2022年1月19日水曜日

QYT28試用記

面白いハンディ機が出ました。

出たというか、有志が中国製の面白そうなCB用ハンディ機を見つけて、これを28MHz帯に転用できるかを生産元と交渉し、海外製品の共同購入窓口になった実績のある方が窓口となって頒布を始めた、というものです。

さっと手を挙げた甲斐もあり、初期の頒布の人数に加えてもらって、2022年の年明けに無線機が手元に到着、その後TSSでの保証認定を経て、1/14に関東総合通信局に変更届出をしたところです。※2/7付けで関東総合通信局にて届出の審査が終了し、QYT28は無事第12送信機として増設されました。


私の場合は、移動する局については既に28MHz帯3VAの50Wで許可されているので、この範囲の工事設計の追加であれば、技適又は保証認定を受けた設備を届出することによって、すぐに電波を出せることになります。

これについては「許可を要しない軽微な変更について」といったキーワードで検索をすると、識者の方が解説をしてくれているのでご参考ください。

 

さて、このQYT28ですが、見てくれはなかなかゴツく、70年代から無線をかじっている私には好印象です。軽薄短小もいいんですけど、トランシーバってやっぱりそれなりに存在感が欲しいので、ポケットに忍ばせてという使い方をするわけでないし、これくらいの大きさが好きです。


筐体にはバリもなく、まるで日本製のような品質に見えますが、スイッチを入れたとたんに「うーん、なるほど」という感じの中国製を納得させる大きなビープ音で起動します。(この起動時のビープ音だけは、設定でビープ音をゼロにしても消すことができませんw)

操作性もなかなかの手ごわさで、ロータリーエンコーダを回して周波数を移る際に、いちいち「ポツポツ」と音が出ますし、ロータリーエンコーダをクリックさせても周波数が変わらなかったり、機能を試すうちに固まってスイッチオフ/オンで復帰させることもあります。また、PTTを押して電波が出るまで少しタイムラグがあったりと、正直なところメーカー側での詰めの足りなさに気づきます。このあたりは90年代の日本製の性能的に行き着いたTH-59や89のようなハンディ機とは比べ物になりません。

ですが、2020年代の無線機ということで、きれいなディスプレイもついてますし、S/パワー/SWRメーターは便利です。大きなリチウムイオン電池を搭載しているので、4Wで運用しても電池のもちは良さそうです。

950SDXで送信音をモニタしてみましたが、FMではFMっぽい使いやすそうな変調が、AMでは深い変調がかかっています。最新のAMの変調ってこんなに深くかかるんですね。 また、外部マイクよりも本体マイクでしゃべったほうが変調が深いです。当然ながら、受信時には外部マイクのスピーカではなく、本体スピーカのほうが音質が良いです。

言われている外部マイク使用の際のAM送信時の回り込みは、普段同軸で使っているZCAT-3035にケーブルを巻いてみたりして事前に対策をしたところ、見てくれは悪いですが、とりあえずは問題ないようです。

 

届出を終えた週末、一緒に購入した27MHz用のロッドアンテナを持って近所の山っぽい住宅地に行って試験運用してみました。短時間の運用だったので、QSOには至らなかったですが、CQを出している私の信号を10km離れた場所で52くらいで聴こえたとのことですので、4W+ロッドアンテナで想定どおり飛んでいたということは確認できました。

残念ながら、受信については確認することができなかったのですが、今週末以降、チャンスを見つけて確認したいと思っています。

 

ここまでの時点で気付いたことは、

・スケルチの開閉について、メニューで設定した深さはそれとして、例えばライト点灯ボタンを押すと、押した間だけスケルチが開くような機能が欲しい。

・電池の持ちにも左右されるが、出力を1Wに落として運用できると便利。

・ロータリーエンコーダを使っての周波数変更時のポツポツ音が無くなるとうれしい。でも、チャンネル変更時などの操作反映の遅さ(CPU故?ソフトの出来?いずれにせよメーカーレベルの話で、日本側ではどうにもならないのでは)からすれば、これくらいと考えるべきか。

といったところです。


共同購入サイトの中の人がメーカーとの打ち合わせを重ねた周波数マトリックスについては、頒布が広がると利用者目線の要望が増えると思います。おそらくですが、これ、私の想像ですけど、日本人の細かい感性を件のメーカーの担当者に押し付けて変更を促すと、メーカー側担当者が面倒くさがってついて来れないので、現状に落ち着いたのではと考えています。

将来、可能になったらいいな程度の淡い希望として、ユーザー側で周波数などのチャンネルごとの設定値の編集ができるようになるといいな、でも出来なかったらしょうがないな、くらいでいたほうが良いかもしれません。 

 

個人的には、28MHz台の低いところは海外でビーコンが出ているのでAMで出るべきではないと思っていることや、70年代の違法市民ラジオ的な口調の人がたまに聴こえるのでまあいいやという感じなので、28.800以上で出られれば良いかなと。

