2025年10月1日水曜日

DMR雑感

DMRですが、今はトークグループ1のタイムスロット1のカラーコード1で適当にしゃべってますけど、ドメスティックな感じでしゃべってるだけなら、この設定だけで十分なんですよね。違う例をDMRデジピータリストで稀にみかけますが、それは多段リンクのために少し変えている場合があるくらいで。

TGIFとかBrandmeisterって話になるともうわかりません。 ホットスポットを作りたくなると意識するんでしょうね。 TGIFってほかの意味に合わせた名前なんだろうな。カレーの日。 
ホットスポットが自分の部屋にあると、VoIP経由でその先とつながれて、ラスト1マイル(ラスト6畳かも)はハンディ機でってことになるのか。それよりも、ロケーションの良いところにデジピータを置いて、仲間と忌憚のない話をするほうが楽しそう。 みんなそう思うからデジピータ用の周波数が埋まっちゃうということか。

430でDMRを使ってみると、やはり430なので、出力とアンテナなりに飛ぶことを再確認します。減衰の多い1200より安定して飛びますね。飛ぶ故に144や430は動物園なので、動物除けとして敷居が高い感と、その敷居の高さ故の秘話性があるDMRは、気楽にしゃべる手段として有効だったりします。あと、DMRの良いところは、TDMAで理屈上の送信時間が半分なので、ハンディ機の電池運用でも電池持ちが良いし、発熱がそれほどでもないところです。

首都圏の隅と隅同士のラグチューと考えると、430なので1200よりは楽だろうけど、やっぱり出力が出るDMRの無線機が欲しくなります。20Wクラス以上の144/430デュアルバンドのDMRとFMのモービル機って、玉石混交モールで見ると無くはないんだけど、やっぱり国産ブランドのを使いたいんだよなあ。現状なら八重洲のC4FMでやりなよってことなんですよね。IC-9700持ってるじゃん?いやいや、わたくしDなんとかはアレなので、9700はアナログでしか使わないのです。 

そのC4FMという言葉ですが、それだけだと四値周波数偏移変調を指すので、これをFDMAでやっている八重洲のC4FMも、これをTDMAで行っているDMRも含まれることになります。八重洲は自分のところのFDMAで行っているデジタル方式をC4FMという表現で一人歩きさせているので、一般的には八重洲の目論見どおりにC4FMといえば八重洲が展開しているデジタル変調ということになってきているんですね。そのあたりを気にして分類的にいうのであれば、「八重洲のC4FM」というのが正しいことになります。
その八重洲も、同じFDMAでGMSK変調で先行しているDなんとかに対して、自分のとこのは四値周波数偏移変調だからC4FMだぜということで、読み手にはC4はなんだかよくわからないけどデジタルっぽい感じかな?アナログFM並みに音が良い(実際に音質の良いモードがあると聞いています)のかな?と思わせるのは頭の良い方法だとは思います。

以前書いた話ですが、DMRというのもずいぶんと一般的な名前を使っているので、どっちもどっちですけどね。むしろDなんとかが一番潔いのかしら。

2025年9月30日火曜日

AnyTone AT-D168UV(その6、設定ファイル(コードプラグ))

もう少しの間はファイルの公開を続けますが、公開を前提とした更新は終了することにしました。このページをごらんになっている日以降の更新はありません。国際VHFの周波数をメモリチャンネルとZoneに加えた日(2025年9月29日)以降は変更を行っていません。

国際VHFの周波数をメモリに入れて、盛り込む要素はそろそろ煮詰まってきた感があります。あとは、PFキーをどうしたいとか、そのあたりの細かいチューニングくらいでしょうか。それも含めて、メモリチャンネルの追加やZoneのくくりをどうするとかは、ファイルをごらんいただく方の好みで修正をしていただければと思います。

例えば、国際VHFを聴く際には、PF1の割り当てを、現在は短押しでVFOとZoneの切り替え、長押しで上下バンドの切り替えにしていますが、これをひっくり返して、短押しで上下バンドの切り替え、長押しでVFOとZoneの切り替えにしたほうが、船舶局と海岸局の周波数が異なるチャンネルの受信のときのZone内チャンネルの変更が便利かなと思います。このあたりもお好みでどうぞ。

今後考えられる大きな変更は、今はVFOモードはアナログFM、DMRを使う際にはZoneということにしていますが、どこかのタイミングでVFOモードはDMRとして、ZoneでアナログFMを使うようにと、今とは考え方を反対にしたメモリチャンネルとZoneの構成にするってことでしょうね。 デジピータリストを反映したZoneはそのまま残すんでしょうけれど。

以下、本文です。 

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期間を限定していますが、コードプラグを公開しています。

設定プログラム(CPS)V1.07で新規に作成・編集して設定したファイル(コードプラグ)はここからダウンロードできます。 

このファイルは、ファームウェアV1.07の無線機本体に送っては設定プログラム(CPS)V1.07に戻しと、かつて更新したファイルになります。内容の正しさの保証及びお使いになった場合に生じた不具合についての補償は一切しません。設定プログラム(CPS)で中身を覗いて、よりよい設定を検討する材料に使ってください。このファイルを商用で使うのは禁止します。RadioIDとコールサインはダミーデータを入れてありますので、このまま送信しないように。

※ファイルの内容は思いついたときにそーっと変更することがあります。 
※ある程度の期間が経過した後に、ダウンロードのリンクは削除する予定です。
※ファームウェアがV1.05でも使えちゃうんじゃないかなと思いますが、保証も補償もしません。このあたりは自己責任で。 


この設定ファイル(コードプラグ)の中身を説明しておきます。

重ねて書きますが、RadioIDとコールサインはダミーデータを入れてありますので、このまま送信しないでください。RadioIDとコールサインの入れ方を最初に説明しておきます。

