2018年10月27日土曜日

TS-590Sその2

590Sで一番聴きやすい設定って何だろうというおはなし。
前回もちらっと触れましたが、この無線機はアナログの無線機よりも聴きやすくないです。 でも、時代の変化に付いていかざるを得ませんから、今更アナログの無線機が新品で手に入るわけでもないですし、慣れないといけないんですね。

で、前回はDSP受信フィルタをHb2が良さげという話を書いたのですが、その後いろいろと聴き比べてみると必ずしもそうでもなく、ある一定条件においてはHb2で聴くと聴きやいときもあるんですが、いつもそうでもないのが曲者です。

無線機のスイッチを入れて、まず入口的にVFOダイヤルをぐるぐると回して聴くには、DSP受信フィルタは入れずに、ソリッドな状態で、帯域フィルタのほうは2.4-2.7KHzを通過するような標準的な設定が正解なんでしょう。
そこで、特別にNRを入れないとダメとか、ノイズレベルが高くてNBを深めにかけてみようとか、個別の条件に併せて制御を入れるというのが正解なんでしょうね。

DSP受信フィルタをHb2にして良かったとか、キワモノ的に音を弄るNRを入れて信号が浮き上がったとか、そういう記憶や印象は強いのですが、通常の条件にそれが当てはまるかというと決してそうではなく、それらの機能を入れっぱなしにしておくと聴きにくいことのほうが多いんです。

ここ1か月ちょい、この無線機でSSBの信号を聴いてみて思ったのは、基本的にはアナログの無線機と同じ使い方(つまり、DSP制御で音を変えるものは何も入れない)をして、個別の条件に対応するためだけにそのときだけ機能を使う、というのが一番聴きやすいということでした。
あとは、スロープチューン(590の場合はHI/SHIFT-LO/WIDTHツマミ)を使って、上下の音域をそれぞれ可変して帯域フィルタの幅を変えること、聴きにくい場合は狭めてみるというのは、物理的な狭帯域のフィルタを入れて帯域を絞るのと同じく、古典的ですが有効な方法でした。
私の耳と8年前の無線機の組み合わせだとこんな感じのようです。

2018年9月2日日曜日

TS-590S(ただし、Gではない)が来ました。


これまで移動しない局についてはTS-130Sを使っていました。
かつて、友人に丁寧に直してもらったのですが、あれから5年くらい経ったのでしょうか。あまり電波を出さないというか、電源を入れない日々が続いていた結果、スイッチを入れてもうんともすんとも言わない状態になってしまい、これ以上の使用をあきらめることになりました。
また、新スプリアス機だと申請も楽だしということもあり、今回、TS-590Sに入替を行いました。

これがTS-590Sの雄姿であります。ただし、これは最新型のGが付くタイプではなく、2010年秋に発売された初期型です。
しかし、我が家に来た最新機種であります。発売的には8年落ちですが。
この手の新しい機械を使い始めたのは15年くらい前に購入したTS-2000SX以来となります。

※去年秋にFT-897DMを手に入れて、移動する局の無線設備に加えたのですが、いろいろありまして、既に売却しております。
これは私の中では無かったことにしておりますので、定期的に訪問された方の中には、該当の記事をお読みになったことがある方がいらっしゃるかもしれませんが、お忘れになってくださいませ。

で、590Sのおはなし。
8年前とはいっても、私の中では最新の設計です。
まずはUSBケーブルをPCに接続して、ファームウエアを購入した状態の1.04から最新の2.03に更新し、NB1とNB2を同時に入れられるようにしました。windowsにドライバを入れてコントロールソフトを入れての更新ですが、USBケーブルで行えることもあって、簡単にすぐに終わりました。
※関係ファイルをダウンロードしたのは TS-590S/D/V ファームウェア アップデートのお知らせ から。

手回しよく、予め免許を変更申請しておき、既に590Sを根拠にした免許状がハムフェアの少し前に到着しているので、我が家に590Sが来た時点ではすぐに電波を出せる状態です。へへへ。
早速送信テストです。取扱説明書を読みながらメニューに入って、ディスプレイの照明を緑にするとか、ボタンを押したときの音が出ないようにするとか、お約束のSSBの送信帯域の上下を広げるところまでをとりあえず行って、50MHzでQSOをしてみます。

しかし、出力が大きいというのは正義ですねw
これまでのしばらくの間、TR-1300+VL-1300の10Wで、割と張りのある声を心がけてマイクに向かっていたのですが、100W機だとそこまでしなくても出力計の針が振れます。しゃべるのが楽です。パイルアップに参加するのではないのであれば、普通の声の大きさでスピーチプロセッサを軽めにかけてあげれば、同じ程度の出力の局であれば電波がこちらに届いている限りは楽に電波が届き、QSOが成立します。(あたりまえの話ですね。)

