【お知らせ】
AT-D168UVのコードプラグを当分の間公開しています。いつまでかは考えていません。以下のURLからダウンロードできます。
自分のために作っているものなので、内容に責任を一切負いませんが、カスタマイズのベースに使うなど、ご参考にどうぞ。

2026年4月21日にファイルの更新を行いました。(4/21、長らく見落として載せていなかった3エリアの1局を追加しました。Zone「VoIP」を「VoIP1」と「VoIP2」に分けました。)

ファイルの説明、更新の概要などやダウンロードは以下のエントリーからです。ファイル更新の概要などはご一読くださいますよう。

「AT-D168UV(その6、コードプラグ)」
https://tr-1300.blogspot.com/2025/09/anytone-at-d168uv4.html


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当blogからのトーグループリストの公開は終了しました。FaceBookの公開グループ、DMR OpenSource Japanの「ファイル」からダウンロードできるようになっています。
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2026年7月10日金曜日

FTDX10が来ました(その5)

その4の続き、なんですかね。余談です。

長年、スペクトラムスコープというものは、どこか遠い存在だったんです。TS-2000SXでも、TS-950SDXでも、直近のメイン機(我が家では不遇な扱いを受け続けていますが)TS-590無印には、PCに接続して無償提供のコントロールソフトを動かすととゆっくりとバンドをスキャンする機能がありますが、実用にはなりません。

IC-9700で初めてのスペクトラムスコープの経験をしました。ですが、この無線機では1200MHzのFMでラグチューするくらいの用途でしか使っていないので、付近の周波数にコールサインを言わない集団が出てきた、引っ込んだというのを横目で見るくらいのものでした。

今回、FTDX10で初めて本格的に経験することになったんですが、面白いですね。オシロスコープや音域を表示するグラフは9700同様オマケなところがありますし、八重洲自慢の3DSS表示はちょっと目を引くのでデモ画面向きだと思いますが、シンプルにスペクトラムスコープ表示にして使い始めてみると、50やHFでバンドが開け始めるとグラフに表示される信号が増えて面白いです。

ダイヤルを動かしながらグラフをみると、受信の中心点に追従して回りの信号もくっきり見えながら動いてくれると良いんですが、ダイヤルをゆっくり回さないと追いかけようとしている信号が見えなくなってしまいます。我が家のアンテナがプアなので、信号の山自体が低くて消えやすいところもあるんですが、このあたり改善できないものかなと。それでも、スペクトラムスコープに表示するノイズフロアのレベル調整ができるところは良いと思います。9700でもレベル調整ってできるのかな。自動で合わせてくれるなら楽ですけどね。

50.550MHzのAMモードを聴いていると、スペクトラムスコープで見る幅の設定によって、50.490MHzの大田区のビーコンを見ることができます。この画像ですと、点線のほうがビーコンの周波数になります。その左側10kHz低いところに時間軸に残る青い線が、その10kHz下の50.480MHzにオバケです。

このオバケですが、普段はいないんです。Esが発達してくると見える面白いやつなんです。


動画を載せてみます。受信音声は絞っているので、部屋の音しか聴こえていませんが、2つの信号が見え隠れしているでしょう、しかも、本物と時間的に同期していなくて、オバケのほうは数秒遅れて届くんです。どこかに反射して戻ってきてるんですかね、100km上空のEs層に行って戻ってくるだけなら数秒なんてオーダーで遅れることは考えられないんですが、不思議です。

無線機のナニカによる相互変調や混変調なら、本物と時差の無い信号になるはずなんですよね。不思議です。 

オバケが見えていた時間の国内4カ所の電離層の状態です。稚内では発達、国分寺もじわりと、山川も発達していますね。このオバケ、Es現状を見せてくれるなら便利です。こういうのって、スペクトラムスコープが無い無線機の場合は50.490付近を注意深く聴かないと気づかないですから、俯瞰してみることができるのは、やっぱり画期的なんだと思います。 

TS-590無印に同軸をつけかえて聴き比べてみればよかったんですが、興奮のあまり忘れていました。スペクトラムスコープのバグかもしれないと、オバケのほうの周波数をSSBで聴いてみましたが、やはり信号が来ています。