RadioIDとコールサインの入力

この設定ファイル(コードプラグですね)を設定プログラム(CPSですね)で開いて、左側の階層メニューの「Digital」を開くと、「Master ID」があるのでこれをクリックすると、上段にRadioID(440万番台のRadioID公式から付与されたあなたのIDです)の入力と下段にコールサインの入力ができるダイヤログが表示されます。それぞれ入力後、usedにチェックマークを入れないでOKボタンです。①から⑤の手順で操作してください。画像はクリックで拡大表示できます。

 

次に、「Mastar ID」の一つ下に「Radio ID List」があるのでクリックで開きます。開いた画面では1行目だけ入力されていて、その「1 YOUR CALLSIGN」とあるところをクリックするとダイヤログが立ち上がります。そこにもう一度先ほど入れたRadioIDとコールサインを入れてOKを押します。①から⑤の手順で操作してください。画像はクリックで拡大表示できます。

 

これで、このファイルを保存して、設定プログラム(CPS)で無線機に転送すれば、無線機からDMR送信時にあなたのRadioIDが送信され、受信側でデジタルコンタクトリストと照合されて無線機の画面にあなたのコールサインと名前(姓名の名のほう)が表示されることになります。 

※これ、RadioIDを無線機のMasterIDにするのなんとなく当たり前だと思うのですが、Master ID Nameのほうは無線機内部で持っているだけなのでは?と思っています。で、Radio ID ListはRadioIDとMaster ID Nameと同じ情報を入れるように書いていますが、実はこっちが重要で、無線機のMasterは一つしか設定できないとしても、RadioIDは複数をリストで管理できて、切り替えて使える仕様なんだろうなと想像しています。で、ここでちゃんとRadio IDが設定されているリストが選ばれていないと、送信時にちゃんとRadioIDが送信されなくて、受信する人から見てのっぺらぼうになってしまうのではないかと思っています。

過去参考にさせていただいたサイトの入力方法を踏襲した説明を上に書きましたが、実際の入力値の使われ方はそんな感じなのではと思っています。 


次にメモリチャンネルの説明です。

メモリ(この無線機ではチャンネルと呼称しています)は737ch分入れてあります。それをZone(いわゆるメモリグループですね)でまとめています。

〇国内のDMRユーザに使われている周波数、145MHz台と438MHz台の合計38ch、これをZoneで「DMR CHs」としてまとめてます。また、将来デジピータの周波数が拡大される可能性を考え、438.01から20kHzステップでUHF-2-01の438.37より下の18ch分を追加しています。Zoneを画面に表示させる場合、初期表示は上側のAバンドのときは438.53の中原区のデジピータの周波数を、Bバンドのときは438.59の神奈川区のデジピータ周波数としています。これは私の使いやすさを反映したものです。適当に変更してください。 

〇144MHz 帯でDMRモード時にあたかもVFOモードで使うようなイメージで、144.70から145.79までを10kHzステップで130ch、これをZone「144D VFO」としてまとめてます。画面表示時の初期周波数は145.30です。

〇430MHz帯で DMRモード時にあたかもVFOモードで使うようなイメージで、431.70から433.99までを10kHzステップで130ch、これをZone「433D VFO」としてまとめてます。画面表示時の初期周波数は433.30です。 

〇430MHz帯でDMRモード時にあたかもVFOモードで使うようなイメージで、438.00から438.99までを10kHzステップで100ch、これをZone「438D VFO」としてまとめてます。画面表示時の初期周波数は438.50(使われ方がよくわからないので438.50にした)です。

〇430MHz帯アナログレピータのために、JARLのレピータリストを見ながら439.02から439.98まで、トーン周波数88.5Hzの場合も、同じ周波数で77Hzの場合も、逆シフトの場合も、439.11MHzのような奇数の場合も入れて、おそらくアナログレピータをすべて網羅した57ch、これをZone「Repeaters」としてまとめてます。画面表示時の初期周波数は438.62としています。

〇特定小電力無線の周波数47chをメモリしました。シンプレックスはそのまま、レピータ用周波数はダウンリンクのみです。チャンネルの名称はアルインコとケンウッドの併記にしています。Zone「SLPR」にまとめました。 送信はできません。謎のR表示がついていますが、送信周波数に特小の周波数を埋められないことから、データ上は433.00を入れているのですが、そのせいでデュープレックスとみなされているのかもしれません。画面表示時の初期周波数はアルインコでいうところのL03(ケンウッドでいうところのh3)にしてあります。

〇「Marine VHF」として国際VHFの周波数を入れました。総務省の資料 別表3-4 156.025-162.025MHz帯海上移動無線通信業務の周波数表を参考に、船舶局の送信用周波数、海岸局の送信用周波数、シンプレックスで使われる周波数を117ch分です。初期周波数は16chにしています。これも実際に使われていない周波数まで含まれていると思いますので、そのあたりはお好みで編集してください。送受信周波数が分かれているチャンネルの場合、2波を同時受信表示させて、上を船舶局、下を海岸局というようにすると、双方の送信内容を聴くことができます。これ、意外と便利かもしれません。 

例えば、18「S」は18chのShip・船舶局、18「C」は18chのCoast・海岸局の周波数を示しています。シンプレックスの場合は16chのように単純にch表示としています。 

 

画面表示時の初期周波数などは個々のZoneの設定ですのでお好みで変更してください。

〇スキャンリストファイルはDMRデジピータリストにある周波数と特小の周波数分を作ってあります。


もう一度書いておきますが、PFキーは

〇PF1を短く押すと、VFOモードとZone(取説ではVFOとメモリと表記してますが、メモリグループとしてのZoneを指すのが正しいです)の切り替え
〇PF1を2秒長押しでAバンドとBバンドの切り替え
〇PF2を長押し(実はほんとは短く押す設定で、長押しを未設定にしている。こうすることにより、PF2キーをとりあえず押し続けるとスケルチが開くということに)するとスケルチが開く 

と設定しています。 Zoneの切り替えはPF1でZoneを表示させた後、本体正面の↑↓キーで切り替えることができます。

 