29MHz台はシンプレックス運用ができれば十分だと思っていますが、Esが出たときは結構混んでいる印象なので、猛者の中、恐る恐る隙間を見つけて電波を出す勇気wが出てくるかなというところです。 


面白いトランシーバが出てきました。細かいことはそれとして、しばらくは趣味の時間が楽しくなりそうです。

あと、(小さな声で)このハンディ機の50MHzのAM/FM版が出たらいいですね。子供の頃に戻れそう。

2021年7月21日水曜日

うちのTR-1300、新スプリアス基準をクリアし、第五送信機として復帰す。

※2021年9月28日追記:JARDより、新スプリアス確認保証の対象機種としてTR-1300他が追加されたことが、2021年9月24日付で発表になりました。

JARDで計測して、新スプリアス基準に適合している個体を何台か確認すると新スプリアス確認保証可能機器リスト(2021/9/24更新済)に載るようです。うちのTR-1300が、計測した適合個体の数の確保の最後のひと押しになったとするとうれしいです。

これからは、TR-1300の工事設計の追加の際の保証認定手続きには、計測は不要になりますよ。よかったよかった。「当分の間」の使用ではなく、新スプリアス基準(というか、現行のスプリアス基準)が認められる間は、ずーっと使えます。1975年発売の当年とって46歳の無線機ですから、壊さないようにしないといけないですね。

※2021年8月27日追記:本日、関東総合通信局への変更届が無事審査終了し、TR-1300、VL-1300及びVFO-40は第五送信機として工事設計に復帰しました。タイトルもこれに合わせて「復帰(予定)す。」から「復帰す。」と改めています。

 

以下、当初投稿の2021年7月21日の内容です。

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これまで何度かTR-1300の話を書きましたが、うちのTR-1300は、2年ほど前に工事設計全体を新スプリアス対応するために、当時の第一送信機から落としました。

今年(2021年)になってから、総務省令の改正があって、工事設計に既にある(今、免許にぶら下がっている)送信機のうち、旧スプリアス基準のものは「当分の間」使えるようになりましたが、私の場合は工事設計から落としてしまっているので、送信機を増設して工事設計に加える必要があり、その場合は新スプリアス基準をクリアする必要があります。

もうこれで電波を出せないんだなあとか、一回くらい肩にかついで外に持ち出して、近所の高いところから電波を出してみるべきだったなあとか、新スプリアス保証リストに載らないかなあなどと考えつつ、箱にいれて物入の奥底行きでした。

以前、JARDには「TR-1300は新スプリアス保証リストに載っていないけれど、これは測ってダメだったのか」という質問をしたことがあったのですが、このときの答えはサンプル数が少なかったとのことでした。以前、計測するための無線機を大々的に募集した時期がありましたが、TR-1300を送り付ける人が居なかったんですかね。

当初リストに載らなかったRJX-601やTS-600は後日載ったりしたので、出られる周波数の範囲が狭いTR-1300(ご存知のとおり、本体だけでは50.092-50.258MHzだけです)にこだわる人が居なかったのかなとも考えられます。

TR-1300が世に出たのは昭和50(1975)年です。前年に電話級の勉強と試験本番の両方を棄権しつつも、BCLラジオへの興味と同じく、この手のハンディ機に興味しんしんな日々を送っていた私にとっては憧れの無線機でした。ラ製でも山手線で通信実験の記事がありましたね。そんなTR-1300を、もう一度工事設計に加えて電波を出したいというか、電波をいつでも出せる状況にしたいという希望を、2年前に工事設計から落として以来ずっと持っていました。

古い無線機を見て触るのは楽しいです。TR-1300はJARL保証認定機種で、しかもその後登録抹消されている機種ですから、工事設計に加えるなら保証会社による保証後に関東総合通信局に変更申請となるわけですが、これまで何度かあった「保証会社で保証を受けた後、変更申請先の関東総合通信局で工事設計の変更が認められない」といったことで消耗するのは楽しくないので、ここはストレートJARDの計測サービスを利用して、新スプリアス基準をクリアしているかを確かめて、クリアしているのであれば、その計測データをエビデンスに保証を受ける、ということを考えました。

省令改正案を見たときには、「何だよ、工事設計から落とさなきゃ良かったよ」とも思ったのですが、新スプリアス基準をクリアすれば「当分の間」以降も使えるのだから、と思い直しました。

計測サービスを利用するにはJARD測定器室の開放(一般利用)から予約が必要です。休めそうな日に予約ができたので、梅雨の中、TR-1300を持って巣鴨のJARD事務所を訪問します。 測定結果が思わしくない場合にALC調整をすぐにできるように、トリマ回しを忘れずに持ってきています。また、どうしても高調波(スプリアス領域における不要発射の強度)の基準をクリアできない場合のために、伝説のコスモ電子のローパスフィルタ、LF-50Bもバッグの中で控えています。