これって、他の無線機でも同じですよね?諸兄姉の状況をお聞きしてみたいです。 

FTDX10が来ました(その4)

その3の続きです。

まだぜんぜん使いこなすところまで来ていませんが、その後の気づきを並べます。


1.ながらCQのためのメッセージ録音機能

50MHzのAMみたいに、SSBでもそういうところがありますが、延々CQを出しても誰も呼んでこない、そもそも誰も聴いていないかもしれないこの時間、一人CQを出し続けるのは、趣味であってもなかなか忍耐がいる作業です。 せっかくこの機能があるので使ってみることにします。

このメッセージ録音機能ですが、無線機本体にこのためのメモリ領域が用意されておらず、かならずSDカードが必要になります。メニューなどの設定のバックアップができることだし、差し込んでおいたほうが良いですね。Pi-Starで使っていた余りのMicroSDカードをSDカードアダプタに入れて差し込んでおくことにしました。


オプションのFH-2はもっていないので、画面で操作します。取説ではボイスメモリーというんですね。画面ではMessage Memoryと表示されています。

下はメモリバンク1に録音した音声を再生しているところです。恥ずかしいので動画は出しませんが、録音音声再生中はこのようにMessage Memoryのダイヤログで画面中央が占有されてしまい、録音音声のスペクトラムスコープを見ることはできません。

この録音音声の再生中なんですが、スピーカから自分の声が大音量で出てきて驚きます。再生中はTS-590無印もそうなんですけど、音量の操作も何も受け付けなくなるんですね。電源を落として中断するしかないんです。

取説には書いていないんですが、設定を見つけました。 再生時の音量はRX LEVELで調整します。このメモリを使った送信中のマイクゲインはTX LEVELで調整します。RX LEVELは耳に小さく聴こえるくらいに下げて、TX LEVELのほうは590無印でモニタ(590は不憫な生活が続いています)しながら少し上げておきました。 

これでながらCQを出せます。あんまり連続で出していると「こいつまだやってる」と煙たがられてしまうので、ほどほどにですね。

 

2.トーンコントロールができる(マクラが長く、本題に内容がありません。ご了承ください。) 

少し前にTR-9300のAM受信時の聴感を変えられないかということで、ABWアンプを試しました。

これは、有志のとりまとめで市民ラジオ機を現行スプリアス基準に適合改造する際に、オプションの機能として取り入れられていたものです。単体での販売要望があったんでしょうね、AF的に高音、TREBLEを無段階にカットして、AMの受信時にノイズを聴こえなくして、聴感を良くするものです。

以前のエントリーに、TR-9300のAM受信の性能がイマイチという話を書きましたが、もうひとあがきということで、試したときの画像です。9300の性能的に聴こえないものは聴こえないままですが、ABWアンプによる高音カットで受信時の聴感については良くなりました。 

一昔前のちょっとしたラジオやラジカセには、TREBLEとBASSのコントロールツマミがついてましたよね。あれと同じです。

TS-590無印でもAMで試しました。590にはスロープチューンが付いていますが、TS-950シリーズのように無段階ではないんですね。それでも950とは違ってクリスタルフィルタ(AM時はセラミックフィルタかな)による上下帯域のカットではなく、590はIFDSPによるカットなので、AMのような広い帯域であっても聴感が変わるレベルのカットができます。ですが、無段階ではないんですね、ここは残念なんですけど。 590無印においても、ABWアンプによる無段階の高音カットは有効でした。

無線機でも、AF的にTREBLEやBASSの出しや凹みの調整ができたほうがいいよな、なんて考えていたんですが、FTDX10ではこれができることを知りました。

低音と高音を強調した設定で、ラジオ日経第二の「RaNi Music」を聴いてみます。

スピーカはいつものトリオSP-70ですが、フラットのときと比べてあんまり変わりませんね。本体スピーカだと変わるのかな。

無線局の受信に切り替えて、AF TREBLE GAINを下げて、ABWアンプの高音カットと同じことをやってみましたが、理屈どおりに効きます。でも、この無線機だと、ノイズカット目的なら使いやすいNOTCH、CONTOURやDNFを使うほうが手っ取り早いと思います。