また、FM放送の周波数も適当に当地で聞こえる局をメモリしてありますので、これも好みで変更してください。VFOモードのときに立ち上がる周波数は82.5MHzのNHK東京FMにしてあります。メモリ番号の一番下のわかりにくいところに入力箇所がありますから、これもお好みで変更してください。

FM放送を簡単に聴くためにPFキーに割り当てしたいんですけどね。PFキーはアマチュア無線用途に割り当ててしまってるので、メニューの階層奥深いところで聴くための操作になることから、聴かなくなっちゃいました。 

 

各位におきまして、デジタルコンタクトリストを入れましょう。

ダウンロード用に置いたファイルにはデジタルコンタクトリストは入れていません。前述のとおりファイルが大きくなること、あと、昨今の個人情報保護の関係で小うるさいご指摘がある可能性があるので入れません。RadioID公式か、PI-STARのAnyTone向けダウンロードページからお好みでどうぞ。

設定プログラム(CPS)のTool→Importから、「Digital Contact List」のボタンを押して、ダウンロードしたファイルを指定して、「Import」ボタンを押します。ユーザ全件のように大きなファイルをImportする場合には、Importボタンを押した直後にダイヤログ全体が固まりますが、単にリソースを食われてそうなっているだけなので、しばらく待っていると終わります。ちゃんとImportされたかどうかは、左の階層メニューのDigitalを開くとDigital Contact Listが見えますので、適当にクリックすると画面にリストが表示されるかどうかで確認できます。この設定ファイル(コードプラグ)を無線機に転送して完了です。 

前項までに検証しましたが、デジタルコンタクトリストを無線機に入れないと、相手局の情報がRadioIDの数字だけしか表示されません。無線機の中のリストと照合して相手局のコールサインと名前(姓名の名だけですが)が表示されたほうが良いですよね。

日本では姓を名乗るのが一般的なので、名だけではなく姓を表示させたほうが便利だよねということで、デジタルコンタクトリストのデータを加工してみようかと思い、RadioIDのGeneratorで姓の抜き出しを試みてみたものの、姓は抜き出し・リスト化に対応していませんでした。姓の項目が空白で出るようになっています。個人情報の保護ということでしょうね。


その他諸々 

そのほか、画面の文字の色(左側の階層メニューで「Public」→「Optional Setting」→立ち上がったダイヤログで「Displayタブ」で設定)とか、いろいろとカスタマイズできるので、設定を変にしても困らないように設定ファイルのバックアップをしつつやってみてください。

スタートアップサウンドやキーボード押下時の音(ビープトーン)を消しちゃってるんですけど、このあたりもお好みで。

スキャンの機能があるので、やりそうなDMRデジピータと特小の周波数のスキャンリストをそれぞれ作ってあります。本体に転送した後に、本体のメニューでスキャンをONで使えます。スキャン機能をPFキーに割り当てれば使い勝手がよくなるかもしれませんね。


2025年9月26日金曜日

AnyTone AT-D168UV(その5、ファームウェアアップデート)

ファームウェアをV1.05からV1.07にアップデートしてみました。1.05で使っていて、バグが1.07にしたら直らないかなと思ったのが理由です。残念ながら今のところ直ったことが検証できていないのですが、同じようなものなら新しいほうが良いだろうということで1.07で使い始めました。

メモリチャンネルでトーンスケルチ動作をさせたところ、77Hzに設定したときは開くんですが、88.5Hzのときには開かないという現象が出ていて、エンコードとデコードの設定だけしているのですが、スケルチはトーンではなくキャリアで開くという設定をしています。少し実験してみると、どうやらある程度強い信号でないとトーンでスケルチが開かないことがわかりました。なのでファームウェアがネックで何かが起きていたというわけではないのですが、とりあえず最新にしておこうということで1.07にしています。

 

ファームウェアをアップデートする方法を書いておきます。AnyTone公式のダウンロードページから「D168UV V1.07 official release 250614」をダウンロードします。ついでに「D168UV V1.05 official release 250123」もダウンロードしておきましょう。1.07にアップデートした後にやっぱり1.05のほうが好きという場合に戻れるようにです。

アップデートの手順はダウンロードしたzipを全部解凍して、中に含まれているマニュアルを読めばわかります。 ですが、そんなのめんどくさい人向けに手順を書きます。以下、内容を保証も補償もしませんが、与太話として参考にするなりしないなり、好きにしてください。


1.すでにPCにインストール済の人も多いと思いますが、まずは1.07版の設定プログラム(CPS)をPCにインストールします。解凍した中に「D168UV V1.07 CPS」というフォルダがあります。この中身をインストールします。windowsがセキュリティがどうのと文句を言ってきますが、自己責任です。 結果として何が起きようと私は知りません。

1.05版のCPSを入れている場合は、念のためアンインストールしてから1.07版を入れたほうが良いと思います。両版が共存できるのであれば良いのですが、そのあたりは検証していません。 

 

2.次に、無線機とPCをUSBケーブルで接続して、無線機の設定ファイル(コードプラグ)の内容をバックアップします。「→💻」で無線機からPCにデータを転送したら、そのファイルをわかりやすい名前を付けてどこかに保存しておいてください。

※この時点で無線機とPCがちゃんと通信できているのであれば、ダウンロードしたファイルに含まれるフォルダ「A READ FIRST - Update Instruction」にあるマニュアルに書いてある、ファームウェアやアイコン更新の際のCPSと無線機との間の通信のチェックプロセスは省略しても良いと思います。

 

3. 次に無線機のスイッチを切ります。そしてPF1PF2押しながらスイッチを入れます。赤いLEDがゆっくりと点滅すると、無線機がファームウェア更新受け入れモードになったことを示します。

 

4.無線機とPCがUSBケーブルで接続されたままなのを確認して、設定プログラムのTool→Firmware and Icon Updateをクリック、中央にダイヤログが立ち上がって、「Open Update File」ボタンが強調されています。これを押して、解凍したファイル群にある「D168UV_V1.07 FW」フォルダの中の「DL168UV_V1.07_20250606.spi」を指定して

