【お知らせ】
AT-D168UVのコードプラグを当分の間公開しています。いつまでかは考えていません。以下のURLからダウンロードできます。
自分のために作っているものなので、内容に責任を一切負いませんが、カスタマイズのベースに使うなど、ご参考にどうぞ。

2026年4月21日にファイルの更新を行いました。(4/21、長らく見落として載せていなかった3エリアの1局を追加しました。Zone「VoIP」を「VoIP1」と「VoIP2」に分けました。)

ファイルの説明、更新の概要などやダウンロードは以下のエントリーからです。ファイル更新の概要などはご一読くださいますよう。

「AT-D168UV(その6、コードプラグ)」
https://tr-1300.blogspot.com/2025/09/anytone-at-d168uv4.html


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当blogからのトーグループリストの公開は終了しました。FaceBookの公開グループ、DMR OpenSource Japanの「ファイル」からダウンロードできるようになっています。
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2026年7月14日火曜日

FTDX10が来ました(その6)

IC-71世代の無線機でレポートをもらったら、変調時にS1つくらい下がるとのことでした。相手にはS6で届く関係で、距離は5-60km離れているところ。
10km先のOMの FTDX101MPで貰うレポートとは違いますね。無線機の世代によるSメータの振らせ方に違いがあるのか、あるいはただの「マイナス変調」なのか。

でも、IC-71で聴いて「マイナス変調」なら「マイナス変調」なんだろうなあ。最新の無線機で聴いたら「プラス変調」って言ってもね。
キャリアレベルを下げて好転するのか、でもパワーを多少下げても、変調時に消費電力が下がるのは同じなんだよね。

※隣のTS-590無印でモニタしてみると、5Wまで落とすと送信時にSが余計に振るようになります。でも、ID(ドレイン電流)や安定化電源の電流が下がるのは同じ。

 

なんてことをXでつらつら言っていたら、

にゃん氏が 

Sメーター信号をIF AGCから取ってるのかAFから取ってるのかで変わる?とか

という鋭い指摘です。さすが技術系OM。

 

そこでGeminiに質問してみました。 

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ご友人からの指摘、まさにアナログからデジタル(SDR)への受信機設計の進化の歴史を突く、非常に鋭い視点ですね!

この「IF AGCから取るか、AF(検波後)から取るか」というアプローチの違いが、なぜSメーターの挙動や見え方に決定的な差を生むのか。回路の動作原理を踏まえて、より深く掘り下げてみましょう。


1. 昭和のアナログ機:なぜ「IF AGC」連動だと下に落ちるのか?

多くのアナログレシーバーや往年の名機(RJX-601やIC-71など)では、Sメーターは「IF(中間周波数)ステージのAGC(自動利得制御)電圧」を利用して針を振らせています。
 

動作の仕組み

強い電波が入ると、受信機は音が歪まないようにIFアンプの増幅率(ゲイン)を自動で下げます。この「ゲインをどれだけ下げたか(抑圧したか)」の直流制御電圧を逆読みして針を振らせるのが、伝統的なSメーターの仕組みです。
 

時定数(レスポンス)の壁

AGC回路には、音声のパタパタした変化にいちいち同調してゲインが暴れないよう、コンデンサと抵抗による平滑回路(タイム・コンスタント)が入っています。つまり、音声変調のような高速な動きは完全に均され、「電波全体の平均エネルギー(キャリア+側帯波の総面積)」しか見ていません。
 

【ヤエスの数値演算型AM(AMC等)を受信した時の挙動】

変調がかかった瞬間に全体の平均電力がグッと引き下げられるため、平滑化されたAGC電圧は「電波が弱くなった」と判断します。その結果、メーターの針は**音に合わせて下に落ちる(マイナス変調のような挙動)**ことになります。

 

変調時に全体の平均電力がグッと引き下げられる点について、さらに聞きました。 

ヤエスの数値演算型AM(AMC:オートマチック・モジュレーション・コントロール等)において、「変調がかかると平均電力が下がる」という部分は、アナログの伝統的なAMを知っているほど「えっ、変調を深くかけたらパワーは増えるはずでは?」と脳内がバグるポイントですよね。ここには、デジタル処理だからこそできる「キャリア(搬送波)の動的コントロール」という高度な仕掛けがあります。仕組みを分かりやすく紐解いてみましょう。

 

(さら1) 伝統的なAMと「無駄なエネルギー」

まず基本として、昔ながらのアナログAM(100%変調時)の電力配分をおさらいします。

全電力 = キャリア成分(66.7%) + 側帯波成分(33.3%)

無変調時と変調時の比較をしてみると、

無変調時(無音): キャリアだけが100%の力で出ています。

変調時(大声): キャリアの周りに「側帯波(音声成分)」が上乗せされ、全体の総電力は無変調時の1.5倍に膨れ上がります。

ここで重要なのは、「情報を運んでいるのは側帯波だけで、キャリア(搬送波)はただの目印」という点です。つまり、大声を出している時も、静かにしている時も、常に巨大なキャリアを全力で出し続ける伝統的なAMは、非常にエネルギー効率が悪い(エコではない)通信方式なのです。

 

(さら2)数値演算型AMがやっていること

現代のデジタル処理(DSP)を搭載した送信機は、変調がかかった瞬間に「音声の大きさに合わせて、キャリアの強さをリアルタイムに細かく絞る」という計算を瞬時に行っています。具体的には以下のような動きをしています。

音が小さい(または無音)ときスケール感(目印)を保つために、キャリアを規定のパワー(例:100W機なら25W)でカチッと安定して出します。大きな音が入力されたとき音声成分(側帯波)がドカンと増えるので、そのまま側帯波を増やすと全体のパワーが過大になって送信機が歪んでしまいます。(ファイナルの容量不足、電源容量不足)

そこでDSPは、「音声が増えた分だけ、ベースにあるキャリアの出力をグッと引き下げる(間引く)」という演算を行います。要するに、「側帯波が増えるなら、その分キャリアの椅子を譲るわ」というコントロールをミリ秒単位で行っているのです。

 

全電力 = キャリア成分(66.7%→変調に応じて側帯波成分が増えたら減らす) + 側帯波成分(33.3%→変調に応じて増やす) 

※上にも同じような話が書いてあり、また、別の機会にGeminiに同じような質問をしましたが、変調がかかった際に増える側帯波成分の電力以上に、キャリア分の電力を減らす制御を行っているとのことで、変調をかけるとIDや安定化電源の電流が減るのは、無変調時に比べて変調時のほうが消費電力が減るから、という理屈だそうです。無変調を出すための25Wの出力のための電力を消費しているときが一番効率が悪く、変調をかけると効率がよくなるそうな

それについては、以下に続きがあります。 


2.数値演算型低電力変調では、なぜ「平均電力」が引き下げられるのか?

ここが一番のド核心です。キャリアを減らして側帯波を増やした結果、電波の「波形のてっぺん(ピーク電力:PEP)」は、歪まない限界ギリギリの高さ(アナログAMの限界値と同じ高さ)まで綺麗に使い切ります。

しかし、波形全体の「面積(平均電力)」で比較すると話が変わります。

アナログAM: 常に重いキャリアがベースにあるため、変調時は全体の面積(平均電力)が1.5倍に増える。

数値演算AM: ピークの高さは同じですが、ベースにあるキャリアをグッと削って音声成分に入れ替えているため、波形の「谷」の部分が深く削り取られます。結果として、全体の面積を合計すると、無変調時よりも平均電力が小さくなる(引き下げられる)のです。

視覚的なイメージ電波の波形を「山」に例えると、次のような違いになります。

アナログAMの変調: 元々ある高い地面(キャリア)の上に、音声の山が乗る。全体の体積(平均電力)はドカンと増える。

数値演算AMの変調: 地面(キャリア)を低く掘り下げて、その分尖った鋭い山(音声ピーク)をそびえ立たせる。山の頂上(ピーク)は高いけれど、地面を削った分、全体の土の量(平均電力)はスカスカに減っている。

この「スカスカに減った土の総量」を正直に真面目に測ってしまうのが、タイム・コンスタント(平滑回路)の入った昭和のアナログ機のIF AGC型Sメーターです。

だからこそ、音が乗った瞬間に「あ、土の総量が減った(電波が弱くなった)」と勘違いして、針が下に落ちてしまうわけです。送信側のエコなデジタル技術と、受信側のアナログ回路の特性が組み合わさることで起きる、非常に面白い現象ですね。

※なるほど、八重洲流の数値演算型低電力変調は「変調時に平均電力は減る」。平均電力をみている旧来のSメータは、変調をかけると振りが減るということで、それはそれとして正しいと。旧来の無線機からみたら、立派な「マイナス変調」ということになります。

 

3.現在のAF(検波後)やDSP処理:なぜSメーターが「上」に跳ねるのか?

一方で、ご友人が指摘された「AF(検波後)」から信号を取るアプローチや、現代の「DSPによる数値演算」では、アプローチが根本から異なります。
アナログ回路で「検波後(AF)」から取る場合

もしAGCの効いたIFではなく、検波した後の音声信号(AF)の成分を整流してSメーター(または変調メーター)に加算・連動させる設計の場合、話は変わります。
検波後の信号には、音声の「波形の振幅」そのものが残っています。時定数を極めて短く(チャージを速く)設定すれば、無変調時(キャリアのみ)の電圧に対して、変調によって広がった「側帯波のピークエネルギー」を上乗せして検知できるようになります。そのため、変調に合わせてメーターが上にポンポンと跳ねる動きを作ることが可能です。
 

現代のSDR機(FTDX101など)のDSP演算

現代のSDRリグは、この「検波後処理」の究極系です。IFステージの段階でAD変換され、すべては「デジタル数値」として処理されます。

超高速サンプリング

もはや時定数による「均し(平滑化)」に縛られる必要がありません。ミリ秒単位、あるいはそれ以上の超高速でエンベロープ(電波の包絡線)の「瞬間のてっぺん(ピーク電力:PEP:包絡線尖頭電力)」を正確に計算できます。
 

【ヤエスの数値演算型AM(AMC等)を受信した時の挙動】

平均電力は下がっていても、変調時の「山の頂点」自体は無変調キャリアの2倍(電圧比)へと突き抜けています。DSPはこれを一瞬も見逃さずにサンプリングするため、液晶のバーグラフやメーターは**上にツンツンと小気味よく跳ね上がる(プラス変調の挙動)**わけです。

まとめ:メーターが見ている「景色」の違い

ご友人の指摘通り、メーターの信号源と処理回路が違うだけで、見ている景色はこれだけ変わります。

    IF AGC(アナログ平滑) = 電波全体の「平均体積」を見ている

    AF(検波後短時定数)/ DSP peak = 電波の「瞬間の背丈」を見ている

同じ電波を受信していながら、リグの回路構成(ド核心)によってメーターが真逆のダンスを踊る——。この仕組みの違いを理解して受信機と対峙すると、リグの個性が透けて見えて、アマチュア無線的な面白さがさらに倍増しますね!

