2016年8月27日土曜日

70年代のトランジスタラジオ その1

SONY TR-3500。後年トリオから発売された430MHzFMハンディ(既にケンウッドになった後かしら。こちらのTR-3500は片手で掴めるハンディトランシーバだった。)と同じ型番だが、これはソニーのラジオ。webで調べてみると、73年発売とのこと。
トランジスタラジオというと、60年代の前半などは立派な革ケースに入っていて、いかにも大事に扱われるものという雰囲気があったが、このころになると高級(高性能、多機能)のラジオと、普及価格で手軽に買えるものがいろいろとラインナップされていた。

当時のソニーのラジオ総合カタログ(あれ、何ページくらいあったんでしょう。ちょっとした冊子でしたね。)をみると、多種多彩なモデルが掲載されていた。

TR-3500はそのカタログでは後ろのほうの廉価なラジオが並ぶページにひっそりと載っていたと思う。変な小学生だった私は、そんなカタログを隅から隅まで読み込んでいて、家電店のラジオのコーナーに行っても、どのラジオがどんな性能で、どれくらいの価格でということをひととおり反芻できたほどだった。
※その変な特性は、のちに無線機だったり、自動車だったりという分野にも発揮されたのでした。

TR-3500はこれ。一定年齢より上の人なら、一度は見たことがあるかもしれません。
6トランジスタの単三2本で動作する中波専用ラジオです。バリコンの直線性は、よくある上の周波数になると選局がクリチカルになるというやつで、これでBCLをやるには、かなりのやせ我慢が必要です。
このモデルはこの黒地にシルバーパネルのもののほか、青や赤のものがありました。
MADE IN JAPANです。70年代も後半になるとこういった安価な製品はどんどん海外生産になっていくのですが、これはぎりぎりその前ということなのでしょう。

小学生のころに祖父の家に行くと、いつもこの黒地にシルバーのTR-3500があって、ラジオとかそういう類のものが大好きだった私は、祖父の家に行くたびにこれを弄り回して、あんまり弄っていると電池が無くなるから、と叱られたものでした。

この個体は近年オークションでジャンクを落札して、基板に取り付けられている部品のはんだ付けをし直して再び聴けるようにしたものです。たまにスイッチを入れてみると、NHK第一からRFラジオ日本(この局名はあまり好きじゃない。ラジオ関東のほうがしっくり来ます。)まで、ちゃんと聴こえます。
決して音が良くないのですが、耳が疲れてくるまでの小一時間、当時を思い出しながら聴くという楽しみ方をすべきなんでしょう。オークションでもけっこう見ますから、このモデルに郷愁を感じる方はぜひ。

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