すみません、本題の要点は3行だけでした。お粗末。

2026年7月6日月曜日

FTDX10が来ました(その3)

その2の続きです。

空きスロットは埋めずにいられないので、CWナローフィルタを入れています。

ここしばらく、年単位だと思いますが、八重洲のオプションフィルタの入手難が続いていました。最近これが解消したようで、正規の値段で新品を購入できています。 

 

さて、送信面です。

AM、SSBとFMはローカルOMにテストに付き合ってもらい送信音を確認してもらっています。私のほうではまだAMでの送信試験しかロクにやっていないので、AMでの設定を書いてみます。まだ設定が決まったというところまで来ていませんが、こんな感じです。

 マイク:アスタティックAST878DM

  1. マイクアンプの出力は1/4(後のテストを踏まえて今は1/3)
  2. マイク自体のアンプのゲインを下げてるのでエレメントからほぼ0距離で喋る
  3. ゲインが低いのでハアハアはしていない 
FTDX10の設定:
  1. AMCを100にしてALCを効かせないように
  2. 無線機マイクゲインは50(適宜可変する)
  3. スピーチプロセッサはAM時には効かない仕様(残念)
  4. 25Wフルパワー(Mタイプでも100Wタイプと同じく、AMのフルパワーは25Wです。) 
さらに、アスタティックの音色に対応するために、MIC EQの設定で、
  1. 低音域は若干強調、200Hzを+3(可変範囲は-20~+10)にして、Q(強調幅)を1
  2. 元々出ている中音域は少しへこまして、1000Hzを-1にして、Qを2
  3. 高音域は切れを期待して強調、2800Hzを+4にして、Qを1 
にしています。
変調をかけると、 
  • 無線機内蔵出力計は下がる(心配)
  • IDメータも下がる(心配)
  • 安定化電源の電流計も下がる(心配)

ここまで、「マイナス変調」必至(後述) です。

  • ALCメータは無変調時に取説の絵くらいまで振れていて、変調をかけると+20の2と0の間くらいまで振る(心配) 
  • COMPメータは10-20dBまで元気よく振る(心配) 
  • 取説の運用方法と現状を見比べると(心配)なところが心配
 

ですが、

 (後述)変調をかけたときにIDや電流が減るのは、『「無変調時のキャリア出力(25W)に必要な電流」に比べて、「変調時にはサイドバンド分の出力が増える」んですが、「サイドバンド分に必要な電流」よりも、「変調がかかっている間は不要なキャリア分」を減らす制御をするので、トータルでは電流は減るんだそう』な(『 』はGemini談)。 恐るべし数値演算型低電力変調。

古い常識からするとまだ眉唾なんですけどね。少し前までの低電力変調は、変調をかけて電流が減るということは、キャリアレベルが高すぎの状態で、変調をかけるとパワーを食われて「マイナス変調」になるのが常識で、その場合は変調を深くかけたいならキャリアレベルを下げて変調時にパワーが落ちないように調整するのが常でした。

で、ですよ、 内蔵メータ類や安定化電源の電流計は心配な挙動を示しているんですが、

  • 外付けアンテナチューナの電力計は、変調をかけるとともに5W程度多めに振れる(よし!)
  • 隣のTS-590無印(下取りに出されたのではなく、モニタ用として不遇の日々は続きます)でのモニタでは、歪まず、「マイナス変調」ではなく、でも、「プラス変調」でもない。
  • また、モニタする限り、送信開始後最初の「あー」でALCが効いてパワーが落ちたり無音になることはない。(590無印で変調深めでやろうとすると、ALCが効いて頭切れになるので、頭切れにならないところを探る必要があるけど、FTDX10は無造作に「あー」とやっても頭切れしない。AMCを100にした効果でしょうか。) 
  • 複数の局のモニタによれば、変調時にマイナスにはなってない。 
  • 10kmくらい離れたOMによれば、無線機側のマイクゲインを60程度に上げても、多少うるさくなっているけれど、変調時にキャリアに比べてS0.5-1くらい多く振れるとのこと(よし!) 