測定に対応してくれたのはベテランの職員の方でした。まずは計測して、必要なら調整をしてからもう一度計測しましょうとやさしく言われ、安心しつつも、一回目の計測でクリアするといいなと緊張しながら計測に入ります。

持参した電源コードを備え付けのプロ用電源に繋ぎ、スイッチを入れ、VXOを回して、指示された周波数はだいたいこのへんかな?と電波を出します。TR-1300はSSB専用機なので、無変調時の信号と、備え付けの装置でトーンを発生させて信号を計測します。

うちのTR-1300は、今回の計測のために特に調整を行ってはいません。この個体は、2010年代にハムフェアで買ってきた後、改造といえば電源ジャックを一般的なDCプラグ対応にしたことと、照明をLEDに置き換えた程度で、本質的なところは触っていません。工事設計から落とす2年前まで不具合なく使えていた状態のものを、少し前に再び箱から出してきて電源を入れていただけのものです。計測本番で(例えば)50.200で電波を出してみてくださいと指示された際に、実際の周波数はだいたいこの辺だろうとあたりをつけるためにVXOのずれを確認したくらいです。 

計測結果です。

〇無変調で計測した、帯域外領域におけるスプリアス発射の強度
〇音声を入れて計測した、スプリアス領域における不要発射の強度
ともに合格です。 

スプリアス領域のほうは余裕しゃくしゃくというレベルではありませんが、クリアしました。トリマ回しとローパスの出番が無くて良かったです。

※これらの計測2要素はスプリアス発射の強度の許容値に係る技術基準の改正内容(総務省)新スプリアス対応について(JARD作成のpdfファイル、50MHzの場合の具体的記述がある)をみるとわかりやすいです。

 

JARDの計測サービスでは、上に書いたように計測した結果を持参したUSBメモリにファイルでもらえて、これを保証願いのエビデンスに使うことができます。

同行した友人に新スプリアス保証リストに掲載されていないTR-8400Gを持ってこさせ(本人は乗り気ではなかったですが、文字どおり持ってこさせました。)、1300の後に計測し、合格しています。

もちろん、持ち込んだ無線機が軒並みスプリアス基準を満たすかは別ですが、計測機器を持っておらず、保証リストに記載の無い無線機を使いたいと思いつつもモヤモヤしている方は、モヤモヤしている時間がもったいないので、ぜひとも測りに行っちゃうべきだと思います。費用も2時間の計測枠あたり税込み2200円(現金で用意してください)ですし。自作機にもお勧めです。地理的に近い方は、ちょっと測りに行って、その日にダメなら調整してまた後日チャレンジということでも良いと思います。

帰宅後、早速JARDに保証願いを出して、変更申請の準備に入りました。今回は第五送信機になります。

上機嫌でVL-1300(今はまだ送信できないですが、繋ぐとRFゲインの調整が可能になります。)やVFO-40(送受信可能な周波数を50.0〜51.0まで拡大できます。ただし、仕様で50.5あたりから感度が落ちます。)を接続し、Eスポで聴こえる信号をモニタしてみました。お盆明けあたりには工事設計に加わっているでしょうか。今回の変更申請では指定事項の変更はないのですが、免許状はもらっておこうかしら。

早く、堂々とマイクを接続した画像を掲載できるようにしたいですね。


※本項について:アマチュア局の無線設備に新スプリアス基準を厳格適用することの是非についての議論があるのは承知しています。ここでは是非の議論よりも、この無線機を使うために目先の規制をクリアするにあたり、単純で確実な方法という視点で書いています。

2020年7月2日木曜日

立ちはだかるTS-950SDX(TS-590無印の受信音を追求するの続き)

続きです。
自分的にはこれで良いと思う設定を見つけて、しばらくの間TS-590無印を楽しんでいました。そこで、自分の中の理想の一つである、TS-950SDXの455KHzのみの6kフィルタを通過させた音との比較をしてみたいという欲望がふつふつと湧いてきました。

自分の周りでは、最近になってTS-950SDXブームが来ており、複数台所有の猛者が2人もいます。私自身は2011年の地震の少し前に手放して、一旦は過去の無線機になったものの、TS-590無印を入手してから経験する初めての聴きづらさに、590を経験した後に950SDXで聴いてみたらどんな感想を持つだろうという興味を持っていました。


(TS-950SDXの上にTS-590無印、さらにその上にちらっと写っているのは、590に接続したトリオSP-70)
























ふとした偶然が重なり、昨日、我が家に再びTS-950SDXが来ました。当然ながら以前手放した個体とは別のものですが、細かいことを言わなければ状態も悪くなく、私が「これが950SDXだ」と思っていた性能は期待できるでしょう。
しかし、大きい…重い…

