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2026年10月23日金曜日

スタンドマイク3機種(AST-878DM / IC-SM2 / M-100)を聴き比べてみた。

50MHzAMでの運用にあたり、手元にある3機種のスタンドマイク(アスタティック AST-878DM、アイコム IC-SM2、八重洲 M-100)の音質・変調の違いをテストしました。

送信機に FTDX10M のAMモードを使用し、隣に置いた(ほんとは下に重ねているんですが) TS-590S で自局の送信音を録音したりヘッドフォンでモニタしました。高めの声質での「サ行(さしすせそ)の抜け」や、受信音の明瞭度に焦点を当てて比較しました。

前提として、私の声質は男としては高いほうで、低音の魅力は全くありません。なので、過去無線機の送信イコライジングでも、高い音域を立ち上げたほうが相手からの了解度のレポートが良かった傾向があります。

 


1. 比較一覧表

項目 ASTATIC
AST-878DM
ICOM
IC-SM2
YAESU
M-100
エレメント セラミック エレクトレットコンデンサ ダイナミック + エレクトレットコンデンサ
内蔵アンプ

あり (トランジスタアンプ内蔵)

あり(トランジスタアンプ内蔵) なし(パッシブ型)
方式/特徴

米国製アンプ内蔵セラミック

プラスチッキーな外観

1970年代のIC-502シリーズなどのスタンドマイク

小さくて、狭い机の上に置くには最適

現代のハイエンド・デュアル構成

高級品に類するので、スイッチの押下感覚などは高級感がある

カタログ周波数特性 20Hz ~ 10,000Hz以上 150Hz ~ 8,000Hz 30Hz ~ 17,000Hz
サ行の抜け・明瞭度 【最強】 さしすせそがバシッと立つ 【良好】 AST878DMほどではないが、サ行はクリアに通る 【マイルド】 低域が豊かで少し籠もる
歪み・レベル管理 内蔵アンプで無線機に出力するレベル調整をするので、大きな入力を与えても、歪は出るものの、破綻しない AST878DMと同じくレベル管理がしやすい

調子に乗って大声でマイクの近くで喋ると盛大に歪む

FTDX10でのAM時のイコライジング設定

低音:強調

中音:フラット~少し強調

高音: 少し強調

低音:強調

中音:フラット~少し強調

高音:少し強調 

低音:フラットから抑え目

中音:少し強調

高音:強調 

私にとってのベストな用途

DX・コンテスト・飛び重視

AMやSSBの実用にも使いたい

常用メイン ローカルとのSSBラグチュー

2. 各マイクの実際の聴感インプレッション

① ASTATIC AST878DM(アンプ内蔵セラミック)

  • 【実測の印象】 セラミックエレメント特有の応答速度(アタック感)の速さと、内蔵プリアンプのパワーが光るアメリカンサウンド。ただし見てくれは安物。
  • 【サ行の立ち上がり】 「さ・し・す・せ・そ」が最もはっきり聞こえます。 高音域の引っかかりが鋭く、コンディションが悪い状況やパイルアップでも一発でコールサインが通りそうな飛びの良さです。反面、至近距離の強電界で聴くと、高音が耳に刺さって聴きづらいかもしれません。
  • 【メリット】 マイク側のアンプで十分な出力レベルを作れるため、マイクに大入力を与えても無線機側にはそれ以上の出力が行かないため、前段ノイズや送信時の不要な歪みを抑えられます。(※PTTスイッチのノイズの対策さえできれば新品で入手できる最善の1本かも)

② ICOM IC-SM2(アンプ内蔵エレクトレットコンデンサ)