あとは、AMのとき、マイク本体のゲインをあげてみて、どこまでうるさくなるか(1/3まで上げてチャレンジして、まずまずの評価でした。)ですね。アスタティックのマイクゲインボリュームを1/4にしているときには、無線機本体のゲインを100にしても歪まないとのことなので、次はその点のチャレンジですね。
SSBの場合は、同じ設定でプロセッサレベルを50で送信するとうるさいとのことで、30程度に下げて大人しく喋る感じで。

その後の実験では、マイク本体の出力を1/4から1/3くらいに上げると、隣の590無印のモニタでは、次第にアスタティックらしい音に変わってきました。この状態で「マイナス変調」にならないなら(590でモニタする限りはなっていない。チャレンジした際には10km離れたOMのからもなっていなかったとのレポート。)、本体マイクゲインを1/3よりももう少し上げるくらいまでを調整して、少し大胆な音(無線機マイクゲイン60)のときと、強電界用の大人しい音(同40)の使い分けでいけそうな感じがします。

もう少し詰めてみたいです。

ちなみに、MC-90でもやってみたんですが、このマイクはやはりSSB用ですね。AMでは線の細い音になります。マイクアンプを入れてあげてもそうは変わりませんでした。 

相手になってくれたOMは、FTDX101MPに、純正のダイナミックマイクとコンデンサマイクを併用できるスタンドマイク(M-100)を使っています。音は何も弄っておらず、まったく標準設定とのこと。
同じのを使えば同じ音になるのかな。NHK第一放送みたいにきれいで、しゃべると針2-3本分多く振れる、聴いていて気持ちが良い変調でした。SSBでもね。1200でFMで喋るよりも、こっちのほうが聴いてて楽しい音だなあ。

 

【余談】HF機を触っていて思うのは、AMやSSBの音質に比べて、送信も受信もですがFMは少し劣ります。これは、『スピーカが通信用であること(これはVUのFM機だって同じスピーカを使えば同じですが)、FMだけデエンファシス回路により高音域が削られていることと(VUオールモード機だって同じですよね。)、FMだけトーンエンコーダの周波数帯域が削られているので(FTDX10は極低音域はカットされてます。)、SSBやAMの受信音よりも狭く感じるせいです。これをなぜHF機で感じるのか、それはFM用のフィルタがVUオールモード機のようにFMで使うことを前提とした広さではなく、HF機の場合はオマケだから、ということ』だそう(『 』はGemini談)です。HF機でも高級機だとFMフィルタがちゃんとしたのが付いていて、VUオールモード機に負けない音なんでしょうかね。

FTDX10が来ました(その2)

その1の続きです。

先にBANDスイッチ対策の話を書きましたが、無線機の印象を書いておかないとダメですね。

聴感について

TS-590無印の初見と比べて雲泥の差です。 590無印は、ここで書いたように、標準設定のままでは使えません。いや、私の能力のせいでしょうけれど、590無印はIFDSPによる帯域カットについては秀逸ですが、AFを含むDSPの味付けがへたくそで、SSBの受信音については人の声がノイズより前に出で来ず、AFのDSPイコライジングで、音のカーブをHB1などのプリセットを使って中音域を膨らませて、かつ外部スピーカを使って初めて人並みの音になります。

FTDX10ですが、 スイッチを入れてすぐに聴感の違いに気づきました。内蔵スピーカでも十分に人の声を判別できます。余計な設定をせずとも、標準設定のままで受信機の体をなしています。DSPによる制御も、この世代になると自然な音になっているんですね、さすが発売が10年も違うと一歩も二歩も進歩しています。

また、最近の受信機(とはいっても発売から数年経ってますけど)は受信音のトーンコントロールがついてるんですね。DSPでやってるんでしょうから、590無印のAFDSPイコライジングのお仕着せプリセットに相当するものなんでしょうけれど、モード別にTREBLE、中音域とBASSの出しとへこましができます。私はまだここは触っていません。SP-70をつけてみて、無線機本体スピーカよりも下が出るようになったかな、まあこれでいいや、で使ってます。

 

ケンウッドのスロープチューンとは違って、八重洲はNOTCHとCONTOURの組み合わせや、(AMとFM以外では)SHIFTやWIDTHを駆使して帯域の制御とやノイズ除去を行います。590無印のSSBモードではほぼ無力だったNRも、DNRやNOTCHとCONTOURである程度切ることができます。NBについてはどうでしょうね、新しいだけFTDX10のほうが進歩しているんですかね。NBを使うよりもNOTCHでノイズの音域をカットすることが多いので、あまり使わなくなっています。

