2019年4月16日火曜日

27.125MHzハンディトランシーバ

今回はTwitterからの転載になります。
小学校のころにおもちゃ屋さんで買えた「トランシーバ」の話です。
おおよそのものが、27.125MHzの一波で、受信部は超再生式、電源は裏蓋を開けて挿入する006Pで、送信を繰り返していると割とすぐに電池切れ。出力はそれほど大きくなく、ロッドアンテナを伸ばしても交信距離は伸びません。
それがムデン製だったり学研ラジホーンだったり正体不明(私が買い与えられていたのはこれ)の輸出用のMade In Japanのものだったりいろいろあるんですが、相互に交信できました。
そのトランシーバなんですが、今更ながら疑問が生じました。

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昨日、ふとしたことから、学研ラジホーンやその類似のおもちゃのトランシーバ相互間で、なぜQSOできたんだろうと思いを巡らしていた。子供の頃に、友人同士でそんなトランシーバを持ち寄って交信ごっこをしたときに、ちゃんと交信できていたことについての疑問ね。

最初に考えたのが、超再生式の受信機なので選択度が甘くて、27MHz付近の電波を全部受信しちゃうので交信可能だった説。これは、超再生式であるか否かには関係なく、ただの思い込みからそう思っただけで、単に選択度が甘目というかローコスト設計だったのでそういうことだったのかという想像。

その当時、26.9から27.6くらいまでの範囲で電波を出せる送信機(注)を触る機会に恵まれて(まあ許せ。時効だ。)、この送信機のそのバンドを下から上まで送信してみると、おもちゃトランシーバでずーっと受信できていたことから、選択度が甘い=超再生式というそんな思いこみが長年あったのだ。

その個体の選択度が甘いのは実験(強電界ゆえの現象やアンテナ不備による高SWR故の不要輻射からそうなったとも言える。)からそのとおりだとして、500KHz以上の幅を受信しちゃうのは極端な例としても、一般的に超再生式がそういうものだとしたら、普及するわけがない。昨日今日になってそう気づく。

で、自分がかつて親から買い与えられていたトランシーバには、27.125MHzの水晶が挿さっていたことを思い出して「27.125 トランシーバ」と検索してみると、当時のこの手のトランシーバはこの周波数で統一(というと大げさなんだろうけど)されていて、相互間でQSO可能だったようだということが判明。

どうってことはない、当時の業界標準(?)の周波数で遊んでいただけだったということなら簡単な話。HF機で送信実験などするまでもなく、おもちゃトランシーバ相互間では交信可能ということだったということでした。自分の中で超再生式の名誉が何十年かをかけて復活しました。ごめん、超再生式。






それを見た私のツイート。
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入力100mWの話は知らなかった。





(参照 1960 - History of Citizens Band Radio) この1960年のページにその件と関連する記載がありました。 「アメリカ向けのトランジスタラジオの輸出が貿易摩擦を起こし危機に直面していた日本の小規模電気製造業は、26.970-27.280MHz(入力100mW)のいわゆる「FCC Part 15のCB無線」に活路を見出し始めていました。」




という感じでした。Part 15のCB(26.97-27.27MHz)のセンター周波数は27.120MHzですが、Part 19のCBのチャンネルプランに準拠し、5kHzずらした27.125MHz(Ch.14)が選ばれたものと想像します。もちろん国内向けの「おもちゃのトランシーバー」も当時からありましたが、これら輸出用の「おもちゃのトランシーバー」はFCCが49MHz帯にPart 15のCBを作ったため余剰分が国内に流れたようです。」
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ここまでの話で、小学校当時遊んだのあのトランシーバがどういう経緯で作られて、それが国内に流れて、みんなで27.125MHzで交信できたことが一つにつながりました。
ツイートやwebでいろんなご見識に触れることができて、とても新鮮な思いです。