さらに「File Open Succesed!」とダイヤログが立ち上がったらファームウェア用更新用ファイルの指定ができたことを示します。OKを押して、そのあとは「Write」ボタンを押して更新開始です。プログレスバーが伸びていき、更新が完了します。

 

5.更新が完了すると、無線機が再起動します。再起動後、時刻の設定を促される画面が表示されます。設定するなり(設定するならその前に6.を読んでね)、後回しにするなりして先に進むと、無線機は設定ファイルを読み込んでいない初期状態で起動します。

 

6.時計を設定しちゃった後だとちょっともったいないのですが、この時点で一度リセットをしておきたいと思う場合には、スイッチを切ってPTTPF1押しながらスイッチを入れます。「Are you sure you want to Initialize the radio?」と画面に表示されるので、「Confirm」と緑色のボタンを押すと初期化して、再び起動します。

 

7.アイコンのアップデートをする場合には、 無線機のスイッチを切った後、PTTPF2押しながらスイッチを入れます。ディスプレイに「UPDATE MODE」と表示されたら、設定プログラムのTool→Firmware and Icon Updateをクリック、中央にダイヤログが立ち上がって、「Open Update File」ボタンが強調されています。これを押して、解凍したファイル群にある「D168UV_ICON_V1.34」フォルダの中の「D168UV_ICON_V1.34.spi」を指定して「File Open Succesed!」とダイヤログが立ち上がったら、OKボタン後「Write」です。※アイコンのアップデート後なんですけど、する前と何が変わったのかわかりませんw

  

やっぱりファームウェアV1.05のほうが良いと思ったら、同じ手順でV1.05に戻せばよいので、そのあたりはお好みで。 その場合、設定ファイル(コードプラグ)は2.でバックアップをとったファイルを使うことになると思います。

2025年9月24日水曜日

AnyTone AT-D168UV(その4、マイクとソフトケース)

スピーカーマイクについて

かの国のこの手のハンディ機は、2ピン(2.5mmと3.5mmの2ピン)のケンウッド配線の例が多いようです。 我が家にはケンウッドのハンディ用のスピーカーマイクが何個かあるんですが、AT-D168UVに使えるか試してみました。ダメならまた某モールから買えばよいかということで。

〇SMC-34とSMC-33:ちゃんと動きました。この2機種はケンウッド機に機能を割り当てるボタンが3つ付いてますけど、押しても余計な挙動は無かったです。

〇SMC-31:仲間が使っています。この、世代の古いスピーカーマイクは大きなスピーカと大きな筐体で受信音が良いので好きです。 

〇SMC-25:仲間が使っているので、ちょっとうらやましくなって、同じ筐体のSMC-25を持ち出してきました。ところが、下の画像のようにマイクとスピーカのピン間隔が近年のモデルと違います。

今更TR-2500/3500に使うわけでもないので、現代化を図ることにしました。単にケーブルをジャンクのスピーカーマイクと入れ替えるだけです。
外見も違和感なく移植ができました。SMC-25のSMC-31仕様(ただしイヤホンの取り出しは無し)です。

ほとんどの方にとってどうでも良い情報ですが、スピーカーマイク部分の見た目が同じSMC-25と30と31の違いを書いておきます。

SMC-25は、TR-2500/3500の世代の、スピーカとマイクの2つのプラグの間隔が狭い仕様です。 

SMC-30は、TR-2600/3600やTH-21/41の世代で、プラグ間の寸法が以降のモデルと同じになって、AT-D168UVにそのまま挿せ…るはずです。いや、持ってるんですが、プラグ部分を外してPalmSizerⅡに使ってしまったので、ちょっと自信がありません。SMC-30のコネクタ形状は直立型なので、無線機の横側にジャックがある場合は、差し込むと張り出す形になるので邪魔に思うかもしれません。

SMC-31はケーブルを移植した上の画像と同じように近年のL型のプラグになります。ただし、キャラメル大のイヤホン端子を取り出す部分がカールコードの終わりに入ります。

コメットのケンウッド用のスピーカーマイク:問題なく使えます。これはQYT28で使ったマイクなので、AMモードでの送信対策でフェライトコアが巻いてあるのはその名残りです。

EMC-3:イヤホンマイクです。 問題なく使えます。

〇純正のQHM-024:手持ちがダメならこれを買おうかと思っていました。筐体自体が大きめで、小さなスピーカーマイクより受信音が良いのではと想像しています。にゃん氏が持っているのでそのうち聴かせてもらいましょう。

 

ソフトケースについて 

純正で用意されています。 Compatible AT-D878/D168/D878/D890/D280とあるので、ぴったりサイズということではないようです。面倒だったので日本のAmazonでそれらしいのを発注してみました。国内発送かと思いきや、生産国の業者から送られてきました。需要がそれほど無いでしょうから、国内に在庫を置くメリットがないですからね。

実際に入れてみると、案の定878サイズで168にはブカブカです。太さは概ね良いのですが、下部分に指が入ります。余っている部分を詰めて縫えば使えるかな。正面の素通しビニールの部分にスピーカとマイク用に穴が開いているのですが、これも878用で168には合いません。私は外部スピーカを使うので気にならないですけどね。

 
ストラップは付属してきます。私はPalmSizerⅡ用に買っていたものを流用しようと思ってました。幅が広くて多少重たくても疲れないタイプです。
ですが、ケースに入れるとクレードルの上に置けないんですよね。いちいち着せたり脱がしたりも面倒です。
 
続きます。 

2025年9月17日水曜日

AnyTone AT-D168UV(その3、弄り始めていろいろ気づく)

この無線機の場合、国産機とは違って、取説を読みつつ適当に操作しているうちに慣れるということはなくて、設定プログラム(CPS)で設定ファイル(コードプラグ)を編集して、これを本体に送って操作を確認することの繰り返しで、使いながら自分の好みの設定にしていくことが必要です。

国産機の場合は設定プログラムから本体にファイル送信するというプロセスを経ずに、取説を読みながらメニューに入って設定を動かして済ませますが、これが一段階加わっているので面倒といえば面倒です。 


