2016年8月28日日曜日

70年代のトランジスタラジオ その2

今回は東京半導体工業のJK-86。
同社からナイスキットという名称で6石と8石と2つのラインナップで販売されていた中波専用ラジオのキットで、今回の個体は8石版。6石のほうはJK-69という形式名だった記憶が。
外観は6石も8石もなくて共通です。73年前後のラ製の巻末の販売店の広告を見ると、これが掲載されていると思います。ラ製本誌での紹介記事もありました。

小学校4-5年のころでしょうか、父親にねだって、これの6石版を買ってもらいました。なんで6石版だったんだろう。その分部品点数が少なくて安いことから、父親の小遣いへの圧迫度が低かった、工数が少なくなる分子供でも簡易に作れそうだった、という理由でしょうか。

数年前に手に入れたこの画像の個体は、電池を入れてみて音が鳴らないことを確認しただけで、以降は手を入れていません。

実は、この製品にはウイークポイントがあって、バリコンの回転部の中心に選局ダイヤルをねじ留めしているんですが、これが緩むんです。
で、さらにその留めているねじの上から、周波数が書いてあるラベル(画像でいえば青く写っている部分です。)を貼るので、一度緩んだ場合にはラベルを剥がさないといけないんですね。
緩んじゃラベルを上手に剥がして、ドライバーで増し締め、またラベルを貼る、ということを繰り返していると、ラベルの見栄えが悪くなることに加え、ダイヤルのねじ留め部分がプラスチックのままで金属で強化されていないため、ついには割れて選局不能になってしまうのです。

この個体も半分くらいラベルを剥がした跡があって、ダイヤルを停めるねじが緩んでガタがある状態なのですが、まずは長い時を超えてなつかしい筐体を間近に見たかったという願望が叶ったことで満足することにします。

改めて筐体を眺めていると、TR-3500に比べても一回り大きく、初心者向けキットであるがゆえ小型化に主眼を置いていないせいで、けっこう音が良かったことを思い出します。こんなことを書いていると直したくなってきますねw

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