【お知らせ】
AT-D168UVのコードプラグを当分の間公開しています。いつまでかは考えていません。以下のURLからダウンロードできます。
自分のために作っているものなので、内容に責任を一切負いませんが、カスタマイズのベースに使うなど、ご参考にどうぞ。

2026年4月21日にファイルの更新を行いました。(4/21、長らく見落として載せていなかった3エリアの1局を追加しました。Zone「VoIP」を「VoIP1」と「VoIP2」に分けました。)

ファイルの説明、更新の概要などやダウンロードは以下のエントリーからです。ファイル更新の概要などはご一読くださいますよう。

「AT-D168UV(その6、コードプラグ)」
https://tr-1300.blogspot.com/2025/09/anytone-at-d168uv4.html


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当blogからのトーグループリストの公開は終了しました。FaceBookの公開グループ、DMR OpenSource Japanの「ファイル」からダウンロードできるようになっています。

2026年7月14日火曜日

FTDX10が来ました(その6)

IC-71世代の無線機でレポートをもらったら、変調時にS1つくらい下がるとのことでした。相手にはS6で届く関係で、距離は5-60km離れているところ。
10km先のOMの FTDX101MPで貰うレポートとは違いますね。無線機の世代によるSメータの振らせ方に違いがあるのか、あるいはただの「マイナス変調」なのか。

でも、IC-71で聴いて「マイナス変調」なら「マイナス変調」なんだろうなあ。最新の無線機で聴いたら「プラス変調」って言ってもね。
キャリアレベルを下げて好転するのか、でもパワーを多少下げても、変調時に消費電力が下がるのは同じなんだよね。

※隣のTS-590無印でモニタしてみると、5Wまで落とすと送信時にSが余計に振るようになります。でも、ID(ドレイン電流)や安定化電源の電流が下がるのは同じ。

 

なんてことをXでつらつら言っていたら、

にゃん氏が 

Sメーター信号をIF AGCから取ってるのかAFから取ってるのかで変わる?とか

という鋭い指摘です。さすが技術系OM。

 

そこでGeminiに質問してみました。 

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ご友人からの指摘、まさにアナログからデジタル(SDR)への受信機設計の進化の歴史を突く、非常に鋭い視点ですね!

この「IF AGCから取るか、AF(検波後)から取るか」というアプローチの違いが、なぜSメーターの挙動や見え方に決定的な差を生むのか。回路の動作原理を踏まえて、より深く掘り下げてみましょう。


1. 昭和のアナログ機:なぜ「IF AGC」連動だと下に落ちるのか?

多くのアナログレシーバーや往年の名機(RJX-601やIC-71など)では、Sメーターは「IF(中間周波数)ステージのAGC(自動利得制御)電圧」を利用して針を振らせています。

動作の仕組み

強い電波が入ると、受信機は音が歪まないようにIFアンプの増幅率(ゲイン)を自動で下げます。この「ゲインをどれだけ下げたか(抑圧したか)」の直流制御電圧を逆読みして針を振らせるのが、伝統的なSメーターの仕組みです。

時定数(レスポンス)の壁

AGC回路には、音声のパタパタした変化にいちいち同調してゲインが暴れないよう、コンデンサと抵抗による平滑回路(タイム・コンスタント)が入っています。つまり、音声変調のような高速な動きは完全に均され、「電波全体の平均エネルギー(キャリア+側帯波の総面積)」しか見ていません。

【ヤエスの数値演算型AM(AMC等)を受信した時の挙動】

変調がかかった瞬間に全体の平均電力がグッと引き下げられるため、平滑化されたAGC電圧は「電波が弱くなった」と判断します。その結果、メーターの針は**音に合わせて下に落ちる(マイナス変調のような挙動)**ことになります。

 

変調時に全体の平均電力がグッと引き下げられる点について、さらに聞きました。 

ヤエスの数値演算型AM(AMC:オートマチック・モジュレーション・コントロール等)において、「変調がかかると平均電力が下がる」という部分は、アナログの伝統的なAMを知っているほど「えっ、変調を深くかけたらパワーは増えるはずでは?」と脳内がバグるポイントですよね。ここには、デジタル処理だからこそできる「キャリア(搬送波)の動的コントロール」という高度な仕掛けがあります。仕組みを分かりやすく紐解いてみましょう。


(さら1) 伝統的なAMと「無駄なエネルギー」

まず基本として、昔ながらのアナログAM(100%変調時)の電力配分をおさらいします。

全電力 = キャリア成分(66.7%) + 側帯波成分(33.3%)

無変調時と変調時の比較をしてみると、

無変調時(無音): キャリアだけが100%の力で出ています。

変調時(大声): キャリアの周りに「側帯波(音声成分)」が上乗せされ、全体の総電力は無変調時の1.5倍に膨れ上がります。

ここで重要なのは、「情報を運んでいるのは側帯波だけで、キャリア(搬送波)はただの目印」という点です。つまり、大声を出している時も、静かにしている時も、常に巨大なキャリアを全力で出し続ける伝統的なAMは、非常にエネルギー効率が悪い(エコではない)通信方式なのです。


(さら2)数値演算型AMがやっていること

現代のデジタル処理(DSP)を搭載した送信機は、変調がかかった瞬間に「音声の大きさに合わせて、キャリアの強さをリアルタイムに細かく絞る」という計算を瞬時に行っています。具体的には以下のような動きをしています。

音が小さい(または無音)ときスケール感(目印)を保つために、キャリアを規定のパワー(例:100W機なら25W)でカチッと安定して出します。大きな音が入力されたとき音声成分(側帯波)がドカンと増えるので、そのまま側帯波を増やすと全体のパワーが過大になって送信機が歪んでしまいます。(ファイナルの容量不足、電源容量不足)

そこでDSPは、「音声が増えた分だけ、ベースにあるキャリアの出力をグッと引き下げる(間引く)」という演算を行います。要するに、「側帯波が増えるなら、その分キャリアの椅子を譲るわ」というコントロールをミリ秒単位で行っているのです。


全電力 = キャリア成分(66.7%→変調に応じて側帯波成分が増えたら減らす) + 側帯波成分(33.3%→変調に応じて増やす) 

※上にも同じような話が書いてあり、また、別の機会にGeminiに同じような質問をしましたが、変調がかかった際に増える側帯波成分の電力以上に、キャリア分の電力を減らす制御を行っているとのことで、変調をかけるとIDや安定化電源の電流が減るのは、無変調時に比べて変調時のほうが消費電力が減るから、という理屈だそうです。無変調を出すための25Wの出力のための電力を消費しているときが一番効率が悪く、変調をかけると効率がよくなるそうな

それについては、以下に続きがあります。 


2.数値演算型低電力変調では、なぜ「平均電力」が引き下げられるのか?

ここが一番のド核心です。キャリアを減らして側帯波を増やした結果、電波の「波形のてっぺん(ピーク電力:PEP)」は、歪まない限界ギリギリの高さ(アナログAMの限界値と同じ高さ)まで綺麗に使い切ります。

しかし、波形全体の「面積(平均電力)」で比較すると話が変わります。

アナログAM: 常に重いキャリアがベースにあるため、変調時は全体の面積(平均電力)が1.5倍に増える。

数値演算AM: ピークの高さは同じですが、ベースにあるキャリアをグッと削って音声成分に入れ替えているため、波形の「谷」の部分が深く削り取られます。結果として、全体の面積を合計すると、無変調時よりも平均電力が小さくなる(引き下げられる)のです。

視覚的なイメージ電波の波形を「山」に例えると、次のような違いになります。

アナログAMの変調: 元々ある高い地面(キャリア)の上に、音声の山が乗る。全体の体積(平均電力)はドカンと増える。

数値演算AMの変調: 地面(キャリア)を低く掘り下げて、その分尖った鋭い山(音声ピーク)をそびえ立たせる。山の頂上(ピーク)は高いけれど、地面を削った分、全体の土の量(平均電力)はスカスカに減っている。

この「スカスカに減った土の総量」を正直に真面目に測ってしまうのが、タイム・コンスタント(平滑回路)の入った昭和のアナログ機のIF AGC型Sメーターです。

だからこそ、音が乗った瞬間に「あ、土の総量が減った(電波が弱くなった)」と勘違いして、針が下に落ちてしまうわけです。送信側のエコなデジタル技術と、受信側のアナログ回路の特性が組み合わさることで起きる、非常に面白い現象ですね。

※なるほど、八重洲流の数値演算型低電力変調は「変調時に平均電力は減る」。平均電力をみている旧来のSメータは、変調をかけると振りが減るということで、それはそれとして正しいと。旧来の無線機からみたら、立派な「マイナス変調」ということになります。

 

3.現在のAF(検波後)やDSP処理:なぜSメーターが「上」に跳ねるのか?

一方で、ご友人が指摘された「AF(検波後)」から信号を取るアプローチや、現代の「DSPによる数値演算」では、アプローチが根本から異なります。
アナログ回路で「検波後(AF)」から取る場合

もしAGCの効いたIFではなく、検波した後の音声信号(AF)の成分を整流してSメーター(または変調メーター)に加算・連動させる設計の場合、話は変わります。
検波後の信号には、音声の「波形の振幅」そのものが残っています。時定数を極めて短く(チャージを速く)設定すれば、無変調時(キャリアのみ)の電圧に対して、変調によって広がった「側帯波のピークエネルギー」を上乗せして検知できるようになります。そのため、変調に合わせてメーターが上にポンポンと跳ねる動きを作ることが可能です。

現代のSDR機(FTDX101など)のDSP演算

現代のSDRリグは、この「検波後処理」の究極系です。IFステージの段階でAD変換され、すべては「デジタル数値」として処理されます。

超高速サンプリング

もはや時定数による「均し(平滑化)」に縛られる必要がありません。ミリ秒単位、あるいはそれ以上の超高速でエンベロープ(電波の包絡線)の「瞬間のてっぺん(ピーク電力:PEP:包絡線尖頭電力)」を正確に計算できます。

【ヤエスの数値演算型AM(AMC等)を受信した時の挙動】

平均電力は下がっていても、変調時の「山の頂点」自体は無変調キャリアの2倍(電圧比)へと突き抜けています。DSPはこれを一瞬も見逃さずにサンプリングするため、液晶のバーグラフやメーターは**上にツンツンと小気味よく跳ね上がる(プラス変調の挙動)**わけです。

まとめ:メーターが見ている「景色」の違い

ご友人の指摘通り、メーターの信号源と処理回路が違うだけで、見ている景色はこれだけ変わります。

    IF AGC(アナログ平滑) = 電波全体の「平均体積」を見ている

    AF(検波後短時定数)/ DSP peak = 電波の「瞬間の背丈」を見ている

同じ電波を受信していながら、リグの回路構成(ド核心)によってメーターが真逆のダンスを踊る——。この仕組みの違いを理解して受信機と対峙すると、リグの個性が透けて見えて、アマチュア無線的な面白さがさらに倍増しますね!