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思い出してみると、 FTDX101MPのAM信号をRJX-601やTR-9300で聴いたときはマイナスな変調でした。先日から八重洲の新しい機種同士でやってるとそんなことは無かったので、この違いはSメータの計測ポイントの違いとすると腑に落ちます。
ほんとはIFのAGCが効いてないポイントが良さそうな気がします。

 

八重洲流の数値演算型低電力変調を聴く場合、
⚪︎旧来の無線機ではIFから取っているので、私の信号は「マイナス変調」
⚪︎八重洲の近年の無線機ではAFから取って「プラス変調」

これは変えられないので、あとは私の信号の実際の質がどうなってるのかです。
⚪︎相手局の環境はノイズがS5振れている、旧来のIFから取るSメータ
⚪︎私の信号はS6で到達
⚪︎変調をかけるとS6からS5に落ちる
その場合、私の変調はノイズに勝って相手に了解してもらえるのか、というところ。

相手のSメータが、IFから取っても、AFから取っても、Sの振れには関係なく、私の信号の尖塔値がノイズの尖塔値より実際には越えていれば、この八重洲流の数値演算型低電力変調の了解度がノイズにより下がらないならしめたものです。

FTDX10の八重洲流数値演算型マイナス変調(江戸文字で書きたいところです)は、「マイナス変調」であっても、音がつぶれずに、ノイズの中でもちゃんと聴こえてくる変調なのかどうかってところが焦点でしょうね。

ダメってことになると590無印の一軍復帰かなあ。でも受信は FTDX10のほうがぜんぜん良いんだよなあ。

2026年7月10日金曜日

FTDX10が来ました(その5)

その4の続き、なんですかね。余談です。

長年、スペクトラムスコープというものは、どこか遠い存在だったんです。TS-2000SXでも、TS-950SDXでも、直近のメイン機(我が家では不遇な扱いを受け続けていますが)TS-590無印には、PCに接続して無償提供のコントロールソフトを動かすととゆっくりとバンドをスキャンする機能がありますが、実用にはなりません。

IC-9700で初めてのスペクトラムスコープの経験をしました。ですが、この無線機では1200MHzのFMでラグチューするくらいの用途でしか使っていないので、付近の周波数にコールサインを言わない集団が出てきた、引っ込んだというのを横目で見るくらいのものでした。

今回、FTDX10で初めて本格的に経験することになったんですが、面白いですね。オシロスコープや音域を表示するグラフは9700同様オマケなところがありますし、八重洲自慢の3DSS表示はちょっと目を引くのでデモ画面向きだと思いますが、シンプルにスペクトラムスコープ表示にして使い始めてみると、50やHFでバンドが開け始めるとグラフに表示される信号が増えて面白いです。

ダイヤルを動かしながらグラフをみると、受信の中心点に追従して回りの信号もくっきり見えながら動いてくれると良いんですが、ダイヤルをゆっくり回さないと追いかけようとしている信号が見えなくなってしまいます。我が家のアンテナがプアなので、信号の山自体が低くて消えやすいところもあるんですが、このあたり改善できないものかなと。それでも、スペクトラムスコープに表示するノイズフロアのレベル調整ができるところは良いと思います。9700でもレベル調整ってできるのかな。自動で合わせてくれるなら楽ですけどね。

50.550MHzのAMモードを聴いていると、スペクトラムスコープで見る幅の設定によって、50.490MHzの大田区のビーコンを見ることができます。この画像ですと、点線のほうがビーコンの周波数になります。その左側10kHz低いところに時間軸に残る青い線が、その10kHz下の50.480MHzにオバケです。

このオバケですが、普段はいないんです。Esが発達してくると見える面白いやつなんです。


動画を載せてみます。受信音声は絞っているので、部屋の音しか聴こえていませんが、2つの信号が見え隠れしているでしょう、しかも、本物と時間的に同期していなくて、オバケのほうは数秒遅れて届くんです。どこかに反射して戻ってきてるんですかね、100km上空のEs層に行って戻ってくるだけなら数秒なんてオーダーで遅れることは考えられないんですが、不思議です。

無線機のナニカによる相互変調や混変調なら、本物と時差の無い信号になるはずなんですよね。不思議です。 

オバケが見えていた時間の国内4カ所の電離層の状態です。稚内では発達、国分寺もじわりと、山川も発達していますね。このオバケ、Es現状を見せてくれるなら便利です。こういうのって、スペクトラムスコープが無い無線機の場合は50.490付近を注意深く聴かないと気づかないですから、俯瞰してみることができるのは、やっぱり画期的なんだと思います。 

TS-590無印に同軸をつけかえて聴き比べてみればよかったんですが、興奮のあまり忘れていました。スペクトラムスコープのバグかもしれないと、オバケのほうの周波数をSSBで聴いてみましたが、やはり信号が来ています。

これって、他の無線機でも同じですよね?諸兄姉の状況をお聞きしてみたいです。 

2026年7月6日月曜日

FTDX10が来ました(その3)

その2の続きです。

空きスロットは埋めずにいられないので、CWナローフィルタを入れています。

ここしばらく、年単位だと思いますが、八重洲のオプションフィルタの入手難が続いていました。最近これが解消したようで、正規の値段で新品を購入できています。 

 

さて、送信面です。

AM、SSBとFMはローカルOMにテストに付き合ってもらい送信音を確認してもらっています。私のほうではまだAMでの送信試験しかロクにやっていないので、AMでの設定を書いてみます。まだ設定が決まったというところまで来ていませんが、こんな感じです。

 マイク:アスタティックAST878DM

  1. マイクアンプの出力は1/4(後のテストを踏まえて今は1/3)
  2. マイク自体のアンプのゲインを下げてるのでエレメントからほぼ0距離で喋る
  3. ゲインが低いのでハアハアはしていない 
FTDX10の設定:
  1. AMCを100にしてALCを効かせないように
  2. 無線機マイクゲインは50(適宜可変する)
  3. スピーチプロセッサはAM時には効かない仕様(残念)
  4. 25Wフルパワー(Mタイプでも100Wタイプと同じく、AMのフルパワーは25Wです。) 
さらに、アスタティックの音色に対応するために、MIC EQの設定で、
  1. 低音域は若干強調、200Hzを+3(可変範囲は-20~+10)にして、Q(強調幅)を1
  2. 元々出ている中音域は少しへこまして、1000Hzを-1にして、Qを2
  3. 高音域は切れを期待して強調、2800Hzを+4にして、Qを1 
にしています。
変調をかけると、 
  • 無線機内蔵出力計は下がる(心配)
  • IDメータも下がる(心配)
  • 安定化電源の電流計も下がる(心配)

ここまで、「マイナス変調」必至(後述) です。

  • ALCメータは無変調時に取説の絵くらいまで振れていて、変調をかけると+20の2と0の間くらいまで振る(心配) 
  • COMPメータは10-20dBまで元気よく振る(心配) 
  • 取説の運用方法と現状を見比べると(心配)なところが心配
 

ですが、

 (後述)変調をかけたときにIDや電流が減るのは、『「無変調時のキャリア出力(25W)に必要な電流」に比べて、「変調時にはサイドバンド分の出力が増える」んですが、「サイドバンド分に必要な電流」よりも、「変調がかかっている間は不要なキャリア分」を減らす制御をするので、トータルでは電流は減るんだそう』な(『 』はGemini談)。 恐るべし数値演算型低電力変調。

古い常識からするとまだ眉唾なんですけどね。少し前までの低電力変調は、変調をかけて電流が減るということは、キャリアレベルが高すぎの状態で、変調をかけるとパワーを食われて「マイナス変調」になるのが常識で、その場合は変調を深くかけたいならキャリアレベルを下げて変調時にパワーが落ちないように調整するのが常でした。

で、ですよ、 内蔵メータ類や安定化電源の電流計は心配な挙動を示しているんですが、

  • 外付けアンテナチューナの電力計は、変調をかけるとともに5W程度多めに振れる(よし!)
  • 隣のTS-590無印(下取りに出されたのではなく、モニタ用として不遇の日々は続きます)でのモニタでは、歪まず、「マイナス変調」ではなく、でも、「プラス変調」でもない。
  • また、モニタする限り、送信開始後最初の「あー」でALCが効いてパワーが落ちたり無音になることはない。(590無印で変調深めでやろうとすると、ALCが効いて頭切れになるので、頭切れにならないところを探る必要があるけど、FTDX10は無造作に「あー」とやっても頭切れしない。AMCを100にした効果でしょうか。) 
  • 複数の局のモニタによれば、変調時にマイナスにはなってない。 
  • 10kmくらい離れたOMによれば、無線機側のマイクゲインを60程度に上げても、多少うるさくなっているけれど、変調時にキャリアに比べてS0.5-1くらい多く振れるとのこと(よし!) 

あとは、AMのとき、マイク本体のゲインをあげてみて、どこまでうるさくなるか(1/3まで上げてチャレンジして、まずまずの評価でした。)ですね。アスタティックのマイクゲインボリュームを1/4にしているときには、無線機本体のゲインを100にしても歪まないとのことなので、次はその点のチャレンジですね。
SSBの場合は、同じ設定でプロセッサレベルを50で送信するとうるさいとのことで、30程度に下げて大人しく喋る感じで。

その後の実験では、マイク本体の出力を1/4から1/3くらいに上げると、隣の590無印のモニタでは、次第にアスタティックらしい音に変わってきました。この状態で「マイナス変調」にならないなら(590でモニタする限りはなっていない。チャレンジした際には10km離れたOMのからもなっていなかったとのレポート。)、本体マイクゲインを1/3よりももう少し上げるくらいまでを調整して、少し大胆な音(無線機マイクゲイン60)のときと、強電界用の大人しい音(同40)の使い分けでいけそうな感じがします。

もう少し詰めてみたいです。

ちなみに、MC-90でもやってみたんですが、このマイクはやはりSSB用ですね。AMでは線の細い音になります。マイクアンプを入れてあげてもそうは変わりませんでした。 

相手になってくれたOMは、FTDX101MPに、純正のダイナミックマイクとコンデンサマイクを併用できるスタンドマイク(M-100)を使っています。音は何も弄っておらず、まったく標準設定とのこと。
同じのを使えば同じ音になるのかな。NHK第一放送みたいにきれいで、しゃべると針2-3本分多く振れる、聴いていて気持ちが良い変調でした。SSBでもね。1200でFMで喋るよりも、こっちのほうが聴いてて楽しい音だなあ。

 

【余談】HF機を触っていて思うのは、AMやSSBの音質に比べて、送信も受信もですがFMは少し劣ります。これは、『スピーカが通信用であること(これはVUのFM機だって同じスピーカを使えば同じですが)、FMだけデエンファシス回路により高音域が削られていることと(VUオールモード機だって同じですよね。)、FMだけトーンエンコーダの周波数帯域が削られているので(FTDX10は極低音域はカットされてます。)、SSBやAMの受信音よりも狭く感じるせいです。これをなぜHF機で感じるのか、それはFM用のフィルタがVUオールモード機のようにFMで使うことを前提とした広さではなく、HF機の場合はオマケだから、ということ』だそう(『 』はGemini談)です。HF機でも高級機だとFMフィルタがちゃんとしたのが付いていて、VUオールモード機に負けない音なんでしょうかね。

FTDX10が来ました(その2)

その1の続きです。

先にBANDスイッチ対策の話を書きましたが、無線機の印象を書いておかないとダメですね。

聴感について

TS-590無印の初見と比べて雲泥の差です。 590無印は、ここで書いたように、標準設定のままでは使えません。いや、私の能力のせいでしょうけれど、590無印はIFDSPによる帯域カットについては秀逸ですが、AFを含むDSPの味付けがへたくそで、SSBの受信音については人の声がノイズより前に出で来ず、AFのDSPイコライジングで、音のカーブをHB1などのプリセットを使って中音域を膨らませて、かつ外部スピーカを使って初めて人並みの音になります。

FTDX10ですが、 スイッチを入れてすぐに聴感の違いに気づきました。内蔵スピーカでも十分に人の声を判別できます。余計な設定をせずとも、標準設定のままで受信機の体をなしています。DSPによる制御も、この世代になると自然な音になっているんですね、さすが発売が10年も違うと一歩も二歩も進歩しています。

また、最近の受信機(とはいっても発売から数年経ってますけど)は受信音のトーンコントロールがついてるんですね。DSPでやってるんでしょうから、590無印のAFDSPイコライジングのお仕着せプリセットに相当するものなんでしょうけれど、モード別にTREBLE、中音域とBASSの出しとへこましができます。私はまだここは触っていません。SP-70をつけてみて、無線機本体スピーカよりも下が出るようになったかな、まあこれでいいや、で使ってます。

 