ここまで気づいたことを書いてみると以下の感じです。
・NBの効きは、TS-680、690、950SDXの効き方とは違って、深くかけるとDSP処理風のごにょごにょを感じます。ある種のノイズには効いています。深くかけると目的信号をつぶすのは同じですが、以前の機種とは違って無理やりノイズを制圧させている感はありません。
・NRの効きは、TS-2000より良いです。SSBやAMでノイズに埋もれた相手の「声(信号というより、声というイメージ)」が浮き上がります。NR1が良い場合やNR2が良い場合はケースバイケースです。
・SSBの場合のノイズフロアからの信号の浮き上がり感は、正直なところいまいちです。受信帯域を広げると、真ん中あたりの人の声のあたりの音域が沈むように感じます。DSP帯域フィルタで狭めてやれば幾分改善しますが、どうもいまいちです。TS-950SDXがやっぱり聴きやすさではベストでした。DSPの最新技術(ただし8年前)ではこんな感じなんでしょう。

S5くらいの同じ信号をTR-1300と聴き比べてみると、浮き上がり感は1300のほうが上でした。
TR-1300って、どちらかというと聴きやすい無線機ではなかったはずなのですが、それでも1300のほうが良いと感じるのは、まだ、アナログの聴感にDSPの制御が追いついていない(ただし、8年前の水準です。)のでしょう。
または、私の耳が老いの方向に深化する際中で、それ系の都合があるのかもしれませんw

そこで受信DSPイコライザーを試してみることにします。
とりあえずSSBで使うにあたり、「Hb2」が良さげだったので、これでしばらく行っていようかと思います。
ただ、音声を加工している感があるんですよね、このあたりはアナログの機械と違って仕方ないんでしょうね。
PCのコントロールソフトを使うと、ユーザ設定で好きな帯域を膨らましたり凹ましたりできるので、拘る場合にはそこまでやるんでしょうね。私はたぶんやりません(;´Д`)

送信については、今のところ帯域を広げているだけで何もやっていません。
近場の局には強く信号が届くでしょうから特に問題はないとは思いますが、少し離れた状態、例えばS5くらいで届くくらいの場合は、のっぺりした広い音では了解度が悪いんだろうなと想像しています。
送信DSPイコライザで音を加工するとか、スピーチプロセッサをもう少し深くかけるとか、良さそうな設定を探しておく必要があります。
このあたりは友人と時間をかけて、あーでもないこーでもないとしゃべりながら調整するしかないでしょうね。

マイクについては、今は無難にMC-90をつないでいますが、今後はRANGER SRA-198も試してみたいです。

てなわけで、久しぶりの最新鋭機(ただし販売開始は8年前)の導入のおはなしでした。しばらくの間はスイッチを入れるのが楽しい日々が続くでしょう。へへへ。

2018年8月25日土曜日

ハムフェア2018

平成最後のハムフェアに行ってまいりました。
初日、比較的早い時間に入場して、会場の調査(笑)を行うのが通例なのですが、今年は仲間の明確な目的を最優先してブツを探して回るという展開でした。
なので、私の好みのブツのありやなきやは二の次になっていまして、去年みたいな書き方ができません。

今年は仲間のそろえたいという希望をもとに、1200MHzが出るFMトランシーバを最優先で探しました。モノバンドではなく、430とのデュアル、144及び430とのトリプルバンド機を見て回ります。
これが意外とありません。ケンウッドでいえばTM-833やTM-941/942シリーズがターゲットとなりますが、見かけたのはわずかで、見つけたらすぐに「買います!」と素早く意思表示することでなんとか購入することができました。
ほか、1200MHzFM機では、430と1200のデュアル機のTM-841があまり状態が良くないながらもとても安価であったのですが、これは躊躇しているうちに他の人の手元に…
あと、マキ電機のトランスバータUTV-1200BIIはわりと見ていて、旧来のアナログなトランスバータを卒業して、PLLのものに移行するとか、メーカー製のトランシーバに移るとか、あとは同社の廃業に伴っての売却…のせいしょうか。でも、これから1200を始める人には親機の144MHz機があれば始められるので、興味を持つ人には訴えるものがあったのではないでしょうか。出ていた値段はピンキリでした。

次のターゲットは、仲間のハンディ機で使うイヤホンマイク(タイピン型)です。ケンウッドTH-59で使うのですが、去年、会場で壊れて、会場内で安価な互換品を見つけたのですが、これがなぜかプラグが合わないwので、購入を断念しています。その後そのまま1年経って、スピーカーマイク型のSMC-34を使って連絡を取り始めたのですが、これが不便なもんですから、探してほしい宣言があり、急きょタイピンマイク(できれば純正)捜索隊が結成されて、会場内を手分けして探し始めます。
毎年、ケンウッドのオプション品を多く並べてくれている東北地方の会社でも、今回はEMC-3を持ってきておらず、会場内を探すしかありませんw それでもしばらくすると、発見の声があり、確保に至りました。

そしてその次のターゲットは単三電池です。分かれて会場内を捜索しつつ連絡をとりあっていると、ハンディ機の電池の消耗があります。ローパワーでしゃべっていても、入っている電池が去年のハムフェアで使用したものだったりすると、午前中で送信不能になったりするのですが、予想どおり「電池消耗!」宣言です。
仕方なく、場内を探すと、比較的簡単に単三電池をはじめ各種電池をもってきているブースがあったので、そこで購入、ことなきを得ました。