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思い出してみると、 FTDX101MPのAM信号をRJX-601やTR-9300で聴いたときはマイナスな変調でした。先日から八重洲の新しい機種同士でやってるとそんなことは無かったので、この違いはSメータの計測ポイントの違いとすると腑に落ちます。
ほんとはIFのAGCが効いてないポイントが良さそうな気がします。

 

八重洲流の数値演算型低電力変調を聴く場合、
⚪︎旧来の無線機ではIFから取っているので、私の信号は「マイナス変調」
⚪︎八重洲の近年の無線機ではAFから取って「プラス変調」

これは変えられないので、あとは私の信号の実際の質がどうなってるのかです。
⚪︎相手局の環境はノイズがS5振れている、旧来のIFから取るSメータ
⚪︎私の信号はS6で到達
⚪︎変調をかけるとS6からS5に落ちる
その場合、私の変調はノイズに勝って相手に了解してもらえるのか、というところ。

相手のSメータが、IFから取っても、AFから取っても、Sの振れには関係なく、私の信号の尖塔値がノイズの尖塔値より実際には越えていれば、この八重洲流の数値演算型低電力変調の了解度がノイズにより下がらないならしめたものです。

FTDX10の八重洲流数値演算型マイナス変調(江戸文字で書きたいところです)は、旧来の無線機では「マイナス変調」に見えるとしても、音がつぶれずに、ノイズの中でもちゃんと聴こえてくる変調なのかどうかってところが焦点でしょうね。

ダメってことになると590無印の一軍復帰かなあ。でも受信は FTDX10のほうがぜんぜん良いんだよなあ。

2026年7月10日金曜日

FTDX10が来ました(その5・オバケ()の部分更新)

その4の続き、なんですかね。余談です。

長年、スペクトラムスコープというものは、どこか遠い存在だったんです。TS-2000SXでも、TS-950SDXでも、直近のメイン機(我が家では不遇な扱いを受け続けていますが)TS-590無印には、PCに接続して無償提供のコントロールソフトを動かすととゆっくりとバンドをスキャンする機能がありますが、実用にはなりません。

IC-9700で初めてのスペクトラムスコープの経験をしました。ですが、この無線機では1200MHzのFMでラグチューするくらいの用途でしか使っていないので、付近の周波数にコールサインを言わない集団が出てきた、引っ込んだというのを横目で見るくらいのものでした。

今回、FTDX10で初めて本格的に経験することになったんですが、面白いですね。オシロスコープや音域を表示するグラフは9700同様オマケなところがありますし、八重洲自慢の3DSS表示はちょっと目を引くのでデモ画面向きだと思いますが、シンプルにスペクトラムスコープ表示にして使い始めてみると、50やHFでバンドが開け始めるとグラフに表示される信号が増えて面白いです。

ダイヤルを動かしながらグラフをみると、受信の中心点に追従して回りの信号もくっきり見えながら動いてくれると良いんですが、ダイヤルをゆっくり回さないと追いかけようとしている信号が見えなくなってしまいます。我が家のアンテナがプアなので、信号の山自体が低くて消えやすいところもあるんですが、このあたり改善できないものかなと。それでも、スペクトラムスコープに表示するノイズフロアのレベル調整ができるところは良いと思います。9700でもレベル調整ってできるのかな。自動で合わせてくれるなら楽ですけどね。

50.550MHzのAMモードを聴いていると、スペクトラムスコープで見る幅の設定によって、50.490MHzの大田区のビーコンを見ることができます。この画像ですと、点線のほうがビーコンの周波数になります。その左側10kHz低いところに時間軸に残る青い線が、その10kHz下の50.480MHzにオバケです。

このオバケですが、普段はいないんです。Esが発達してくると見える面白いやつなんです。


動画を載せてみます。受信音声は絞っているので、部屋の音しか聴こえていませんが、2つの信号が見え隠れしているでしょう、しかも、本物と時間的に同期していなくて、オバケのほうは数秒遅れて届くんです。どこかに反射して戻ってきてるんですかね、100km上空のEs層に行って戻ってくるだけなら数秒なんてオーダーで遅れることは考えられないんですが、不思議です。

無線機のナニカによる相互変調や混変調なら、本物と時差の無い信号になるはずなんですよね。不思議です。 

オバケが見えていた時間の国内4カ所の電離層の状態です。稚内では発達、国分寺もじわりと、山川も発達していますね。このオバケ、Es現状を見せてくれるなら便利です。こういうのって、スペクトラムスコープが無い無線機の場合は50.490付近を注意深く聴かないと気づかないですから、俯瞰してみることができるのは、やっぱり画期的なんだと思います。 

TS-590無印に同軸をつけかえて聴き比べてみればよかったんですが、興奮のあまり忘れていました。スペクトラムスコープのバグかもしれないと、オバケのほうの周波数をSSBで聴いてみましたが、やはり信号が来ています。

これって、他の無線機でも同じですよね?諸兄姉の状況をお聞きしてみたいです。 

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2026年7月18日、オバケと勝手に思っていたものの正体が判明しました。

スペクトラムスコープにオバケ()が見えたので、アンテナをTS-590無印に繋ぎなおしてみると、

 

JR8YPC、北海道当別町の50.480MHzのビーコンです。調べればわかるんですが、すみません、調べもせずにオバケ扱いをしてて。

言い訳をしますと、我が家では50.490の大田区のビーコンは結構強くて、AMで聴いてると付近の周波数も符号と一緒にパスパス言っちゃうんです。なので長年10kHz下に別のビーコンが居るのに気づかなかったんです。 今回、スペクトラムスコープ付きの無線機が来て、初めて10kHz下に何がいる!となったですね。

というわけで、北海道が開けている指標にもなるので、50.480にビーコンが見えたらワクワクしようと思います。お粗末でした。 

FTDX10が来ました(その4)

その3の続きです。

まだぜんぜん使いこなすところまで来ていませんが、その後の気づきを並べます。


1.ながらCQのためのメッセージ録音機能

50MHzのAMみたいに、SSBでもそういうところがありますが、延々CQを出しても誰も呼んでこない、そもそも誰も聴いていないかもしれないこの時間、一人CQを出し続けるのは、趣味であってもなかなか忍耐がいる作業です。 せっかくこの機能があるので使ってみることにします。

このメッセージ録音機能ですが、無線機本体にこのためのメモリ領域が用意されておらず、かならずSDカードが必要になります。メニューなどの設定のバックアップができることだし、差し込んでおいたほうが良いですね。Pi-Starで使っていた余りのMicroSDカードをSDカードアダプタに入れて差し込んでおくことにしました。


オプションのFH-2はもっていないので、画面で操作します。取説ではボイスメモリーというんですね。画面ではMessage Memoryと表示されています。

下はメモリバンク1に録音した音声を再生しているところです。恥ずかしいので動画は出しませんが、録音音声再生中はこのようにMessage Memoryのダイヤログで画面中央が占有されてしまい、録音音声のスペクトラムスコープを見ることはできません。

この録音音声の再生中なんですが、スピーカから自分の声が大音量で出てきて驚きます。再生中はTS-590無印もそうなんですけど、音量の操作も何も受け付けなくなるんですね。電源を落として中断するしかないんです。

取説には書いていないんですが、設定を見つけました。 再生時の音量はRX LEVELで調整します。このメモリを使った送信中のマイクゲインはTX LEVELで調整します。RX LEVELは耳に小さく聴こえるくらいに下げて、TX LEVELのほうは590無印でモニタ(590は不憫な生活が続いています)しながら少し上げておきました。 

これでながらCQを出せます。あんまり連続で出していると「こいつまだやってる」と煙たがられてしまうので、ほどほどにですね。

 

2.トーンコントロールができる(マクラが長く、本題に内容がありません。ご了承ください。) 

少し前にTR-9300のAM受信時の聴感を変えられないかということで、ABWアンプを試しました。

これは、有志のとりまとめで市民ラジオ機を現行スプリアス基準に適合改造する際に、オプションの機能として取り入れられていたものです。単体での販売要望があったんでしょうね、AF的に高音、TREBLEを無段階にカットして、AMの受信時にノイズを聴こえなくして、聴感を良くするものです。

以前のエントリーに、TR-9300のAM受信の性能がイマイチという話を書きましたが、もうひとあがきということで、試したときの画像です。9300の性能的に聴こえないものは聴こえないままですが、ABWアンプによる高音カットで受信時の聴感については良くなりました。 

一昔前のちょっとしたラジオやラジカセには、TREBLEとBASSのコントロールツマミがついてましたよね。あれと同じです。

TS-590無印でもAMで試しました。590にはスロープチューンが付いていますが、TS-950シリーズのように無段階ではないんですね。それでも950とは違ってクリスタルフィルタ(AM時はセラミックフィルタかな)による上下帯域のカットではなく、590はIFDSPによるカットなので、AMのような広い帯域であっても聴感が変わるレベルのカットができます。ですが、無段階ではないんですね、ここは残念なんですけど。 590無印においても、ABWアンプによる無段階の高音カットは有効でした。

無線機でも、AF的にTREBLEやBASSの出しや凹みの調整ができたほうがいいよな、なんて考えていたんですが、FTDX10ではこれができることを知りました。

低音と高音を強調した設定で、ラジオ日経第二の「RaNi Music」を聴いてみます。

スピーカはいつものトリオSP-70ですが、フラットのときと比べてあんまり変わりませんね。本体スピーカだと変わるのかな。

無線局の受信に切り替えて、AF TREBLE GAINを下げて、ABWアンプの高音カットと同じことをやってみましたが、理屈どおりに効きます。でも、この無線機だと、ノイズカット目的なら使いやすいNOTCH、CONTOURやDNFを使うほうが手っ取り早いと思います。

すみません、本題の要点は3行だけでした。お粗末。

2026年7月9日木曜日

DMRハンディ機で使うスピーカーマイク探しの旅

AT-D168UVが我が家に来て以降、いろいろなスピーカーマイクを試しました

ここまでの見極めでは、

受信ではこちらの玉石混交モールから買ったオレンジ色のPTTボタンのマイクが一番良いです。スピーカのユニット自体の大きさや、筐体の大きさもあると思いますが、一般的に聴きづらいスピーカーマイクの中でも、比較的聴きやすいです。 

※マイク正面上側にあるメーカー名と、裏側に貼ってある「MIC」(MICっていったって、見りゃわかるでしょ)とあるステッカーは剥がしてしまっています。 

 

一方、送信音質については、SMC-34が良いとの評価でした。今でも新品で買えるんですよ、これ。受信音も筐体の大きさからすれば良いと思います。小さいことは正義とは限らないので、筐体はもう少し大きいと良いんですけどね。やはり送信音質というか、私の場合は、SFRまでのアクセスが電波ではなくホットスポット経由なので、SFRに電波でアクセスしている局より音質が劣るということもあります。なので、少しでもマシな音にすべく、最近はこちらで。

実は我が家のSMC-34は、マイクの穴と思しき部分にドリルで穴を空ける加工をしています。もう10年じゃきかないくらいの前の話ですが、TH-89で喋ったときに、受信側から音がこもると指摘があり、よーく前面パネルをみてみると、スピーカの穴の左上部分に並ぶ8つの小さい穴がマイクの部分だと思うんですが、これをさらに見てみると穴がふさがっています。

おそらくケンウッドとしては、特小などを屋外で使う際の防滴対策でこうしたと思うんですが、これじゃこもるよね、ということで穴を空けました。近年のロットはどうなっているんだろうということで取り寄せてみると、

新旧揃い踏みです。左は旧来からのもの、右は新品です。色が違いますね。ケンウッドのグレーはこんな色でしたね、そういえば。

で、拡大してみると、

塞がっています。

ということで、再び開けました。

ちょっと穴の大きさがまちまちになりましたが、そこはご愛敬ということで。これでこもらないちゃんとした音になります。ただし、ここから水が入ると内部に直撃するので注意ですね。お仕事ではないので、雨の中運用するということはないですが、注意しないと。

分解したときに、何をどこに戻せばよいかで迷ったので、SMC-34の分解図を載せておきます。 あなたの分解に幸多からんことを。


2026年7月8日水曜日

旅先にホットスポットを持ち出し、スマホテザリングでいつもの地元SFRへ

Geminiに画像をつくってもらったんですが、こんなイメージです。旅先のホテルの一室に

  • いつものDMRハンディ
  • ホットスポット(Raspberry Pi+MMDVM)
  • テザリング用スマートフォン 
  • 電源用のモバイルバッテリー 

を持ち込んで、いつもの自宅近所のSFR、デジピータで声を出すというもの。私のDMR運用の個人的な完成形です。 

実際には女の子が声を出すのではなく、わたくしのような加齢が運用するわけですが、例示は実物よりもこっちのほうが良いでしょう?