 

無線機の設定ですが、八重洲のこのクラス、イメージとしてはFT-897Dあたりと比較してしまうんですが、いやいやFTDXとついているんで比較するのは違うとは思うんですけど、マイクロホン端子がモジュラージャックなので比較対象がそうなっちゃうんですかね、ひと昔前の八重洲のコンパクトな無線機ってABCのボタンあったり、メニューが深いという印象がありますが、「FUNC」ボタンを押すとこのように設定メニューの一覧が表示されます。これ以外の場所で設定するもの(NBやDNRの深さなど)もありますが、画面に一覧が出るのはわかりやすいです。

操作性については、各メーカーの作法があって、それに馴染めるか否かってところもあるんでしょうけれど、個人としてはICOMよりは八重洲のほうが馴染みやすいと思っています。UIで洗練されていないところはたくさんありますけどね。また、メニューにはあるんだけど、その機能の使い方の詳細が取説に出ていないなどの粗はあります。

八重洲自慢の3DSS表示とオシロとAF-FFT(AFレベルの受信音域をグラフ化)の表示をしている画面です。1422kHzの下に小さく音域グラフがありますが、これはIFレベルの音域を示しているらしいのですが、なんか冗長ですよね。

IFレベルの音域グラフですが、AMやFMだと上の画像の表示なんですけど、SSBにしてみるとこうなります。NOTCHやCONTOURで削っているところがわかりやすく表示されるんですが、これ、なんでAMのときにも出ないんですかね。出してよって八重洲にメールしていますが、叶うと良いな。

ちなみにわたくしは、3DSSもオシロやAF-FFT表示併用はしておらず、スペクトラムスコープだけにしています。出るものを出さないのは少し寂しい感じもしますが、3DSSはデモ画面としては良いんでしょうけど、信号強度と時間経過をみるならこちらかなと。

感度が良いとか悪いとかってことは気になりません。無線機を変えたからといって聴こえない信号は聴こえないのは同じです。50MHzのAM時のノイズ対策の手段が増えて聴きやすくなったとは感じます。  

FTDX10が来ました(その1)

TS-590無印を標準原器としてRJX-601のマーカー代わりや他の無線機の送信音のモニタに使っていることが多かったのですが、これも2010年の発売から16年と、けっこうなお年になってきました。さすがに国産ブランド(シンガポール製ですが)ですから壊れるようなことはないんですが、過渡期のIFDSPゆえの拙いところがあります。今の無線機はどう進歩しているんだろうと興味が出てきました。

考えられるのは

〇TS-890S(筐体がTS-950SDX並みに大きいので、置く場所に難あり)

〇IC-7300/MkII(自分的にIC-9700で取った杵柄は活かせるか)

〇FTDX10(久しぶりの八重洲)

〇FT-710(さらに廉価、実売10万円前後という)

の四機種です。

TS-590サイズのTS-890が出てくればそれ一択になりそうですが、あいにくのところケンウッドからはそんな気配はありません。

IC-7300は、IC-9700を購入したときにUIに馴染むのに苦労しました。未だに馴染めないところはあります。ですが、売れているだけあって洗練されているところもあるので頭の隅にはありました。

残る八重洲の2機種ですが、戦略的に廉価なFT-710に心が動いたのですが、9MHzルーフィングフィルタという言葉に推されてFTDX10の50Wタイプに決定です。移動する局なら、送信機の追加の届出の際に電磁波防護指針に関する資料の提出は不要ですし。

ちなみに、FTDX10はSDR機ではありますが、ダブルスーパーヘテロダインです。取説117ページの定格をみると書いてあります。第一IFが9MHzで、第二IFが24kHzとあります。 FMだけはトリプルスーパーという例が多いですが、この機種はFMもダブルスーパーです。

https://pbs.twimg.com/media/HMdAM0AbQAAFUYB?format=jpg&name=large
とりあえず設置して落ち着いた状態