ファームウェアのおはなし

設定ファイル(コードプラグ)を作ったその後の試行錯誤の一つが、ファームウェアの更新でした。購入時点で入っていたファームウェアはV1.05だと思います(後述)。AnyToneのダウンロードページには6月に更新されたV1.07に関係するファイル群があります。

画像は圧縮されたファイルに含まれるフォルダなどのファイル類です。ファームウェアを始め、設定プログラム(CPS)のV1.07のものなどが含まれています。これを使って設定を始めたわけです。ある程度設定が詰まってきたところで、おや、V1.07のファームウェアがあるじゃないですか、と気づいてしまいました。気づいたらやってしまうわけです。

更新後、新しくなってうれしいと思っていたら、どうもスピーカーマイクから出てくる音が小さくなったような気がしてなりません。ボリュームを最大にした際には、音が割れるくらいの大音量になったはずなんですが、デジピータによってアナウンスの音がまちまちなので、大きくしたいときにならなくなっちゃったということで、AnyTone公式のダウンロードページにあるV1.05のファームウェアに再更新しました。なので、元々ファームウェアのどの版が入っていたのかわからないまま、V1.07に更新し、V1.05に戻したというのが私の個体の状況です。無事、音が再び大きくなりました。

※音の大小の件、後日の検証では1.07でもそんなに小さくは感じなかったです。でも、最初の経験を信じて1.05で使い続けています。 その後1.07に更新しました。設定プログラム(CPS)1.07で新規にファイルを作成すると、音量のパラメータが小さく出るようになっていて、ここをいじらずに本体に転送して戸惑ったというのが真相でした。

元々のファームウェアのときも、V1.07にしたときも、V1.05に戻した後も、設定プログラム(CPS)の版は最初にダウンロードしたV1.07で設定して、無線機に転送した設定ファイル(コードプラグ)もV1.07のものです。設定プログラムV1.07で設定した設定ファイルは、古い版のファームウェアの無線機本体から設定ファイルを設定プログラムに引っ張ったり戻したりとやっていますが、今のところは不具合は無さそうです。

もう一つ、PFキーの割り当ては、

〇PF1を短く押すと、VFOモードとZone(取説ではVFOとメモリと表記してますが、メモリ群としてのZoneを指すのが正しいです)の切り替え
〇PF1を2秒長押しでAバンドとBバンドの切り替え
〇PF2を長押し(実はほんとは短く押す設定で、長押しを未設定にしている。こうすることにより、PF2キーをとりあえず押し続けるとスケルチが開くということに)するとスケルチが開く 

設定にしています。

上の画像ではPF2の長押し設定が1も2もグレイアウトしていて、無線機のファームウェアがV1.05(かも)だからできないのかと思っていたんですね、ところが、V1.07にしても変わらないので、音量問題もあって1.05に戻したんですが、これは、ファームウェアは関係なく、PFキーの短押しに「Monitor」、スケルチオープンを選ぶと長押し設定部分がグレイアウトするのが仕様のようです。確かに、スケルチを開けるために押すキーですから、黙ってても長押しになるし、短く押したときの挙動と長く押したときの挙動が変わるのは変ですよね。なので、 スケルチオープンを割り当てる場合に限って、長押しを設定できなくしちゃった、というところなんだと思います。

 

デジタルコンタクトリストのおはなし 

Digital Contact Listって無線機にインストールする必要があるのかしら。これって、RadioIDに登録したユーザのデータで、IDとコールサインと氏名と大雑把なQTHが入っていて、27万件もレコードがあるんですけど、無線機から送信時にRadioIDとコールサインを混ぜて送信するんだから、それだけでよいのではないかと思います。一度やったみたんですが、PCで設定ファイル(コードプラグ)に27万件ものデータを流し込むとデータ量が増えて、PCと無線機との通信が長くなるんですよ。

無線機の中で表示中の相手のRadioIDと無線機に入れたリストと、リアルに照合していないんじゃないかと想像していました。どのみちIDの詐称はできちゃうし。とはいえ、無線機への転送時にリストを含めるか否かの選択があるから、「含めない」とチェックマークを外せば良いのか。

含めないと転送データはFDDに余裕で入るくらいの数百kBになります。27万件のIDデータを含めたら10MBにもなって、転送が終わるまで時間がかかるようになりました。なので一度だけやってやめちゃったんですけどね。一度転送したら無線機側の領域を10MB食ったままなんだろうから、これも消去してみました。

その方法は、設定ファイル(コードプラグ)を設定プログラム(CPS)で開いて、コンタクトリストをcsvで見出し行だけの0件で作ったのをImportして、これを「含めて」無線機に転送すれば消せるかな?と思ってやってみました。これだと転送時間は「含めない」並みに終わりました。

無線機から設定ファイルを設定プログラムに取り込むと、無線機の設定状態が27万件の有無を含めて設定プログラムで表示される、と仮定すると、取り込んだ際に0件になっているので、消去されているものと考えて良いです。この方法で消えたことは検証できました。 

ちなみに、次項でダウンロードしてもらえるようにしている設定ファイル(コードプラグ)に含まれるデジタルコンタクトリストは0件です。「含める」にチェックマークを入れて転送しても、転送時間は短く済むはずです。

もう一度検証してみたところ、やはり上の方法で一度無線機に転送したデジタルコンタクトリストを消すことはできました。消した後に無線機をつけていたら、DMRの信号入感時にRadioIDの数字しか表示されず、コールサインと名前はありませんでした。無線機の中のデジタルコンタクトリストと照合してたんですね。

というわけで、やはりデジタルコンタクトリストは必要でした。ただし、無線機に設定ファイル(コードプラグ)を転送する際には、必要なとき以外はデジタルコンタクトリストを「含まない」で送信することにより、設定した内容だけを転送できるので転送の時間が短くて済みます。 

 