  • 【実測の印象】 カタログ上は150Hz〜8kHzとナローですが、余計な低域(ボボ音)を拾わず、通信機として最もバランスが良い音です。ここまでの耳による検証では、低域イコライジングを強調していることから、878に比べて音域が狭く感じることは(それほど)ないです。
  • 【サ行の立ち上がり】 878DMほどの強烈なアタック感はないものの、「さしすせそ」の摩擦音が変調にしっかり乗り、非常に聴きやすいクリアな音になります。
  • 【メリット】 マイク側のアンプで十分な出力レベルを作れるため、マイクに大入力を与えても無線機側にはそれ以上の出力が行かないです。 
  • 【おすすめセッティング】 SSBの場合、FTDX10の送信イコライザをフラットにして、スピーチプロセッサを「10%程度」効かせるだけで「これでいいじゃん?」という音になりました。このへんは今後詰めると見解が変わるんでしょうね。弱電界で聴いてもらう場合は、リニアを入れるか、もっとプロセッサを効かせてくれってことになると思いますけど。
  •  昔、IC-502で使ったときはイマイチと思ってたけど、音が狭いのは502のマイクアンプ段のせいなのかも。また、その音を聴いていたのも502だったので。

③ YAESU M-100(ダイナミック・エレクトレットコンデンサのデュアルエレメント)

  • 【実測の印象】 30Hz〜17kHzという超広帯域設計。ダイナミックとコンデンサの両方をONにすると、音域の広がりは感じます。
  • 【サ行の立ち上がり】 高めの声質で喋ると、中低域の厚みを拾ってしまい、やや声がもごついた(籠もった)印象になります。FTDX10側のローカットやハイブーストを行っても、878やSM2のような「さしすせその摩擦音のアタック感」までは出てきません。
  • 【気を使う運用】 マイクからの出力は制限されていないので、興奮して大きな声を出したり、マイクにかぶりついて喋ると、無線機のALCやコンプレッション制御が効かなくなり、音が破綻します。マイクからの距離を決めて落ち着いて喋りましょう。 
  • 【使いどころ】 声が太く低い人がSSBでローカル局とゆっくり高音質ラグチューを楽しむような「リッチな音作り」に最適です。

3. まとめ:声質もあるでしょうけれど、スペック数値と実際の音は違いますね。

カタログの周波数特性だけを見ると「M-100が最も広帯域で高音質」に見えますが、高めの声質で明瞭度(サ行の通りの良さ)を求める場合、セラミックやコンデンサマイクの硬い立ち上がり(物理的な特性)が圧倒的に有利になるという面白い結果になりました。

昨今オーディオで謳われているハイレゾ領域は、無線機のAMやSSB、FMでも、その帯域いっぱいに音声成分が使われていて、かつ送信側や受信側のフィルタの甘さによる広がり部分を含めても聞こえません。FTDX10で受信しているIFレベルの周波数の帯域やAFから出ている周波数帯域をグラフで見ても、下はともかく、上は4000Hzまで行ったら(加齢もあるでしょうけれども)耳には聞こえてきません。

なので、マイクのスペック上の周波数帯域がいくら広くても、無線機を通じて耳に入る範囲はたいしたことのない範囲でしょう。隠された倍音が効く?んー、どうなんでしょうね。アナログオーディオの世界ならわかるような気がしますが、無線電話のレベルでは無いでしょうね。

個人的にはソニーのヘッドフォンMDR-900STで聴くような、解像度の高い音が好きです。無線機を通して聴く音はオーディオとは違ってそこまでのレベルには到達し得ないですが、もごついた音よりも声の輪郭がはっきりしているほうが好きです。なので、「さしすせそ」の聴こえ方重視になるんでしょうね。

M-100の中波放送のアナウンスのような音も悪くはないんですけどね。声が低い人からはM-100でバリトンを聴かせてもらえるでしょう。八重洲はこれを狙ったんだろうな。

これまでは、ケンウッドの無線機でSSBを中心に出ていたことから、MC-90至高主義、ダイナミックマイク最高みたいな観念で来ていましたけど、ここにきてIC-SM2の健闘にびっくりでした。

そういえば、以前TS-950SDXで28MHzのAMにちょっと出たときに、手元にあったIC-SM2を繋いだら、まともな音が出ていると評価がありました。別の無線機(忘れた)でSSBだかAMを使おうとしたら回り込んでしまったので、それさえなければと当時思ったんでした。

当面は、扱いやすい IC-SM2で50MHzのAMに出ようと思います。明日はまた違ったことを言っているかもしれませんがw

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