2台にアンテナをつないで、早速スイッチを入れます。ちょうど21でEsが出ており、国内が良く聴こえます。両方で同じ局にゼロインしつつ、ぱっぱっとアンテナを切り換えつつ、聴き比べ開始です。
950SDXのほうはやはり古さが目立ちます。チューニングの際にVFOダイヤルを回したときの受信周波数の変化する音の体感的な遅れが最初に気になります。この、体感的な遅れは、590無印と比べてということではなく、950SDXを10年少し前に使っていた時期にもそう思った記憶があります。

音に関してですが、自分好みに追い込んだ590が結構健闘するのではと思っていたら、比べてしまうと、やはり950の「8.8MHzはスルーで455KHzのみを通過させた6kで聴いたSSB」は聴きやすいです。人の声が自然と耳に入ってきます。
ノイズや妨害信号がある場合は、フィルタを狭めるなりなんなりして、そのときはじめて眉間にしわを寄せて集中することになります。

一方のTS-590無印ですが、ここまでがんばって設定したグラフィックイコライジングの成果で、AF的な音色を自分好みにしても、IFから通過してくる幅の広さの信号の音声成分がすべて一旦耳に入り、耳の中で人の声を分離するプロセスがあるように感じています。
なので、ある程度耳障りの良いイコライジングカーブを作ってあげても、(950SDXに比べて)音量をあげてその中から(眉間にしわを寄せて)人の声を解釈する作業がもうひと手間必要なんですね。
もちろん、これはフィルタの幅の選択やイコライジングカーブの設定で緩和できますが、950SDXの6kそのままは実現できません。950SDXを到達点という視点でみると、どうしてもこうなってしまいます。でも仕方ないです。アナログの無線機でこういう世界に入って、これが普通だと思っていたわけですから。

90年代の高級機向け技術でIFをアナログフィルタで構成するのと、2010年のIFDSP普及機との比較ですからフェアじゃないとは思うのですが、やはりアナログのセラミックフィルタやクリスタルフィルタを経由する信号は、帯域間際の信号の切れ方などはファジーなところがありますが、自然な音で聴こえます。
この自然な音というのが重要で、イコライジングカーブの設定で音声を加工しなくても、そのままで聴きやすい音で聴こえるのです。

ただし、設定を煮詰めたTS-590無印も、950SDXに比べて大きく劣るかというと、確かに聴感では完全には追いつけないものの、IFDSPフィルタのばっさりと切れるところは素晴らしいですし、デジタル処理によるノイズブランカやノイズリダクションやノッチは適正な深さに設定すればよく効きますし、ボタン一発で消えるビートキャンセルやオートノッチは使ったらこれが無い状態に戻るのには抵抗があります。ノイズや妨害信号がある場合は、590無印のほうがはるかに機能的です。当時としてはよく効くNBや比較的使いやすいマニュアルのノッチがついている950SDXですが、これにはかないません。
アナログ慣れした私の耳にはTS-950SDXの音はよく馴染み、聴き疲れしないところは強みです。しかし、自分好みの音に詰めたTS-590無印もけっこう良い勝負になったのではと思っています。というか、950が来たからもう590は売ってしまおうかと短絡的な考えにならないところが、590の粘り腰(表現が古いw)ってところでしょうか。

2台の比較の結論としては、HFをダイヤルをくるくる回してながら聴きしたいときにはTS-950SDXが最適です。近所の局とラグチューも950です。6KHzの幅の中に耳で解析できないような混信が発生するまでは、950SDXを使いたくなります。
しかし、帯域内に混信が発生した後のシチュエーションとしては、最初に950SDXを2つのIFともに2.7kHzのフィルタに設定してスロープチューンを使ってということをやるわけですが、スロープチューンにしても、アナログフィルタの組み合わせで上下を切るよりもIFDSPのほうがきれいに切れるので、ここからは590のほうが性能が上で、更に混信の中のQSO継続ということであれば590が勝ります。
そういうシチュエーションで使い分けをするかは別として、そうするために持っておいても良いのではと思うところです。50MHzの100Wはこれで免許されてますし。

机の上がいっぱいになりましたが、しばらくこのまま併用していこうと思います。
というか、比較が終わったら950SDXは売却しようと思っていたのですが、こっちも手元に置いておきたいと思ってしまいます。いけませんねえ。

(後注1)「TS-590無印を入手してから経験する初めての聴きづらさ」を後から読んで、TS-2000SXで50MHzSSBを聴いているときに、ノイズと受信信号の分離が悪く感じて、どうも信号がノイズに埋もれる感じがする、なるべく帯域外のノイズを減らないかとプリセレクタを入れてみたりしたことを思い出しました。これって、目的信号が弱かったとか、TS-2000SXの50MHzの感度が悪かったんじゃなくて、IFDSPフィルタはいちばん広いのが良いと思い込んだことや、受信DSPイコライザの設定を詰めなかったので、当初の590無印同様に聴感が悪かったんだと思います。もうちょっと突き詰めてというか、そういう気付きがあれば良かったと思います。
でも、TS-2000の場合は、590無印で最初にすぐに感じた、「もうどうにもならないほど喋ってる人の声がノイズの前に出て来ない」というほどの違和感は感じなかったんですけどね。