IC-9700やNT-535よりも少しだけ大きく、NT-535の上に置くと少しはみ出します。FTDX10のマイク端子はFT-817NDと同じモジュラージャックでした。幸いにして817を触っていたときに作ったケンウッド→八重洲の8ピンモジュラープラグを他に流用しないで保存してあったので、それを使って、既存のケンウッド8ピンに配線してあるマイクを使えることになります。

 

ダイヤル周りが妙にスポーティにデザインされていますが、使い勝手については… ちょっと触り始めたらBANDボタンの位置が壊滅的に悪いのに気づきます。

でも、バンドを移るのはテンキーで周波数を入力するか、このボタンを押して表示されたバンドボタンをタッチするしかないんです。IC-9700みたいに画面の中で完結させれば良いんでしょうけど、 FTDX10の場合は「BAND」を押してから画面に表示されたバンドボタンを押すので2動作必要なんです。このへん、設計者の方にはもうひとひねりしてから製品化して欲しかった。

私の指だと、FUNCツマミとVFOツマミの間を注意深く進めないとVFOツマミに接触して周波数を動かしてしまいます。バンドチェンジするんだから、元の周波数は動いてもいいじゃんとも考えられますが、不意に触ってしまって動いてしまうのは気持ちが良くないです。

 

この押しにくい位置のBANDスイッチの代替方法を考えます。割り当て可能なPFキーは存在しないので、違う機能で考えるしかないんですね。幸いにして、この機種はメモリチャンネルを呼び出して、そのままVFOダイヤルを回すと周波数を可変できます。M→Vみたいな操作は不要です。なので、それで代用することに。

例えば、50.200、50.550、51.0と3つメモリするとします。無線機は常にメモリ呼び出しモード(「V/M」でM側を表示)しておき、VFOダイヤルの外側の大輪をメモリチャンネル切り替えに割り当てておくことにします。
50.550で運用後、51.0に行きたいときは大輪で次のメモリチャンネル51.0に移り、必要によりVFOダイヤルで選局します。50.550に戻りたいときには大輪で戻ることにします。

メモリで移って、その先で周波数を可変しても、可変した後の周波数は別のメモリチャンネルに移ると忘れるので、覚えておきたい場合は手書きかQMBを使うんでしょうね。
私の場合、この方法でバンドチェンジする場合は可変した周波数は忘れても良いと割り切っているので、とりあえずは不都合はありません。


実際には、50MHzの3つの周波数だけではなく、1.9から順番にバンドや必要によりモードごとに周波数をメモリしておくことになります。押しにくいBANDスイッチを押す(上に書いたようにその後に画面でバンドをタッチする必要あり)よりはストレス無しで移れます。慣れと割り切りですね。
八重洲には、「BANDボタンを押す代わりに、周波数フル桁入力(周波数表示の下三桁部分をタッチ)時に、表示されるテンキーだけではなく、バンドを移れるようにバンドボタンも表示して欲しい」と要望メールを出てみました。仮に叶うにしても時間がかかると思うので、このように次善の策を捻り出しました。

少し前の八重洲機みたいに、MULTIツマミを回すと10kHzステップで可変できると良いんですが、この無線機の場合はMULTIツマミの代替はVFOダイヤルの外側の大輪になります。これをメモリチャンネル可変「MCH」の機能で使う(そのときはSTEP/MCHが点滅)ことになりますが、同時には10kHz「STEP」は使えないんです。これらの機能はお互いに排他の関係(表現として正しくないかも。一方が生きているときには、必ずもう一方は生きていない関係を言っているつもりです。)なので、周波数を動かすのはVFOダイヤルの操作に限定されてしまうんですね。なので、早送りはダイヤルの早回しかテンキーで入れることになりますし、下桁を000で揃えるのも手でやることになります。または、メモリチャンネルを行き来して、そのメモリチャンネルに戻ってということになります。

「STEP/MCH」のLEDが点灯しているときは、大輪がSTEP(例えば10kHzステップ)機能で使えます。これを長押しするとLEDが点滅し、メモリチャンネルの可変になります。下側のC.Sは大輪のカスタム設定で、本当はここに10kHzステップを割り当てられれば良いんですがこれはできず、今はスペクトラムスコープのノイズレベルの可変にしています。