるくらいに下げて、TX LEVELのほうは590無印でモニタ(590は不憫な生活が続いています)しながら少し上げておきました。 

これでながらCQを出せます。あんまり連続で出していると「こいつまだやってる」と煙たがられてしまうので、ほどほどにですね。

 

2.トーンコントロールができる(マクラが長く、本題に内容がありません。ご了承ください。) 

少し前にTR-9300のAM受信時の聴感を変えられないかということで、ABWアンプを試しました。

これは、有志のとりまとめで市民ラジオ機を現行スプリアス基準に適合改造する際に、オプションの機能として取り入れられていたものです。単体での販売要望があったんでしょうね、AF的に高音、TREBLEを無段階にカットして、AMの受信時にノイズを聴こえなくして、聴感を良くするものです。

以前のエントリーに、TR-9300のAM受信の性能がイマイチという話を書きましたが、もうひとあがきということで、試したときの画像です。9300の性能的に聴こえないものは聴こえないままですが、ABWアンプによる高音カットで受信時の聴感については良くなりました。 

一昔前のちょっとしたラジオやラジカセには、TREBLEとBASSのコントロールツマミがついてましたよね。あれと同じです。

TS-590無印でもAMで試しました。590にはスロープチューンが付いていますが、TS-950シリーズのように無段階ではないんですね。それでも950とは違ってクリスタルフィルタ(AM時はセラミックフィルタかな)による上下帯域のカットではなく、590はIFDSPによるカットなので、AMのような広い帯域であっても聴感が変わるレベルのカットができます。ですが、無段階ではないんですね、ここは残念なんですけど。 590無印においても、ABWアンプによる無段階の高音カットは有効でした。

無線機でも、AF的にTREBLEやBASSの出しや凹みの調整ができたほうがいいよな、なんて考えていたんですが、FTDX10ではこれができることを知りました。

低音と高音を強調した設定で、ラジオ日経第二の「RaNi Music」を聴いてみます。

スピーカはいつものトリオSP-70ですが、フラットのときと比べてあんまり変わりませんね。本体スピーカだと変わるのかな。

無線局の受信に切り替えて、AF TREBLE GAINを下げて、ABWアンプの高音カットと同じことをやってみましたが、理屈どおりに効きます。でも、この無線機だと、ノイズカット目的なら使いやすいNOTCH、CONTOURやDNFを使うほうが手っ取り早いと思います。

すみません、本題の要点は3行だけでした。お粗末。

2026年7月9日木曜日

DMRハンディ機で使うスピーカーマイク探しの旅

AT-D168UVが我が家に来て以降、いろいろなスピーカーマイクを試しました

ここまでの見極めでは、

受信ではこちらの玉石混交モールから買ったオレンジ色のPTTボタンのマイクが一番良いです。スピーカのユニット自体の大きさや、筐体の大きさもあると思いますが、一般的に聴きづらいスピーカーマイクの中でも、比較的聴きやすいです。 

※マイク正面上側にあるメーカー名と、裏側に貼ってある「MIC」(MICっていったって、見りゃわかるでしょ)とあるステッカーは剥がしてしまっています。 

 

一方、送信音質については、SMC-34が良いとの評価でした。今でも新品で買えるんですよ、これ。受信音も筐体の大きさからすれば良いと思います。小さいことは正義とは限らないので、筐体はもう少し大きいと良いんですけどね。やはり送信音質というか、私の場合は、SFRまでのアクセスが電波ではなくホットスポット経由なので、SFRに電波でアクセスしている局より音質が劣るということもあります。なので、少しでもマシな音にすべく、最近はこちらで。

実は我が家のSMC-34は、マイクの穴と思しき部分にドリルで穴を空ける加工をしています。もう10年じゃきかないくらいの前の話ですが、TH-89で喋ったときに、受信側から音がこもると指摘があり、よーく前面パネルをみてみると、スピーカの穴の左上部分に並ぶ8つの小さい穴がマイクの部分だと思うんですが、これをさらに見てみると穴がふさがっています。

おそらくケンウッドとしては、特小などを屋外で使う際の防滴対策でこうしたと思うんですが、これじゃこもるよね、ということで穴を空けました。近年のロットはどうなっているんだろうということで取り寄せてみると、

新旧揃い踏みです。左は旧来からのもの、右は新品です。色が違いますね。ケンウッドのグレーはこんな色でしたね、そういえば。

で、拡大してみると、

塞がっています。

ということで、再び開けました。

ちょっと穴の大きさがまちまちになりましたが、そこはご愛敬ということで。これでこもらないちゃんとした音になります。ただし、ここから水が入ると内部に直撃するので注意ですね。お仕事ではないので、雨の中運用するということはないですが、注意しないと。

分解したときに、何をどこに戻せばよいかで迷ったので、SMC-34の分解図を載せておきます。 あなたの分解に幸多からんことを。


2026年7月8日水曜日

旅先にホットスポットを持ち出し、スマホテザリングでいつもの地元SFRへ

Geminiに画像をつくってもらったんですが、こんなイメージです。旅先のホテルの一室に

  • いつものDMRハンディ
  • ホットスポット(Raspberry Pi+MMDVM)
  • テザリング用スマートフォン 
  • 電源用のモバイルバッテリー 

を持ち込んで、いつもの自宅近所のSFR、デジピータで声を出すというもの。私のDMR運用の個人的な完成形です。 

実際には女の子が声を出すのではなく、わたくしのような加齢が運用するわけですが、例示は実物よりもこっちのほうが良いでしょう?