あとは、1200MHzのループ八木や、私が探していた型遅れのHF機など、右往左往していた割には探したいものを確保できています。
今日はそんな感じで、その後りんかい線で大井町移動して祝杯をあげ、〆のラーメンを食べて帰ってきて、今に至ります。
例年もそうですが、何キロくらい歩くんでしょうねw お祭りは楽しいのですが、なかなか疲労困憊です。さて、明日はどうしよう。

2018年7月8日日曜日

TR-2300の周波数インジケータ

私のTR-2300ですが、長らく周波数インジケータの真ん中の部分の赤いところが色あせて、こんな感じになっています。メインチャンネルにしていることが多いので、「00」と焼けたあとがあります。
これ、なんとかならないものかと長年漫然と考えていたのですが、先ほど、ふと、赤マジックで塗ればいいじゃんと思いつきました。
もっと先の細いマジックがあれば良かったのですが、恐る恐る塗ってみると、こんな感じに。
少々はみ出たり、塗りが足らなかったりと、まあ、素人仕事丸出しですが、ダイヤルを取り付けてみるとこんな感じに。
マジックの赤が素通しのダイヤルの周波数表示のところに移らないように、ダイヤル取り付け時は気持ち手前にしました。
下の画像は、水晶の切り替えを144MHz台が挿してあるAに、+20KHzのプッシュスイッチはOFF、ダイヤルは84で、144.84MHzを受信中です。
まあまあ良いじゃないですか。底面のスライドスイッチでライトを点灯してみると、
OKOK、上出来です。なんとなく新しくなった気分です。今日は6m&Downコンテストをやっているので、新鮮な気分でSWLの時間になりました。


2018年6月24日日曜日

久しぶりに1300で運用でした。


TR-1300とVL-1300を久しぶりにチェックしてみると、ちゃんと動作しているようです。
Eスポも発生しているようで、ノイズブランカ入りっぱなしのせいもあり、がさごそとバンドは賑やかです。
そんな合間を縫って、直接波で信号の強い局がCQを出していたので呼んでみると、59-59でQSOできました。

最近はみなさん50Wだ100Wだ200Wだって出力を手軽に出せるので、強く聞こえても10Wで呼んだら届かないってことがあるのですが、本当にS9ですよって言ってもらえたのでニコニコ。


このときは、マイクロホンをRANGER SRA-198に交換して送信していたのですが、音質的にも悪くないとの評価をもらっています。
このマイクですが、ブランド名でわかるように、米国でCB機用に売られているものなのですが、見た目とは違って歪まずにきれいな音なんです。
単一指向性でゲインが低いので、「送話口」と言えそうなデザインのダイナミックマイクのユニット部分にかぶりついて声を出さないと出力が小さいのですが、意識してはきはきと明朗な声を心がけてしゃべると、けっこう良いんです。

そんなレポートをもらって機嫌が良いので、今夜はAMのロールコールでも聴いてみましょうか。 VFO-40は50.5を超えると発振が弱くなり、感度が落ちるのが難点で、取扱説明書にもそのようなことが書いてありましたが、それはそれとして。良いアンテナや高出力の局なら聞こえるでしょう。
SSBでAMの複数の局をとっかえひっかえ復調するのは、ゼロインのためにダイヤルを左右にうろうろさせなければならないので面倒だったり、古いトランシーバの局だと変調の深さに応じて周波数が動いたりと大変なのですが、それはそれということで。

ところで、VFO-40のダイヤルって、同じようなデザインのTS-600/700とは違って、照明がダイヤルに当たるようにスリットが切られていない(注)ため、暗闇では1KHz直読ダイヤルを読めません。

(注:2023/5/15)照明がダイヤルに当たるようにスリットが切られているのはFT-101(初代~E)ですね。TS-600/700と勘違いしてました。


また、TR-1300も電池運用を前提とした「ハンディ機」だったため、周波数インジケータの照明とSメーターの照明が共通なため、暗いところではメーターを読めません。
安定化電源に繋ぐ前提であるVL-1300のレベルメーターの煌々とした明るさと比較すると、TR-1300のSメーター照明の暗さ(ダイヤルの照明と共通で、電球1つで照らしています。)がよくわかります。


(追加1)
というわけで、暗闇で撮影しなおしてみました。上段のTR-1300のSメーターの照明に比べて、下段のVL-1300の照明の明るいこと。

(追加2)
同じく暗闇でVFO-40のダイヤル部分を撮影。窓の中の光が1KHz直読ダイヤルに導かれておらず、周波数が大雑把にしか読めない絵です。


TR-1300、VL-1300にVFO-40を組み合わせて、机の上に並べて楽しむという嗜好は、ミズホのピコ6にリニアアンプなどを専用ラックに取り付けて楽しむというものと同じ傾向なんでしょうね。40-30年前の中学生に戻った気分になります。