(後注2)「TS-950SDXの455KHzのみの6kフィルタを通過させた音」が何度も出てきますが、これ、6kHz幅を聴いているものの、Hi-Fi的な聴感ではないです。セラミックフィルタやクリスタルフィルタを通過した自然な音がしています。むしろ、590の受信DSPイコライジングで加工した音(しかも私の場合はIFDSPフィルタは4k弱の幅で聴いてます)のほうが低音域と高音域が出ていて、ドンシャリ感があります。そのドンシャリ的な音を耳に全部入れた後、人の声を浮き出させるといった脳みその解析プロセスがあるので疲れちゃう…となります。

(後注3)2021年2月24日、青字部分を訂正、加筆しました。

2020年7月1日水曜日

TS-590無印の受信音を追求する

と、GタイプではないTS-590S(以下、TS-590無印)について、聴きやすい設定は無いかと試行錯誤、というかより良い聴き心地を目指していた(おおげさ)ところです。

TS-590無印の受信系の音質に関する主な設定は、
(1)DSPIFフィルタによる、IF通過帯域のスロープチューン的な可変
(2)受信DSPフィルタによる、AF的な音質の味付けの調整
の2つがあります。

こんな話は、2012年のTS-590無印が市場に出た当初にみなさんがけっこうやっていると思います。手が届く価格帯の中古の無線機を後年になってからいじるような私の場合、その当時の論に触れる機会が既になく、webに残っている識者の方々の記事を読むくらいがせいぜいなところが現状です。
で、しかも、私がここにこのようなことを書いても、これが世間の目に触れることもないわけですがw

(1)のDSPIFフィルタの可変については、スロープチューン的なツマミを可変して上下の帯域を絞ることができます。これは音質にも直結して、絞ると鼻つまみ的な音になります。広げると広くなったような音になりますが、TS-590の場合はいっぱいに広げても聴きやすくなるかというとそうでもないです。ただし、IFを通過する周波数を上下からばっさりと切れるので、帯域内に混信がある場合にはこれを切る手段としてはとても有効です。これは素晴らしいと思います。さすがIFDSPというやつです。
私の場合、TS-590がA/Bと切り換えて持てる二つの設定値を、A:100Hz-4000Hz、B:100Hz-2800Hz(つまり、通過帯域2.7KHzでダウンコンバージョンを使いたいとき ※ )としています。
Aの場合はながら聴き、Bの場合は混信があるときなど、少し真面目に聴きたいときに使います。

(※)21MHz以下のクラシックなアマチュアバンドの場合で2.7KHz以内を通過させる場合にはダウンコンバージョン(11MHz)の回路を通り、それよりも広い設定の場合にはアップコンバージョン(73MHz、10MHz)を経てということで、通る中間周波数によって(メリットデメリットを含んだうえで普及機にどれくらいコストをかけられるかということも踏まえた上で)相当(それにふさわしいレベル)の性能が発揮できるというシロモノです。
このあたりは TS-590 徹底解説集 を読んでみて下さい。特に、PDFの7ページにある、「1受信 1.1コンバージョン方式」を読むと、なるほどねということが書いてあります。

(2)については、受信した信号をオーディオ的に加工して聴きやすくするものです。
TS-590無印の場合は、「切」「ハイブースト1/2、フォルマント・パス、バス・ブースト1/2、フラットがプリセットされていて、他にPCをUSBで接続した上で設定できる「ユーザ設定」を使うことができます。
TS-590無印の購入当初「受信した人の声が前に出てこない、聴きにくい」という印象を持ち、未だにこれを払しょくできていません。購入後は「切」の状態で長く使っていて、これで人の声が聴きにくいと騒いていたのですが、フォルマント・パスやハイブースト2(Hb2)にすることにより改善しました。無線機を通じてよく聞く声の周波数帯域は、これらの設定値で増幅(または減衰しない)ことで強調できているようです。
少し前に気が向いて、ファームウエアをアップデートした際に、ARCP-590(ケンウッドが未だに提供し続けてくれているありがたいPCコントロールソフト、これはGタイプ用ではなく、「無印」用です。)で、プリセットのイコライジングのカーブを見てみました。

まず、良かったハイブースト2(Hb2)です。












フォルマント・パスはこんな感じ












フラットはこんな感じ












「切」、オフはこんな感じ。












驚いたのは、切っている状態と、「フラット」は違うということです。聴感上確かに違うように感じていたのですが、メニューの一番最初と後ろで、スイッチ一回押しでパタパタと比較できない位置にプリセットされていたのでこんなに差があるのに気づきませんでした。
道理で、人の音声帯域が含まれる(と思われる)高い周波数を減衰させているんですから、「切」では聴きにくいはずです。