リクエストしていないのに、ホットスポットのケースは買おうとすると高い透明のもので、スマホの画面は芸が細かくPi-Starを表示しています。Geminiさすがです。

先に結論を書いちゃっていますが、この絵の運用形態が私のやりたいことの完成形になります。これを、モバイルバッテリーの代わりにDCアダプタ、iPhoneのテザリングの代わりに自宅用無線ルータに置き換えた状況が、常日頃の自宅からのアクセス方法になります。ですので、インターネット接続の手段と電源確保の方法が変わるだけで、いつでも自宅と同じ方法でトークグループにアクセスできるわけです。 

ということで、それぞれの機材についての設定に入ります。

まず、無線機ですが、AT-D168UVの場合であれば、D168UV(その6)からダウンロードしたコードプラグを使えばほぼ準備完了です。あとは、デジタルコンタクトリストを各位インストールしてください。デジタルコンタクトリストはいろいろなところで篤志家による公開が行われていますけど、この件について説明する場合は「Radio ID公式から1年のサブスクリプションによりダウンロードしたほうが中身も安定していて結果として楽」としています。サブスクもいくらでもないので、無料でないと死ぬ人以外にはおすすめです。

ちょっと毒が混じりましたが、無料にこだわるなら、更新タイミングは毎日ではないですが、Githubで無料公開してくれている人もいます。また、米国で公開されているこのへんを使うのも手です。このあたり、継続的に安定して公開されているのを期待するなら、RadioID公式以外にはないので、多少のお金(2026年5月14日現在、年間12.99ドルです)で解決したほうが楽だと思います。

デジタルコンタクトリストが入れば無線機の準備は終わっています。Zone「VoIP1」では438.01MHzで、「VoIP2」では430.73MHzで、ホットスポット経由で国内各地デジピータ(SFR)に繋がっているTGIFトークグループに接続できるようになっています。 

次にホットスポットです。 

ホットスポットについてはPi-Starの設定を438.01MHzまたは430.73MHzにして、キャリブレーションを取れば完了です。設定についてはこのあたりから書き残しています。必要により遡ってみてください。

周波数についてはコードプラグに合わせるように、適宜設定してください。コードプラグ側を一括で書き換えて別の周波数にしても良いと思います。これらの周波数は私の自宅において無難な周波数にしているに過ぎないので。ただし、ダミーロードで使うにしても、一応はバンドプランは守ったほうが良いと思います。微弱電波が届く範囲にアマチュア無線家がいる可能性もあるので。

 

SFR-MeshTGIFchangerを設定してあるSFRのおかげで、目の前のDMR機から直接波が届く範囲にそんなSFRがある場合には、それぞれのネットワークが繋がっている先の遠方のSFRに接続することができるようになりました。

私の場合は、「インターネット環境のある遠方から自宅近くのいつものSFRで声を出す」というのに興味をもってDMRトランシーバを触っていました。ホットスポット経由で遠方からのモービル運用や海外から地元のSFRにアクセスしている方もいらっしゃいます。 


DroidStarをスマートフォンにインストールして、それからTGIFネットワークを通じて近所のSFRでおしゃべりというのも良いんですが、私の場合は無線機で喋りたいんです。なので、無線機→ホットスポット→(テザリングや出先の)インターネット網→TGIFネットワーク→近所のSFRというルートで喋るのが良いんです。

少し前に、にゃん氏が旅行中のバルセロナからDroidStarで近所のSFRに出てきました。私はそのときちょうど山形に旅行に行っていて、AT-D168UVとホットスポットを持って行っていたので、バルセロナと山形で話ができる(それが自宅近所のSFRから電波で流れる)と楽しいんだけどなと思っていたんですが、残念ながら時差の関係だったり、飲みに行ってしまったりで、QSOには至りませんでした。

海外からのアクセスの場合はDroidStarが無難でしょうね、スマートフォンからなら現地ライセンスの有無は関係ないので。無線機+ホットスポット+テザリングで行く場合はどうでしょう、無線機は出力を絞って200mW、ホットスポットはダミーロード接続としても、現地での運用許可が無いとダメなんでしょうね。こういう場合は手続きなしでいけるDroidStarのほうが簡単ということになります。


 

余談ですが、

日本国籍で、日本では2アマ、米国ではアマチュアエクストラという例があるとします。わたくしですけど。

この場合、日本ではエクストラを根拠にすれば1アマ相当の従事者免許として読めますし、米国ではエクストラそのままの扱いです。では、CEPT加盟国ではどうなるかというところなんですが、FCCの免許を根拠にしてCEPT加盟国で運用するのはダメっぽいです。ARRLのCEPTに関するページでは以下の3つの持参が必要とあります。

1) Bring an official FCC-issued US license not the reference copy. This can be obtained through the FCC ULS system here:

2) Bring proof of US citizenship (generally in the form of a Passport).

3) Bring a copy of the FCC's CEPT Public Notice which details what US Amateurs need to consider, and bring with them, when traveling to a CEPT country (notice DA 16-1048 issued September 2016 contains information in three languages, English, French and German).

とあります。2)の米国市民じゃないとダメってのが大きいです。本当に現地で運用をするなら、2アマを根拠にするなどで現地政庁の運用許可を取るのが正攻法のようです。