スタンバイPUのおはなし

DMRの自分の信号をモニタする手段がないので検証していないのですが、アナログF3Eモードのときには送信終了時に「プ」と音が出ます。スタンバイPUです。プの音は低めで悪くはないのですが、アナログで送信する際には必ずプと入るので、AT-D168UVユーザとバレます。いたずらしなければそんなことを気にする必要はないのですが、ちょっと送信してみたいときってあるじゃないですか、そんなとき必ず「プ」だとちょっと気になります。ファームウェアV1.05だからなのかなと1.07に更新して確かめてみたのですが、やはりプは出ます。なので、1.05に戻して気にしないことにしました。

 

続きます。 

2025年9月14日日曜日

AnyTone AT-D168UV(その2、無線機が手元に来ました。)

えらく理屈っぽいマクラでした。と、いうことが前提にあるとして、やっとトランシーバのおはなしです。

国内ベンダーでは諸々の配慮で、DMRのトランシーバは発売されていません。アイコムや、デジタルではD-Starに舵を切ったケンウッドからの発売はないでしょうし、C4FMの普及を狙う八重洲からも出ないでしょう。アルインコからは他社からのOEM供給で日本以外の市場ではアルインコブランドのDMRトランシーバが販売されていますが、日本国内では諸々の配慮なんでしょうか、未発売の状態です。 

webで先達諸氏がDMRの話を書かれています。海外の通販サイトでも安価なDMRトランシーバが販売されていて興味を誘います。eBayでも見かけるのですが、為替の関係でeBay経由の購入は今はあまり面白くないので、それ以外の販路で検討することになります。今回は近隣国の大手販売モールサイトから購入しました。住所氏名などは仕方ないですが、クレジットカード情報を販売サイトに登録するのは怖いので、私の場合はPayPalでの支払いを選択しています。初めてのモールなのでちゃんと届くのか心配でしたが、注文から5営業日で届きました。 

で、来たのはAnyTone AT-D168UVです。現在はJARDの保証リストに載っているので、保証を受けられるので選びました。手間は少ないに越したことないですし。

新たにわかった話なのですが、工事設計には

〇144MHz帯と430MHz帯それぞれ、

〇F2D(その他の周波数変調、リアクタンス変調)

〇F3E(その他の周波数変調、リアクタンス変調)

〇F7W(四値周波数偏移変調)の3モードを書いて、

〇終段は HTL7G06S011P×1、電圧7.2V、出力5W

と書いて 保証書が出ることがわかりました。この機種はJARD保証リストに載っているので系統図は不要ですが、送信周波数逸脱防止にかかる誓約書の提出は必要です。 

VFOモードでアナログFMの周波数を表示中
 
先達の諸氏が書かれているDMRに関する記事を読みつつも、DMRの通信方式の話とトランシーバの設定の話を切り分けて理解することができず、届く前も届いた後もモヤモヤしていたのですが、ようやく整理できつつある状況です。その内容を書いていきます。
DMRの無線機って、DMRとはという概念の理解と、無線機の使い方を理解するまでの敷居が少し高く、安いし楽しそうと無線機を手に入れて、そのあと無線機を前に腕組みして途方に暮れるというパターンがありそうです。

この無線機はメモリチャンネル(取説上ではチャンネルという表記です)が4000chあります。それとは別にVFOのモード、画面の上側がAバンド、画面の下側がBバンドという表記ですが、これをそれぞれ設定できます。
逆にいうと、国内ベンダーの無線機は、すでにお仕着せの設定が終わっているので操作が限定というか簡単になっていますが、そういうことはなく、仕様上の周波数帯めいっぱいの送受信が可能になっているのと、4000chのメモリチャンネルが空っぽになって準備されているだけで、PCにインストールした設定プログラム(この世界ではCPSと呼称しています)から設定ファイル(この世界ではコードプラグと呼称しています)を自分用にカスタマイズ編集して、それを無線機に送って反映させるという手順が必要になります。無線機本体だけでもある程度は設定できますが、PCから設定プログラムを使って編集した設定ファイルを無線機に転送する方法で行ったほうが楽です。 
今回購入のAT-D168UVは、144及び430MHz帯ともに送信範囲は日本のアマチュアバンド向けになっていました。最低限の設定だけであっても、周波数ステップを10kHz又は20kHzにしたり、占有周波数帯幅は仕様の中から12.5kHz幅を選ぶ必要はあります。
プログラムはAnyToneの公式からダウンロードできます。今は「D168UV V1.07 official release 250614」というのが最新のようです。

【プログラムのダウンロードからPCへのインストール、設定プログラムの起動や無線機との接続などは、本題ではないので省略します。】 
 
それとは別に、RadioIDの登録が必要です。これはDMRユーザのコールサインや氏名やQTHを登録しておくもので、送信時にはRadioIDを送出して、自分がだれかを表示する必要があります。事前に登録して、トランシーバ設定時に設定する必要があります。設定しなくても使えないことはないと思いますが、したほうが楽しそうです。 
 
無線機に戻ります。まずはアナログVFOの設定をしなくちゃということで、
〇Aバンド、430MHzはアナログFMで10kHzステップで設定、初期は433.00で起動すること
〇Bバンド、144MHzもアナログFMで10kHzステップで設定、初期は145.00で起動すること
で設定しています。 
次にアナログレピータを使いたいなということで、アナログレピータの周波数を全部メモリに入れました。こんな感じで一件一件入れています。手間ですね。慣れたらcsvファイルで取り込めるので、そっちのほうが楽です。各レコード(各メモリチャンネル)のパラメータは同じところも多いので、設定プログラムをがんばって操作するよりも、csvの行のコピーのほうが効率的です。
 
 
439.98の88.5Hzと77Hzの情報を入れたところで、アナログレピータのメモリチャンネル数は57(うろ覚え)になりました。で、この57チャンネルをひとまとめにして、一つのZoneにします。個別のメモリレコードよりも一階層上の概念にゾーンというものがあると理解してください。Zoneには名前を付けられます。私は「Repeaters」と名前を付けました。
 