リクエストしていないのに、ホットスポットのケースは買おうとすると高い透明のもので、スマホの画面は芸が細かくPi-Starを表示しています。Geminiさすがです。

先に結論を書いちゃっていますが、この絵の運用形態が私のやりたいことの完成形になります。これを、モバイルバッテリーの代わりにDCアダプタ、iPhoneのテザリングの代わりに自宅用無線ルータに置き換えた状況が、常日頃の自宅からのアクセス方法になります。ですので、インターネット接続の手段と電源確保の方法が変わるだけで、いつでも自宅と同じ方法でトークグループにアクセスできるわけです。 

ということで、それぞれの機材についての設定に入ります。

まず、無線機ですが、AT-D168UVの場合であれば、D168UV(その6)からダウンロードしたコードプラグを使えばほぼ準備完了です。あとは、デジタルコンタクトリストを各位インストールしてください。デジタルコンタクトリストはいろいろなところで篤志家による公開が行われていますけど、この件について説明する場合は「Radio ID公式から1年のサブスクリプションによりダウンロードしたほうが中身も安定していて結果として楽」としています。サブスクもいくらでもないので、無料でないと死ぬ人以外にはおすすめです。

ちょっと毒が混じりましたが、無料にこだわるなら、更新タイミングは毎日ではないですが、Githubで無料公開してくれている人もいます。また、米国で公開されているこのへんを使うのも手です。このあたり、継続的に安定して公開されているのを期待するなら、RadioID公式以外にはないので、多少のお金(2026年5月14日現在、年間12.99ドルです)で解決したほうが楽だと思います。

デジタルコンタクトリストが入れば無線機の準備は終わっています。Zone「VoIP1」では438.01MHzで、「VoIP2」では430.73MHzで、ホットスポット経由で国内各地デジピータ(SFR)に繋がっているTGIFトークグループに接続できるようになっています。 

次にホットスポットです。 

ホットスポットについてはPi-Starの設定を438.01MHzまたは430.73MHzにして、キャリブレーションを取れば完了です。設定についてはこのあたりから書き残しています。必要により遡ってみてください。

周波数についてはコードプラグに合わせるように、適宜設定してください。コードプラグ側を一括で書き換えて別の周波数にしても良いと思います。これらの周波数は私の自宅において無難な周波数にしているに過ぎないので。ただし、ダミーロードで使うにしても、一応はバンドプランは守ったほうが良いと思います。微弱電波が届く範囲にアマチュア無線家がいる可能性もあるので。

 

SFR-MeshTGIFchangerを設定してあるSFRのおかげで、目の前のDMR機から直接波が届く範囲にそんなSFRがある場合には、それぞれのネットワークが繋がっている先の遠方のSFRに接続することができるようになりました。

私の場合は、「インターネット環境のある遠方から自宅近くのいつものSFRで声を出す」というのに興味をもってDMRトランシーバを触っていました。ホットスポット経由で遠方からのモービル運用や海外から地元のSFRにアクセスしている方もいらっしゃいます。 


DroidStarをスマートフォンにインストールして、それからTGIFネットワークを通じて近所のSFRでおしゃべりというのも良いんですが、私の場合は無線機で喋りたいんです。なので、無線機→ホットスポット→(テザリングや出先の)インターネット網→TGIFネットワーク→近所のSFRというルートで喋るのが良いんです。

少し前に、にゃん氏が旅行中のバルセロナからDroidStarで近所のSFRに出てきました。私はそのときちょうど山形に旅行に行っていて、AT-D168UVとホットスポットを持って行っていたので、バルセロナと山形で話ができる(それが自宅近所のSFRから電波で流れる)と楽しいんだけどなと思っていたんですが、残念ながら時差の関係だったり、飲みに行ってしまったりで、QSOには至りませんでした。

海外からのアクセスの場合はDroidStarが無難でしょうね、スマートフォンからなら現地ライセンスの有無は関係ないので。無線機+ホットスポット+テザリングで行く場合はどうでしょう、無線機は出力を絞って200mW、ホットスポットはダミーロード接続としても、現地での運用許可が無いとダメなんでしょうね。こういう場合は手続きなしでいけるDroidStarのほうが簡単ということになります。


 

余談ですが、

日本国籍で、日本では2アマ、米国ではアマチュアエクストラという例があるとします。わたくしですけど。

この場合、日本ではエクストラを根拠にすれば1アマ相当の従事者免許として読めますし、米国ではエクストラそのままの扱いです。では、CEPT加盟国ではどうなるかというところなんですが、FCCの免許を根拠にしてCEPT加盟国で運用するのはダメっぽいです。ARRLのCEPTに関するページでは以下の3つの持参が必要とあります。

1) Bring an official FCC-issued US license not the reference copy. This can be obtained through the FCC ULS system here:

2) Bring proof of US citizenship (generally in the form of a Passport).

3) Bring a copy of the FCC's CEPT Public Notice which details what US Amateurs need to consider, and bring with them, when traveling to a CEPT country (notice DA 16-1048 issued September 2016 contains information in three languages, English, French and German).

とあります。2)の米国市民じゃないとダメってのが大きいです。本当に現地で運用をするなら、2アマを根拠にするなどで現地政庁の運用許可を取るのが正攻法のようです。

2026年7月6日月曜日

FTDX10が来ました(その3)

その2の続きです。

空きスロットは埋めずにいられないので、CWナローフィルタを入れています。

ここしばらく、年単位だと思いますが、八重洲のオプションフィルタの入手難が続いていました。最近これが解消したようで、正規の値段で新品を購入できています。 

 

さて、送信面です。

AM、SSBとFMはローカルOMにテストに付き合ってもらい送信音を確認してもらっています。私のほうではまだAMでの送信試験しかロクにやっていないので、AMでの設定を書いてみます。まだ設定が決まったというところまで来ていませんが、こんな感じです。

 マイク:アスタティックAST878DM

  1. マイクアンプの出力は1/4(後のテストを踏まえて今は1/3)
  2. マイク自体のアンプのゲインを下げてるのでエレメントからほぼ0距離で喋る
  3. ゲインが低いのでハアハアはしていない 
FTDX10の設定:
  1. AMCを100にしてALCを効かせないように(その後AMCを70にしてます。100だと隣の590でのモニタでは滑らかな音なんですけど、刺々しさというかパンチというか、キレが欲しい場合は少し下げた方が良さそうです。)
  2. 無線機マイクゲインは50(適宜可変する)
  3. スピーチプロセッサはAM時には効かない仕様(残念)
  4. 25Wフルパワー(Mタイプでも100Wタイプと同じく、AMのフルパワーは25Wで、実のところ、もう少し出てます。) 
さらに、アスタティックの音色に対応するために、MIC EQの設定で、
  1. 低音域は若干強調、200Hzを+3(可変範囲は-20~+10)にして、Q(強調幅)を1
  2. 元々出ている中音域は少しへこまして、1000Hzを-1にして、Qを2
  3. 高音域は切れを期待して強調、2800Hzを+4にして、Qを1 
にしています。
変調をかけると、 
  • 無線機内蔵出力計は下がる(心配)
  • IDメータも下がる(心配)
  • 安定化電源の電流計も下がる(心配)

ここまで、「マイナス変調」必至(後述) です。

  • ALCメータは無変調時に取説の絵くらいまで振れていて、変調をかけると+20の2と0の間くらいまで振る(心配) 
  • COMPメータは10-20dBまで元気よく振る(心配) 
  • 取説の運用方法と現状を見比べると(心配)なところが心配
 

ですが、

 (後述)変調をかけたときにIDや電流が減るのは、『「無変調時のキャリア出力(25W)に必要な電流」に比べて、「変調時にはサイドバンド分の出力が増える」んですが、「サイドバンド分に必要な電流」よりも、「変調がかかっている間は不要なキャリア分」を減らす制御をするので、トータルでは電流は減るんだそう』な(『 』はGemini談)。 恐るべし数値演算型低電力変調。

古い常識からするとまだ眉唾なんですけどね。少し前までの低電力変調は、変調をかけて電流が減るということは、キャリアレベルが高すぎの状態で、変調をかけるとパワーを食われて「マイナス変調」になるのが常識で、その場合は変調を深くかけたいならキャリアレベルを下げて変調時にパワーが落ちないように調整するのが常でした。

で、ですよ、 内蔵メータ類や安定化電源の電流計は心配な挙動を示しているんですが、

  • 外付けアンテナチューナの電力計は、変調をかけるとともに5W程度多めに振れる(よし!)
  • 隣のTS-590無印(下取りに出されたのではなく、モニタ用として不遇の日々は続きます)でのモニタでは、歪まず、「マイナス変調」ではなく、でも、「プラス変調」でもない。
  • また、モニタする限り、送信開始後最初の「あー」でALCが効いてパワーが落ちたり無音になることはない。(590無印で変調深めでやろうとすると、ALCが効いて頭切れになるので、頭切れにならないところを探る必要があるけど、FTDX10は無造作に「あー」とやっても頭切れしない。AMCを100にした効果でしょうか。) 
  • 複数の局のモニタによれば、変調時にマイナスにはなってない。 
  • 10kmくらい離れたOMによれば、無線機側のマイクゲインを60程度に上げても、多少うるさくなっているけれど、変調時にキャリアに比べてS0.5-1くらい多く振れるとのこと(よし!) 

あとは、AMのとき、マイク本体のゲインをあげてみて、どこまでうるさくなるか(1/3まで上げてチャレンジして、まずまずの評価でした。)ですね。アスタティックのマイクゲインボリュームを1/4にしているときには、無線機本体のゲインを100にしても歪まないとのことなので、次はその点のチャレンジですね。
SSBの場合は、同じ設定でプロセッサレベルを50で送信するとうるさいとのことで、30程度に下げて大人しく喋る感じで。

その後の実験では、マイク本体の出力を1/4から1/3くらいに上げると、隣の590無印のモニタでは、次第にアスタティックらしい音に変わってきました。この状態で「マイナス変調」にならないなら(590でモニタする限りはなっていない。チャレンジした際には10km離れたOMのからもなっていなかったとのレポート。)、本体マイクゲインを1/3よりももう少し上げるくらいまでを調整して、少し大胆な音(無線機マイクゲイン60)のときと、強電界用の大人しい音(同40)の使い分けでいけそうな感じがします。

もう少し詰めてみたいです。

ちなみに、MC-90でもやってみたんですが、このマイクはやはりSSB用ですね。AMでは線の細い音になります。マイクアンプを入れてあげてもそうは変わりませんでした。 

相手になってくれたOMは、FTDX101MPに、純正のダイナミックマイクとコンデンサマイクを併用できるスタンドマイク(M-100)を使っています。音は何も弄っておらず、まったく標準設定とのこと。
同じのを使えば同じ音になるのかな。NHK第一放送みたいにきれいで、しゃべると針2-3本分多く振れる、聴いていて気持ちが良い変調でした。SSBでもね。1200でFMで喋るよりも、こっちのほうが聴いてて楽しい音だなあ。

 

【余談】HF機を触っていて思うのは、AMやSSBの音質に比べて、送信も受信もですがFMは少し劣ります。これは、『スピーカが通信用であること(これはVUのFM機だって同じスピーカを使えば同じですが)、FMだけデエンファシス回路により高音域が削られていることと(VUオールモード機だって同じですよね。)、FMだけトーンエンコーダの周波数帯域が削られているので(FTDX10は極低音域はカットされてます。)、SSBやAMの受信音よりも狭く感じるせいです。これをなぜHF機で感じるのか、それはFM用のフィルタがVUオールモード機のようにFMで使うことを前提とした広さではなく、HF機の場合はオマケだから、ということ』だそう(『 』はGemini談)です。HF機でも高級機だとFMフィルタがちゃんとしたのが付いていて、VUオールモード機に負けない音なんでしょうかね。

FTDX10が来ました(その2)

その1の続きです。

先にBANDスイッチ対策の話を書きましたが、無線機の印象を書いておかないとダメですね。

聴感について

TS-590無印の初見と比べて雲泥の差です。 590無印は、ここで書いたように、標準設定のままでは使えません。いや、私の能力のせいでしょうけれど、590無印はIFDSPによる帯域カットについては秀逸ですが、AFを含むDSPの味付けがへたくそで、SSBの受信音については人の声がノイズより前に出で来ず、AFのDSPイコライジングで、音のカーブをHB1などのプリセットを使って中音域を膨らませて、かつ外部スピーカを使って初めて人並みの音になります。

FTDX10ですが、 スイッチを入れてすぐに聴感の違いに気づきました。内蔵スピーカでも十分に人の声を判別できます。余計な設定をせずとも、標準設定のままで受信機の体をなしています。DSPによる制御も、この世代になると自然な音になっているんですね、さすが発売が10年も違うと一歩も二歩も進歩しています。