私のユーザ設定はこれ。ハイブースト2(Hb2)を参考に、少しだけ弄った状態です。上の3つのバンドはこの画像では絞っていますが、その後設定を見直しをして、一番上まで上げてあります。












このユーザ設定と、(1)の「IFDSPをいっぱいに広げて使わないこと」の併用で、ずいぶんと聴感は改善しました。
 
もう一つ、書き忘れていたのですが、590本体のスピーカではなく、
(3)外部スピーカ(トリオSP-70)で聴くこと
でさらに改善しました。このTS-600や700用の古いスピーカですが、TS-590無印(Gタイプでも良いと聞きました)と相性が良く、(1)(2)に加え、これで聴くと了解度がかなり向上します。(1)(2)(3)の合わせ技を駆使すれば、TS-950SDXに迫れるかもと言っても言い過ぎではないでしょう。
 
これらのおかげで、(以上赤字部分、2021年2月24日追記)スイッチを入れて、ゼロインして、いきなり眉間にしわを寄せて信号に集中することになって、すぐに疲れるという状況からは脱せたような気がしています。
これなら、TS-950SDXの455KHzだけ通す6kHz幅の受信音とそん色ないところまで行けるかも?と思って、本日テストをしてみたところなのであります。(続きます)

2019年9月13日金曜日

IC-SM2を使うのだ。

ハムフェアで見つけたお宝のIC-SM2を使うべく、早速配線をケンウッド8ピンに変更しました。

全てが完了するまでの四苦八苦を記録のために記しておきますw

1段階:
アイコムの「エレクトレットコンデンサマイクはマイクのホット側に電源が重畳されている」という仕様を確認。まずはとりあえず使えれば良いということで、ケンウッドの5番ピンからの+8Vとマイクのホット側をショートさせて、IC-SM2のマイクアンプとエレクトレットコンデンサマイクユニットの動作を確認。とりあえずマイクの体をなすことに安堵。
ただし、こうするには8Vをマイクアンプが内蔵されているIC-SM2の台座まで引っ張ってくる必要があるので、マイクケーブルをオリジナルの3芯から手持ちの8芯のもの交換した。

2段階:
この状態ではケンウッドのマイクのホット側に重畳された8Vが無線機に戻ってしまうので、それは不味かろうと、直流をカットするために電解コンデンサを入れる。手元に47μFのものがあったので、それを適当にマイクのホット側と8Vをショートする(無線機側から見た)手前に入れる。しかし送信するとハムる。
このあたりで、冷房下での作業が原因か、風邪をひく。

3段階:
ハムの原因は二つあると思われ、一つ目は電解コンデンサによる直流カットがうまくいっていないこと、二つ目はマイクのシールドがうまくいっていないこと(繋がっていればよいだろうと適当な配線をしたので、芯線をマイクのホット、芯線を取り巻くシールドでマイクのコールドとしていないからと想像)とした。
風邪ひきの中、頭の整理。

4段階:
二つの原因のその一、コンデンサの極性が反対だったことに気付きw、無線側から見て手前がプラス、反対側がマイナスと改めた。しかし、ハムは改善せず。手で持つとハムが治まるなど、安定しないのでマイクのアースに不備があるのではと想像。
風邪は治っていないが、作業をする。

5段階:
一晩経って、それではともう一つの原因を解決するため、マイクのホットとコールドを適正なケーブルで接続すべきとして、マイクケーブルの半田付けをやりなおす。ハムは治まった。しかし、音が悪い。ダイナミックレンジがエレクトレットコンデンサマイクとは思えないほど狭い。そうだった、IC-SM2は音が悪いのだ。40年前もそうだった。
送信テストする声が風邪ひきの鼻声である。

-----ここまででハムフェアから6日経過-----
6段階:
ハムフェア終了から最初の土曜日午前中、狭い音(プラス風邪ひきの鼻声)で送信しつつのローカルラグチューでヒントをもらう。
「1.エレクトレットコンデンサマイクのユニットを交換すべし、2.アイコムの内蔵アンプは取り去って直結で使え、3.台座裏側のボリュームは便利だが使わない、4.フレキシブルパイプの先の送話口の先は、薄い部分を傷をつけないようにテープや布で保護した上でラジペンでネジの反対方向に慎重に回すと外れる」

7段階:
そして午後、作業に入る。エレクトレットコンデンサマイクのユニットは手持ちが二つ。一つは3極(マイクのホット、コールド、電源)、もう一つは2極(マイクのホットに電源+が重畳、コールド)。当然ながら簡単な3極のユニットを採用する。そして、マイクアンプのユニットを取り去り、配線終了。自分で「あーあーあー」とやって隣の無線機でモニタをしても、鼻声であるが明らかに音が広い。
これで完了である。これで完了である!(涙)