ちなみに、メモリチャンネル一つずつに、送受信周波数や出力などの情報を入力します。周波数だけのテーブルがあって、細かい設定は無線機側でやるのではないところが慣れないポイントですね。無線機側だけの操作でできなくはないですが、そのためのスイッチが露出していないのでメニューの階層深いところでの操作になります。
 
同じように、DMRで使われていそうな周波数、デジピータで使われている周波数(DMRデジピーターリスト)もメモリして、それらを「144DMRs」、「430DMRs」(その後144と430をまとめて1つの「DMR CHs」という名前のZoneにまとめました)という名前のZoneにまとめています。下の画像は、設定プログラムで無線機にデータを転送した後で、作った3つのZoneを表示させている例です。

それ以外に、この無線機にはFM放送を受信する機能があります。設定プログラムから、近隣の局の周波数を入れておけば、無線機側にデータを転送した後に聴くことができます。でも、FM放送の受信機能の起動はメニューの階層深いところにあるので、面倒で使わないというのが実際のところです。

いじり始めると、機能的にこうなっていると良いなというポイントがあります。無線機本体の左側、PTTボタンの下に2つPFキーがあるのですが、この2つに機能を割り当てられるようになっています。私の場合は設定プログラムで以下のように設定しています。
 
〇PF1を短く押すと、VFOモードとZone(取説ではVFOとメモリと表記してますが、メモリ群としてのZoneを指すのが正しいです)の切り替え
〇PF1を2秒長押しでAバンドとBバンドの切り替え
〇PF2を長押しするとスケルチが開く

このほか、本日までに考え付いたことを書いてみますと、
今、VFOモードは430と144のアナログFMに設定しています。例えば、DMRで433.30でCQを出して、適当に近くの周波数に移るというシチュエーションを考えてみると、DMRで出ても良い周波数をバンドプラン分めいっぱい延々メモリして、それをZoneにまとめて、Zoneを切り替えて使うという方法が思いつきます。でも、一件一件メモリ登録という作業があるので面倒だなと思って躊躇していました。
が、その後、がんばりました。DMRで433MHz台などでQSOする際に楽なようにZoneを作りました。
作ったのは、144MHz用、431-3MHz用、438MHz用です。それぞれ出てよい場所を10kHzセパレーションにしています。行数(結果としてメモリチャンネル数になります)が多いので、さすがにcsvファイルで編集しています。
431-3MHz台と8MHz台の二つに分かれた理由は、Zoneとしてまとめられるメモリチャンネルの数が250chまでと制限があるので、仕方なくです。
この時点で作ったZoneは6つ(その後5つにまとめてます)なりました。
※このあたりは本項を書いたころの古い内容になります。 
 
 
上に書いたように、うちの個体はPF1キー短押しでVFOモードとZone(取説や設定上はVFOとメモリの切り替えとあります。でも、メモリとはZoneを指します。)の切り替えができるように設定しています。で、Zoneを表示させているときは↑↓キーで6つ(なので5つ)のZoneを順次切り替えられるのがわかりました。これ、意外と便利です。メニューから潜ってわざわざZoneの切り替えをするのではなく、見えるボタンを上下すれば切り替えられます。
 
まずは無線機を購入して、スイッチを入れてみて、とりあえずはアナログFMの運用はできるようにしたいということで、VFOモードを144と430それぞれ10kHzステップで出られるよういして、レピータの周波数を入れて、その次にDMRで使われている周波数を入れて、という手順ですこしずつ覚えていく過程を書きました。この内容は今の設定ファイルの中身に比べると少し古いのですが、そうやって理解したんだなと軽く読んでいただければと思います。
参考にしていただくためにダウンロードできるようにしている設定ファイル(コードプラグ)の最新の内容は後のページに書いています。 

続きます。

AnyTone AT-D168UV(その1、DMRのさわり)

AnyTone AT-D168UVはDMRトランシーバです。 にゃん氏がポチったのを知り、面白そうだと追いかけてみました。

 

【ここから本項はDMRとはというおはなしになります。無線機をいじりはじめて理解した内容を書いてみました。】

導入経緯がよくわからなくJARLのデジタルレピータを独占しているD-Starや、それに対抗しつつも不遇の八重洲のC4FMとも違う、業務機用途から普及してきたデジタル通信の方式です。DMRの電波形式はF7Wで、他のデジタルの電話と同じです。広帯域の電話と全電波形式のところに出られます。国内のデジタルのレピータは特定の方式しかないので、DMRのレピータはありません。シンプレックスでやりとりするか、デジピータがVoIPの周波数帯に開設されているので、それを利用するということになります。

DMRというデジタルの通信方式とは、というところは

アマチュア無線のデジタル化 第2回 デジタルの通信方式FDMAとTDMAについて

あたりを読んだほうがわかりやすいと思います。でも、この記事はFDMA、D-Starが優位であるように書いてありますね。D-StarはIC-9700に実装されてますけど、信号が強くても音質がイマイチなので、私はあまり好きではありません。

上のリンクよりも、後で見つけたこっちのほうが中立的な書かれ方をしてます。ついでにCDMAとの比較もあります。こちらのほうが参考になると思います。

多元接続FDMA/TDMA/CDMA―無線通信における周波数帯域幅の有効利用(1) 

で、DMRと呼ばれているのは、TDMA方式であること、送信するとほぼ同時にタイムシェア(以下ではタイムスロットという表現をします)で受信もできるので、 一つの周波数でレピータのような機能が実現することを理解できれば良いと思います。また、DMRの音質は「デジタルにしては」悪くないと思います。

そもそもDMRって何の略なんでしょう、昨夜初めて知りました。
Digital Mobile Radioだそうな。ずいぶん一般的な名前だから、TDMAのこの方式を進める機関?団体?が早い者勝ち的に先に使った名前なんでしょうね。FDMAだって、CDMAだってデジタルだし、移動して通信できるもんね。
 

 