また、最近の受信機(とはいっても発売から数年経ってますけど)は受信音のトーンコントロールがついてるんですね。DSPでやってるんでしょうから、590無印のAFDSPイコライジングのお仕着せプリセットに相当するものなんでしょうけれど、モード別にTREBLE、中音域とBASSの出しとへこましができます。私はまだここは触っていません。SP-70をつけてみて、無線機本体スピーカよりも下が出るようになったかな、まあこれでいいや、で使ってます。

 

ケンウッドのスロープチューンとは違って、八重洲はNOTCHとCONTOURの組み合わせや、(AMとFM以外では)SHIFTやWIDTHを駆使して帯域の制御とやノイズ除去を行います。590無印のSSBモードではほぼ無力だったNRも、DNRやNOTCHとCONTOURである程度切ることができます。NBについてはどうでしょうね、新しいだけFTDX10のほうが進歩しているんですかね。NBを使うよりもNOTCHでノイズの音域をカットすることが多いので、あまり使わなくなっています。

 

無線機の設定ですが、八重洲のこのクラス、イメージとしてはFT-897Dあたりと比較してしまうんですが、いやいやFTDXとついているんで比較するのは違うとは思うんですけど、マイクロホン端子がモジュラージャックなので比較対象がそうなっちゃうんですかね、ひと昔前の八重洲のコンパクトな無線機ってABCのボタンあったり、メニューが深いという印象がありますが、「FUNC」ボタンを押すとこのように設定メニューの一覧が表示されます。これ以外の場所で設定するもの(NBやDNRの深さなど)もありますが、画面に一覧が出るのはわかりやすいです。

操作性については、各メーカーの作法があって、それに馴染めるか否かってところもあるんでしょうけれど、個人としてはICOMよりは八重洲のほうが馴染みやすいと思っています。UIで洗練されていないところはたくさんありますけどね。また、メニューにはあるんだけど、その機能の使い方の詳細が取説に出ていないなどの粗はあります。

八重洲自慢の3DSS表示とオシロとAF-FFT(AFレベルの受信音域をグラフ化)の表示をしている画面です。1422kHzの下に小さく音域グラフがありますが、これはIFレベルの音域を示しているらしいのですが、なんか冗長ですよね。

IFレベルの音域グラフですが、AMやFMだと上の画像の表示なんですけど、SSBにしてみるとこうなります。NOTCHやCONTOURで削っているところがわかりやすく表示されるんですが、これ、なんでAMのときにも出ないんですかね。出してよって八重洲にメールしていますが、叶うと良いな。

ちなみにわたくしは、3DSSもオシロやAF-FFT表示併用はしておらず、スペクトラムスコープだけにしています。出るものを出さないのは少し寂しい感じもしますが、3DSSはデモ画面としては良いんでしょうけど、信号強度と時間経過をみるならこちらかなと。

感度が良いとか悪いとかってことは気になりません。無線機を変えたからといって聴こえない信号は聴こえないのは同じです。50MHzのAM時のノイズ対策の手段が増えて聴きやすくなったとは感じます。  

FTDX10が来ました(その1)

TS-590無印を標準原器としてRJX-601のマーカー代わりや他の無線機の送信音のモニタに使っていることが多かったのですが、これも2010年の発売から16年と、けっこうなお年になってきました。さすがに国産ブランド(シンガポール製ですが)ですから壊れるようなことはないんですが、過渡期のIFDSPゆえの拙いところがあります。今の無線機はどう進歩しているんだろうと興味が出てきました。

考えられるのは

〇TS-890S(筐体がTS-950SDX並みに大きいので、置く場所に難あり)

〇IC-7300/MkII(自分的にIC-9700で取った杵柄は活かせるか)

〇FTDX10(久しぶりの八重洲)

〇FT-710(さらに廉価、実売10万円前後という)

の四機種です。

TS-590サイズのTS-890が出てくればそれ一択になりそうですが、あいにくのところケンウッドからはそんな気配はありません。

IC-7300は、IC-9700を購入したときにUIに馴染むのに苦労しました。未だに馴染めないところはあります。ですが、売れているだけあって洗練されているところもあるので頭の隅にはありました。

残る八重洲の2機種ですが、戦略的に廉価なFT-710に心が動いたのですが、9MHzルーフィングフィルタという言葉に推されてFTDX10の50Wタイプに決定です。移動する局なら、送信機の追加の届出の際に電磁波防護指針に関する資料の提出は不要ですし。

ちなみに、FTDX10はSDR機ではありますが、ダブルスーパーヘテロダインです。取説117ページの定格をみると書いてあります。第一IFが9MHzで、第二IFが24kHzとあります。 FMだけはトリプルスーパーという例が多いですが、この機種はFMもダブルスーパーです。

https://pbs.twimg.com/media/HMdAM0AbQAAFUYB?format=jpg&name=large
とりあえず設置して落ち着いた状態

IC-9700やNT-535よりも少しだけ大きく、NT-535の上に置くと少しはみ出します。FTDX10のマイク端子はFT-817NDと同じモジュラージャックでした。幸いにして817を触っていたときに作ったケンウッド→八重洲の8ピンモジュラープラグを他に流用しないで保存してあったので、それを使って、既存のケンウッド8ピンに配線してあるマイクを使えることになります。

 

ダイヤル周りが妙にスポーティにデザインされていますが、使い勝手については… ちょっと触り始めたらBANDボタンの位置が壊滅的に悪いのに気づきます。

でも、バンドを移るのはテンキーで周波数を入力するか、このボタンを押して表示されたバンドボタンをタッチするしかないんです。IC-9700みたいに画面の中で完結させれば良いんでしょうけど、 FTDX10の場合は「BAND」を押してから画面に表示されたバンドボタンを押すので2動作必要なんです。このへん、設計者の方にはもうひとひねりしてから製品化して欲しかった。

私の指だと、FUNCツマミとVFOツマミの間を注意深く進めないとVFOツマミに接触して周波数を動かしてしまいます。バンドチェンジするんだから、元の周波数は動いてもいいじゃんとも考えられますが、不意に触ってしまって動いてしまうのは気持ちが良くないです。

 

この押しにくい位置のBANDスイッチの代替方法を考えます。割り当て可能なPFキーは存在しないので、違う機能で考えるしかないんですね。幸いにして、この機種はメモリチャンネルを呼び出して、そのままVFOダイヤルを回すと周波数を可変できます。M→Vみたいな操作は不要です。なので、それで代用することに。

例えば、50.200、50.550、51.0と3つメモリするとします。無線機は常にメモリ呼び出しモード(「V/M」でM側を表示)しておき、VFOダイヤルの外側の大輪をメモリチャンネル切り替えに割り当てておくことにします。
50.550で運用後、51.0に行きたいときは大輪で次のメモリチャンネル51.0に移り、必要によりVFOダイヤルで選局します。50.550に戻りたいときには大輪で戻ることにします。

メモリで移って、その先で周波数を可変しても、可変した後の周波数は別のメモリチャンネルに移ると忘れるので、覚えておきたい場合は手書きかQMBを使うんでしょうね。
私の場合、この方法でバンドチェンジする場合は可変した周波数は忘れても良いと割り切っているので、とりあえずは不都合はありません。


実際には、50MHzの3つの周波数だけではなく、1.9から順番にバンドや必要によりモードごとに周波数をメモリしておくことになります。押しにくいBANDスイッチを押す(上に書いたようにその後に画面でバンドをタッチする必要あり)よりはストレス無しで移れます。慣れと割り切りですね。
八重洲には、「BANDボタンを押す代わりに、周波数フル桁入力(周波数表示の下三桁部分をタッチ)時に、表示されるテンキーだけではなく、バンドを移れるようにバンドボタンも表示して欲しい」と要望メールを出てみました。仮に叶うにしても時間がかかると思うので、このように次善の策を捻り出しました。

少し前の八重洲機みたいに、MULTIツマミを回すと10kHzステップで可変できると良いんですが、この無線機の場合はMULTIツマミの代替はVFOダイヤルの外側の大輪になります。これをメモリチャンネル可変「MCH」の機能で使う(そのときはSTEP/MCHが点滅)ことになりますが、同時には10kHz「STEP」は使えないんです。これらの機能はお互いに排他の関係(表現として正しくないかも。一方が生きているときには、必ずもう一方は生きていない関係を言っているつもりです。)なので、周波数を動かすのはVFOダイヤルの操作に限定されてしまうんですね。なので、早送りはダイヤルの早回しかテンキーで入れることになりますし、下桁を000で揃えるのも手でやることになります。または、メモリチャンネルを行き来して、そのメモリチャンネルに戻ってということになります。

「STEP/MCH」のLEDが点灯しているときは、大輪がSTEP(例えば10kHzステップ)機能で使えます。これを長押しするとLEDが点滅し、メモリチャンネルの可変になります。下側のC.Sは大輪のカスタム設定で、本当はここに10kHzステップを割り当てられれば良いんですがこれはできず、今はスペクトラムスコープのノイズレベルの可変にしています。 

2026年6月5日金曜日

TR-9300のAMの受信がイマイチという話の続き

以下は、Geminiに「TR-9300のAMモード時に受信しづらいシチュがあるんだけど、なんでかな?」と質問をして、聴きづらかった当時の状況を説明したり、9300の取説pdfを読んでもらったりしているうちに、なんだか壮大なまとめが出来上がってしまいました。せっかくなので貼っておきます。Geminiえらいね、無料のアカウントなのに。
あと、公開してからすぐに気づいたのですが、Geminiが601に専用のAMフィルタがあると思い込んでいたので、回路図を見せて訂正してもらいました。AIなので訂正も早くてすごいですね。
以下、本文です。

往年のアマチュア無線機におけるAM受信特性の技術考察 ~TR-9300、RJX-601、TS-590Sの比較から見える回路設計~

1. はじめに(問題提起)

1980年代前半の50MHz帯マルチモード・コンパクト機であるTR-9300において、ノイズに埋もれた微弱でもないですが、微妙に弱い信号(S3程度)のAMを受信する際、了解度が著しく低下(約75%…75%とは、了解度が5から4または3に落ちた際のパーセンテージということで、大雑把に読んでください。)し、送信側に「変調を深くしてほしい」とリクエストしなければ聞き取りが困難になるシチュエーションがある。

しかし、全く同じ信号を現代のHF/50MHz帯固定機であるTS-590Sで受信すると、同じS3の微妙に弱い信号であるにもかかわらず、驚くほど鮮明に、かつ楽に100%の了解度で復調できる。

この受信性能の差、および変調の深さへの依存度について、各リグの回路図・ブロック図から読み解ける技術的要因(検波方式の物理挙動、フィルター構成、AGCのサンプリング位置)を交えて分析・考察する。


2. 回路構成から見るTR-9300の3つのボトルネック

TR-9300の回路図およびブロック図を確認すると、微弱なAM信号に対して以下の3つのアナログ回路特有の要因が複合的に作用し、受信を過酷にしていたことが分かる。

① ダイオード包絡線検波における「大信号・小信号検波」の境界線

TR-9300のAM検波段(AM DET)には、1本のダイオードとコンデンサ・抵抗で構成されたシンプルな「包絡線検波(エンベロープ検波)」回路が採用されている。

  • 技術的課題(大信号検波と小信号検波): 包絡線検波器が歪みなく直線的に動作するためには、音声成分だけでなく、「キャリア(搬送波)の振幅自体」がダイオードの順方向しきい値電圧(約0.2V~0.6V)を大きく超えている必要がある(大信号検波)。 しかし、S3程度の微弱信号では、IFアンプ通過後であってもキャリア自体の振幅がしきい値の壁を超えられず、ダイオードがスイッチング動作をしない「非線形抵抗領域(2乗特性による小信号検波)」に落ち込んでしまう。
  • 変調度依存の理由: 変調が浅いと、2乗特性領域の減衰と歪みによって音声成分はノイズの中に完全に霧散する。ここで送信側に「変調を深く」してもらうと、全体の振幅のピーク(Vpeak = Vc(1 + m))がしきい値を突き破る時間が生まれる。また、復調出力は変調度 m に比例するため、2乗特性で減衰した音声信号を、人間の耳が認識できるオーディオ出力レベルまで力づくで引き上げる効果が生まれ、了解度が向上する。