ケンウッドのスロープチューンとは違って、八重洲はNOTCHとCONTOURの組み合わせや、(AMとFM以外では)SHIFTやWIDTHを駆使して帯域の制御とやノイズ除去を行います。590無印のSSBモードではほぼ無力だったNRも、DNRやNOTCHとCONTOURである程度切ることができます。NBについてはどうでしょうね、新しいだけFTDX10のほうが進歩しているんですかね。NBを使うよりもNOTCHでノイズの音域をカットすることが多いので、あまり使わなくなっています。

 

無線機の設定ですが、八重洲のこのクラス、イメージとしてはFT-897Dあたりと比較してしまうんですが、いやいやFTDXとついているんで比較するのは違うとは思うんですけど、マイクロホン端子がモジュラージャックなので比較対象がそうなっちゃうんですかね、ひと昔前の八重洲のコンパクトな無線機ってABCのボタンあったり、メニューが深いという印象がありますが、「FUNC」ボタンを押すとこのように設定メニューの一覧が表示されます。これ以外の場所で設定するもの(NBやDNRの深さなど)もありますが、画面に一覧が出るのはわかりやすいです。

操作性については、各メーカーの作法があって、それに馴染めるか否かってところもあるんでしょうけれど、個人としてはICOMよりは八重洲のほうが馴染みやすいと思っています。UIで洗練されていないところはたくさんありますけどね。また、メニューにはあるんだけど、その機能の使い方の詳細が取説に出ていないなどの粗はあります。

八重洲自慢の3DSS表示とオシロとAF-FFT(AFレベルの受信音域をグラフ化)の表示をしている画面です。1422kHzの下に小さく音域グラフがありますが、これはIFレベルの音域を示しているらしいのですが、なんか冗長ですよね。

IFレベルの音域グラフですが、AMやFMだと上の画像の表示なんですけど、SSBにしてみるとこうなります。NOTCHやCONTOURで削っているところがわかりやすく表示されるんですが、これ、なんでAMのときにも出ないんですかね。出してよって八重洲にメールしていますが、叶うと良いな。

ちなみにわたくしは、3DSSもオシロやAF-FFT表示併用はしておらず、スペクトラムスコープだけにしています。出るものを出さないのは少し寂しい感じもしますが、3DSSはデモ画面としては良いんでしょうけど、信号強度と時間経過をみるならこちらかなと。

感度が良いとか悪いとかってことは気になりません。無線機を変えたからといって聴こえない信号は聴こえないのは同じです。50MHzのAM時のノイズ対策の手段が増えて聴きやすくなったとは感じます。  

FTDX10が来ました(その1)

TS-590無印を標準原器としてRJX-601のマーカー代わりや他の無線機の送信音のモニタに使っていることが多かったのですが、これも2010年の発売から16年と、けっこうなお年になってきました。さすがに国産ブランド(シンガポール製ですが)ですから壊れるようなことはないんですが、過渡期のIFDSPゆえの拙いところがあります。今の無線機はどう進歩しているんだろうと興味が出てきました。

考えられるのは

〇TS-890S(筐体がTS-950SDX並みに大きいので、置く場所に難あり)

〇IC-7300/MkII(自分的にIC-9700で取った杵柄は活かせるか)

〇FTDX10(久しぶりの八重洲)

〇FT-710(さらに廉価、実売10万円前後という)

の四機種です。

TS-590サイズのTS-890が出てくればそれ一択になりそうですが、あいにくのところケンウッドからはそんな気配はありません。

IC-7300は、IC-9700を購入したときにUIに馴染むのに苦労しました。未だに馴染めないところはあります。ですが、売れているだけあって洗練されているところもあるので頭の隅にはありました。

残る八重洲の2機種ですが、戦略的に廉価なFT-710に心が動いたのですが、9MHzルーフィングフィルタという言葉に推されてFTDX10の50Wタイプに決定です。移動する局なら、送信機の追加の届出の際に電磁波防護指針に関する資料の提出は不要ですし。

ちなみに、FTDX10はSDR機ではありますが、ダブルスーパーヘテロダインです。取説117ページの定格をみると書いてあります。第一IFが9MHzで、第二IFが24kHzとあります。 FMだけはトリプルスーパーという例が多いですが、この機種はFMもダブルスーパーです。

https://pbs.twimg.com/media/HMdAM0AbQAAFUYB?format=jpg&name=large
とりあえず設置して落ち着いた状態

IC-9700やNT-535よりも少しだけ大きく、NT-535の上に置くと少しはみ出します。FTDX10のマイク端子はFT-817NDと同じモジュラージャックでした。幸いにして817を触っていたときに作ったケンウッド→八重洲の8ピンモジュラープラグを他に流用しないで保存してあったので、それを使って、既存のケンウッド8ピンに配線してあるマイクを使えることになります。

 

ダイヤル周りが妙にスポーティにデザインされていますが、使い勝手については… ちょっと触り始めたらBANDボタンの位置が壊滅的に悪いのに気づきます。

でも、バンドを移るのはテンキーで周波数を入力するか、このボタンを押して表示されたバンドボタンをタッチするしかないんです。IC-9700みたいに画面の中で完結させれば良いんでしょうけど、 FTDX10の場合は「BAND」を押してから画面に表示されたバンドボタンを押すので2動作必要なんです。このへん、設計者の方にはもうひとひねりしてから製品化して欲しかった。

私の指だと、FUNCツマミとVFOツマミの間を注意深く進めないとVFOツマミに接触して周波数を動かしてしまいます。バンドチェンジするんだから、元の周波数は動いてもいいじゃんとも考えられますが、不意に触ってしまって動いてしまうのは気持ちが良くないです。

 

この押しにくい位置のBANDスイッチの代替方法を考えます。割り当て可能なPFキーは存在しないので、違う機能で考えるしかないんですね。幸いにして、この機種はメモリチャンネルを呼び出して、そのままVFOダイヤルを回すと周波数を可変できます。M→Vみたいな操作は不要です。なので、それで代用することに。

例えば、50.200、50.550、51.0と3つメモリするとします。無線機は常にメモリ呼び出しモード(「V/M」でM側を表示)しておき、VFOダイヤルの外側の大輪をメモリチャンネル切り替えに割り当てておくことにします。
50.550で運用後、51.0に行きたいときは大輪で次のメモリチャンネル51.0に移り、必要によりVFOダイヤルで選局します。50.550に戻りたいときには大輪で戻ることにします。

メモリで移って、その先で周波数を可変しても、可変した後の周波数は別のメモリチャンネルに移ると忘れるので、覚えておきたい場合は手書きかQMBを使うんでしょうね。
私の場合、この方法でバンドチェンジする場合は可変した周波数は忘れても良いと割り切っているので、とりあえずは不都合はありません。


実際には、50MHzの3つの周波数だけではなく、1.9から順番にバンドや必要によりモードごとに周波数をメモリしておくことになります。押しにくいBANDスイッチを押す(上に書いたようにその後に画面でバンドをタッチする必要あり)よりはストレス無しで移れます。慣れと割り切りですね。
八重洲には、「BANDボタンを押す代わりに、周波数フル桁入力(周波数表示の下三桁部分をタッチ)時に、表示されるテンキーだけではなく、バンドを移れるようにバンドボタンも表示して欲しい」と要望メールを出てみました。仮に叶うにしても時間がかかると思うので、このように次善の策を捻り出しました。

少し前の八重洲機みたいに、MULTIツマミを回すと10kHzステップで可変できると良いんですが、この無線機の場合はMULTIツマミの代替はVFOダイヤルの外側の大輪になります。これをメモリチャンネル可変「MCH」の機能で使う(そのときはSTEP/MCHが点滅)ことになりますが、同時には10kHz「STEP」は使えないんです。これらの機能はお互いに排他の関係(表現として正しくないかも。一方が生きているときには、必ずもう一方は生きていない関係を言っているつもりです。)なので、周波数を動かすのはVFOダイヤルの操作に限定されてしまうんですね。なので、早送りはダイヤルの早回しかテンキーで入れることになりますし、下桁を000で揃えるのも手でやることになります。または、メモリチャンネルを行き来して、そのメモリチャンネルに戻ってということになります。

「STEP/MCH」のLEDが点灯しているときは、大輪がSTEP(例えば10kHzステップ)機能で使えます。これを長押しするとLEDが点滅し、メモリチャンネルの可変になります。下側のC.Sは大輪のカスタム設定で、本当はここに10kHzステップを割り当てられれば良いんですがこれはできず、今はスペクトラムスコープのノイズレベルの可変にしています。 

2026年6月5日金曜日

TR-9300のAMの受信がイマイチという話の続き

以下は、Geminiに「TR-9300のAMモード時に受信しづらいシチュがあるんだけど、なんでかな?」と質問をして、聴きづらかった当時の状況を説明したり、9300の取説pdfを読んでもらったりしているうちに、なんだか壮大なまとめが出来上がってしまいました。せっかくなので貼っておきます。Geminiえらいね、無料のアカウントなのに。
あと、公開してからすぐに気づいたのですが、Geminiが601に専用のAMフィルタがあると思い込んでいたので、回路図を見せて訂正してもらいました。AIなので訂正も早くてすごいですね。
以下、本文です。

往年のアマチュア無線機におけるAM受信特性の技術考察 ~TR-9300、RJX-601、TS-590Sの比較から見える回路設計~

1. はじめに(問題提起)

1980年代前半の50MHz帯マルチモード・コンパクト機であるTR-9300において、ノイズに埋もれた微弱でもないですが、微妙に弱い信号(S3程度)のAMを受信する際、了解度が著しく低下(約75%…75%とは、了解度が5から4または3に落ちた際のパーセンテージということで、大雑把に読んでください。)し、送信側に「変調を深くしてほしい」とリクエストしなければ聞き取りが困難になるシチュエーションがある。

しかし、全く同じ信号を現代のHF/50MHz帯固定機であるTS-590Sで受信すると、同じS3の微妙に弱い信号であるにもかかわらず、驚くほど鮮明に、かつ楽に100%の了解度で復調できる。

この受信性能の差、および変調の深さへの依存度について、各リグの回路図・ブロック図から読み解ける技術的要因(検波方式の物理挙動、フィルター構成、AGCのサンプリング位置)を交えて分析・考察する。


2. 回路構成から見るTR-9300の3つのボトルネック

TR-9300の回路図およびブロック図を確認すると、微弱なAM信号に対して以下の3つのアナログ回路特有の要因が複合的に作用し、受信を過酷にしていたことが分かる。

① ダイオード包絡線検波における「大信号・小信号検波」の境界線

TR-9300のAM検波段(AM DET)には、1本のダイオードとコンデンサ・抵抗で構成されたシンプルな「包絡線検波(エンベロープ検波)」回路が採用されている。

  • 技術的課題(大信号検波と小信号検波): 包絡線検波器が歪みなく直線的に動作するためには、音声成分だけでなく、「キャリア(搬送波)の振幅自体」がダイオードの順方向しきい値電圧(約0.2V~0.6V)を大きく超えている必要がある(大信号検波)。 しかし、S3程度の微弱信号では、IFアンプ通過後であってもキャリア自体の振幅がしきい値の壁を超えられず、ダイオードがスイッチング動作をしない「非線形抵抗領域(2乗特性による小信号検波)」に落ち込んでしまう。
  • 変調度依存の理由: 変調が浅いと、2乗特性領域の減衰と歪みによって音声成分はノイズの中に完全に霧散する。ここで送信側に「変調を深く」してもらうと、全体の振幅のピーク(Vpeak = Vc(1 + m))がしきい値を突き破る時間が生まれる。また、復調出力は変調度 m に比例するため、2乗特性で減衰した音声信号を、人間の耳が認識できるオーディオ出力レベルまで力づくで引き上げる効果が生まれ、了解度が向上する。

