何年ぶりのTR-9300でしょう の続きです。
TS-600の修理と調整をしてEsシーズンに入ったのは良かったのですが、新たな不具合が。送信中にAFが動き続けていて、自分のしゃべる声がスピーカーから聴こえるようになっちゃいました。体の良いモニタ機能と考えるのも良いのですが、しばし600はお休み。
TS-590無印でも良いのですが、どうも新しい無線機では楽しくないので、TR-9300の出番になります。この9300は、マイクのエレメントを科学教材社の66円のECMに変更してあります。インピーダンスマッチングとかは全く考えずに、マイク配線に直結して、別途電源を引いているだけなのですが、純正のダイナミックマイクMC-40S(MC-43Sと同じ)の尖った音とは違って、マイルドで深い変調がかかっているようで気に入っています。
とはいえ、AMで送信することを考えると、もう少し考える必要があるかなとあれこれ始めました。まず、AM時の出力ですが、仕様では3Wとあります。この個体を実測してみると4Wを指します。そして、変調をかけてみるとRFメーターはしゃべりの大きさに応じて振れるのですが、パワー計や電流計をみると変調がかかるごとに数値が下がります。いわゆるマイナス変調ってやつです。もう少しキャリアを減らして、変調がかかるとそれに応じてパワーが出るようにしたいところです。
上側の蓋を開けて、奥側のドライブユニットを触ってみます。こちら(とてもありがたい) によれば、AMのキャリア調整はVR7、マイクゲイン調整はVR6です。
うちの個体では、変調をかけても電流が下がらない設定は、
〇TR-9300単体で使う場合 キャリア2W、変調をかけて2.5Wくらいか。せいぜいキャリア2.5Wの変調時3Wくらいまで。M57735でこんな感じですから、RJX-601の2SC1306で3Wはやりすぎですね。
〇HL-66Vを繋ぐ場合 キャリア0.5W、変調時に1.5Wまでに留めると電流は下がらず、この場合66Vの出力はキャリア10Wで変調時15W
でした。 低電力変調だとこんな感じなんでしょうかね。キャリア調整と合わせてマイクゲイン調整をしました。もうちょっと深くしたいとまわしていたら、開く方向に回し切った状態になっています。歪んでいないのでまあ良いでしょう。
いつもリニアの電源を入れっぱなしということでもないので、キャリアを2.5Wくらいにしておきます。この状態だとHL-66Vを通すとキャリア30Wになりますが、しゃべると電流が減って、いわゆるマイナス変調になります。でも仕方ないということにします。
この状態でS7つくらいで入感している局を呼んでみたのですが、クリアだというレポートをもらいました。 本当は友人と長時間シビアにあーでもないこーでもないと調整したいところですが、50のAMが強くもなく弱くもない感じで程よく届く友人がいないので、機会に恵まれません。至近距離の友人にATTとRFゲインを絞って聴いてもらうのも良いんですが、程よく弱いところをノイズ交じりで聴いて欲しいんですよね。難しいです。
あとは、もう少しゲインが高いマイクを使ってみたいと思っています。カツミのマイクコンプレッサーを出してくるのも良いのですが、コンプレッションのゲインを上げると簡単に歪むし、かといってゲインを下げると音が出なくなったりと難しいです。これを使うと簡単に実現できるハイパワー市民ラジオの音は、近くでモニタするとひどいものですが、あれ、実際に遠いところの局が何を言っているのかはよくわかるので、受信状況が悪いときには効果があるんだよなあと関心します。もちろん彼らは出力も大きいんでしょうけれど。エコーも効果的ですよね。アマチュアバンドでやると下品になるので考えものではあります。でもたまにエコーを利かせている人っていますよね。
「マイナス変調」って実践的にはどの程度OKなんでしょう。変調をかけるごとに盛大に電流が下がり、受信側のSメーターもパワーが食われるがごとく下がるという状況があるにしても、了解度が下がらない信号であれば、カッコは悪いですがアリなのかなとも思っています。
送信側では変調時に電流が下がって「マイナス変調だな」と思っていても、受信側ではちゃんと変調に応じてSメーターが数値の大きいほうに振れている場合もあるでしょう。これも結局、実際に受信してもらわないとわからないんだよなあ。
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