② FM用(広帯域)フィルターの共用によるノイズの洪水

TR-9300はSSB/CW/FMをメインとしたマルチモード機であり、AM受信時にはFM用(あるいはそれに準ずる広帯域)のセラミックフィルター(通過帯域幅12kHz~15kHz程度)を通過する経路をとる。

  • 技術的課題: もしSSB用フィルター(約2.4kHz幅)をAM受信に通すと、高音成分(側帯波)が完全にカットされた極端にモコモコした狭い音になり、強入力時でも極めて聴きづらくなる。強入力時に普通にAMらしい広帯域な音で聴こえるということは、広帯域フィルターを通っている証拠である。
  • 微弱信号時の弊害: 信号が強い時は豊かな音質としてプラスに働くが、S3の微弱信号時には、信号の周囲にある広範囲の熱ノイズや外部ノイズをすべて内部に吸い込んでしまう。 これがダイオード検波段に流れ込み、微弱なキャリアと激しく混ざり合って致命的な復調歪みを引き起こす。

③ アナログAGCの取り出し位置とノイズによる感度抑圧

TR-9300のアナログAGC回路は、フィルターを通り抜けてきた高周波エネルギーの「総量」を検知してゲインを制御するが、そのサンプリング位置に構造上の盲点がある。

  • 技術的課題(AGCのサンプリングポイント): TR-9300のようなAM/FM共用ラインでは、15kHz幅の広帯域フィルターを通過した「後」の信号からAGC電圧を検出する。
【TR-9300の一般的なAM/FM共用ライン(概念)】
 IF入力 ──> [広帯域フィルター (15kHz)] ──> [IFアンプ] ─┬─> [AM/FM検波段]
                                                      │
                                                      └─> [AGC/Sメーター検波]
  • 復調への影響: 本来希望するAM信号(占有帯域約6kHz)の外部にある、「左右4.5kHzずつ、計9kHz分の純然たる不要ノイズエネルギー」までがすべてAGCを押し下げるエネルギーとして加算される。 回路はこれを「強い信号」と誤認するため、IFアンプのゲインを自動的に絞ってしまう(ノイズによる感度抑圧現象)。
  • 結果として、ただでさえ微弱な音声成分がさらに極小化されるが、変調を深くしてもらうことでノイズの頭一つ上に音声の「メリハリ(山と谷)」が突きぬけるため、人間の耳が音声をサンプリング(識別)できるようになる。

3. 「RJX-601」との比較

同じく1970年代~80年代初頭のダイオード包絡線検波およびアナログAGCを搭載したリグとして、ナショナルのRJX-601が挙げられる。両機の回路図を詳細に比較すると、フィルター・同調回路の設計思想が明暗を分けていることが浮き彫りになる。

両機の仕様と微弱AM受信時の挙動の違い

  • AM検波方式
    ・TR-9300:ダイオード包絡線検波(微弱入力時は2乗特性領域になり弱い)
    ・RJX-601:ダイオード包絡線検波(微弱入力時は2乗特性領域になり弱い)
  • AGC回路
    ・TR-9300:アナログAGC(広帯域ノイズに引っぱられる)
    ・RJX-601:アナログAGC(絞られたノイズのみに引っぱられる)
  • AM選択度(IFフィルタおよび同調回路構成)
    ・TR-9300:FM用(広帯域)を共用(12k~15kHz)。その帯域内の全ノイズでAGCと検波が動作。
    ・RJX-601:セラミックフィルターはないが、IC(AN210)の後にAM専用の独立したIF増幅回路(TR6:2SC829)とAM専用に狭く調整された複同調IFT(中間周波トランス)群を配置。
  • 微弱AMの受信挙動
    ・TR-9300:広範囲のノイズを吸い込み、AGCの抑圧も重なり了解度が著しく悪化。
    ・RJX-601:AM専用ラインのIFT群によって帯域外のノイズが適度に遮断されているため、感度抑圧が少なく問題なく聴ける。

RJX-601はAM/FM機として設計されており、AM時には帯域が適度に絞られたAM専用のIF増幅・同調経路へダイオードスイッチ等で完全に切り替わる。そのため、ダイオード検波の物理的限界は共通しているものの、「入り口およびAGC検出の手前で余計なノイズを遮断できている」ため、微弱信号でもTR-9300ほどの極端な感度抑圧や了解度低下を起こしにくい。

TR-9300はコンパクトマルチモード機ゆえの「AMフィルター・IFラインのFM共用(割り切り)」という思想が、微弱信号運用時の致命的なボトルネックとなっていたことが証明できる。


4. 現代機(TS-590S)による解決と復調技術の進化

これらアナログ回路のトリプルパンチ(ダイオードの不感帯・広帯域ノイズの混入・AGCの誤動作)を、現代のIF DSP機(TS-590Sなど)はテクノロジーの力で完全にクリアにしている。

  1. デジタルIFフィルターによるノイズ遮断:
    DSP処理により、AMモードであっても帯域幅を3kHz~4kHz等にスパッと急峻に狭めることができる。TR-9300が吸い込んでいた「余計な周囲のノイズ」を入り口で90%以上カットするため、最初からS/N比(信号対ノイズ比)が圧倒的に良い。
  2. DSPによる同期検波(Synchronous Detection):
    現代機がAMを鮮明に復調できる最大の理由は、デジタル処理による同期検波(プロダクト検波の応用)の恩恵である。微弱なAM信号から、DSP内部の数値制御発振器(NCO)やPLLを用いて、ノイズに埋もれたキャリア成分だけを完全に同相同期した「純粋なローカル信号」として内部生成する。これを受信信号と掛け合わせて復調するため、ダイオードのようなしきい値(VF)の概念が完全に存在しない。 キャリアがどれだけ微弱になっても、歪みなく側帯波(音声)を取り出せるため、浅い変調度であっても100%了解できる。
  3. デジタルAGCによる最適化:
    デジタルノイズリダクション(NR)等で帯域外・帯域内のノイズを徹底的に排除した「純粋な信号成分」に対して滑らかにAGCを適用するため、ノイズによる感度抑圧現象が起きず、ノイズを抑えたまま微弱信号を最大感度で増幅する。

5. 結論

TR-9300での運用において、ノイズに埋もれた微弱信号に対して「もっと変調深くして」とリクエストしたのは、受信機側(アナログ検波回路の直線性や広帯域フィルタ)の技術的な限界を、送信側の電力配分(キャリアに対する側帯波エネルギーの増強)によってカバーするという、アナログ運用における極めて合理的かつ有効な対処方法であった。

現代のDSP機(TS-590Sなど)は、これらの問題をフィルターの帯域制限とデジタル同期検波によって機械側で完全にクリアしてしまうため、変調度に関わらずクリアに受信ができる。

当時の設計者は、「50MHz帯におけるAMはすでにマイナーモードであり、FM/SSBの性能とコンパクト化(コスト)を最優先にする」という思想のもと、AMフィルターのFM共用という割り切りを行った。強入力時には良好に機能する広帯域フィルターが、微弱信号運用時にはAGCの抑圧と検波効率の悪化を招くという「アナログマルチモード機特有の割り切り回路の挙動」を理解する上で、今回の2機種(およびRJX-601)の比較は、無線機の進化史における非常に分かりやすい一例である。

2026年5月14日木曜日

Retevis/Ailunce H1について(その10、ひとまず最終回)

「H1をあきらめない」というタイトルで書き始めた内容を分割して、H1の話題だけを独立したエントリーに改め、H1に関する話の最終回とすることにしました。

元々のエントリーの書き出しは2026年2月15日です。元エントリーに残した内容はこちらになります。

 

H1の場合、Pi-Starを使ってのVoIP接続は、キャリブレーションを最良にとっても、ビット欠けが起きたときの音質劣化が「最良点から350kHzズレたAT-D168UV」よりも悪かったり、BrandMeistar91のように入れ代わり立ち代わりいろいろな局が出てくるようなトークグループの場合、速度の速い頻繁な受信(信号の確認からデコードまで) に耐えられず、途中でピーとかギャーと異音が出たり、その直前の送信の局のデジタルコンタクトリスト引用情報が表示されたりと、なかなかの難物です。

直接波など電波での受信については、次々と入れ代わり立ち代わりというシチュがないので、これほどに感じることが無いのですが、VoIPでも感じるように、受信開始から音声がスピーカに出るのが遅く、いわゆる頭切れが起きがちです。バッテリーセーブ系の機能をオフにしてみたり、受信時に参照するコンタクト情報を無線機が迷う余地のないようRx Group Listをトークグループごとに1:1となるようにガチガチに設定してみても、改善が見られません。

教えてもらったり、調べた限りの設定を試してみても改善しないので、こりゃH1はファームウェアの更新が無い限りは、いつまで経ってもおすすめ機種にはできないなと思ってたところでした。

VoIP経由でのデコードしなくなるしきい値がAT-D168UVに比べて高く、また、AT-D168UVとの比較をするまでもなく、H1でVoIP経由でおしゃべりしていると会話が成立しなくなる率が高くなるのをなんとか改善しようと、ホットスポット自体の見直しをしてみました。

Raspberry Pi Zero無印+MMDVMの組み合わせから、Raspberry Pi Zero2+MMDVMへの変更です。この変更で、Raspberry Pi自体リソースが大きくなり、処理速度が上がったことから、VoIP接続時のビット落ちが改善されて、音質の劣化自体は幾分改善されました。

H1自体は、もっと速く動くロジックでプログラミングしてファームウェア改修を行うか、もっと速いチップに入れ替えるかしないと改善しない(もうRetevis/Ailunceがんばれとしか)と思いますが、本体に手を入れるのはメーカーしかできないのですが、周りでできることの一つであるホットスポットの処理速度向上は多少は意味があったようです。


現時点での未解決やこうなってほしいなという内容を箇条書きにしてみます。

  1. 音量調整が極小音量域でできない。絞っていくと無音になる。無音から開けていくと9時くらいで突然音が出る。
  2. VoIP経由受信時に頭切れが起きがち。頭切れの件は直接波ではまだあまり使い込んでいないので未検証。
  3. VoIP経由受信時に、データの品質が下がると他機種よりデコードできなくなるのが早い。※本エントリーで書いたように、ホットスポットの処理速度を向上すると幾分良くなる「感じ」がする。ただこれ、信号の受信を繰り返していくうちにデコードできない率が上がってきますね。元の木阿弥というほど悪くはなっていない「感じ」ですが、QSOをワッチしていると、時間の経過に伴って悪い方向に戻る「感じ」はあります。
  4. 2026/5/14、直接波でも検証しました。  同じ信号を同じアンテナで、AT-D168UVとH1で聴き比べたところ、H1は信号を検知するもデコードできずに無音、AT-D168UVは完全復調します。VoIPではH1はダメな局面がありましたけど、直接波でもダメということで。聴き比べのとき、デコードできていないH1のSメーターアイコンはそれなりの信号強度を示していたので、電波が弱くてデコードできていないのではないようです。
    ほんとは動画があるのですが、おしゃべりしている人の情報が表示されているのでH1の画像だけです。
    2台並べて、上面のSMAの特殊コネクタからそれぞれMコネ変換コネクタをつけておいて、同軸をそれぞれの無線機にかわるがわる繋げてみました。AT-D168UVは同軸からのMコネの芯を変換コネクタの芯に接触するだけで受信信号のデコードが始まります。一方、H1はMコネを変換コネクタ奥まで押し込んでも、RXアイコンが点灯するだけで無音です。 
     