全てが完了し、ケンウッド仕様に配線変更され、更にスポンジ風防を装備したIC-SM2であります。そういやIC-SM2を新品で買ったときにスポンジ風防が付いてましたね。色もこんな感じのグレーでした。開局当初にIC-502で出ていた当時のことを思い出します。
実はこのスポンジ風防、IC-SM2には有効で、このマイクは正面でしゃべると10~20cm離れていてもけっこう吹くんです。なので上に書いた試行錯誤と並行して、通販で探してたのところでした。
ちなみに寸法は、【高さ4.8cm、幅3cm 内径1.5㎝ 深さ3.8cm】のものを選びました。これでぴったりです。

ついでにMC-90のものも揃えました。こちらは【高さ:約72mm、内径:約35mm、外径約(60~65)mm】です。こちらもぴったりです。
両方とも【】の中の内容で検索すると商品がヒットすると思います(2019/9/13現在)。
そして、やっと風邪が治りつつあります。

2019年9月12日木曜日

ハムフェア2019

2019年は8/31-9/1の土日となったハムフェアです。
今年は実のところ明確に欲しいものがなくて、お祭り自体を楽しもうという趣旨で土日ともに行ってきました。

まず初日。一般展示ブースで楽しいものはないかなと歩き回ってみると、早い時間ではクラニシのNT-616が複数5000円で出ていました。これはお買い得。午後にはもう姿が消えてました。

でも最初に忘れずにJARLにカードを出さなきゃということで、メーカーブースを横切ってJARLのコーナー方向に歩くと、買わねばと思っていた「BCLマニュアル」が山積みでした。即購入。カードを出しに行かないと忘れてたところでした。
そして、途中のCQ出版社ブースで旧型機のメンテナンス本、TR-1300とVL-1300の記事があるものを購入しました。古いリグを単に磨く趣旨の記事ではなく、半固定ボリュームの位置や調整について書かれているので今後の参考にしようかと。

あと、これも早い時間でしたけど、ハイモンドの電鍵HK-704の未使用品と思しきものが安かったので、これは即買いでした。他にも数種類ありました。OMの引退処分品なのかな。
70年代のトランシーバを見かけると楽しくなりますが、今年は、JARDの新スプリアス保証リストに記載されない機種は極端に安くて誰も見向きもしないか、そもそもあまり見かけないという傾向がありました。
そろそろお昼かなという頃、地面に直置きのジャンクっぽい出し方の中に、かつてIC-502シリーズとセットで売られていたIC-SM2があったので、百円玉数個で購入、これが今年のわたし的目玉でした。
書籍とお宝
MC-90の両隣に並ぶお宝
お昼にちょっとだけビールを飲んで、午後はペースを落としてぐるぐる回って、会場の雰囲気を満喫し、大井町の飲み屋さんへ、そして大井町からの始発電車で目をつぶるともう地元駅でした。


二日目。一日目は仲間と一緒に回ったのですが、二日目は来年はひょっとしたら会場確保ができずに開催が無いかもしれないし、一人で祭りの余韻でちょっとだけ回ってみようと、午後の早めに短時間滞在のつもりで行ってきました。
初日のTH-59に代わって、二日目のお供はTR-2300です。この手のポータブルトランシーバを会場に持ち込むのは、高校二年生のとき、晴海にIC-502を担いで行って以来です。
今日はこのTR-2300で、会場内でQSOをしてみようと思います。
休息スペースの白い机の上で記念局の信号を受信中のTR-2300(わたくしの第一送信機)
ロッドアンテナが折れるのが困るので、純正ヘリカルホイップに挿し換えての受信です。まずは8J1HAMが出ていたので、パイルが治まってから呼んでみると一発で応答。会場内からなので当然だと思うでしょうが、会場内からハンディ機で呼ぶライバルが多いんです。無事QSOの後、メインを聴いていると別の記念局のCQが聴こえます。サブチャンネルに移ったところですかさず呼ぶと、QSO成立。会場内でQSLカードを発行してもらいました。
開局当時のハンディトランシーバを持ち込んでハムフェア会場でQSOをするという重要なミッションが終わったので、あとは少しだけ会場をブラブラして引き上げました。

二日目の午後、がらんとしたイベントスペース。祭りの終わりの雰囲気ですね。

2019年8月22日木曜日

夏、BCLラジオが欲しかった季節

夏というと、小学校のころの、7月下旬に出たラジオの製作の最新号を何度も読みつつ、BCLラジオが欲しいと願いながら長い休みを過ごしたことを思い出す。いや、ある時期ではBCLではなくて無線の免許を取ってRJX-601でQSOしたいとか、そういうことを願った夏もあったのだけど、今回はBCLばなし。