② FM用(広帯域)フィルターの共用によるノイズの洪水

TR-9300はSSB/CW/FMをメインとしたマルチモード機であり、AM受信時にはFM用(あるいはそれに準ずる広帯域)のセラミックフィルター(通過帯域幅12kHz~15kHz程度)を通過する経路をとる。

  • 技術的課題: もしSSB用フィルター(約2.4kHz幅)をAM受信に通すと、高音成分(側帯波)が完全にカットされた極端にモコモコした狭い音になり、強入力時でも極めて聴きづらくなる。強入力時に普通にAMらしい広帯域な音で聴こえるということは、広帯域フィルターを通っている証拠である。
  • 微弱信号時の弊害: 信号が強い時は豊かな音質としてプラスに働くが、S3の微弱信号時には、信号の周囲にある広範囲の熱ノイズや外部ノイズをすべて内部に吸い込んでしまう。 これがダイオード検波段に流れ込み、微弱なキャリアと激しく混ざり合って致命的な復調歪みを引き起こす。

③ アナログAGCの取り出し位置とノイズによる感度抑圧

TR-9300のアナログAGC回路は、フィルターを通り抜けてきた高周波エネルギーの「総量」を検知してゲインを制御するが、そのサンプリング位置に構造上の盲点がある。

  • 技術的課題(AGCのサンプリングポイント): TR-9300のようなAM/FM共用ラインでは、15kHz幅の広帯域フィルターを通過した「後」の信号からAGC電圧を検出する。
【TR-9300の一般的なAM/FM共用ライン(概念)】
 IF入力 ──> [広帯域フィルター (15kHz)] ──> [IFアンプ] ─┬─> [AM/FM検波段]
                                                      │
                                                      └─> [AGC/Sメーター検波]
  • 復調への影響: 本来希望するAM信号(占有帯域約6kHz)の外部にある、「左右4.5kHzずつ、計9kHz分の純然たる不要ノイズエネルギー」までがすべてAGCを押し下げるエネルギーとして加算される。 回路はこれを「強い信号」と誤認するため、IFアンプのゲインを自動的に絞ってしまう(ノイズによる感度抑圧現象)。
  • 結果として、ただでさえ微弱な音声成分がさらに極小化されるが、変調を深くしてもらうことでノイズの頭一つ上に音声の「メリハリ(山と谷)」が突きぬけるため、人間の耳が音声をサンプリング(識別)できるようになる。

3. 「RJX-601」との比較

同じく1970年代~80年代初頭のダイオード包絡線検波およびアナログAGCを搭載したリグとして、ナショナルのRJX-601が挙げられる。両機の回路図を詳細に比較すると、フィルター・同調回路の設計思想が明暗を分けていることが浮き彫りになる。

両機の仕様と微弱AM受信時の挙動の違い

  • AM検波方式
    ・TR-9300:ダイオード包絡線検波(微弱入力時は2乗特性領域になり弱い)
    ・RJX-601:ダイオード包絡線検波(微弱入力時は2乗特性領域になり弱い)
  • AGC回路
    ・TR-9300:アナログAGC(広帯域ノイズに引っぱられる)
    ・RJX-601:アナログAGC(絞られたノイズのみに引っぱられる)
  • AM選択度(IFフィルタおよび同調回路構成)
    ・TR-9300:FM用(広帯域)を共用(12k~15kHz)。その帯域内の全ノイズでAGCと検波が動作。
    ・RJX-601:セラミックフィルターはないが、IC(AN210)の後にAM専用の独立したIF増幅回路(TR6:2SC829)とAM専用に狭く調整された複同調IFT(中間周波トランス)群を配置。
  • 微弱AMの受信挙動
    ・TR-9300:広範囲のノイズを吸い込み、AGCの抑圧も重なり了解度が著しく悪化。
    ・RJX-601:AM専用ラインのIFT群によって帯域外のノイズが適度に遮断されているため、感度抑圧が少なく問題なく聴ける。

RJX-601はAM/FM機として設計されており、AM時には帯域が適度に絞られたAM専用のIF増幅・同調経路へダイオードスイッチ等で完全に切り替わる。そのため、ダイオード検波の物理的限界は共通しているものの、「入り口およびAGC検出の手前で余計なノイズを遮断できている」ため、微弱信号でもTR-9300ほどの極端な感度抑圧や了解度低下を起こしにくい。

TR-9300はコンパクトマルチモード機ゆえの「AMフィルター・IFラインのFM共用(割り切り)」という思想が、微弱信号運用時の致命的なボトルネックとなっていたことが証明できる。


4. 現代機(TS-590S)による解決と復調技術の進化

これらアナログ回路のトリプルパンチ(ダイオードの不感帯・広帯域ノイズの混入・AGCの誤動作)を、現代のIF DSP機(TS-590Sなど)はテクノロジーの力で完全にクリアにしている。

  1. デジタルIFフィルターによるノイズ遮断:
    DSP処理により、AMモードであっても帯域幅を3kHz~4kHz等にスパッと急峻に狭めることができる。TR-9300が吸い込んでいた「余計な周囲のノイズ」を入り口で90%以上カットするため、最初からS/N比(信号対ノイズ比)が圧倒的に良い。
  2. DSPによる同期検波(Synchronous Detection):
    現代機がAMを鮮明に復調できる最大の理由は、デジタル処理による同期検波(プロダクト検波の応用)の恩恵である。微弱なAM信号から、DSP内部の数値制御発振器(NCO)やPLLを用いて、ノイズに埋もれたキャリア成分だけを完全に同相同期した「純粋なローカル信号」として内部生成する。これを受信信号と掛け合わせて復調するため、ダイオードのようなしきい値(VF)の概念が完全に存在しない。 キャリアがどれだけ微弱になっても、歪みなく側帯波(音声)を取り出せるため、浅い変調度であっても100%了解できる。
  3. デジタルAGCによる最適化:
    デジタルノイズリダクション(NR)等で帯域外・帯域内のノイズを徹底的に排除した「純粋な信号成分」に対して滑らかにAGCを適用するため、ノイズによる感度抑圧現象が起きず、ノイズを抑えたまま微弱信号を最大感度で増幅する。

5. 結論

TR-9300での運用において、ノイズに埋もれた微弱信号に対して「もっと変調深くして」とリクエストしたのは、受信機側(アナログ検波回路の直線性や広帯域フィルタ)の技術的な限界を、送信側の電力配分(キャリアに対する側帯波エネルギーの増強)によってカバーするという、アナログ運用における極めて合理的かつ有効な対処方法であった。

現代のDSP機(TS-590Sなど)は、これらの問題をフィルターの帯域制限とデジタル同期検波によって機械側で完全にクリアしてしまうため、変調度に関わらずクリアに受信ができる。

当時の設計者は、「50MHz帯におけるAMはすでにマイナーモードであり、FM/SSBの性能とコンパクト化(コスト)を最優先にする」という思想のもと、AMフィルターのFM共用という割り切りを行った。強入力時には良好に機能する広帯域フィルターが、微弱信号運用時にはAGCの抑圧と検波効率の悪化を招くという「アナログマルチモード機特有の割り切り回路の挙動」を理解する上で、今回の2機種(およびRJX-601)の比較は、無線機の進化史における非常に分かりやすい一例である。

2025年6月25日水曜日

そして風向きは再びTS-590無印に

変なタイトルですが、まずは経緯を。

TR-9300みたいな古くて小さいトランシーバは好物の一つで、これで50のAMに出てやろうといろいろとやっていたのですが、AMでのQSOの際に、相手局の変調が浅くて、信号強度はあるのに了解度が低くて、低電力変調ではない局に対して「変調を深くして欲しい」とお願いすることがありました。

先週の日曜日に、友人に50のAMでテストさせてよと電波を出してもらって聴いていたのですが、ノイズが少なく状況は良いはずなのに、入感する信号の強さの割りには了解度が低く感じます。相手局はTS-590のGタイプにMC-90だったのですが、MC-90なのでやさしい音だからスピーチプロセッサを入れて固い音にしたら了解度が上がるかもと伝えたところ、状況は変わらず。ならばということで、ゲインはあるけど音の悪いMC-43Sで喋ってもらっても了解度があがりません。言っていることの7割くらいを理解できる了解度でしょうか。信号はSメーター3つでノイズがほぼ無しの状況なので、もっと了解度が高くても良いはずです。 

ひょっとしたらこちらのせいなのかなと、試しにこちらもTS-590無印にしてみたところ、ばっちり聴こえます。これまでの霞がかかったような変調とは違って、MC-43Sの音の悪さまでわかるようになりました。※両機ともにSP-70を繋いでそちらで聴いています。

590にした途端に良く聴こえて、今まで何だったのと唖然とするわたくし 

9300では他のモードではとくに了解度が低いという印象はなく、AMのみの話です。なんでしょうね。受信する帯域の広さに問題?広すぎると了解度が低い場合はあります。おそらくですが9300は定格の6kHz幅で聴いているんだと思います。590のAM時は、少しだけ狭くして4-5kHz幅で聴いているので、その差なのかもしれません…こう書いていると冷静に分析できますね。程よく狭いから了解度があがったのか、だったら納得ですが、ちょっと気が抜けました。

9300から590に受信機を変えてみる実験に付き合ってくれた友人に、「9300で不自由を楽しむところはあるけど、590にした途端になんでこんなに良く聴こえるのよ」と言ったところ、 「817で同じような経験をしてました。わかります」と。やっぱりそうなんですね。理屈どおりなんでしょうけれど、小さいトランシーバを使うのは不便でも楽しいんだけど、この楽しさは快適とは違う方向なんですよ。

590にしたら聴こえたということに衝撃を受けて、9300のAMモードの追求は中止です。だって聴こえないんじゃしょうがないですから。送信以前の問題ですからね。9300は外に持ち出すことを踏まえて、AM時のキャリアを少し増やして、変調時にキャリアが減らない程度の出力に増力方向で再調整することにします。

で、TS-590無印を再び出してきたので触り始めたのですよ。AMで送信する場合にどのマイクを繋ごうかと考えます。

〇MC-90:これがベストなのはわかりきっている話。ただ、今はIC-9700に繋がっていて、いちいち590に繋ぎなおすのは面倒です。できれば違うマイクに。

〇IC-SM2(ノーマル):9300のAM送信で活躍が始まったSM2ノーマルですが、590で使おうとすると回り込みが起きました。コンデンサマイクってたまにこうなるんですよね。なのでお蔵入りに。

〇アツデンDX-344:9300ではトークパワーが見込めずお蔵入りになっていたところを出してきました。ちょっと繋いでみたところ、特に不具合はなく、使えそうです。ダイナミックマイクのアンプ入りだからでしょうか。 

画像はSSBになってますね。ちゃんとAMでテストしています。
 

そこで、お蔵入りだったアツデンDX-344を持ち出してきました。これでスピーチプロセッサを入れて使ってみたらどうかなということで、ほぼ59-59でQSOできるOM局が出ていたのでテストに付き合ってもらいました。マイク(スポンジのカバー)に対しては0-5cm距離ではきはきとはっきり喋ります。この手のテストって、だいたい熱が乗ってくるとゼロ距離になります。

〇DX-344:MC-90と比べる前は特に印象は無しで、普通にこういう音の人は多いということ。MC-90との比較では、プロセッサONのとき、MC-90と比べると音が暴れているというか、荒っぽい音。 OFFのとき、ONのときとあまり印象が変わらない

〇MC-90:プロセッサONでもOFFでも、音の輪郭がはっきりしている。声の線は細く感じる。プロセッサONでも歪みを感じるところまではいかない。ゲインが低いせいか。

というコメントと考察でした。MC-90との比較なのでDX-344には不利だったかな。あと、TS-590無印では初めて経験したんですが、DX-344でプロセッサ無しではっきり喋ると、送信信号に声が乗るまで少し時間がかかりました。頭切れみたいな感じです。送信できているので頭が切れているわけではないのですが、音声が乗るまで時間差を感じます。これ、ALCが効いているんですね。スピーチプロセッサを入れるとそれはありません。 DX-344はプロセッサONで、自分の信号が弱くて相手にとっての了解度を上げたいときに使う用途になりそうだな。