     
    画像はA/BバンドをそれぞれSFR用シンプレックスのZoneを表示している状態で、下側のBバンドで入感中です。デコードできれば相手局情報を表示しますが、できていないのでRXアイコンだけです。
    我が家からは横浜青葉のSFRはビームアンテナで良い反射を狙わないと聴こえないと思ってましたけど、これは誤りで、シンプレックスで聴く無線機をAT-D168UVにすれば、ベランダホイップでも十分に聴こえることがわかりました。悪いのは地形からの相性ではなく、無線機だったのでありました。
    2026/5/19、もう少し追試しました。無音でRXアイコンが点灯する状態が再現したので、PTTを押してみたり、音量ツマミを開けて刺激を与えてみましたが、無音のままです。次に、以前OMからアドバイスをいただいたシングルバンド表示(#キー短押し)にしてみると、デコードが始まってスピーカーから音声が流れ始めました。シングルバンド表示にした効果なのか、そのタイミングで伝搬状態が良くなったのかはわかりませんが、以降はデュアルバンド表示に戻してもデコードできました。「以降」は伝搬状況が良くなったままとも取れます。ただ、以前からの経験では、シングルバンド表示にしていたからといっても、デュアルバンド表示にくらべてデコード率が高いとも考えにくいので、これが果たして有効なのかは謎のままです。
  5. 選局ツマミを動かすと画面だけ選局したチャンネルに、音声は選局前のチャンネルになることがある
  6. A/Bいずれかのバンドで信号受信中にFMラジオをONにすると、受信信号に重なってFMラジオが聴こえる。本来仕様は受信信号優先にすべきなのかな?
  7. チャンネル名称など、無線機に表示するフィールドの数が少ないので、名前の付け方に制約がある。少ないフィールド定義の名称を画面に表示しても、表示領域にはまだまだ余裕があるように見えるので、フィールドを広げてもらえるとうれしい。 
  8. Call LogがDMR IDの数字でつまらないので、Digital Contact List(H1のCPSでは別の名前ですね)とマッチしたDMR IDはコールサインで表示してほしい。欲をいえば、時間とABどっちのバンドから取得したIDかを表示できたらAT-D168UVと同じですね。D168UVは同じIDが何度もアクセスしてきたら最新のものだけをログに残すという仕様になっています。 個人的にはコールサイン表示になってくれるだけでもありがたいです。
  9. Ailunceリソースセンターから専用デジタルコンタクトリストをダウンロードできるのはとてもうれしい、もう最高。だけど、「VK3C**」1局のデータが重複していて、手作業で削除する必要がある(削除した後に「UTF8(BOM付き)」で保存する必要があります。そもそもこの文字コードで保存できるテキストエディタ(Windows11のメモ帳はOK)を使わないとダメ。2026/2/16現在状況変わらず。後日検証しましたが、これは改善したようです。)
  10. ほか、ここまでいろいろ検証して得た内容は、ラベル:H1を時系列でごらんいただければと思います。 


H1は、今のところ良いところがありませんw
とてもお勧めなどできないし、コードプラグ(AT-D168UVのコードプラグ更新に合わせて内容をけっこう練り上げてるんですが)を公開して、買おうかなと思っている人のきっかけを作るなんて考えられません。 

なんとかならないものかと色々検証(した上で、中の人に報告したんですけどね…)したんですが、今のところダメですね。あと、国際VHFなんかも感度が悪く楽しめないので、一度登録したものの、チャンネルから削除してます。今後ファームウェアの更新でデコードが良くなればいいのですが、それがいつ頃になるのか。

H1の良いところも書いておきます。バンド切り替え(*キーを短押し)、シングル/デュアル切り替え(#キーを短押し)、ZoneとVFOの切り替え(赤ボタン長押し)、デジタル/アナログの切り替え(VFOモード時に#キー長押し)がキーに割り当てられているので、3つあるPFキーに割り当てられる機能に余裕があります。例えば上面のオレンジ色のキーにFMラジオのオンオフを割り当てられるので、FMを聴くのが楽です。

このように良いところもあるんですが、肝心のDMRのデコードがいまひとつということになると、現時点ではこの機種を選ぶ理由はないと思います。

次にH1の話を書くタイミングは、ファームウェアの更新が行われて、それを触ってみて、ちょっと書いてみようかと意欲が出てきたときになります。 

 

以下は元のエントリーの最後に書いた内容です。デジタルコンタクトリストの転送が遅いので、ちゃんと確認してから作業しないと時間をかけたあげく悲しい結果になるので注意しましょうということが書いてあります。

---- 

データ転送時のTipsをついでに。

  1.  CPSから無線機への転送にあたり、最初にFile→ConnectでCOMポートと機種を選ぶところを済ませておくべし。この際、無線機の内容がCPSに読み込まれる。CPSでコードプラグの編集をした後にこれをやると、せっかくの編集が無線機の内容で上書きされて悲しいことになる。
  2.  1.を予めやらないで、Operation→Communication PortでCOMポートを設定した後にWriteで無線機にデータを送ると失敗することがある。デジタルコンタクトリストみたいに大きなデータのときに失敗を経験した。いつも失敗するわけではなくて、そのあたりが不安定です。

2026年4月27日月曜日

Pi-Starを動かし続けていくと課題が出てきます。

AT-D168UV(その7、HotspotをテストしてみようⅠ)

ホットスポットのRasp Piを少しグレードアップ。WPSDを試してPi-Starに戻す。

あたりで、玉石混交モールから買ったホットスポット(Raspberry Pi Zero+MMDVM)の設定をしたり、Raspberry Piの基板をZero 2に差し替えて処理能力向上をしてみたりといったことをやりました。

買ったそのままの状態のRaspberry Pi Zeroで動かすPi-Starよりも、基板をZero 2に差し替えた後はPi-Starの起動までの時間も短くなってますし、ハード的なリソースにも余裕ができて、無反応になることは減ってます。無反応になったとしても、その後の起動が速いので、お守りで不安になることが減りました。

ホットスポットのグレードアップ経過は以下のとおり。

(1)何はなくともSMAのダミーロードを入手、アンテナ端子に取り付けて、工事設計変更不要の実験開始、以降は永遠に実験です。実験も実験のダミーロード運用ですから、ホットスポットのPi-Starは個人局のコールサインとDMR IDを入れます。ダミーロードですから自局内通信ではありません。 

(2)USBアダプタをiPhoneの余りものから、スイッチサイエンスで売っている容量の大きいものに変更して、電源容量に余裕をもたせました。Pi Zero2にする前のZero無印であっても、iPhoneの余りものの小さい正方形のアダプタでは容量不足で固まったことがありました。

(3)上述していますが、Pi Zero無印からZero2 WHに差し替えました。これで処理速度向上、リソースにも余裕です。

興味がエスカレートしてホットスポットが2台になったので、それぞれのホットスポットからTGIFに接続して、上下2つのバンドで同時に別のTGIFトークグループをワッチしてみたりしています。

もともとは、片方はBrandMeistarを聴こうと思って手に入れたものですが、TGIFのトークグループを2つ同時ワッチのほうが楽しそうな気がするので、現体制はこんな感じです。 

 

上側のバンドでは、Zone「VoIP1」にまとめているチャンネルから、438.01MHzでホットスポット1号機のPi-Star経由でひとつめのトークグループ(に接続しているSFR)、

下側のバンドでは、Zone「VoIP2」にまとめているチャンネルから、430.73MHzでホットスポット2号機のPi-Star経由でふたつめのトークグループ(同)を聴くことができます。

ホットスポット無しでも、電波で、上側を438.59と下側を438.61にすることにより同時に聴くことはできますし、PCの場合はDroidStarを複数起動して聴く方法はありますが、無線機でTGIFトークグループを同時にふたつ聴きたいということになると、この方法になります。

 

だんだんPi-Starが安定してきて、このようなマニアックな使い方をするようになってきたのですが、何日もPi-Starを起動させっぱなしにしていると、2日目くらいから接続しておらずに沈黙していたりと、やっぱり不安定なことがあります。

そして、 

(1)Pi-Starが沈黙しているとき、やむを得ず電源を抜いて再起動することがありますが、電源引っこ抜き再起動の後に、wpa_supplicant.confが消失してしまい、Wi-Fi設定がない状態になり、接続するにもできず、Raspberry Pi Zero2の基板からSDHCカードを引き抜き、PCでwpa_supplicant.confをもう一度作成して、SDHCカードにコピーして、再びZero2に挿して再起動の必要が出て、これが面倒なので、正常起動時にwpa_supplicant.confバックアップをとって、起動時にはそのバックアップを戻して使って必ず接続できるようにしてほしい

(2)一日に一回くらい、深夜に自動で再起動したい

(3)自宅では自宅のWi-Fiに接続し、出先ではiPhoneのテザリングで接続したい。優先順はテザリングが上位で、テザリングの電波がない場合には自宅Wi-Fiに接続することで。(優先順位設定はブラウザからのPi-Starのコンフィグレーションからもできますが、こっちのほうが安定していると感じます。)

ということをやりたくなり、Geminiに相談してみました。さすがですね、これらの設定をバッチ的一度実行させれば設定が完了するというスクリプトをつくってくれました。

黄色い部分を書き直し、SSHで一度実行すれば完了です。

Windows(じゃなくても良いですが)のターミナルから、同じWi-Fiのセグメントに居るPi-Starにどうやって接続するのかなどは、身近なAIに質問すれば教えてくれます。
「Pi-Starに、こういうスクリプトを実行するのでSSHで接続したいんだけど、どうやるの?」みたいな感じで。手取り足取り教えてくれます。

コーディング知識のない私でもできました。えへん。 

 

【この1行下から】 

# ---------------------------------------------------------
# 1. 書き込み許可モードに変更
# ---------------------------------------------------------
# Pi-Starは通常「読み取り専用」のため、一時的に設定変更を許可します。
rpi-rw

# ---------------------------------------------------------
# 2. Wi-Fi設定ファイルの生成(優先順位設定)
# ---------------------------------------------------------
# priority(優先度)をiPhone側を高く(10)設定することで、
# 外出先でテザリングがONの時はiPhoneへ、OFFなら自宅へ自動で繋がります。
cat << 'EOF' | sudo tee /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP

network={
    ssid="My_iPhone_SSID"
    psk="iphone_password"
    priority=10
}

network={
    ssid="Home_WiFi_SSID"
    psk="home_password"
    priority=1
}
EOF

# ---------------------------------------------------------
# 3. 消失対策用バックアップの作成
# ---------------------------------------------------------
# SDカードの不調でファイルが消えても大丈夫なように、別名で保存しておきます。
sudo cp /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant_backup.conf

# ---------------------------------------------------------
# 4. 定時再起動スケジュール登録(毎日午前2時)
# ---------------------------------------------------------
# システムの健康維持のため、毎日深夜に自動でリフレッシュをかけます。
(sudo crontab -l 2>/dev/null | grep -v "/sbin/shutdown -r now"; echo "0 2 * * * /sbin/shutdown -r now") | sudo crontab -

# ---------------------------------------------------------
# 5. 起動時自動復旧ロジックを rc.local に追加
# ---------------------------------------------------------
# 万が一設定ファイルが消えていても、起動のたびにバックアップから
# 設定を強制的に書き戻してWi-Fiを再起動させる「最強の盾」です。
sudo sed -i '/exit 0/d' /etc/rc.local
cat << 'EOF' | sudo tee -a /etc/rc.local
# Wi-Fi Recovery Logic
if [ -f /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant_backup.conf ]; then
    cp /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant_backup.conf /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
fi
sleep 5
/sbin/ifconfig wlan0 up
/sbin/ifup wlan0
exit 0
EOF

# ---------------------------------------------------------
# 6. 設定の反映と終了
# ---------------------------------------------------------
sudo chmod +x /etc/rc.local
rpi-ro

echo "=========================================="
echo "      Settings Applied! Rebooting...      "
echo "=========================================="
sleep 2
sudo reboot

【この1行上まで】

この一度実行すれば設定が有効になるスクリプトは、Geminiの共有用チャットからコピーやダウンロードもできるようにしてあるので、ご参考ください。 リンク先のGeminiのチャットですが、共有するために一度貼り付けているので、同じような内容が2度続けて表示されていますが、半分から後ろの部分をお読みいただければと思います。

2026年4月24日金曜日

CQを出した後に程なくカーチャンクがあった。これは応答なのか?

