2022年1月19日水曜日

QYT28試用記

面白いハンディ機が出ました。

出たというか、有志が中国製の面白そうなCB用ハンディ機を見つけて、これを28MHz帯に転用できるかを生産元と交渉し、海外製品の共同購入窓口になった実績のある方が窓口となって頒布を始めた、というものです。

さっと手を挙げた甲斐もあり、初期の頒布の人数に加えてもらって、2022年の年明けに無線機が手元に到着、その後TSSでの保証認定を経て、1/14に関東総合通信局に変更届出をしたところです。※2/7付けで関東総合通信局にて届出の審査が終了し、QYT28は無事第12送信機として増設されました。


私の場合は、移動する局については既に28MHz帯3VAの50Wで許可されているので、この範囲の工事設計の追加であれば、技適又は保証認定を受けた設備を届出することによって、すぐに電波を出せることになります。

これについては「許可を要しない軽微な変更について」といったキーワードで検索をすると、識者の方が解説をしてくれているのでご参考ください。

 

さて、このQYT28ですが、見てくれはなかなかゴツく、70年代から無線をかじっている私には好印象です。軽薄短小もいいんですけど、トランシーバってやっぱりそれなりに存在感が欲しいので、ポケットに忍ばせてという使い方をするわけでないし、これくらいの大きさが好きです。


筐体にはバリもなく、まるで日本製のような品質に見えますが、スイッチを入れたとたんに「うーん、なるほど」という感じの中国製を納得させる大きなビープ音で起動します。(この起動時のビープ音だけは、設定でビープ音をゼロにしても消すことができませんw)

操作性もなかなかの手ごわさで、ロータリーエンコーダを回して周波数を移る際に、いちいち「ポツポツ」と音が出ますし、ロータリーエンコーダをクリックさせても周波数が変わらなかったり、機能を試すうちに固まってスイッチオフ/オンで復帰させることもあります。また、PTTを押して電波が出るまで少しタイムラグがあったりと、正直なところメーカー側での詰めの足りなさに気づきます。このあたりは90年代の日本製の性能的に行き着いたTH-59や89のようなハンディ機とは比べ物になりません。

ですが、2020年代の無線機ということで、きれいなディスプレイもついてますし、S/パワー/SWRメーターは便利です。大きなリチウムイオン電池を搭載しているので、4Wで運用しても電池のもちは良さそうです。

950SDXで送信音をモニタしてみましたが、FMではFMっぽい使いやすそうな変調が、AMでは深い変調がかかっています。最新のAMの変調ってこんなに深くかかるんですね。 また、外部マイクよりも本体マイクでしゃべったほうが変調が深いです。当然ながら、受信時には外部マイクのスピーカではなく、本体スピーカのほうが音質が良いです。

言われている外部マイク使用の際のAM送信時の回り込みは、普段同軸で使っているZCAT-3035にケーブルを巻いてみたりして事前に対策をしたところ、見てくれは悪いですが、とりあえずは問題ないようです。

 

届出を終えた週末、一緒に購入した27MHz用のロッドアンテナを持って近所の山っぽい住宅地に行って試験運用してみました。短時間の運用だったので、QSOには至らなかったですが、CQを出している私の信号を10km離れた場所で52くらいで聴こえたとのことですので、4W+ロッドアンテナで想定どおり飛んでいたということは確認できました。

残念ながら、受信については確認することができなかったのですが、今週末以降、チャンスを見つけて確認したいと思っています。

 

ここまでの時点で気付いたことは、

・スケルチの開閉について、メニューで設定した深さはそれとして、例えばライト点灯ボタンを押すと、押した間だけスケルチが開くような機能が欲しい。

・電池の持ちにも左右されるが、出力を1Wに落として運用できると便利。

・ロータリーエンコーダを使っての周波数変更時のポツポツ音が無くなるとうれしい。でも、チャンネル変更時などの操作反映の遅さ(CPU故?ソフトの出来?いずれにせよメーカーレベルの話で、日本側ではどうにもならないのでは)からすれば、これくらいと考えるべきか。

といったところです。


共同購入サイトの中の人がメーカーとの打ち合わせを重ねた周波数マトリックスについては、頒布が広がると利用者目線の要望が増えると思います。おそらくですが、これ、私の想像ですけど、日本人の細かい感性を件のメーカーの担当者に押し付けて変更を促すと、メーカー側担当者が面倒くさがってついて来れないので、現状に落ち着いたのではと考えています。

将来、可能になったらいいな程度の淡い希望として、ユーザー側で周波数などのチャンネルごとの設定値の編集ができるようになるといいな、でも出来なかったらしょうがないな、くらいでいたほうが良いかもしれません。 

 

個人的には、28MHz台の低いところは海外でビーコンが出ているのでAMで出るべきではないと思っていることや、70年代の違法市民ラジオ的な口調の人がたまに聴こえるのでまあいいやという感じなので、28.800以上で出られれば良いかなと。

29MHz台はシンプレックス運用ができれば十分だと思っていますが、Esが出たときは結構混んでいる印象なので、猛者の中、恐る恐る隙間を見つけて電波を出す勇気wが出てくるかなというところです。 


面白いトランシーバが出てきました。細かいことはそれとして、しばらくは趣味の時間が楽しくなりそうです。

あと、(小さな声で)このハンディ機の50MHzのAM/FM版が出たらいいですね。子供の頃に戻れそう。

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