私がBCLというものを知ったのは、スカイセンサー5800のテレビCMをみたとき。
5800の発売は1973年4月で、同機の初期のCM、ラジオ・オーストラリアのワライカワセミ版で刺激を受けて、その後にBBCのビッグベンの鐘の音版を見たという記憶がある。
その当時、BBCのシンガポール中継の日本語放送が7180kHzでやっていて(懐かしのラジオの製作のラ製データシートを参照) 、父親の部屋にあったFT-101のAMモード(ただしSSBフィルタで聴いていたので音が悪い)で聴くことができたのだが、子供にはそれではつまらなくて、FT-101では聴けない9MHz帯や11MHz帯のラジオ・オーストラリアを自分の部屋でBCLラジオで聴きたかったのであった。

しかし、私はそのCMを認識した後、時期的には小学校4年の1974年の夏から秋の時期に、東芝サウンド750GTVを親から買ってもらっていたのだ。
このサウンド750GTVを選んだ当時の心境を思い出してみると、
・5800は〇〇くんの父親が持っているので後追いはつまらない。
・自分の部屋にテレビが欲しかった。しかし親からみたら自室にテレビとなると全く勉強をしなくなる恐れがあるとされた。まあ音声だけなら許されるのではないか。
・サウンド750GTVでは短波の3.9-12MHzを聴けるのでBCLだってできるだろう。
・3.9MHz帯や7MHz帯のBCLならFT-101で聴けばよいし、ラジオよりも安定して聴ける。
といった判断があったと思う。
今から思えば、値段もほぼ変わらない5800や当時既に併売されていたサウンド750GSを買っていれば我慢することなくBCLをできたはずなのに、当時の私はなぜかテレビ音声を優先したのだった。(当時頭を支配したと思われる「全員集合を聴いたら楽しいよね」という発想は誤りで、土曜日の8時台はお茶の間のテレビで全員集合を見てたし、そこにはサウンド750GTVの出番はなかったのだ…)

で、案の定、買ってもらった後は、画面なしの音声だけのテレビではつまらなく、12MHz以上の周波数は聴けずで、BCLラジオにすればよかったーと後悔する日々を送ることになった。
でも、BCL用として使うには物足りなくても、両親の帰省先についていったときに、夜になってからロッドアンテナを伸ばして短波帯を聴くと、自宅では聴けない数の放送局がバンドいっぱいに聴こえて感動したものだった。

私がBCLラジオを手に入れたのは1977年になるのだが、その前年、クーガー22001010の発売があって、2200の値段の高さに遠慮してより安価な1010をねだったことがあった、しかし、ラジオばっかり欲しがってとそれは却下された。
そのときになぜ欲しいのだと訊かれ、持ち歩ける小型のラジオが欲しいのだと(本当の本当はクーガー2200が欲しいのだが、適当なこじ付けでそう言った。小型のラジオが欲しいのは事実なので本音でもあり…小型というのなら本当はICF-7800が欲しいと思っていた。)言うと、代わりに秋葉原のラジオセンターの中の店で買ってもらったのが松下RF-527だった。
このRF-527は中波とFMしか聴けない小さなラジオだが、小学校高学年当時に毎月のように行っていたキャンプに持って行って聴くのに重宝した。

そして待ちに待った1977年の秋、ついに手に入れたBCLラジオがスカイセンサー5900だった。クーガー2200のほうが性能が良いのはわかっていたが、やはり3万円を超す値段に恐れをなし、5900を選ぶことに。
青い箱から出して、ラ製で飽きるほど眺めた筐体の実物に感動し、同時に買ったキャリングケースに入れつつも、ケースに入れると筐体のデザインが隠れてしまうので脱がしてみたりと、しばらくはケースに入れたり出したりしていたことを思い出す。あと、スイッチを入れて受信した音の印象が「こもった音」だったのもよく覚えている。

ここから先は夏休みでも夏でもない話になるのだが、5900の、というよりBCLラジオの一番の思い出は、電話級の免許状が来て局免許を申請している最中だった中学2年の秋、高崎線から直通の上越線各駅停車(上野発長岡行き。当時は上野発6時台、14時台、23時台と一日3本あった。)で埼玉から新潟まで行ったときに、窓際に5900を置いて車窓を眺めながらヘッドフォンで聴き続けたこと。
地元駅から電車に乗って、最初は県内に送信所がある中波放送を聴いてみる。NHK第一(78年当時はまだ川口にあった)、TBSラジオ(戸田)や文化放送(川口)が強い。そのうちにそれらが聴こえにくくなり、NHKFMの前橋放送局が聴こえにくくなると、SW1に切り換えてNSBを3.925MHzと6.055MHzとを切り換えながら聴く。
埼玉の自宅ではフェージングを伴って聴こえる電波が、群馬に入ってしばらくしたあたりまで行くとSINPO=55555で安定して聴こえていた。千葉県長柄から送信している電離層反射の電波は、埼玉で聴くよりもある程度の遠さがあったほうがよく聞こえるということを知識では知っていても実際に経験したのは面白かった。

でも、この後は局免許が来て自分で電波を出し始めてしまうので、念願のBCLラジオを満喫したのは約1年だった。小学校の頃から頭の中に温め続けた期間が長かったのにもかかわらず。