というテーマです。

若いころと違って、のべつ幕無しにしゃべっているとげっそり疲れるので、最近は電波を出すよりも聴いていることが多いのですが、それでもたまにCQを出すことがあります。

関東地方に限らず、あちこちに技術的研究がエスカレートした個人(ほめてます)や地域単位でSFR「DMRデジピーター」の開設があり、少しずつ電波を出す人が増えてきていると感じています。今の段階では、アナログのモードとは違って極端に知性を感じない人はいないので、快適にこの趣味を満喫できます。


SFRでCQを出してみて、それに対する応答がなく…まあ、まだまだ空いているので、聴いている人は少ないし、仮に聴いていてもすぐに応答できない場合もあるでしょうから、応答なくその場の一連の送信は終了という例が多いのですが、

CQを出して受信状態に入って、少しするとカーチャンクが入るということがあります。親しい友人であれば、これは声を出す前にとりあえずPTTで反応したんだろうなということで、ディスプレイに表示されたその友人のコールサインを呼んで(捕まえてw)おしゃべりが始まるわけですが、そうでない、初めて目にするコールサインの場合があるんですね。以下はこの場合の話です。


このモードやそのSFRをにぎやかにしたい、積極的にその場を活性化しようという空気の中にいる場合なら、少しだけ待ってから、やさしくその局を呼ぶということもあるのかなあと思うのですが、少し違和感があります。

DMR IDをちゃんと無線機に設定してカーチャンクをすると、それを受信している無線機にはDMR IDや、デジタルコンタクトリストで突合されたコールサインや名前などの情報が表示されます。表示することが前提なんだから呼んでいるのと同じだよ、という意見もあるかもしれません。このあたりの一般的な考え方ってどんな感じなんでしょうね。

それまで話をしたことのない人のCQに対してカーチャンクで反応をみてみる人がいるとして、これ、アナログのモードだったりすると、誰かがCQを出した後に、瞬間的な無変調が出るのと同じやつです。メインチャンネルやレピータでたまにあるやつですよね。これ、呼ばれてるんじゃなさそうだけど、自分のCQに対する反応のひとつで、人恋しさに短いキャリアを出すものの、積極的にCQに応答するものでもないやつで、客観的にはイタズラに見えるやつです。

自分のCQの後、程なく初めて見るコールサインのカーチャンクがあるとして、ディスプレイに表示されたコールサインをすかさず呼ぶことが、ひょっとしたらカーチャンクをした人にとって意地悪に感じる(悪気なくカーチャンクしただけで、その事実は忘れてほしいので放っておいてほしい?)こともあるのかな、なんて思います。 また、本当に呼んでくるのであれば、カーチャンクに続いて声を出して呼びかけてくると思うんですよね。

CQを出した後のほどないうちのカーチャンク、しかも、知らない人からのカーチャンクに対してどう反応するのが正解なんでしょう。私の場合は、DMRとて単に搬送波に重畳された符号の交換ではなく、仲立ちが音声のモードなんだから、応答であればちゃんと声を出すべきと考えているので、冒頭に書いた友人を捕まえておしゃべりというシチュエーション以外では、応答しないのが正解なんだろうなと思って、黙って待機します。


それはそれとして、送信テストのための純然たるカーチャンクの場合もあると思うんですよね。「自分の無線機がちゃんと設定されていて、SFRやトークグループに接続できているかのテスト」をしたくてカーチャンクをするというのはよくあることです。

誰かがそのSFRで喋っているのを聴いて、その場において自分の電波がSFRに届いているのか確認したくての、空気を読まないカーチャンクというのもあると思います。アナログの無線機と違って設定項目が多いですから、どこのSFRでもカーチャンク自体を否定する例って無いんじゃないですかね。でも、それはそれ、これはこれじゃないかなあと。

 

細かいことをグチグチと書きましたが、要は、呼んでくるなら、わかりやすく声を出して呼んでねということでした。お粗末。 

2026年2月26日木曜日

TGIFトークグループリストについて

これまでホットスポット経由でその先にあるSFRにアクセスするために、カーチャンクやインターネットで検索して、Zone「VoIP」用にTGIFトークグループリストを作って、せっかく作ったのだからということで、AT-D168UVのDigital→「Contact/Talk Groups」にあるトークグループリストを公開していたのですが、こちらのblogを通じてのトークグループリスト単独の公開は終了することにしました。

 

「TGIFトークグループリスト」については、これから先は、FaceBookの公開グループ「DMR OpenSource Japan でファイルを共有して、気づいた方が更新していくという形式にゆだねようと思います。 

今後、公開グループで共有されていくファイルは「DMRデジピーターリストに載って」いて、かつ「SFR設置者自らがTGIFトークグループに接続していることを開示している」ものになります。


それはそれとして、AT-D168UVのコードプラグの公開はもう少し続けようと思います。ただし、こちらのコードプラグに含まれるTGIFトークグループリストの内容は、「実験的にSFRを開設してTGIFトークグループに接続している」ものも含まれる(ただし、すべてではありません)ので、公開グループのものと中身に違いが生じる可能性があります。

コードプラグに含まれるTGIFトークグループリストですが、ここまで公開してきたTalkGroups.csvの形式で見てみたい場合は、コードプラグをダウンロードして、AT-D168UVのCPSで開いて、上部メニューのTool→Export→ダイヤログが表示されたらTalk Groupsボタン→ファイル名を付けて、ダイヤログ下側のExportボタンを押して保存してください。それをExcelやテキストエディタで開いてみてください。それが今まで公開してきたTalkGroups.csvの形式のファイルです。

2026年2月15日日曜日

ホットスポットのRasp Piを少しグレードアップ。WPSDを試してPi-Starに戻す。

我が家のホットスポットの1号機と2号機は玉石混交モールから通販で買ったもので、マザーボードにRaspberry Pi Zeroが使われています。Pi Zeroに挿入されているSDHCカードには予めPi-Starがインストールされていて、Wi-Fiのコンフィグレーションファイルを入れるか、LANケーブルをMicroUSBに変換するコネクタを付けて電源を入れたら使える状態になっています。その上にMMDVMの基板が載っていて、ケースに入っていて、6000-7000円くらいで購入できるお手軽なものです。

これまでAT-D168UVで使う限りは、キャリブレーション(MMDVMの送受信周波数を無線機と同じくすべく可変する機能)をシビアに取らなくても、あっさりとVoIP経由でTGIFトークグループでQSOできていました。

H1では、頭切れやビット欠けによる異音が頻発したことについて、Facebookのユーザグループで質問をしてみたところ、キャリブレーションが取れていないのでは?という示唆があって、H1向けにAT-D168UVの最良点から350kHzズレた点に取りなおしてやっていたのですが、目立った改善はありません。

OMとのやりとりの中で、これまで試していなかったホットスポットのサーバプログラム(っていうのかな)をPi-Star以外のものに変えて試してみようと考え始めました。

今はプレインストールされたPi-Starを最新の状態に更新しつつ使っています。これ以外にも無償で入手できるものにWPSDがあります。これを使ってみようと、うちのホットスポットにインストールをしてみたのですが、動きませんw

SDHCカードが壊れたか、ネットワーク接続のプロセスにおかしいところがあるのか、またはホットスポットのどちらかの基板が壊れたかと、けっこうな時間動かなくて悩んでいたのですが、基板のLEDの点灯の様子をGeminiに質問したら

〇「Piの緑LEDは点灯したまま動かず、MMDVMはゆっくりと点滅を繰り返す」その状態はそもそもRaspberry Piが動いていない

〇そもそもPi Zeroは32ビット動作

〇現在公開されているWPSDは64ビット版だけなので、それを入れても動くわけがない

〇Pi Zeroを使いたいならPi-Starしかない。WPSDを使いたくて、かつ、同じ大きさの基板が良ければPi Zero 2に交換するしかない

とのご指導がありました。

そりゃいくらやっても動かないわけだ、ということで、ホットスポット2号機はPi-Starに戻しました。この際なので、1号機2号機ともにPi Zero 2にしちゃえということで、秋月に発注してみました。

玉石混交モールで買った我が家のホットスポットですが、Pi-Starだけを試すならそれでも良いんだけど、その先いろいろ試すならバラでもっと良いPiを買っておいたほうが無難…ってことは後からわかるんですよね。でも、目先安いほうが良いので手を出すわけですが。MMDVMの基板だけ欲しくても意外と高いので、正解ではあるんですが。 

※改めて玉石混交モールを覗いてみると、Raspberry Piの基板を除く、MMDVMとケースとアンテナがセットになっているものが安価に出ていますね。今ならそっちを選ぶんだよなあ。Piの基板はスイッチサイエンスや秋月など、国内販売店から買えますからね。  

ということで、2営業日後にPi Zero 2が届いたので、早速Pi Zero無印からZero 2に基板を入れ替えて、WPSDを試してみました。

Pi-Starとインストールというかビルドまでの作法が少し違うので戸惑いましたが、SDHCカードにダウンロードしてきたイメージを移して起動すると、Pi Zero 2が無線LANのアクセスポイントになるので、iPhoneのWi-Fi設定で「WPSD-config」を選んで接続します。ホテルのWi-Fiに入るときのようなブラウザの立ち上がり方をしてくるので、その先は設定を見つけて、自宅無線LAN網に入れるという手順が最初に必要です。

管理画面はPi-Starよりデザインがおしゃれですが、Pi Zero 2には重たいサーバプログラムのようで、Pi Zero無印でPi-Starを動かしていたときよりももっさりとした動きです。アップデートをして、落ち着いた翌朝に試すことにしました。

翌朝になりTGIF31665を聴いてみるも、Pi Zero無印で動かしていたPi-StarでVoIP接続していたときと違いを感じません。

〇受信開始時に頭切れする

〇信号受信時にしきい値を下回ると音声が途切れたり「ブー」とか「ベー」とか異音がすることの頻度はZero無印にPi-Starのときと変わらない印象

と、相変わらずです。

早々にWPSDはあきらめて、Zero 2でPi-Starを動かしてみることにします。こっちのインストールは慣れているので楽です。すんなりとビルドが終わって起動してきますが、すんなりという言葉が出てくるくらい、Zero無印のときと違います。やはり速いですね。

再び受信テストです。時差の関係でTGIF31665が静かになっちゃったので、新たに知ったTGIF777でテストをします。

TGIF777とは:現在アクティブなTGIFトークグループを任意に聴かせてくれるトークグループID。777を選ぶと、そこには実際にトークグループがあるのではなく、喋っているトークグループの内容を適当に選んで聴かせてくれます。聴かせてくれる内容は制御されているようで、別の無線機から聴いても同じトークグループ、人だったりします。これなら複数の無線機での同時受信テストに使えますね。

TGIF777を聴く方法:
〇CPSでTalk GroupリストにTGIF777を加える
〇CPSで受信用コンタクトはNoneで送信用で読んでもOK、別途777でガチガチに作成してもよい
〇CPSで新規にチャンネルを作って、それらコンタクトを指定する。周波数はホットスポット用
〇【重要】Digital MonitorをONにする。TS1と2両方聴けるように。Digital Monitorはメニューの浅い階層でON/OFFできるので、PFキーに割り当てるほどではないと思う。めんどくさかったら常時ONでも不都合はないかも
CPSのチャンネル設定の中でこれのON/OFFの設定ができれば良いのですが、D168UVもH1も、メニューからON/OFFするしかないです。

ということで、両機の聴き比べ再開です。

ホットスポット1号機2号機ともに、Pi Zero2にPi-Starで、AT-D168UVとH1で同じトークグループをそれぞれ聴き始めます。キャリブレーションは1号機はAT-D168UVに、2号機はH1に合わせて調整しました。

結果ですが、基板をPi Zero無印からZero 2にしてホットスポットの処理速度をあげたせいなのか、

〇H1の頭切れ(依然としてある)
〇H1の一定しきい値以下でデコード不可(もうちょっと粘ってほしい)
であるのは変わらないんですが、デコードできずに異音が出る頻度は下がったように感じます。H1でダメなときはAT-D168UVでもダメというときが増えたようにも感じます。H1だけダメというときも相変わらずあります。

比較内容を数値化できないので「感じ」ばかりですが、Piの基板交換で処理速度を上げた効果はありそうです。

H1は、短時間で複数の局の入れ替わり立ち代わりの受信を繰り返すと、直前の局のデジタルコンタクトリスト引用情報が表示され続けてしまう現象があります。今回テストに使ったTGIF777は少し特殊な設定のようで、AT-D168UVでもDroidStarでも、受信し始めたグループで最初に送信した人の情報が表示され続けます。なので、画面をみたときに、この点も症状改善ならずと思っていましたが、同時に他機種でも出ているので、TGIF側の設定ということで納得しました。