このTDMAのタイムスロットの機能を使ったのがDMRのデジピータです。29MHzFMのアナログのデジピータは、自分がしゃべったのをデジピータが録音、それをデジピータが再生して送信、交信相手がそれを聴くという手順です。次に他局がしゃべったのをデジピータが録音、それをデジピータが再生・送信したのを自分が聴いてという繰り返しです。DMRのデジピータは、このようにオウム返しではなく、レピータのようにほぼリアルタイムで自分の信号が第三者に中継されます。「ほぼ」としたのはデジタルのエンコードとデコードの分だと思うのですが、その分は遅く感じます。

その上で、DMRで通信する際の必要な要素が3つあること、その3つはデジタルの復号キーで、「トークグループ」「タイムスロット」「カラーコード」というものがあって、これの送信側と受信側の設定が一致しないと復号できないので通話にならないことになります。少し乱暴な解説になりますが、おおむねこんな感じで理解しておけばよいと思います。私自身もそうですし。

その3つの復号キーですが、こんな感じです。

トークグループはキーの桁数は多く取れます。簡単に誰でもわかりやすくするために数字1桁で使う例があります。というか、国内でそのへんの人とQSOをするなら「1」で良いです。

タイムスロットは通常数字一桁で1か2を使います。TDMAの時間の2分割を指しているんだと思います。これも通常1を使います。シンプレックスのとき、同じ周波数で3つの復号キーが一致している2つのグループがあるとします。そのままだと混信するわけですが、一方のグループがタイムスロットを2にすれば、TDMAの時分割の機能で同一周波数に2つのグループが共存できます。他方のグループはQSOは聴こえない(確かめてませんが)んでしょうね。おおむね「1」で良いと思います。

カラーコードも数字一桁です。1か2でしょうか、国内デジピータで3を使っている例がありますが、レアです。 これも1を使うのが無難でしょう。想像ですが、「トークグループ」「タイムスロット」が主要な復号キーで、それに加えて予備的に「カラーコード」というパラメータを加えたのかなと思っています。カラーコードといっても色を指定するわけではないのはちょっと残念です。 これもおおむね「1」で良いと思います。

この部分、めんどくさいですけど、もうちょっと続けます。

「トークグループ」と「カラーコード」は復号キーで、この二つが送信側と受信側が一致しないと復号できません。「タイムスロット」も復号キーの一つと考えられますが、これの目的はTDMAの時分割機能を使うためのパラメータで、同一周波数で共存させるためのもの、ということだと思います。

例を挙げると、同じ周波数に都内と神奈川でそれぞれQSOしている集団がいるとします。双方タイムスロットが同じ1だとして、トークグループとカラーコードがそれぞれ別だとすると、お互いに復号(復調と同じだと思ってよいでしょう)はできないですが、一方が他方の信号がある?と感じはする、他方の信号が原因で自分の仲間の誰かの信号が受信しずらい・できないという状況にあるとします。そのときに、都内の集団が「混信があるっぽいからタイムスロットを2に変更しようよ」と仲間に呼びかけ、都内の局だけはタイムスロット2に変更すると、そのあとはTDMAの機能で、タイムスロット1の時間帯は神奈川の局が、タイムスロット2の時間帯は都内の局が使うことにより、同一周波数で共存できる、というものだと想像しています。

タイムスロット1とタイムスロット2の切り替えの時間はごく短時間で、自分や仲間の信号がタイムシェアリングしているとは意識しなくて済むくらいのものなのでしょう。実際にDMRの信号をFMで聴いてみると「バババババババ」と間欠的な音に聞こえます。他のデジタル方式みたいに「バーーーーーーーー」と連続した音ではありません。このあたりが時分割、TDMAということなのでしょう。全部想像ですが。 (関西弁で「知らんけど」と同じ締めです。)

 

余談も余談なのですが、

TDMAの時分割の話で、タイムスロットを使い分けて同一周波数で複数のQSO集団が共存できるというのは理屈としてわかるんですけど、
送信と受信を同じ周波数でやっているデジピータってどうやってるんでしょうね。デジピータ側は全二重通信でタイムスロット1とタイムスロット2を同時使用しているんだろうな。でも、そうするとハンディ側はタイムスロット1で聴いているからタイムスロット2の部分は聴こえないはず…

という疑問をもっていたんですが、AT-D168UVのメニューを触っていたら、チャンネル設定の中にDMRモード設定というのがあって、「Repeater」が選ばれています。DMR時はシンプレックスでしか使っていないのに、これで良いの?と取説を見てみると、「Repeater」選択時にはレピータやホットスポット(デジピータも含まれますね)で同じスロットで送信と受信をするのを許すと書いてあります。

 
ということは、同じタイムスロットで、時分割を使って送信と受信をやるのか。
デジピータのときは、タイムスロット1と2を使って送信と受信を分けると思ってました。でも、自分の無線機はタイムスロット1で送信してるから、デジピータ側がタイムスロット2で返しても、ダウン側のタイムスロット2は自分の無線機では聴こえないはずで、何やら難しい仕組みがあるのかと思ってました。
そうじゃなくて、デジピータは、同じスロットで送信パケットと受信パケットを交互に送信と受信をしていたんですね。

整理すると、デジピータ経由でQSOするというのは、

(1)タイムスロット1で自分からデジピータにアップリンクの送信

(2)タイムスロット2は誰か(自分やデジピータやQSO相手以外)の時間

(3)タイムスロット1でデジピータからのダウンリンクで自分の中継音声をQSO相手に聴かせる

(4)タイムスロット2で誰かの時間

(5)再びタイムスロット1で自分のアップリンクの送信

ということの繰り返しなんですね。目から鱗です。TDMAえらいな。

シンプレックスのときは、タイムスロット1だけを使って、QSOする同士が、一方がデータを投げ、他方がそれを受け、他方が投げ、また一方が受けというやりとりだけで、デジピータやレピータが間に入りません。なので、相対的に考えると、シンプレックスはデジピータ経由の倍の速度でデータの送受信(というかQSOですね)が行われ、デジピータ経由のときは、間にデジピータの送受信が入るのでその半分の速度で自分とQSO相手の間のデータの送受信(というかQSO)が行われるということが考えられます。

 

続きます。