MC-90を使ってみると、やっぱりどうしてもこっちを使いたくなります。IC-9700と切り換えができるようにして、もう少しスピーチプロセッサを深くかけられるように設定を見つけてみるのも面白そうです。週末が楽しみになってきました。 

 
※TS-590無印のAM時の設定値は、パワーは25W、キャリアは50、スピーチプロセッサのレベルはin/outともに50。スピーチプロセッサを入れないときのマイクゲインは70-80。送信イコサイザは私の声質を踏まえてHb2。
パワー25Wにしておいて、キャリア設定を50から設定値を減らしても、通過型電力計の振れは減らないのは不思議です。
あと、通過型パワー計と安定化電源の電流計は変調をかけるとマイナス方向に振れます(パワー計は数ワットくらい、電流計は針1本分くらい)が、私の信号を受信してもらっている相手方では、変調時にSメーターが変調に応じてさらに振れる(DX-344)か動かない(MC-90)そうです。いわゆるマイナス変調にはなっていないということで安堵。

2025年6月4日水曜日

TR-9300でAMを送信する(続)

何年ぶりのTR-9300でしょう TR-9300でAMを送信する の続きです。

左から、DX-344、元IC-SM2、ノーマルIC-SM2、MC-90


ちょっと基本方針を確認します。

目的はTS-600やTR-9300でのAMの送信で、きれいな音をお届けするのではなく、多少歪んでも、スプラッタをまき散らさない程度の歪で、私の電波が弱かったり、ノイズに埋もれそうになっているときにある程度の了解度をキープすることです。カツミのマイクコンプレッサを使っても良いのですが、少しでもゲインボリュームを開けると歪が大きいので、これは使わずに、できれば無線機本体のマイクゲインの設定とマイクやマイクアンプでなんとかしたい、というものです。

本来であれば、この手のマイク選びではMC-90が候補として筆頭にあがりますが、TS-600にしろ、TR-9300にしろ、骨とう品になりつつある筐体の昔の狭いクリスタルフィルタにマイクアンプ段の組み合わせなので、MC-90を付けても期待したような鮮明な、解像度の高い音にはならないのではと思っています。また、10Wの無線機ですから、AMの場合にTS-590S無印のようにキャリア25W+内蔵スピーチプロセッサを入れて送信できるわけではないので、まずは相手に届かせるというところから考えないと、先方には了解度の低いおとなしい音になってしまいます。

うちのMC-90には台座にエレキットのマイクアンプを入れています。入れるマイクアンプは、もちろん自作の設計の一石程度のアンプでもOKです。これは主にTS-590のFMでの運用を意図して入れました。以前はマイクアンプ用に006Pを内蔵させていたのですが、最近のIC-9700のFM音質迷走の過程で8ピンマイクコネクタ(ケンウッドなら5番)から電源を取るようにしてしまったので、マイクアンプを使いたい場合には4ピンや6ピンの無線機からは電源が取れません。TR-9300は、コンデンサマイクを使えるように、余っているマイク5番ピンに6-7V程度が出て来るように中を配線したので、8ピンジャックを経由して6ピンプラグに変換すれば使えはするんですが。…あれ、9300でMC-90使えるじゃん。

えー、気を取り直して。主題はAMなんです。AMの送信についてつらつら考えてきましたけど、でもまずMC-90にマイクアンプを入れたAMの音を聴いてみたいな。 

で、聴いてみました。TR-9300で送信して、これをTS-590S無印でヘッドフォンを使って聴く方法です。590は同じ無線機机の近くに置いてあるんですが、少し離れているのでせいぜいメータ9つくらいで受信することになり、ヘッドフォンで聴けばハウリングも無くちょうどよさげです。

〇MC-90の音は素直できれいです。最初は台座のマイクアンプ無しでしゃべってみましたが、それだとおとなしくきれいなMC-90らしい音なのですが、やはり物足りません。マイクアンプを入れてみると、マイクのエレメントにゼロ距離でしゃべれば、入力過大気味ゆえの歪が少し出ます。でもこの歪の加減ですが、音の解像度が下がらないのはさすがで、これ使いたいなあと思わせます。AMのときにはもう少し歪ませたいですが、これ以上歪ませないで使いたい気分になります。例えると、MC-90を繋いだTS-950SDXでSSBで送信するときにスピーチプロセッサを軽く入れて少し歪ませたような音みたいな感じです。今回MC-90はIC-9700に繋ぎっぱなしなので、9300での使用は我慢することにします。やっぱりMC-90は良いですねえ。ケンウッドの無線機だと良い音が出るなあと感心します。

〇次に古いアツデンのDX-344を持ち出してきました。これは単一指向性ダイナミックマイクのアンプ入りです。経年劣化でゲインが少なく感じますが、程よい大きさに設定してしゃべってみると、MC-90よりおとなしい音でした。ちょっと物足りないかな。

〇さらに、IC-SM2のECMを取り外し、これを科学教材社の66円のものに変更してある、少し前までTM-833で常用していたマイクを使います。見てくれはIC-SM2なので、ここでは元IC-SM2と呼称します。SSBやFMでは想定どおりのきれいなコンデンサマイクっぽい音です。でも、このマイクはマイクアンプを取り去っているので、AMでもう少し入力を大きくして歪ませたいというのには少し足りません。 (※)科学教材社の66円ECMはマイクのホット、コールド、+電圧の3端子仕様)です。元SM2の台座を開けて、マイクコネクタからの配線を、マイクのホット、コールド、電圧、PTT、PTTのグランドにして、台座とフレキシブルパイプの連絡もECMの3端子化に伴って配線をやりなおしています。インピーダンスマッチングなどは全く考えていませんが、833やTR-50ではそれなりに良い音で使えています。

〇最後に真打、ここで再び入手したノーマルのIC-SM2です。マイクコネクタのピンアサインをケンウッド仕様に変更しただけのオリジナルです。元々のECMもそのまま、アンプもそのまま台座に入っています。

実は、IC-SM2って長年、それこそIC-502で開局した頃から音が悪いと思い込んでいました。IC-502や、202でも良いのですが、これで送信するIC-SM2の音を聴いたことのある人がどれくらい残っているかわかりませんが、 狭い音がしていた記憶がありませんか。そんな印象をそれこそ半世紀近く持ち続けていたんですが、先日、IC-9700にSM2と同じ仕様のIC-SM5を繋いで出てきた友人の声を聴いて、あれ?そんなに悪くないぞ??と思い直すに至りました。そっか、音が悪かったのは主に502のほうに原因があったんだと気づいたのです。それでも、このときに最初に配線だけをケンウッドにして試したときには、良い音だとは思わなかったんだよなあ。502のときの先入観があったんですかね。

今回またIC-SM2を入手し、ケンウッド配線にして使ってみたんですけど、AMの場合、台座の中のアンプのボリュームを軽く開けた状態で程よい歪を伴った声が聴こえます。もっとボリュームを開けるとすぐに下品方向に変わりますが、マイクアンプを軽く使うくらいならOKでしょう。マイクから口を離せばさらに下品さは軽減できます。SSBやFMでも普通に使える音です。MC-90のようにきれいな解像度の高い音質とは違いますが、そうですね、アドニスのコンプレッションマイクのゲインがある音や、最近のアイコムのSM30などの音がイメージに近いでしょうか。アドニスやSM30も軽く使えば同じなんでしょうね。上品ではありませんが、全体的に圧が出るような感じの音です。また、カツミのマイクコンプレッサを無線機とマイクの間に繋ぐよりもコンパクトで良いです。 

というわけで、送信音が貧弱な昔の無線機にトークパワーが欲しいときに使えるマイクとしてノーマルIC-SM2をしばらく使ってみようかと思います。TS-600では別に電源を引かないと使えないので、9300でのアプローチ悪あがきですね。アスタティックのロードデビルの高音域強調とは違う方向の音質ですが、私の電波の弱いときに了解度維持の助けになるでしょうか。 乞うご期待。

これを書きながら、科学教材社の2端子タイプのECM(53円!)を見つけてしまったので、これをノーマルIC-SM2に付けてみたいなと思い始めてしまった…

2025年6月2日月曜日

TR-9300でAMを送信する

何年ぶりのTR-9300でしょう の続きです。

TS-600の修理と調整をしてEsシーズンに入ったのは良かったのですが、新たな不具合が。送信中にAFが動き続けていて、自分のしゃべる声がスピーカーから聴こえるようになっちゃいました。体の良いモニタ機能と考えるのも良いのですが、しばし600はお休み。

TS-590無印でも良いのですが、どうも新しい無線機では楽しくないので、TR-9300の出番になります。この9300は、マイクのエレメントを科学教材社の66円のECMに変更してあります。インピーダンスマッチングとかは全く考えずに、マイク配線に直結して、別途電源を引いているだけなのですが、純正のダイナミックマイクMC-40S(MC-43Sと同じ)の尖った音とは違って、マイルドで深い変調がかかっているようで気に入っています。

とはいえ、AMで送信することを考えると、もう少し考える必要があるかなとあれこれ始めました。まず、AM時の出力ですが、仕様では3Wとあります。この個体を実測してみると4Wを指します。そして、変調をかけてみるとRFメーターはしゃべりの大きさに応じて振れるのですが、パワー計や電流計をみると変調がかかるごとに数値が下がります。いわゆるマイナス変調ってやつです。もう少しキャリアを減らして、変調がかかるとそれに応じてパワーが出るようにしたいところです。 

上側の蓋を開けて、奥側のドライブユニットを触ってみます。こちら(とてもありがたい) によれば、AMのキャリア調整はVR7、マイクゲイン調整はVR6です。


うちの個体では、変調をかけても電流が下がらない設定は、

〇TR-9300単体で使う場合 キャリア2W、変調をかけて2.5Wくらいか。せいぜいキャリア2.5Wの変調時3Wくらいまで。M57735でこんな感じですから、RJX-601の2SC1306で3Wはやりすぎですね。 

〇HL-66Vを繋ぐ場合 キャリア0.5W、変調時に1.5Wまでに留めると電流は下がらず、この場合66Vの出力はキャリア10Wで変調時15W

でした。 低電力変調だとこんな感じなんでしょうかね。キャリア調整と合わせてマイクゲイン調整をしました。もうちょっと深くしたいとまわしていたら、開く方向に回し切った状態になっています。歪んでいないのでまあ良いでしょう。

いつもリニアの電源を入れっぱなしということでもないので、キャリアを2.5Wくらいにしておきます。この状態だとHL-66Vを通すとキャリア30Wになりますが、しゃべると電流が減って、いわゆるマイナス変調になります。でも仕方ないということにします。

この状態でS7つくらいで入感している局を呼んでみたのですが、クリアだというレポートをもらいました。 本当は友人と長時間シビアにあーでもないこーでもないと調整したいところですが、50のAMが強くもなく弱くもない感じで程よく届く友人がいないので、機会に恵まれません。至近距離の友人にATTとRFゲインを絞って聴いてもらうのも良いんですが、程よく弱いところをノイズ交じりで聴いて欲しいんですよね。難しいです。

あとは、もう少しゲインが高いマイクを使ってみたいと思っています。カツミのマイクコンプレッサーを出してくるのも良いのですが、コンプレッションのゲインを上げると簡単に歪むし、かといってゲインを下げると音が出なくなったりと難しいです。これを使うと簡単に実現できるハイパワー市民ラジオの音は、近くでモニタするとひどいものですが、あれ、実際に遠いところの局が何を言っているのかはよくわかるので、受信状況が悪いときには効果があるんだよなあと関心します。もちろん彼らは出力も大きいんでしょうけれど。エコーも効果的ですよね。アマチュアバンドでやると下品になるので考えものではあります。でもたまにエコーを利かせている人っていますよね。