ちゃんとテストするならBrandMesiter91でもやるべきなんでしょうね。Pi-Starに登録できるDMRリフレクタは一つだけなので、TGIFの設定に代わってBMの設定をしないといけないのと、VoIP接続はTGIFトークグループばかりなので、テスト以外では使いもしないBMの設定は面倒ということで、今回は省略しています。  

2026年2月6日金曜日

AT-D168UV(その16、チャンネルからTalk Groupを選んで使う方法)

前のエントリーでManual Dialの機能を理解していないまま本エントリーを書いています。そのあたり、ちょっと差し引いてごらんください。おおよそのみなさんはご興味のない内容だと思います。はい。 

このエントリーもいまひとつ勢いで書いたものの、読み直すとよくわからないものになっていました。主題としては、 

今はVoIPのZoneにトークグループごとに作っているチャンネルをロータリーエンコーダを回して選局しているのを、

チャンネルは一つしか使わないようにして、自分ですでにリスト化したトークグループのリストから、都度、任意にトークグループを選べるようにしたらどうか

というところの試行錯誤です。

冗長になりますが、もう一度かみ砕いて説明します。

私の好みでは、操作をするにしても、いちいち設定をしないと目的(TGIFトークグループにに繋がっているSFRでおしゃべりをすること)を達成できないのは面倒なので、予めそのSFRの数だけチャンネルを作って、ホットスポット経由で接続してカーチャンクさえすればすぐにCQを出せるのが良いという考え方でこれまでコードプラグを作ってきたのですが、ちょっと視点を変えて、チャンネルはバラバラたくさん作らずに、トークグループの設定だけを都度変更してみたらどうだろうか、ということです。そういう趣旨でこのエントリーを書きました。下でも同じことを言っていますが、そういうことです。

この色で書いているのは訂正と後日コメントです。(2026/5/14)


前エントリーを書いた時点では、Manual Dialの機能を理解できていなかったので、この趣旨では使えなそうというこで、次の手段として、臨機応変に接続先のトークグループを変更するには、予めCPSで設定したTG List(CPSでは「Contact/Talk Groups」※1)から選ぶのが無難だろうと考えました。

 (※1…なんで同じ項目なのにあちこちで名前が変わるんだろうな…これH1だともっとアレなんだよな…)

というか、本エントリーの書き出しではこうは書きましたが、本当は実はManual Dialの話より、ホットキーの使い方などを考えていたときの思いつきはこっちが先だったんです。

完全手入力ならManual Dialなんだろうけど(この時点ではよくわかっていない)今はVoIPのZoneにトークグループごとに作っているチャンネルをロータリーエンコーダを回して選局しているところを、チャンネルは一つしか使わないようにして、自分ですでにリスト化したトークグループのリストから任意にトークグループを選べるようにしたらどうかと。

ホットキーを使うのも良いのですが、キー一つ(本当は緑色の[メニュー]長押し+テンキーのいずれか)で切り替えるにしても、その設定内容を暗記すればよいけれど、設定がいちいち見えないのでちょっと不安、でも、リストから選べば安心、という発想です。

で、前エントリーの話で挙げた、一つのチャンネルから設定するという話に戻ります。

  • 周波数は「TGIFに接続しているホットスポット1号機」に設定している438.01MHz
  • TG1、TS1、CC1の中立的な設定
  • チャンネル名称はそれっぽく「Manual 438.01」

このチャンネルはそのままに、話したい、ワッチしたいトークグループへの切り替え方法を書きます。

スタートはここから。上の条件で作ったチャンネルを上側のバンドで表示しています。チャンネルを表示して待ち受けをしている状態から赤い[戻る]ボタンを1回押します

そうすると、トークグループのリストが表示されます。↓にスクロールして、接続したい局を緑ボタンで選びます。ホットキーを使う場合には、どの局が何番だっけと設定を暗記する必要がありますが、ここではリストから選ぶので脳内メモリ不足でも安心です。

次に「3 Select」を選んで、緑ボタンで[Select]。


ContactがSelectされたと表示されます。この後は一番上の待ち受けの画面に戻ります。そこで送信すると送信中は送信に使っているコンタクト(自分でTalk Groupのリストから選んだトークグループの情報。個別のTalk Groupのレコードを「コンタクト」というんですね。)が表示されます。

この方法だと、Manual Dialのように短時間で設定がクリアされることもなく、前回の設定がそのまま残っています。前回の設定を思い出せない場合には、改めて「チャンネルを表示して待ち受けをしている状態から赤い[戻る]ボタンを1回押します。」からやりなおせば確実です。


さて、今のトークグループごとにチャンネルを作るのと、このように一つのチャンネルを使いまわすのとどちらが良いでしょうね。好みなんでしょうけれど。【好みは都度設定の少ない、トークグループごとにチャンネルを作ってZoneにまとめる今の方法ですけどね。】

 

VoIPというか、ホットスポット経由での接続の場合、SFR(=デジピータ)を438MHz台を選局するがごとく、次々と切り替える度にそのままワッチできるわけではなく、トークグループごとに接続操作(そのトークグループで一度カーチャンク)しないとトークグループの内容が聴こえないので、チャンネルを作って並べるメリットはあまりないように感じます。操作ミスを防止したいという観点なら、トークグループごとにチャンネルを作るのが最善ですね。 【操作ミス防止大事です。やっぱりチャンネルをたくさんつくって並べましょう。】

【更新】AT-D168UV(その15、Manual Dialの使い方)

更新版まえがき(2026/5/14)

当初、Manual Dialという機能を理解していないままこのエントリーを書いたのですが、どうやら、このManual Dialという機能は、「他のデジタルやアナログ機などのトランシーバで、送信中にDTMFでコード入力をして、その周波数で接続しているノードなどからその先の別のノードへの接続や切断操作に使うことと同じ」なのかもしれないと考えを改めました。

というのは、最近SFR-Meshという考え方のDMRリフレクタ(の一種なんでしょうね)が始まって、入り口と出口は最寄りのSFR(デジピータ)で、その先は接続操作によってネット経由で繋がっている別のSFRと接続しておしゃべりをする、ということが始まっていて、そのマニュアルを読んでいると、Manual Dial機能を使って接続や切断操作をしていることが書いてあるからです。まだちゃんと読んでいませんが、これまでは、漫然と、Wiresやエコーリンクみたいに、近隣のSFRに接続して、送信中にDTMFをピポパしてやるのだと思っていたのですが、ちょっと違うことを理解しました。

最寄りSFRから、その先のSFR-Meshなどのリフレクタへの接続や切断の操作をするときに、一時的にManual Dial機能を使ってコマンドを入れる、ということなんだと思います。 

その観点から、一度書いた与太話を校正しながら内容を更新しようと思います。以下、原文です。【】で囲んだ部分や消し線は校正して内容が変わったものとして読んでください

------

Manual Dialという項目がAT-D168UVのメニューにあって、見かける度に「これはきっと予めCPSなどで設定したものではなくて、思いついたタイミングでその場でDMR IDと通信できるように設定する方法」なんだろうなと思っていました。

【そのようにできなくもないのですが、原文の方法だとけっこう窮屈で意図しない操作の結果になります。更新版まえがきのとおり、DMRでの、目の前に見えるSFRから、見えないその先への接続操作の機能のようです。】 

やりかたを書いてみます。

大前提として、他のチャンネルの設定が変わるのは困るので、プレーンなVoIP用のチャンネルを一つつくりました。【これは実験にもなっていないので、次回更新時にVoIPのZoneから削除します。】 

  • 周波数は「もともとTGIFに接続しているホットスポット1号機」に設定している438.01MHz
  • TG1、TS1、CC1の中立的な設定
  • チャンネル名称はそれっぽく「Manual 438.01」
  • 【ここでは438.01のTG1TS1CC1でチャンネルを作っていますが、実際の運用の際にはシンプレックス用のSFRのZoneから(例えばこちらの近隣では、川崎中原区のSFRの周波数の438.53がSFR-Meshに参加しています。)、Manual Dialを使おうとするSFRの周波数を選べばよいと思います。SFR-Meshの接続SFRのリストが公開されていますね。チャンネルの呼称はデジピータリストに準じているようです。】 

【以下は凡例として読んでください。Manual Dialを使う際の挙動も書いてあります。】 

上側のバンドで表示しているのがそのチャンネルです。VoIPのZoneに入れました。このプレーンなチャンネルでManual Dialを使ってみます。 チャンネルを表示して待ち受けをしている状態から赤い[戻る]ボタンを2回押します。そうすると、項目:Talk Groupのメニューが表示されます。

項目:Talk Groupは緑の[メニュー]ボタンを一度押して、上下にスクロールすると表示される、メニューの第一階層にあります。AT-D168UVはメニューの選択のためのスクロールを、ロータリーエンコーダを使ったりテンキーの数字ボタンを押せない機種なので、[戻る]を2回押したほうが早いです。

で、「3 Manual Dial」を選んで緑ボタンで「Select」です。

そうすると、Private IDを入力する画面になります。個人のDMR IDを入力して送信すれば、相手が同じDMRリフレクタ(例えばTGIF、例えばBrandMeisterなど)に接続中であれば、相手の無線機に反応があるのでしょう。詳しくはわかりませんが、そんなイメージなんでしょうね。

今回はPrivate IDあての通信ではなく、トークグループあてなので、ここでテンキーの[#]を一度押します。

そうすると、このようにGroup IDを入力する画面になり、トークグループのIDを入れられます。ここで44050を入れて、そのまま送信するとTGIF44050に接続できます。438.59MHzの神奈川区のSFR:デジピータから自分の声が戻ってくるはずです。 

【この例では、TGIFに接続済の自分のホットスポット(比較しての例示では、中原区のSFRに相当します。)から44050(その先のSFR-Meshに参加しているネットワークの先の見えないSFRに相当します。)に接続していますが、実際にはSFR-Meshへの接続操作により、接続されているSFRのリストのTalkGroupの番号を入れることになります。】 

送信後は一番上の待ち受け状態の画面になります。ところが、このManual Dialの機能にはネックがあって、送信後に待機時間がある程度あると、Group ID(Private IDでも同じです)に入力した内容がクリアされて、その前に接続していたGroup IDなりに接続先が変わります。

  1. Manual DialのGroup IDで(例)44050を入れて送信【実際には44050ではなく、接続されているSFRのリストにある番号を入れる】
  2. 送信を終えて(または相手の信号を受信してから)、無操作時間が始まる。感覚的には30秒くらい経過(もっと短いかも)
  3. Manual Dialの内容がクリアされて、無線機はその前に接続していたGroup IDに設定が変わる。【Zone「SFRchs」で438.53を選んでいる場合は、TG1のTS1のCC1の中原区のSFRにアクセスする状態、Zoneに設定しているチャンネルの設定に戻る。】(Manual Dial操作を行う前に電源を一度落としても、その前に接続していたIDを記憶しているようで、ちゃんとその前に接続したIDに設定が変わるようです【これ、あたりまえの挙動ですね。Manual Dialは一時的な操作なので、時間が経過すれば元々のチャンネルの設定に戻るだけです。】) 
  4. クリアされた後に送信すると、その前に接続していたGroup IDで送信することになり、恥ずかしい思いをする。この恥ずかしい思いをするパターンの送信中は、その前に送信したときのTalk Groupのリストの内容、「コンタクト」が表示されて、違うトークグループで喋っていることに気づきます 【SFR-Meshの接続マニュアルを読むと、一定時間が経過して無線機のManual Dial操作が終わって、元々のチャンネル設定(TG1TS1CC1)に戻っても、SFR-Mesh内の接続先とはタイムアウトするか、明示的に切断操作をするまでは繋がったままとのことです。】

のでご注意ください。 

このへん、Geminiに聞いてみたらこんな答えでした。ある程度汎用的な回答なので、デフォルトのIDが何を指すか明確ではないですが、クリアされた後にはその前に使ったTalk Groupのリストのいずれか一つが選ばれているんだろうと想像しています。

お粗末様でした。