690mk2は純正リニアをつけて、9300はそのまま車に乗せてオンエア可能ということで、両機を比較したことがある方はいらっしゃると思います。 そんなライバルの両機なのですが、
FT-690mk2の項で触れるのを忘れて時間が経ってしまった内容で、
FT-690mk2は、モードボタンでUSB→LSB→CW→FM(変更は一方向)にした後、再びUSBにすると、モードが変わるごとにモード毎のステップの切りの良い00.0kHzに桁合わせが行われるので、SSBのQSO中に誤ってモード変更をするとゼロインしていた元の周波数に戻れません。
例えば50.215.5USBでQSOしている最中にモードボタンを押すと、LSB、CWの順にモードが変わります。モードが変わることについては、遡ることはできません。Fボタンと同時押しで戻れるなんてことができれば良いのですが、Fボタン+モードではNBのオンオフの切り替えになります。問題はFMモードを通過すると、FMモードの最小可変周波数は2.5kHzなので、その単位で桁合わせされてしまいます。50.215.0になるのか、50.217.5になるのかは覚えていないのですが、どちらかに寄せられてしまい、再びUSBに戻っても周波数はそのままで元の周波数ではないため、相手が行方不明(これ、相手から見て、私のほうが勝手に行方不明になっているだけですね)になります。FT-690mk2取扱説明書にはこの挙動のことまでは書いてありません。
この挙動、初めてQSO中にモードボタンを押して(押すなよw)初めて経験したことで、びっくりしたものでした。
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TR-9300は、モード毎に周波数をモード毎の最小端数を覚えているので、ロータリースイッチでパチンとUSBからFMに行ってまたUSBに戻っても、元の周波数に戻れます。
USB/CWだと50.215.5のとき、AMにすると50.215(.0)、FMにすると50.21(0.0)になります。そのままメインダイヤルを触らずに再びUSBにすると50.215.5に戻れます。 AMにしたときに50.216にすると、USBに戻ったときは50.216.5になります。FMのときに50.22にすると、USBには50.220.5で戻ります。 モード毎の最小端数を覚えている仕様です。
その程度の「覚えている」内容ですが、モードを切り替えて戻ってきたとき(イレギュラーな操作ですけど)に行方不明にならないように、そのモードの最小値を覚えているようです。
USBで受信中に他のモードに切り替えて戻すなんて変なことを、どれだけの人かやるかわかりませんが、私はやる方の人でw、そんなイレギュラーな操作のプールプルーフを念頭に置いたロジックを考えた設計者はすごいと思います。これもTR-9300取扱説明書には書かれてはいません。
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このあたりの細かい話ですが、21世紀に入ってから中古を安価で入手して弄りまくって理解した操作ですけど、発売当時の新製品のときに、雑誌記事にそのあたりまでしっかり書いてあって、それを読む機会があれば良いんですけどね。あとは販売店や人柱のローカルから弄らせてもらって気付くしかないんだよなあ。私はこういうのは調べずに買う口だったりするので、望まない挙動に直面して真っ青という可能性は高かったと思います。
いや、不必要なボタンはQSO中に押すもんじゃないというのはごもっともですね。
※例示の周波数を修正しました。