この無線機の場合、国産機とは違って、取説を読みつつ適当に操作しているうちに慣れるということはなくて、設定プログラム(CPS)で設定ファイル(コードプラグ)を編集して、これを本体に送って操作を確認することの繰り返しで、使いながら自分の好みの設定にしていくことが必要です。
国産機の場合は設定プログラムから本体にファイル送信するというプロセスを経ずに、取説を読みながらメニューに入って設定を動かして済ませますが、これが一段階加わっているので面倒といえば面倒です。
ファームウェアのおはなし
設定ファイル(コードプラグ)を作ったその後の試行錯誤の一つが、ファームウェアの更新でした。購入時点で入っていたファームウェアはV1.05だと思います(後述)。AnyToneのダウンロードページには6月に更新されたV1.07に関係するファイル群があります。
画像は圧縮されたファイルに含まれるフォルダなどのファイル類です。ファームウェアを始め、設定プログラム(CPS)のV1.07のものなどが含まれています。これを使って設定を始めたわけです。ある程度設定が詰まってきたところで、おや、V1.07のファームウェアがあるじゃないですか、と気づいてしまいました。気づいたらやってしまうわけです。更新後、新しくなってうれしいと思っていたら、どうもスピーカーマイクから出てくる音が小さくなったような気がしてなりません。ボリュームを最大にした際には、音が割れるくらいの大音量になったはずなんですが、デジピータによってアナウンスの音がまちまちなので、大きくしたいときにならなくなっちゃったということで、AnyTone公式のダウンロードページにあるV1.05のファームウェアに再更新しました。なので、元々ファームウェアのどの版が入っていたのかわからないまま、V1.07に更新し、V1.05に戻したというのが私の個体の状況です。無事、音が再び大きくなりました。
※音の大小の件、後日の検証では1.07でもそんなに小さくは感じなかったです。でも、最初の経験を信じて1.05で使い続けています。 ※その後1.07に更新しました。設定プログラム(CPS)1.07で新規にファイルを作成すると、音量のパラメータが小さく出るようになっていて、ここをいじらずに本体に転送して戸惑ったというのが真相でした。
元々のファームウェアのときも、V1.07にしたときも、V1.05に戻した後も、設定プログラム(CPS)の版は最初にダウンロードしたV1.07で設定して、無線機に転送した設定ファイル(コードプラグ)もV1.07のものです。設定プログラムV1.07で設定した設定ファイルは、古い版のファームウェアの無線機本体から設定ファイルを設定プログラムに引っ張ったり戻したりとやっていますが、今のところは不具合は無さそうです。
もう一つ、PFキーの割り当ては、
〇PF1を短く押すと、VFOモードとZone(取説ではVFOとメモリと表記してますが、メモリ群としてのZoneを指すのが正しいです)の切り替え
〇PF1を2秒長押しでAバンドとBバンドの切り替え
〇PF2を長押し(実はほんとは短く押す設定で、長押しを未設定にしている。こうすることにより、PF2キーをとりあえず押し続けるとスケルチが開くということに)するとスケルチが開く
設定にしています。
上の画像ではPF2の長押し設定が1も2もグレイアウトしていて、無線機のファームウェアがV1.05(かも)だからできないのかと思っていたんですね、ところが、V1.07にしても変わらないので、音量問題もあって1.05に戻したんですが、これは、ファームウェアは関係なく、PFキーの短押しに「Monitor」、スケルチオープンを選ぶと長押し設定部分がグレイアウトするのが仕様のようです。確かに、スケルチを開けるために押すキーですから、黙ってても長押しになるし、短く押したときの挙動と長く押したときの挙動が変わるのは変ですよね。なので、 スケルチオープンを割り当てる場合に限って、長押しを設定できなくしちゃった、というところなんだと思います。
デジタルコンタクトリストのおはなし
Digital Contact Listって無線機にインストールする必要があるのかしら。これって、RadioIDに登録したユーザのデータで、IDとコールサインと氏名と大雑把なQTHが入っていて、27万件もレコードがあるんですけど、無線機から送信時にRadioIDとコールサインを混ぜて送信するんだから、それだけでよいのではないかと思います。一度やったみたんですが、PCで設定ファイル(コードプラグ)に27万件ものデータを流し込むとデータ量が増えて、PCと無線機との通信が長くなるんですよ。
無線機の中で表示中の相手のRadioIDと無線機に入れたリストと、リアルに照合していないんじゃないかと想像していました。どのみちIDの詐称はできちゃうし。とはいえ、無線機への転送時にリストを含めるか否かの選択があるから、「含めない」とチェックマークを外せば良いのか。
含めないと転送データはFDDに余裕で入るくらいの数百kBになります。27万件のIDデータを含めたら10MBにもなって、転送が終わるまで時間がかかるようになりました。なので一度だけやってやめちゃったんですけどね。一度転送したら無線機側の領域を10MB食ったままなんだろうから、これも消去してみました。
その方法は、設定ファイル(コードプラグ)を設定プログラム(CPS)で開いて、コンタクトリストをcsvで見出し行だけの0件で作ったのをImportして、これを「含めて」無線機に転送すれば消せるかな?と思ってやってみました。これだと転送時間は「含めない」並みに終わりました。
無線機から設定ファイルを設定プログラムに取り込むと、無線機の設定状態が27万件の有無を含めて設定プログラムで表示される、と仮定すると、取り込んだ際に0件になっているので、消去されているものと考えて良いです。この方法で消えたことは検証できました。
ちなみに、次項でダウンロードしてもらえるようにしている設定ファイル(コードプラグ)に含まれるデジタルコンタクトリストは0件です。「含める」にチェックマークを入れて転送しても、転送時間は短く済むはずです。
もう一度検証してみたところ、やはり上の方法で一度無線機に転送したデジタルコンタクトリストを消すことはできました。消した後に無線機をつけていたら、DMRの信号入感時にRadioIDの数字しか表示されず、コールサインと名前はありませんでした。無線機の中のデジタルコンタクトリストと照合してたんですね。
というわけで、やはりデジタルコンタクトリストは必要でした。ただし、無線機に設定ファイル(コードプラグ)を転送する際には、必要なとき以外はデジタルコンタクトリストを「含まない」で送信することにより、設定した内容だけを転送できるので転送の時間が短くて済みます。
スタンバイPUのおはなし
DMRの自分の信号をモニタする手段がないので検証していないのですが、アナログF3Eモードのときには送信終了時に「プ」と音が出ます。スタンバイPUです。プの音は低めで悪くはないのですが、アナログで送信する際には必ずプと入るので、AT-D168UVユーザとバレます。いたずらしなければそんなことを気にする必要はないのですが、ちょっと送信してみたいときってあるじゃないですか、そんなとき必ず「プ」だとちょっと気になります。ファームウェアV1.05だからなのかなと1.07に更新して確かめてみたのですが、やはりプは出ます。なので、1.05に戻して気にしないことにしました。
続きます。