「マイナス変調」って実践的にはどの程度OKなんでしょう。変調をかけるごとに盛大に電流が下がり、受信側のSメーターもパワーが食われるがごとく下がるという状況があるにしても、了解度が下がらない信号であれば、カッコは悪いですがアリなのかなとも思っています。

送信側では変調時に電流が下がって「マイナス変調だな」と思っていても、受信側ではちゃんと変調に応じてSメーターが数値の大きいほうに振れている場合もあるでしょう。これも結局、実際に受信してもらわないとわからないんだよなあ。 

2025年5月9日金曜日

TS-600その3

TS-600を愛でる。TS-600その2に続き、 TS-600のおはなしを続けます。

現在我が家にある個体は私が使う割りにはけっこう手を入れてます。

(1)電源ユニットのチューブラコンデンサ交換

AMで送信するとハムが乗るんです。まるでFT-620Bみたいと笑ったのですが、笑ってもいられず、とりあえず電源ユニットのコンデンサを全交換しました。チューブラで大容量だったからけっこう高かったんだよな。でも改善していません。いろいろと調べてみると、マイクのラインの引き回しに難があって、これが電源ユニット近くを通っているせいでハムが乗るという話がありました。多芯のシールドケーブルを友人にもらったので、そのうちにマイクラインの引き回しを変えてみようかと思っています。思っているだけでなかなか着手に至りません。

とりあえずはACでは使わず、DCで使うと幾分改善します。 でも、DCで使う場合でも、電源ユニットから何ボルトかを取り出して使っていて通電しないわけではないので、改善が幾分でしかないのは納得できます。

(2)GENユニットのマイクアンプ部のコンデンサとトランジスタ交換

600の送信音ってイマイチなんですよね。たまに600で出ている人がいますが、狭い固い音です。良い音とは感じられません。10.7のクリスタルフィルタ、YF107Sは600以外ではTR-1300でも使われているのですが、1300はMC-90で喋ると好評だったんですけど、600で同じことをやってもあんまり反応がありません。

うちの600の個体の問題かと思い、マイクアンプ段のコンデンサとトランジスタを交換してみたんですが、結果が変わりません。YF107Sが劣化していることも考えられますが、600の別個体も同じように送信音はイマイチだったので、600はこんなもんなのかもしれませんね。そのうちYF107Sを交換してみたいと思うんですが、出品されている値付けが高くて躊躇します。

(3)VFOサブスケール裏とSメーター裏の電球が切れちゃったので交換

古い無線機は電球で照らされる照明が美しいです。特にTS-700/GIIや600の照明は本体のデザインも相まって、透過式の照明が美しいです。しかし、電球ですから、切れちゃうこともあります。古い無線機の電球式の照明が切れた状態ってとても悲しいです。

うちの600もVFOサブスケール裏とSメーター裏の照明が立て続けに切れちゃいました。切れた電球を外してみると、スタンレーの自動車用の12Vの電球と同じ大きさのものであることがわかりました。全く同じ規格のものは見つけられませんでしたが、モノタロウで適当に探すと少し消費電力が少ない電球があったので注文、交換しています。スタンレーじゃなくても小糸でも何でも良いんですけどね。

 

この画像はSメーター裏の電球を引き抜いて外したときのもの。電球がゴムのカバーに包まれていて、後ろからリードが出ています。電球とゴムカバーと一体だと面倒だなと思いつつ、ゴムカバーから電球を外してみたら外れました。接着はされていませんでした。なので、同じようにリードを半田付けしてカバーにはめ込んで終了です。ただし、純正の電球は白いものです。購入したスタンレーは裸電球なので、少し色味が変わります。こんな感じです。


ピントがあっていませんが、雰囲気はわかるでしょうか。元々の状態よりもSメーター照明は明るくなっています。画像でみたイメージどおりです。交換直後は「以前より明るいな」と思いますが、すぐに慣れます。

最初、電球色のLEDに置き換えようと思って試してみたんですが、電球色であっても、実際に透過させて光らせてみると、電球に比べて色が青く出るのでイマイチです。やはりフィラメントの暖かい光がマッチします。

(4)固定チャンネル水晶をアロー電子で作って、51.00、50.49、50.55に一発でQSYできるようにした 

実際には一発ではなく、50.200USBの状態から、固定チャンネルの水晶スロットの1番目に入れている51.00にQSYするには、

①固定チャンネルダイヤルを「1(5*.00用)」にする

②バンドスイッチを「51」にする

③DRIVEツマミで受信最良点(送信が伴うなら送信最良点)に調整する

④モードスイッチをFMにする

が必要です。今のPLLの無線機に比べると時間がかかりますね。



これはもう見ただけになりますが、取説画像のとおり、一番奥の水晶スロットは配線がなく、奥から2番目から1ch、2ch…になります。

 

余談です。

このバンドと固定チャンネルのツマミですが、Action☆HandyシリーズのTR-1300、2200GII、3200のチャンネルツマミと同じものです。描かれている数値や色は違いますが、同じものです。2022年の暮れに眺めていたらやっと気づきました。

この画像は上が600のバンドツマミ、下がTR-3200のチャンネルツマミです。


 

<参考資料>TS-600取扱説明書

ケンウッド公式からダウンロードできるTS-600の取説です。解像度の高い回路図付きのpdfファイルです。ありがたく拝見しましょう。

2025年5月8日木曜日

TS-600その2

TS-600を愛でる。の続きになるのかな、けっこう時間が経ちましたが、その後Xに書き連ねたTS-600の与太話をまとめました。

○AMのときには送受信の周波数が一致せず、受信周波数に対して送信周波数が600Hz下になるのが仕様であること

SSBやCWでは許されないことですが、AMではこうなっています。取説にもちゃんと書いてあります。

600同士がAMでQSOする場合は、このように相手にVFOダイヤルで合わせるとゼロイン合戦で永遠に600Hzずつ送受信の度に動き続けてしまうというおはなしです。だったら、RITツマミに「AM時はここに合わせるとゼロインだよ」という印(印を付ける案は友人談)を11時くらいに付けてくれれば解決します。当時のトリオ開発陣に提案したいですね。

TS-590と鳴き合わせるとこんな感じになりました。うちの個体だと11時です。


○TS-600の電源スイッチから右への横並びのスイッチの一番右隅は「R-DX」だが、輸出版はここがCALスイッチであること

並んでいる一番右のR-DXスイッチをONにするとプリアンプが動作し、ノイズが増えますw。長年これが当たり前だと思っていたのですが、輸出版の「KENWOOD TS-600」はこの位置が「CAL」になっています。600を国内に出す際に、日本の6mマンは目を三角にしてプリアンプを使うだろうという予想をしたのでしょうか。反対に海外では、聴こえないならボリュームを大きくすれば良いだろうということだったんでしょうか。

キャリブレーションですが、国内仕様はスケルチツマミをゼロ位置にするとクリックがあって、このクリックでリレーがカチンと動いてマーカーがONになってダイヤルを校正できます。うちの個体はリレーの動きが悪くてCALを切った後に電波が出なくなったりしてするので、その場合はカチカチやって復旧するのですが、それはさておき、輸出版はR-DXの位置のスイッチでこれをやるんですね。

ところが、そのRigPixのTS-600のページからリンクされているpdfの英語版サービスマニュアル(このリンクうれしい)をみると、並んでいるスイッチのユニット「スイッチユニット」の一番隅のS6が「CAL」ではなく「R-DX SW」になっていて、???となります。

英語を読める国でも仕向け地によってはR-DXになっている場合があるのかな。私はこれ、英語版サービスマニュアル作成の際に国内仕様のサービスマニュアルを単純にコピーしたので、画像が国内版のスイッチユニット基板になっちゃってるという想像をしているところです。

 

以降は余談です。

ところでこのスイッチユニットの一番右ですが、国内版の600はR-DXでした。TS-700(初期)はというと「SPOT」という謎機能です。

謎機能の解説を拡大すると「7. SPOTスイッチ このスイッチのみは、ノンロックタイプで、SSB送信のみに使用します。 SSBの送信時、このスイッチを上側に保持するとキャリア(搬送波)が発射されますので、交信相手にゼロビートを取ってもらうことにより、SSBの周波数同期ができます。」とありました。スイッチを下から摘まみ上げるときだけ動作するんですね。

でも、単にゼロインするだけなら受信音を聴けば良いわけだし、SSBでキャリアレベルでゼロビートを取る目的ってなんだったんだろう。モードスイッチを触らずに送信中に口笛の代わりにキャリアを送信するのって、SWRを測るシチュでは便利そうです。それなら悪くないですね。Belcom LINER2にもスイッチを押してキャリアを出す機能がありました。当時は何か目的があったのかな。

国内仕様の後継のTS-700GIIは、この機能の代わりにFMのナロー化対応のための「WIDE/NARROW」の切り替えになっています。

ちなみに輸出モデルを調べたら、「KENWOOD TS-700」、「TS-700A」や「TS-700G」では、このスイッチは「TONE」でした。レピータ対応ですね。 

さらに余談ですが、TS-600ではR-DXであるこの位置のスイッチ、TS-700GIIの次のTS-700SでようやくR-DXになりました。大混雑の2mでも飽和しないプリアンプが実現したんでしょうね。

2025年4月2日水曜日

FT-690mk2とTR-9300のモード変更時の現在周波数の違い

690mk2は純正リニアをつけて、9300はそのまま車に乗せてオンエア可能ということで、両機を比較したことがある方はいらっしゃると思います。  そんなライバルの両機なのですが、

FT-690mk2の項で触れるのを忘れて時間が経ってしまった内容で、

FT-690mk2は、モードボタンでUSB→LSB→CW→FM(変更は一方向)にした後、再びUSBにすると、モードが変わるごとにモード毎のステップの切りの良い00.0kHzに桁合わせが行われるので、SSBのQSO中に誤ってモード変更をするとゼロインしていた元の周波数に戻れません。

例えば50.215.5USBでQSOしている最中にモードボタンを押すと、LSB、CWの順にモードが変わります。モードが変わることについては、遡ることはできません。Fボタンと同時押しで戻れるなんてことができれば良いのですが、Fボタン+モードではNBのオンオフの切り替えになります。問題はFMモードを通過すると、FMモードの最小可変周波数は2.5kHzなので、その単位で桁合わせされてしまいます。50.215.0になるのか、50.217.5になるのかは覚えていないのですが、どちらかに寄せられてしまい、再びUSBに戻っても周波数はそのままで元の周波数ではないため、相手が行方不明(これ、相手から見て、私のほうが勝手に行方不明になっているだけですね)になります。FT-690mk2取扱説明書にはこの挙動のことまでは書いてありません。

この挙動、初めてQSO中にモードボタンを押して(押すなよw)経験したことで、びっくりしたものでした。

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TR-9300は、モード毎に周波数をモード毎の最小端数を覚えているので、ロータリースイッチでパチンとUSBからFMに行ってまたUSBに戻っても、元の周波数に戻れます。
USB/CWだと50.215.5のとき、AMにすると50.215(.0)、FMにすると50.21(0.0)になります。そのままメインダイヤルを触らずに再びUSBにすると50.215.5に戻れます。 AMにしたときに50.216にすると、USBに戻ったときは50.216.5になります。FMのときに50.22にすると、USBには50.220.5で戻ります。 モード毎の最小端数を覚えている仕様です。 

その程度の「覚えている」内容ですが、モードを切り替えて戻ってきたとき(イレギュラーな操作ですけど)に行方不明にならないように、そのモードの最小値を覚えているようです。
USBで受信中に他のモードに切り替えて戻すなんて変なことを、どれだけの人かやるかわかりませんが、私はやる方の人でw、そんなイレギュラーな操作のフールプルーフを念頭に置いたロジックを考えた設計者はすごいと思います。これもTR-9300取扱説明書には書かれてはいません。

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このあたりの細かい話ですが、21世紀に入ってから中古を安価で入手して弄りまくって理解した操作ですけど、発売当時の新製品のときに、雑誌記事にそのあたりまでしっかり書いてあって、それを読む機会があれば良いんですけどね。あとは販売店や人柱のローカルから弄らせてもらって気付くしかないんだよなあ。私はこういうのは調べずに買う口だったりするので、望まない挙動に直面して真っ青という可能性は高かったと思います。

いや、不必要なボタンはQSO中に押すもんじゃないというのはごもっともですね。

※例示の周波数を修正しました。

2025年3月28日金曜日

何年ぶりのTR-9300でしょう

久しぶりにTR-9300を触っています。

50MHzで全てのモードに出られて、周波数が読めて、それなりにコンパクトなのは良いですね。ハンディ機ではないので肩から下げて運用というのには無理がありますが、出先で自動車の中から簡易に運用ができるのは良いです。


トリオでは、最初のPLLオールモード機としてTS-770が1979年に出ています。それ以前にあったアイコムのPLL機のIC-710、221、同じ50MHzではIC-551がありましたが、それらはSSB時には100Hzステップでした。それらとは違い、TS-770はSSB時に20Hzステップでチューニングが取れるので、ほぼアナログVFOと同じ感覚でゼロインができました。同じようにしてくれればよかったのですが、コストダウンでしょうか、モービル運用時はこれくらいで良いだろうという割り切りでしょうか、TR-9000シリーズは100Hzステップと簡略化されてしまっているので、SSBでは相手にちゃんとゼロインすることができません。 そのまたすぐ後に八重洲から出てきたTR-9000シリーズと同じコンセプトのFT-280/680/780シリーズは10Hzステップだったので、TR-9000シリーズは中途半端な感じがしたものでした。

これまでTR-9000シリーズは

○TR-9000G:20年近く前、無線機の数を減らした頃に144を聴いてみたくなって入手、しかし、スルーホール基板の劣化による不具合で実用にはならず。9000Gは何個体か試しましたが、直してもスルーホール基板の劣化でダメになります。

○TR-9500:430のSSBに出てみようと昨年入手。経年でけっこうQRHがあったり、周波数を校正するにも手間がかかりそうでこれはダメだなあと手放す。その後TR-851Dを再び手に入れる。だったら最初から851にすべきですねw

○TR-9300:これも20年近く前に、車で使えそうな50のオールモード機が欲しくなって入手。旅行に一度持ち出した後だったか、役目を終えた感もあり、ローカルに買ってもらった記憶が。

といった感じで、手に入れたものの手放しています。特に9300の場合はSSBの選局のしにくさと100Hzステップがネックでした。

去年、webでTR-9300のRITを送信時も有効にする記事(※)を見つけ、RITのVXO化ができればSSBでもゼロインできるよなあ、いいなあと触発を受けて、適当な個体を入手、マネをしてみたのが我が家の9300です。

(※)「TR-9300 RIT改造FINEチューニング化」などのキーで検索してみてください。ありがたいご教示にたどり着けると思います。

無事、送信時にもRITが有効になって、送信周波数も動かせるようになっています。SSB時の選局のしにくさは仕様なので解決できませんが、そのあたりは無線機に合わせるということで楽しんでます。

この個体を持って私の開局から2年目3年目あたりにタイムリープできれば、オールモードに出られるし、SSBでゼロインできるし、周波数も読めるので、夜な夜なラグチューにばっちりだなって思います。筐体も固定機とは違ってコンパクトだし、勉強机の近くに置くのも良さそうです

当時、IC-502で読めないダイヤルを頼りに同級生と待ち合わせるにしても、みんな502で読めないダイヤルなので、こちらがちゃんとしたアナログの固定機で待ち合わせ周波数どんぴしゃを聴いているだけでは気づけなかったりします。そんなとき、9300のDSボタンを押してワッチすれば10kHz幅でスキャンできるし、さらにノイズブランカを入れておけば強い信号でガサゴソいうのでさらに分かりやすいです。と、書きつつも、TS-600のノイズブランカも近隣周波数の強い信号でガサゴソ賑やかになるので、ノイズブランカでワッチなら600の方が得意?ですねw FT-620、620Bや625はこの辺りどうだったんだろう。9300の優位はタイムリープしないと証明できませんね。

 

こちらの動画は先日FK4(ニューカレドニアはFK「8」だけじゃないんですね)が聴こえていたので動画をば。ノイズがけっこうあるので、高い音で聴きやすく微調整して受信中。これだけのことなら無改造のRITでできますね。

あと、うちのTR-9300は、MC-43Sのダイナミックマイクエレメントをエレクトレットコンデンサマイクに変更して使っています。MC-43Sはゲインがあって元気でいいんですが、音が悪いので、少しでもマトモな音にということで。9000シリーズの6ピンのマイク配線は+8Vが来ていないので、使っていない5番ピンに適当なところから取って電源を入れています。

9000シリーズ付属の6ピンマイクMC-40Sの場合、マイクコネクタとマイク本体の間のケーブルが必要最低限の(マイクホット、PTT、UP、DWN、アース)の5本しか入っていないので、科学教材社ECMのように3端子のもの使う場合には、電源用ケーブルをカールケーブルに沿わせて別配線するしかありません。(※UPだかDOWNから電源を取る方法があるとのことです(未検証)。)マイクのホットと電圧が重畳される前提の2端子のECMユニットを使うなら、コネクタ側でマイクのホットの電源を重畳する方法は考えられますね。

もし、ジャンク箱の中に8ピンのMC-43Sが転がっていれば、マイクの筐体を開いてよくみるとなぜか1本余っている配線があるので、その配線を電源用として使えば、音が悪いので使われずに転がっているMC-43Sを活用できます。 あとはコネクタを6ピンに配線するだけ。使う配線も6本なので問題ありません。MC-43Sの配線を余らせているってことは、ケンウッドはMC-43Sの筐体でコンデンサマイク仕様を出す気があったのでしょうか。

2024年5月15日水曜日

そして令和6年のFT-690mk2です。(続き)

周波数を読める50MHzハンディ機!の続きです。

ここからはノウハウ編ですね。

FT-690mk2を手元に置くにあたりあったほうが良いもの

本体(当然ですね)

この機種は電池ボックスの出来がイマイチで、電池の出し入れに伴う開閉を繰り返すとプラスチックのフレームが割れます。そんな電池ボックスですが、あったほうが良いです。

メタル8ピンのマイク、八重洲純正には拘らない

純正のダイナミックマイクは音が良いのか悪いのかわかりません。690mk2のマイクメタル8ピンコネクタの2番には+5Vが来てるので、ここはエレクトレットコンデンサマイクを使いたいところです。変換コネクタを作ってケンウッドのコンデンサマイクかな。

 

上の画像では変換コネクタ経由でMC-90を繋いでます。小さい無線機にリニア+MC-90って好きです。 

フロントパネルのBNCジャックに取り付けるアンテナ

BNCの50MHz用の短縮ロッドアンテナです。これが無いとさびしいですね。本体に一緒に付いてこないなら探すのが難しそうな気がしますが、実は現行品のサガ電子のSUPER ROD-2があるので、妄想する屋外での運用は夢のままには終わりません。

リニアアンプ

自宅でゆっくり運用するときのためにリニアはあったほうが良いです。電池ボックスを外してその代わりに後ろ側に取り付ける10Wリニアアンプ、FL-6020がありますが、私はこれではなく、HL-66Vを使っています。2Wで押しても20-30W出ますし。

当然ながら、HL-66Vなど汎用のリニアを使う場合は、フロントパネルのBNCジャックからの出力をリニアに持っていくので、両端がBNCプラグとMコネのプラグの中継ケーブルが必要です。

HL-66Vの場合は、リモートコントロール端子に送信時に+3~9Vを加えると連動できるピンがある(よくある送信時にアースに落ちるピンもありますが、今回はTXBを簡単に取り出せるので)ので、690mk2のTXB端子(上側蓋を開けると奥に純正リニアコントロール用の端子があって、その真ん中がTXB)を伸ばして、トーンエンコーダ用の穴から電池ボックスを通して後ろ側に伸ばしたところにミニジャックを付けて、これ経由でコントロールすることにしました。

690mk2のTXBは13.8Vなので、何か負荷を入れて電圧を下げたほうが良いです。私の場合はムギ球代替品の電球色LEDを入れていて、閉じられた電池ボックスの中で無駄に光っています。

 ※電池ボックスの中はサビサビのガリガリなので撮影を省略しました。

こうすると、電池ボックスを外したり、中を触れないのでは?と思うところですが、一度このように配線した後は、電池ボックスを外すことはありません。

じゃ、電池運用の場合はどうするのかというと、電池ボックスのDCジャックは生かしてあるので、普段は安定化電源からDCジャック経由で690mk2への電源供給をし、電池運用時はこのように外付け電池ケースに単三エネループ10本12Vを装填して、これをDCジャックに繋いで使います。
外部電池ケース採用案はニャンダース氏よりお知恵をいただいてます。これで心置きなく単二電池用の部品を取り去って、このような使用法に至ることができました。

電池ボックスのDCジャックですが、センターマイナスなので注意してください。どうせ改造するならセンタープラスに変更するのもアリですが、私の場合は安定化電源用のプラグや外付け電池ケースはセンターマイナスになるように配線しました。

肩掛けベルト

手芸屋さんに売っている平らなベルトや留め具を使っても良いと思ってます。私の場合は、かつてRJX-601のために買った手芸屋さんベルトを流用する予定です。


【FT-690mk2のクラリファイヤについて】

この機種はSSB/CW時には最小25Hzステップなので、ほぼゼロインできます。なのでゼロインのためにクラリファイヤを使う必要はないと思っています。また、ズレた相手局を追いかけるためにクラリファイヤを使う場合がありますが、私の場合、習慣的にこれがないんです。IC-502でデビューして以来、ダイレクトにダイヤルで追いかける癖がついてしまっているので、クラリファイヤを使うことはほぼありません。

で、この690mk2のクラリファイヤは仕様上常時ONになっています。つまり、誤ってクラリファイヤつまみがセンター以外の位置にある状態だと、送受信アントランシーブになってしまいます。クラリファイヤのON/OFFができれば良いのですが、その機能はありません。また、このクラリファイヤつまみのセンタークリックが柔らかく、知らないうちにセンターから外れていることもあります。なんで、八重洲はつまみを引くとONとか、もう一手間かけなかったのかなと。

さらに続けますがw、このクラリファイヤつまみですけど、回そうと力を入れるだけで周波数が動きます。(690mk2から音楽を流して、隣の無線機でゼロインして、隣の無線機で音楽を流して、690mk2で音楽がちゃんと聴けるかという方法の)送受信鳴き合わせチェックのときにわかりました。なんかイヤな感じです。クラリファイヤのON/OFFがスイッチでできれば気にしないのですが、常時入った状態でズレる可能性があるというのは、古い無線機だからということをさし置いてもちょっと困ります。

私の場合はこれがイヤで、本体底面の蓋を開けてアクセスするPLL/PAユニット基板のJ05を抜いて、クラリファイヤつまみへの配線を外しました。クラリファイヤの機能は無くなりますが、このつまみが原因でアントランシーブになるのはもっとイヤなので、これでとりあえずの対策としています。

テクニカルサプリメント(mods.dkにFT-690R2のものがあります)にPLL/PAユニットの回路図などが出ているので、ご興味の向きはどうぞ。

PLL/PAユニットの裏側にアクセスして、送信時もクラリファイヤつまみが生きるようにできれば、送受信周波数ともにつまみ位置とともに動くからOKと思ったのですが、不器用なので、寄木細工のように入れられている基板を外して、その裏側へのアクセスの過程で壊す可能性が高いのでやめました。

2024年5月18日追記 コネクタをまた挿して、クラリファイヤ機能を復活させました。送信してると熱で周波数がズレて、お互いに周波数を合わせあってるうちに、これクラリファイヤ使ったほうが良いのでは?と思い至り、復活です。

2024年5月14日火曜日

周波数を読める50MHzハンディ機!

6mハンディ機のないものねだり集 に書きましたが、私の世代が知る50MHzハンディ機に関する印象はこんな感じです。

水晶発振の場合は周波数を読めますが、VFOの場合は大雑把な目盛を参考に勘を鍛えるしかないですし、VXOの場合はVFOよりはマシなものの、それでも目分量でVXOダイヤルを回して選局することになります。

1978年にRJX-610が発売されて、ハンディ機としては初めてデジタル表示で周波数を読めるようになりましたが、この当時は50MHzSSBの平日の夜は混雑して、私が住んでいた1305市付近では50.600以上の周波数でようやく安住の地を見つけるのが通例でした。なので、RJX-610では役者が不足していたんですね。

この頃のわたくしは、自分の部屋におさがりのIC-502を持ち込んで、窓際に1/4λのホイップをガムテープで留めて、中学校の同級生や市内の高校生と夜な夜な喋っていたものでした。502は50MHz台の1MHz幅をフルカバーしていたので、上のほうで待ち合わせをする場合でも追いかけられたんですね。しかし、周波数を読めないので、「50.580で待ち合わせだよ」と言われても自力ではそこに行けないので、前の晩にラグチューしたままの周波数でダイヤルをいじらずに翌晩待ち合わせなんてこともありました。仲間の一人がIS(インターバルシグナル)代わりに音楽を流して、ゼロインして聴きながら待つなんてこともありました。そんな頃、502のダイヤルを眺めて、周波数を読めると楽なんだけどなあと思ったものです。

その数年後、昭和57年の暮れあたりかな、近所の高校生にIC-505を貸してもらったことがあります。PLLのデジタル表示でAM以外は出られる、505の場合は電源があれば10W出るしとすごいなと思ったものです。でも、IC-551と同じで、SSB時の周波数ステップが最小でも100Hzなので、ゼロインもできないし、肝心の無線機としての機能はまだまだと思ったものでした。

で、FT-690mk2です。


この機種、正直なところノーマークでした。大学時代に中学の同級生(この同級生が中学と大学の同級生だったりするんですが)の家に行くとこれがあって、小さいし、周波数は読めるし、SSB以外のモードも出られるし、周波数ステップの切り替えが面倒そうだけど、中学の頃にこういうのがあればなあと思いました。でも、そのころは430MHzFMでラグチューしたり、車に無線機を積んで走り回ったりと無線がからんでも別の興味に移っていたので、欲しいというところまでの熱意は湧きませんでした。

余談ですが、この同級生、ピコ6のオプションを集めてセットにしておかもちのようなラックに収納してみたり、430出ようよと誘ったことがありましたが、それに応じてマランツのC4800を買ってみたり、ハンディトーキー型のハンディ機を何台も持っていたりと、小さい無線機が好きでした。少し前だったらFT-817や818、今だったらIC-705を嬉々として使ってるんだろうなと想像しています。元気かな。

話は690mk2にもどりますが、就職した後、平成に入った後あたりでしょうか、何かのついでに秋葉原のロケットの店頭で見かけて、この機種買っておいた方が良いかなあなんて思いつつも、歩き出したらもう忘れてといった具合で、令和6年の今まで忘れていた存在でした。

長年、IC-502、TR-1300やRJX-601のように、周波数が読めない無線機に興味が行っていたので、肩掛けスタイルのハンディ機で、現代においても実用になるのってあるのかなと興味を持ち、少し調べてみると、

IC-505(FM/SSB/CW)

FT-690(FM/AM/SSB/CW)

FT-690mk2(FM/SSB/CW)

といった機種が浮かびます。505や690無印はSSB時の最小ステップが100Hzなのでイマイチです。反面、690無印の場合はAMにも出ることができます。690mk2の場合はSSB時25Hzステップなので、これなら使えそうということで探してみることにしました。

リニアアンプFL-6020とセットだったりセットじゃなかったり色々ですが、1万円以下で入手できるんですね、面白がって触ってみるくらいならお手頃です。

 

続きます。

2024年4月16日火曜日

6mハンディ機のないものねだり集

私の場合、電話級をとった前後、いちばん無線機を触っていた時期に目の前にあったのがIC-502でした。

ご存じのとおり、502は周波数が読めなくて、温まるまでの間はQRHが大きいという印象の無線機です。これを触りながら、周波数を読めたらずいぶん違うんだけどなと思ったものでした。

そこで、記憶と少しのインターネット上の調査をもとに、私が知っている範囲の6mハンディ機のないものねだり集というのを書いてみました。

---TR-1100B以前は省略

TR-1200 FMでスケルチが使えない、52.5MHzより上に出られない
RJX-601 周波数を読めない、キャリブレが50.0MHzで、51のメインがわからない
IC-502 周波数を読めない(より深刻)上、QRHが大きい

---ここまで周波数を読めない

TR-1300 VFO-40なしでは50.258までしか出られない
RJX-610 デジタル表示だけどQRHが大きい

---PLL化以降

IC-505 SSBが100Hzステップでゼロインできない、AMモードが無くなったBFO入りでしか聴けない、FMがオプション(505はIC-551と違ってA3Hも無くなっちゃったんですね)
FT-690 SSBが100Hzステップでゼロインできない
FT-690mk2 SSBが25Hzステップになったものの、AMモードが無くなった

---以降、いきなりFT-817に至る


※CQ-Pシリーズとピコシリーズは除外してます。

〇CQ-P6300はTR-1200やRJX-601の販売時期に出ていたので、購入する際の比較に挙がったと思うのですが、他の6400(アナログVFOでAM/水晶発振でFM)と6500(アナログVXO、CW/SSB)はそれぞれの機構の旬から遅れていたので、特別この機種が好きという理由がないと買う人はいなかったのかなと。ツクモの広告には安い値段でよく出てましたよね。私は6400の値段をみて欲しいと思いつつも、やっぱり古いんだよなあと思って食指が伸びないよう抑えていました。

〇ミズホのピコシリーズはまた一般的なハンディ機の購入動機とは違うかなと。キットを作ってみたいとか、高田先生のファン(私もそうですけどね)に訴えるものがあって、長期にわたり販売されてました。 ピコシリーズの場合は「ないものねだり」ではなく、自分でなんとかする、または、これはこういうものだと割り切る向きが多かったのではと。

2023年4月3日月曜日

TS-600を愛でる。

開局前に50MHzのSWLを始めたのは、1978年の春あたりから。

その当時、50MHzのSSBで良く使われていたのは、圧倒的にIC-502で、たまにTR-1300、FT-620/Bの人がいて、ちょっとDXっぽい人はTS-600でした。同じ年にFT-625Dの発売があって、600から625に移る人が多かったという印象がありました。IC-501やLINER6の人はレアでした。
我が家の場合、この年の春ごろに父親が突然IC-502とIC-50Lを買ってきて、当初は144の5/8λのGPに繋いだもののあんまりよく聴こえないので、日本RAKのハンディダイポールにしたり、当時流行のタニグチエンジニアリングのSQ-61をあげたりしたのですが、やはり周波数を読めないのがネックで、父親の好みでFT-625Dの導入に至りました。ここにTS-600が割り込む余地はなかったようです。

同年秋に開局した私は、625導入後におさがりのIC-502を自分の部屋に持ち込んで、勉強もせずに夜な夜なローカルの高校生と無駄話をしたものでした。

枕が長いのですが、本題のTS-600です。

TS-600は、CW/LSB/USB/AM/FMと4モードに出られる最初の本当の「オールモード機」でした。HF機と同じく1kHzまで読める安定したVFO、聴きやすい音、強力な内蔵LPFといった強みはあったのの、78年当時では既に機能的に古くなっています。スプリット運用もできず、AGCの切り替えもできません。51.00のFMメインチャンネルQSYも、スイッチ一つでできる後発のFT-625Dに比べると古さは否めません。

でも、開局前の憧れの無線機だったんですね。76年にTS-600が発売されて少しした頃に、トリオにカタログと回路図を請求(注)して、送られてきたカラー印刷のカタログを毎日のように眺めていました。TS-600はCQ誌やラ製の広告にも載ることはあったのですが、いつも600だけがクローズアップされているわけではないので、眺めるにはカタログに勝るものはなかったんですね。その当時住んでいたところには近所にハムショップが無かったので、実物を見る機会がなく、トリオから送ってもらったカタログをとても大切に眺めていました。少し柔らかいフロントパネルのデザイン、緑色のSメータやサブスケールの透過照明はあこがれの対象でした。




600の話を続けます。2000年前後に一度中古で購入して、スケルチが閉じなくなったりで2SC460を交換したりして使っていた時期がありました。その後、引っ越しなどが重なって手放したのですが、2021年の夏に再び盛り上がって、近所のハムショップに中古があるよとの情報に我慢ができず、2度目の購入に至っています。
この筐体は、私の環境ではACでの送信時にハムが入り、まるでFT-620Bみたいだなと苦笑しつつ、電源ユニットの大容量コンデンサを交換してみたりしたのですが、私の環境固有の問題のようで、以降は安定化電源経由で使っています。


 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに、固定ch用水晶をつくりました。5*.00、5*.49、5*.55の3つの周波数です。 .00は51MHzのポジションで使うメインチャンネル用、.49は50MHzのポジションで聴く大田区のビーコン、.55は50MHzのポジションで使うAMで良く使われる周波数用です。でも、水晶を入れたのは良いのですが、意外と使わないんですよね。
※うちの近所の川崎電波研究所がなくなってしまったので、webで検索してアロー電子で作りました。こちらのアロー電子は水晶を1個から作ってくれるので現代ではとても貴重な存在です。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

70-80年代とは違って、TS-600を現代のノイズに囲まれた環境で使うには苦労があります。ある種のノイズはノイズブランカを入れると切れるんですが、近い周波数に強い局が出て来るとノイズブランカを入れたままではガサゴソで使えず、ノイズブランカを切るとノイズまみれになって使えません。特に空気が乾燥した季節はなかなか厳しいです。
このへんはTS-590無印に優位があって、2010年代のノイズブランカ、ノイズリダクション、ノッチでかなり改善されます。今の無線機はもっとすごいんでしょうね。


我が家の50MHzに出られる3台そろい踏みの画像です。画像から察するに、50.100で3台相互に送受信をして調整と確認をしているところではないかと。

600が再び我が家に来てからしばらくの間は、TS-590Sはベンチマーカーというか計測器代わりに使われることが多いので不憫でしたw
SSBの送信音は、600よりもTR-1300のほうが良い音のようです。MC-90を使ってみると、1300では音が良いと驚かれて、600では古い狭い音なのか無反応だったことが多いです。両機ともに使っているクリスタルフィルタは同じなので、フィルタ単体の劣化具合が違うのか、マイクアンプ段の劣化具合か設計の違いってことなんでしょうね。

あと、困ったことにTS-600のマイクの配線とTR-1300のマイクの配線は同じ4ピンながら、マイクとPTTのコールド側の無線機内部側の配線が違っていて、MC-20とMC-50は両機ともに使えるのですが、MC-30Sなど4ピンとしては後期のものは600では使えません。反対に、古いマイクは1300でも使えるんですけどね。
70年代のトリオ機に複数ある4ピンマイク配列ですが、トリオ・ケンウッド純正のマイク変換コネクタMJ-84(メタル8ピンのマイクを4ピンに変換)を使うと、600でも1300でも8ピンマイクを問題なく使えます。さすが純正。
 



















 

 

 

 

(注)ほぼ同じタイミングで高田先生のミズホ通信にMK-610の資料請求をしています。免許をとる1-2年前に、極私的に盛り上がってたんですね。